プロの薬膳料理人が教える!旬の柑橘を活用したフルーツ寒天の作り方。
プロの薬膳料理人が教える!旬の柑橘を「ポンカン」を活用したフルーツ寒天の作り方。
どうもこんにちは、薬膳料理人のzezeです。
暦で言うところの立春から雨水が過ぎ、少しずつ春らしくなってきていると感じます。
ところで皆さんは柑橘の旬はいつ頃のイメージをお持ちでしょうか。
IN YOU読者の皆さんはご存知かもしれませんが、実は冬から春先にかけてが旬のものがとても多いのです。
お店で使う果物はカボスやスダチこそ真夏が旬ですが、夏みかんでさえ4月から7月頃が本当の旬。
シークヮーサーは土地柄か真夏と冬ごろ両方が旬とされますが、日本で採れる柑橘の旬は11月からが本番。
11月のミカンからはじまり、12月からはレモンやポンカンがで出します。
1月はかわいらしい金柑、りっぱな伊予紺が旬を迎え、2月からはデコポンやハッサクが出だしポンカンは最盛期。
3月に甘夏が出れば、4月に夏みかんが出始める、とまあ盛りだくさんです。
ポンカンなどの柑橘は棄てるところがない!?陳皮の効能とは
東北で育った私は小さいころ、冬の縁側には箱一杯のミカンとリンゴが置いてありました。
小さな子供にはあの白い薄皮や筋が食べにくかったのですが、曾祖母は「からだにいいから全部たべれ」と言っていたのが思い出されます。
私も風邪でも引いていない限りは薄皮や筋ごと食べていましたし、信頼できるものが手に入ったとき、曾祖父などはなんと丸ごと食べていたと思います。
まだ存命の祖母も元気で、マーマレードを作っていましたし、ストーブで焼きミカンを作ったりもしていました。
とにかく今思えば、皮ごと使おうとしていたのが印象的で、昔からの知恵には大切なものがつまっていると実感します。
果実の方も果物らしくビタミンCをはじめとする栄養素がたっぷりです。
皮にも多く含まれるビタミンP(ルチン)は薄皮の白い筋にも多く含まれているので、取らずに食べたいです。
柑橘の皮は捨ててしまいがちですが、それは本当にもったいないです。
まずミカンや金柑なら、農薬の心配さえなければ、生でも皮ごと食べられます。
ミカンなどの皮を向いて手が黄色くなる原因の色素、βクリプトキサンチンは抗酸化作用をもち、骨を強くして骨粗鬆症を予防するともいう説も有ります。
ミカンやポンカンに近いオレンジ類の皮を干すと陳皮と言われる生薬になります。
陳皮の陳は古いという意味で、成熟した皮という意味です。
未熟な青い皮を使ったものは青皮と呼び名が変わります。
成分としては健康によいとされるヘスペリジンやルチンなどが含まれていて、血圧を下げます。
漢方で見ると咳止め、健胃などに使われ、一年以上たったものが生薬としてつかわれます。
熟成の短いものは薬味として使われ、七味唐辛子などにも使われていて、私たちにも身近なものです。
今回は、八朔を使いました。
今が最盛期の柑橘で、今回IN YOU Marketでもとてもよい無農薬八朔が、紹介されています。この皮を使いたいので、安全で安心なオーガニックなものは本当にありがたいです。
八朔の、上手な使い方とは
皮ごと使いたいのですが、やはり生の皮はたべにくいので限られてきます。
マーマレードやハチミツ漬け、あるいはスムージーなど、手間や時間がかかる割にはありきたりなものが多いです。
オススメのレシピ
昔ながらのミカンの食べ方で、簡単な割には美味しく皮を食べられる、焼くという方法があります。ただ、祖母の思い出の中でも書きましたが、ストーブにのせるという、シンプル過ぎる作り方なのでかえって難しいと思います。
また必ずしも火のつくストーブがあるとは限りませんし、ストーブに良くありません。
キッチンで簡単にやる方法を考えてみました。
まず、へたを外してアルミホイルに包みます。
フライパンかオーブンで、ホイル焼きの要領でじっくり焼きます。
フライパンなら10分もかからず、オーブンでも15分ほどでくつくつとやさしい音がしてきたらOK。
熱々で頂いても良いですし、冷めても甘味がたって美味しいです。
また、容器に移しかえあら熱をとり、冷蔵庫で冷しても美味しく頂けます。
皮ごと食べるので好き嫌いはあるかもしれませんが、私には懐かしい味です。
八朔の皮の使い方:皮はどう使うのか?
皮ごとが良い、とはいうものの、お子さんやパートナーのことを考えると、皮が余ることも多くあると思います。
そんなときは刻んでピールにしても良いですし、少し大きめにしてきんぴらなどの炒め物に混ぜてもよいです。
私の一番のお勧めは干して陳皮にしてしまうことです。
もちろん干しかごで干しても良いですし、ごみ取りネットを活用することもOK。
コツは重ならないように、風通しよくなるようにすること。
半月も干せば薬味や天然の入浴剤に使えるようになってきます。
半年から一年も干せばカラカラになって自家製の生薬としての陳皮が完成です。
最後に私の田舎の郷土料理をビーガン向けにアレンジしたものをひとつご紹介します。
八朔を使ったフルーツ寒天の作り方
材料
無農薬八朔 | 3個 |
---|---|
有機無塩クルミ | 15g(一袋程度) |
有機甘酒 | 100cc |
有機無調整豆乳 | 100cc |
粉寒天 | 水分200㏄で箱にある分量通り |
下準備
ポンカンは皮をむき房ごとカットしてください。※気になる方は房も一緒に外しても良いでしょう。
そのときに種は外して皮と一緒にしておきましょう。
※皮と種はぜひ捨てずに陳皮にどうぞ。
くるみは荒く砕いておいて下さい。
作り方
①甘酒と豆乳をよくまぜ、鍋で沸かさないように温めます。②湯気が上がり小さな泡が出はじめたら火を止め、分量の寒天を入れて泡立て器などで30秒ほどよく混ぜてください。
③バットやタッパーなどの広げられる容器に移して、ポンカン、クルミをトッピングします。
④常温で冷まして固まれば完成です。
湯煎の方がより豆乳が
沸きにくいです
沸きにくいです
甘酒はミキサーにかけると
よりなめらかに
よりなめらかに
冷ますとき氷のトレイなどを使うと
寒天キューブが出来て便利
寒天は常温で固まるので
一旦固めてから冷蔵すると
表面がキレイに仕上がりやすい
季節の果物で元気にお過ごし下さい。
それではまた。
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