害のあるイーストフードを使い大量生産されるパンは農薬を大量に使った野菜のようなものです。
近所に天然酵母でパンを焼いているお店があります。
そこの方と話していたら、ここ数年「お宅のパンはイーストを使っているの?」と聞かれることが多くなったと言います。
イーストとイーストフードは全く別物!イーストとイーストフードの使い方とは?
CMで見かける大手パンメーカーも最近は『イーストフード・乳化剤不使用』のようなアピールをしています。
これは消費者が原材料に興味を持ち、企業や店舗に問い合わせたり、使用原料によっては“買わない”ことが増えてきたからだと思います。
ところが、そのパン屋さんの話だと「イーストとイーストフードを混同している人が多く、説明しても分かってもらえなかったことがある」とやや困惑気味に言います。
イースト
“アルコール発酵する酵母の総称”
ワイン酵母、ビール酵母、味噌酵母、醤油酵母などなど
すべてワインイースト、ビールイーストとも言えるわけです。
日本では“イースト”というとパン用酵母というイメージが強いですが、
基本的に『酵母=イースト』です。
健康食品の“大麦酵母”やパンに“ぶどう酵母”や“りんご酵母”を使用するように、酵母は穀物や野菜・果物に存在します。
昔のパン職人はそれらの酵母を、時には数種類組み合わせて発酵種を作り、パンを焼いてきました。
酵母の組み合わせは、使用する水や小麦によっても変わり、発酵時間や味にも違いが出てくるので、そこが腕の見せ所です。
どんな酵母にも言えることですが、空気中に常在する菌の影響によって味や香りに変化が出てくることがあります。
最悪の場合、”発酵”ではなく”腐敗”してしまうこともあり、本来は扱いが非常に難しいのです。
時は産業革命の真っ最中の頃に遡ります。
労働力の向上に、十分な栄養=食糧の確保は大きな問題でした。
そこで工業技術の発展は、欧米の主食であったパンにも取り入れられました。
数ある酵母から
1.短時間で一気に発酵が進む
2.環境による影響を受けにくい
3.仕上がりが均一
このような特徴を持った”大量生産用パン酵母”を選択培養したわけです。
これによって長時間かつ重労働だったパン屋さんの労働環境は、格段に改善されました。
また職人の高い技術を必要としていたパン作りの現場に、経験の浅い人材を採用することが出来、生産拡大につながりました。
するとさらに効率良く、大量に生産するために“イーストフード”が登場します。
イーストフード
”発酵を爆発的に進めるために与える肥料のようなもの”
「上手いネーミングを考えたなあ」と感心している場合ではありませんが、冒頭のパン屋さん曰く『食用イースト』と受け止めている方もいたそうです。直訳すれば『イーストの食べ物』ですが、成分的には『イーストの肥料』と表現する方が近いと思います。
現在日本国内で、『イーストフード』と一括表記できるものは16種類指定されています。
このうち1つだけを使用しても、数種類使用しても『イーストフード』とだけ表記すれば良いことになっていますが、平均3~5種類くらいを組み合わせています。
16種類のうち焼成カルシウムだけは天然由来の原料ですが、あとは塩化アンモニウムやグルコン酸カリウム等、工業的に精製されたものです。
化学肥料の三大成分『リン・カリウム・窒素』を農作物に与えるのと同じ発想でパン生地に加えます。
近年、安全性が議論されているのは、このイーストフードの方です。
机上計算では、イーストが食べきるし、そのあと高温で焼くから安全ということになっています。
もう一つの嘆きは切実!「天然酵母で発酵できるまともな小麦粉を入手するのが難しい」
『店内で焼いているから』『〇〇不使用だから』でも安心できない理由
小麦粉市場は、イーストフードを使う前提で製粉されたものや「クレームが起こりづらい」というのがウリの漂白小麦粉が主流になっています。
また同時に機械でこねたり、冷凍しても劣化しづらくなる『小麦改良材』が混ぜてあります。
改良剤も色々種類があり、
○さくっとした食感になるもの
○ふんわりした食感が維持できるが、輸送・陳列で崩れにくくなるもの
○乳化剤の代わりになるもの
などかなり増えました。
そして共通しているのは、どれも『加熱すれば原材料表記しなくて良い』ことです。
このような小麦を使えば、後から乳化剤を加える必要はありませんから『乳化剤不使用』と書けます。
また「店内で焼いている」という場合も、パッケージ販売しない限り原材料表記義務が不要になる上、
セントラルキッチンから配送された冷凍生地を焼いているだけなので、かえって不安材料が増えます。
しかし”色々手が加えられた小麦粉”は、天然酵母で上手く発酵できないと言います。
まるで農薬まみれの野菜のようです。
小麦粉は、植物の中でも最も強いパワーを秘めた種子部分を製粉したものです。それなのに本来の力を失い、天然の酵母類には反応できなくなっている事実は見逃せません。
”化学肥料”を食べたイーストの健康状態は?
イーストは生き物ですから、私たちと同じように食べ物(活動エネルギー源)の質が活動に影響します。
だから天然酵母を起こす時も、気温や湿度、常在菌とのバランス等、細心の注意が必要なわけです。
しかし自然な酵母で発酵できなくなっている”不自然な小麦粉”には、イーストフード(肥料)が必要不可欠です。
その結果は?
私たちも酸化した油や添加物いっぱいの加工食品を食べた後、胸焼けを起こしたりお腹の調子が悪くなりますよね。それと同じように、本来のエネルギー源ではないイーストフードを代謝した後、イーストに起こり得ることはある程度想像できます。
そして想定していない物質が生成されることも考えられます。
しかし残念ながら、急性症状が問題にならない限り、関連性を検証されることはないでしょう。
極めて短期間で肥育・出荷される家畜の健康状態を検証することがないのと同じです。
パンと牛乳で、鼻につく薬品臭と吐き気を感じた恐ろしい経験
何年も前になりますが、入院・手術を経て暫く自宅療養していたことがあります。
まだ買い物に出歩くのも無理だったので、友人に頼んで牛乳やパン等を近くのスーパーで買ってきてもらいました。
久しぶりのパン食に、喜んで袋を開けましたが、いきなり薬品臭が鼻を突きました。
それまで特売の時は喜んで買っていた商品です。
気のせいかと思い、気にせず口に入れたら、舌に乗せた瞬間吐き気を催したのです。
一緒に食べていた知人は、何もなかったように食べています。
「なんか変な匂いしない?」と聞いても「別に・・・」
続いて牛乳を一口含むと、口いっぱいに生臭さが広がり、焦げ臭い後味も残ります。
「この牛乳、生臭くない?」
「全然!さっき買ってきたばかりじゃない」
この数日後、歯の詰め物が取れて歯医者さんへ行った時、牛乳を飲んだ時に感じた生臭さとそっくりな匂いを経験します。
それは治療中、歯肉から血が出た時です。
牛乳が母牛の“血“から作られるものであることを、思い出した瞬間です。
同時にパンから感じた吐き気を催す物質の正体は、イーストの異常ではないかと考えました。
これ以降、手軽に買えるパンや牛乳は体が受け付けなくなりました。
元気な時には気にならなかった身体の異常に気がついた瞬間でした。
病気と闘う時、全身の細胞の危機管理能力が高まることを実感したのでした。
普段は気がつかない「違和感」に気がつくことができる病気に罹るのも、悪いことばかりではありません。
まとめ:私たちの新たな課題
大量生産されるパンはイーストフードの他にも、問題の多い原材料がいくつもあります。
○防カビ剤・漂白剤使用及び改良剤入り小麦粉
○マーガリン・ファットスプレット・ショートニング等の硬化油
○ソルビン酸カリウム・リン酸塩などの保存料
○香料
○カラメル色素
どれもIN YOU読者の皆さんにはお馴染みの成分でしょう。
しかし今後は、表記に出ない成分にも注意です。
情報を得ることも大切です。
でもそれ以上に、私たちが自然に、感じ取る力。
そして、不自然な食品を感じる味覚や体の違和感を養うことも忘れてはなりません。
オススメの無農薬グルテンフリー・パンを食べてみよう。
小麦粉でも米粉でもない、たんぱく質や食物繊維を豊富に含んだ高栄養価の農薬不使用の「そば粉」を使ったパン今すぐここをクリック!東京から長野に引越した西村さんが作る長野県産のそば粉で作るパン。
試行錯誤の結果できた「そば粉のパン」。ヘルスコンシャスな方が多いINYOUの読者の方も、「そば粉のパン」を食べたことがある方は少ないのでは?
実は西村さん自身も長野に引っ越して初めてそば粉のパンと出会ったそう。
最初にそば粉で作るパンを習ってから、どう組み合わせると美味しいパンになるか?と研究を重ねたのだとか。
米粉や小麦粉の配合はもちろん、そば粉に至っては20種類ものそば粉を試し、試行錯誤を繰り返したそうです。
そんな試作を繰り返した結果出来上がったのが、それぞれそば粉の種類も割合も違う3種類の食パン。
全てオーガニックの原料です。さらにそば粉、菜種油、蕎麦の実は長野産。
蕎麦の風味を強く感じることができ、飽きない美味しさのパンです。
食べるときにカットし、トースターで温めるのがオススメ。
サクッと焼くより、ほんわり温める程度にするのがベストです。
オススメの記事
25年間できるのが当たり前だと思っていた口内炎。原因は大好きなパンと麺でした。これならあなたもできる!グルテンフリーならぬ「ゆるテンフリー」生活の始め方。毎朝のパンをやめただけで寝ても治らない程の酷いむくみから解放された私。昔からある食品にもグルテンは入っていたのになぜ今グルテンフリーなのか。
昔の人にはおりものがなかった!?朝食をパン→和食に変えてすぐに起こった娘たちの驚くべき変化をご紹介します。「オリモノがでることが普通」だと思っている全ての方へ。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう