コンビニ肉まんは卒業しよう。簡単!残ったおかずが大変身、長野ソウルフード本格おやきの作り方
長野のソウルフード、おやき。
長野を代表する食べ物の1つ、おやき。
小麦粉やそば粉、米粉を練って、野菜などの具を入れて丸くまとめて焼いたものです。
かぼちゃ・野沢菜・きんぴら・なすなどの具が現在ではメジャーなようです。
かつては、祖母から母、母から娘へと引き継がれ、毎日の暮らしに欠かせない大切な食べ物でした。
その「丸める」「まとめる」という言葉がおめでたいとして、家族や村の無事・無病息災を祈ったり、ご先祖様への感謝の気持ちを表すごちそうとして作られてきました。
それがいつしか、田んぼの少ない地域の主食になり、夕食やおやつ、携帯食として一年を通して食べられるようになったと言われています。
焼き方もさまざまで、いろりの渡しで焼いたり、お湯でゆでてから焼いたり、ほうろくで一度焼いたものをいろりの灰の中で蒸し焼きにしたり、地域によって異なります。
具も、四季折々の野菜などを使って工夫がこらされており、
家族は「今日は何が入っているのか」と、期待で心がはずんだそうです。
そのワクワク感は、現在でも同じこと。
「えっ?こんなものも?」と思うようなものも先入観なく包んで焼けば、
今までになかった新しいおいしさに出会えます!
庶民の郷土料理も、企業が担うと砂糖と添加物だらけ?
私達はどこかへ旅行した時、「ご当地グルメ」「郷土料理」を味わうことが楽しみだったりしますよね。しかし、戦前から長い間受け継がれてきた本来の郷土料理は、どんどん姿を消しています。
おやきもその1つ。
おやきが食べられる店は数多くありますが、原材料表示を見てみると、
ちょっとがっかり…。
企業が郷土料理の伝統を守ろうとすると、こうなるようです。
かぼちゃの甘いおやきも、砂糖入りの白あんや水飴などが入ってかぼちゃ本来の味を失っている商品も多々あります。
家庭で作る場合でも、具に砂糖を入れることが当たり前になっているようですし、
ホットケーキミックスならぬ市販の「おやきミックス」にもグラニュー糖が。
この地域でもかつては砂糖は貴重品であり、
ハレの日にあんこを煮たり、ごちそうの煮物、鯉や鮒の煮付けくらいにしか使わなかったようです。
やはり昔ながらの料理を継承していくのは、大量生産が前提の企業ではなく、
私たち一人ひとりなんです。
おやきは自分で作れば安心でおいしい、しかもとっても簡単!
おやきの魅力は、今ここにある材料を生地に包めばすぐにできてしまうこと。昔ながらの素朴なおやきを楽しむには、やはり手作りが一番です!
にんじんとか、きんぴらとか、そのままだとちょっと食べるのが苦手だという人も、
生地に包んで焼いてしまえば、なぜかペロリと食べられたりします。
前日の残り物の整理にもうってつけです。
おいしいおやきの秘密は、中の具の味付けと皮の薄さ!
直接具を食べてみておいしくても、皮で包むと具の味がボケてしまって全体としておいしくないということはよくあります。中の具は、はっきりとした味付けにしてください。
また、皮が分厚いと、具を食べているのか皮を食べているのかよくわからなくなってしまいます。
おやきは、皮が薄いほど上出来なんだそうです。
とってもシンプル!おやきの生地の作り方。
材料
作り方
1、地粉に塩を入れてスプーンでよく混ぜます。
2、1にぬるま湯を少しずつ入れてスプーンで混ぜ、水分が行き渡ったら手でよくこねます。
3、2に濡れ布巾をかけて1時間ほど寝かせておきます(この間に中の具を用意します)
4、具を包む前にもう一度よくこねて、12等分にちぎって具を包みます。
砂糖を使わない、シンプルな生地です。
ぬるま湯を入れてこねてから1時間程度おくことで、生地に粘りが出て具が多めでも簡単に包めるようになります。
少しふわふわ感が欲しければ、ここにアルミフリーベーキングパウダーを小さじ1程度足してください。
外はカリカリ、中は少しふくらみます。
粘りは出ませんが、もちろん米粉で作ってもOK!
次は、定番の具を作ってみましょう!
おやきの定番の具「野菜ミックス」
シュガーフリーバージョンの作り方
材料
作り方
1、キャベツとにんじんと干し椎茸は千切り、長ネギは薄い斜め切り、切り干し大根は食べやすい大きさに切っておきます。
2、フライパンにごま油を熱し、長ネギ→にんじん→干し椎茸→切り干し→キャベツの順にじっくり炒め、しんなりさせます。
3、2にしょうゆ(必要なら甘酒も)を入れて混ぜ、最後に塩少々を入れて味を整えます。
4、3の粗熱が取れたら、12等分して丸めた生地の1つを薄く広げ、12等分しておいた具をのせて包みます。
5、生地のとじ目を下にして、油をひいたフライパンで両面をこんがりと焼きます。
6、水50ccほどをジャっと入れて蓋をし、蒸し焼きにします。水分がなくなったら完成です。
(この工程はなくてもOKです。)
砂糖や人工甘味料を使わなくても、おいしい具は作れます!
甘みのある野菜を使うことで、砂糖以上の自然で良質な深い甘みが出ますので、じっくりと気長に炒めて甘さを十分に引き出してください。
あとは、しょうゆや味噌がさらに甘さを際立たせてくれます。
ただ、硝酸塩が高めの野菜は甘くないものが多いです。土壌のバランスの取れた畑から生まれたおいしい野菜を使えば、台所から砂糖は消えると言っても過言ではないでしょう。
もしも甘みがもっと欲しいのであれば、甘酒をプラスしてください。これで不満を言う人は出ないと思います。
おやきには、残ったおかずを先入観なく包んでみよう。
先ほどは「野菜ミックス」の作り方をお伝えしましたが、実は1から具を作る必要はないんです!
前日のおかずの残りを包んだらいいだけです。
必要に応じて味を足しましょう。
そのまま食べるのとは一味違った、新しいおいしさに出会えます。
こういう発見があるので、おやきって本当に面白い食べ物で、後世にも伝えていきたいなと強く思うんです。
かぼちゃの味噌味おやき
これは、かぼちゃの塩煮300gに味噌大さじ1としょうゆ小さじ1、刻んだくるみを混ぜた具です(約12個分)。
かぼちゃは小さめに刻んでおいてください。
かぼちゃの塩煮単体で食べるともちろん甘いのですが、
生地で包んだ時のインパクトを考えて、味噌としょうゆで味をプラスしています。
くるみのカリカリとした食感もプラスして、食べた時に充分な満足感が得られるようにしています。
甘辛いかぼちゃが後を引いて、ついつい食べすぎてしまいそうです。
さつまいもとりんごとレーズンの塩煮入りおやき
さつまいもとりんごとレーズンの塩煮を前日に作った場合にぜひおすすめです。
さつまいも大1本とりんご1個を乱切りし、レーズンひとつかみを入れて、塩少々をまぶしてもみ、
じんわり表面に水分が出てきたら、ごく弱火で蒸し上げます。
さつまいもとりんごだけでは、おやきにするとインパクトに欠けますので、
レーズンを多めに足すと、甘みの中に適度な酸味が生まれて、
飽きずにおいしく食べられます。
おやきというと、あつあつの焼き立てや蒸したてというイメージがありますが、
このおやきの場合は、冷めた状態の方がりんごやさつまいもの甘さを感じておいしいです。
アップルパイなどのスイーツに近いイメージで食べてください☆
ベジカレーおやき
どこの家庭でも、「我が家のカレー」があると思います。
翌日そのまま食べてもおいしいですが、たまには生地に包んで焼いてみてください!
今回包んだのは、トゥールダールを使ったベジ豆カレーです。
子供用なのであまり辛くなく、トマトもたっぷり入っているので、
「ピザまん」とか「カルツォーネ」を思わせるような味です。
ドロドロしたものを包む時は、薄く広げた生地に具を乗せて、
周辺の生地を徐々に上に伸ばして壺のように包み、最後に肉まんのようにてっぺんで生地をとじます。
焼くときは平たくなるのでご安心ください。
これはなかなか好評で、子供のおやつとしてもいいですし、
小腹が空いたときにも、そしておつまみにもおすすめです!
我が家の中学生の娘はこのカレーおやきにハマってしまい、冷蔵庫にカレーの残りを発見すると、
自ら生地で包んで焼くようになりました。
生地作りも具を包む作業も慣れてしまえば簡単なので、親はそのうち楽できます(笑)
こんなものまで…ポテトサラダおやき
色が奇抜ですが、これはたまたま塩漬けビーツを刻んだものをポテトサラダに入れたためにこのような色になっています。
マヨネーズで味付けしたサラダなら衛生上おやきにするのは難しいですが、
シンプルに、塩コショウ・酢・油で味付けしているだけなので問題なしです。
おやきの具にするなら塩コショウで少し強めに味付けし直すといいですよ。
味は、ポテトサラダをはさんだサンドイッチのようなものとしてイメージしていただきたいです。
生地はベーキングパウダーを少々入れた方がおいしいです。
ポテトサラダおやきを作る私を見て、娘たちは
「そんなものまでおやきに入れないでー!そのまま食べたい!実験反対!」
とギャーギャー騒いでいましたが、
できあがったおやきを食べてみると、
「意外とおいしかった…」
何事も先入観はよくないですね!(笑)
おやきがあれば、コンビニ肉まんもハンバーガーもいらない?
これまでお伝えしてきたように、
おやきはスイーツにも、軽食にも、おつまみにもなるすぐれものです。
和洋中を問わず、いろいろなものを包むと「これおいしい!」と思える具に出会い、探求することが面白くなってきます。
そこで、コンビニ肉まんやサンドイッチ、ハンバーガーは実はおいしいものではないと思えるようになればしめたものです。
砂糖や添加物がたっぷりのおやつよりもずっと優れていますし、お財布にもとっても優しいです!
ぜひ先入観をなくしていろいろなものを包んでみてくださいね。
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