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結局「大豆イソフラボン」ってどうなの?人によって作用が全く異なる大豆製品の真実。

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豆乳、豆腐、、、、

色々なイソフラボン製品がありますよね。

特にヴィーガンの人は牛乳のかわりとして豆乳を選ぶケースが多いのではないでしょうか。

大豆イソフラボン、どう摂っていれば良いの?
誰でも効果が同じとは限らない!


さて、大豆イソフラボンを取ると、女性ホルモンのバランスを整えるのに良い、
お肌に良い、PMS(月経前症候群)に良い、更年期障害に良い・・といった情報を聞いたことはありませんか?

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大豆の効果をうたった商品も多く発売されていて、
牛乳よりも豆乳の方が体に良いということもかつてはいわれていましたよね。

現在でこそ、代替品の選択肢も増えて、ソイフリーという概念すら登場するようになってきましたが、
いまだに大豆の効果については研究中の部分が多いようです。

近年になって実は大豆イソフラボンの効果については、効果が得られる人と得られにくい人がいるということが分かってきたのです。

そこで今回は、大豆イソフラボンの効果には腸内細菌が関係しているというお話をご紹介します。

大豆イソフラボンを摂っても効果が無い人が半数いる!

更年期障害のある人の半分で効果がない


大豆イソフラボンには女性ホルモン様作用があるということは、至るところで耳にする話で、
そのために豆乳を飲んだり、大豆製品をすすんで食べていた方もいらっしゃるはずです。

実は大豆イソフラボンは女性の更年期障害に効果があるという人と、効果がないという人の両方の調査報告がありました。


体内で作られる、スーパーイソフラボン「エクオール」が鍵を握る

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イソフラボン自体にも女性ホルモン様作用があることは知られており、全く効果がないということではありません。

ところでエクオールという言葉は聞いたことがありますでしょうか?


エクオールは大豆イソフラボンから体内で生成されるスーパーイソフラボンです。

このエクオールはイソフラボンよりさらに高い作用があることが分かったのです。
エクオールのことを知る前に、イソフラボンの代謝について知っておきましょう。

イソフラボンは1種類ではない

ソフラボンには、吸収されやすい「アグリコン型」と吸収されにくい「グリコシド型」があります。
さらに「アグリコン型」には、「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」の3つがあります。

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活性が高い(作用が強い)のはゲニステインであり、これは特に「丸大豆」から作った製品に多く含まれている成分。
お醤油を選ぶ時には丸大豆の物が良いという話がありますが、イソフラボンレベルでも差がみられているのです。

そして、問題は「ダイゼイン」の方です。

ダイゼインは大豆胚芽に70%も豊富に含まれていて、肥満の改善にも作用するといわれている成分です。

しかし、このダイゼインですが、そのままでは活性が低い(作用が弱い)のです。

ダイゼインは腸内細菌によって代謝されて「エクオール」に変化しますが、

この「エクオール」こそが非常に作用が高いといわれているのです。


しかし実はこのエクオールは誰でも作れるわけではないのです。

腸内細菌の力によって変換されるのですが、変換(代謝)する力がある人と無い人がいるのです。

日本人の50%はエクオールを作れない

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日本人においては2人に1人でまだ良い方ですが、欧米人においては25~30%程度しかいないともいわれています。
これには、食生活が関係しているのではないかといわれています。

参考:Equol: History, Chemistry, and Formation」J Nutr. 2010 Jul;140(7):1355S-62S

日本人、またベジタリアンには「エクオール」を生成できる人が多い

最近の若い人はエクオールを作れなくなっている?


昔ながらの日本の和食には、大豆製品として、醤油、味噌などがたくさん使われていますね。
これらは、吸収のよい「アグリコン型イソフラボン」が豊富に含まれています。

もともとたくさん食べていた日本人にはエクオールを産生できる人が多いということがわかっています。
また、ベジタリアンの方もエクオールを作れる人が多いともいわれています。

しかし、最近の若い人では残念なことに欧米人と同じ様な割合まで低下していると言われています。
それは、和食離れが進み、食事が欧米スタイルになっているためではないかと考えられています。

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食物繊維の摂取量も関係しています。


食物繊維は腸内細菌の餌になって、増やしてくれます。
食物繊維が不足している方は腸内細菌バランスも崩れていることが多いのです。

若い世代ではさらに、肉類に食事が偏ってしまっていることも腸内環境を悪化させる原因になっているでしょう。
やはり、私たちのお腹には昔ながらの和食スタイルが合っているということがわかります。

塩分が多すぎたり昔と同じ内容が必ずしも優れているとは限りませんが、無理に海外の食習慣や新しい食事法を取り入れるよりも、
「ご飯と、お漬物と、お味噌汁を食べる」ということが私たちの腸内細菌にも合っているのですね。

もし気になる方はエクオールの産生能を調べられる検査キットもあるので、活用してみるのも良いでしょう。

エクオール産生能と女性の体の関係

エクオール産生量の低下と更年期障害には関係があった

更年期障害が重症な方と軽症な方において、尿中に排泄されたイソフラボン類の量を測った試験があります。

この結果としては、ゲニステインとダイゼインという大豆製品に含まれているイソフラボンについては両群に差がありませんでしたが、
エクオールについては軽症の人の方が重症の人よりも排泄量が多い結果となりました。

これが示しているのは、軽症の人の方がエクオールを沢山出すことができる、つまり作ることができた。ということです。

重症の方はエクオールを産生する能力が低かったというわけです。

同じ様に大豆製品を摂っていても、エクオールの産生能力の違いで、更年期障害の重症度に違いが見られるということが示唆されたということになります。

参考:佐野産婦人科医院 http://www.sanolc.com/blog/2015/08/post-66-1194698.html


骨密度とエクオールとの関係

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骨粗しょう症といっても、自分にはまだ先の話だろうと楽観的に考えていませんか?
骨粗しょう症というのは高齢な方がかかる病気という印象がありますよね。

骨がスカスカになってしまう怖い病気です。

骨粗しょう症には、女性ホルモンが大きく関係していて、特に閉経後からは注意しなければいけない病気。
女性は閉経後2年間で5~7%ほど骨量が減少するといわれています。

骨がスカスカになるとちょっと転んだだけでも、どこかにぶつけただけでも骨折するリスクが高まり、
足の付け根の大きな骨などを骨折してしまうと歩くのが困難にもなってしまうことがあるので、甘くみてはいけない病気です。

豆乳の毎日摂取で骨粗しょう症のリスクが低減した


更年期以降の女性に毎日豆乳を摂取してもらい、骨密度の低下を調べた試験では、

また、一切豆乳を摂取しなかった群よりも全体として摂取した群の方が低下を防ぐことができ、さらにエクオールを作れる人の方が作れない人よりも大きく低下を防げた結果となりました。

ただし、豆乳の摂りすぎは逆にお腹が張ったり、体質に合わない方もいるので、
大豆イソフラボンをかならずしも豆乳からとることを勧める結果ではありません。

乳がんの予防には効果があるのか?

よく不安視されがちな乳がんとの関係性については、イソフラボンは乳がん発生率減少と関連しており、たくさん大豆製品を食べている人の方が乳がんになる確率が低いことが前向きの調査で分かっています。

エクオールについては今後のデータの収集も必要そうですが、現在までところ、2012年にアメリカがん協会が発表したガイドラインでは、大豆食品が「再発リスクには悪影響は与えない。」されています。

子宮がんについてもリスク上昇はないとされています。

ただし、少数ながら乳癌のリスクが、若干イソフラボンの摂取で増加することを示唆するデータもあるということで、エクオールとの関係もさらなる研究が必要といえるでしょう。

参考:国立ガン研究センターhttp://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/258.html, スキンソリューションクリニック http://www.skinsolutionclinic.com

エクオールを作れない人はどうしたら良い?

食卓

エクオールを作れる腸内細菌を持っていない方は諦めるしかないのでしょうか。


そんなことはありません。

先にもお話したように、腸内細菌は食習慣によって育てることができます

毎日、大豆製品を食べるようにすることで、単にその腸内細菌の勢力が落ちているということもあるので、
腸内細菌を育てていけば、効果が得られるという可能性もゼロではないでしょう。

大豆製品を食べるのは毎日が良い

大事なのは続けること

続けて腸内に入ってくれば、腸内細菌はその食事に対応しようと変化し始めるので、
毎日食べた方がエクオールを作れる腸になっていきます

また、エクオールを作れる腸を維持するためにも、腸内フローラを耕しておくことが大事です。
わたしたちの、腸内細菌は日々その勢力図が変化します。

善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)と悪玉菌(大腸菌など)だけが腸内にいると思われていることが多いのですが、実は大きく分布を占めているのが「日和見菌」という気分やさんの菌たちなのです。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌の比率は、20:10:70な方が多いようですが、
理想は善玉菌が30%、悪玉菌が10%、日和見菌が50~60%だと言われています。

参考:フジッコHP http://cremoris.fujicco.co.jp/good_bacterium/kind/

この日和見菌は、善玉菌に偏ったり、悪玉菌に偏ったり常に変化しています。
年齢とともにビフィズス菌は減っていき、日和見菌の占める割合も増えてきます。

日和見菌は、体調が悪くなったりすると急に悪玉に顔を変える性格があるので、発酵食品などから善玉菌を毎日摂り入れることが大事です。

更年期障害にはサプリメントの摂取という選択肢もあり

サプリメントでエクオールを摂取するという方法もあります。

特に、更年期障害のホットフラッシュやイライラなどで悩んでいるような方は、ホルモン療法や漢方といった手段もありますが、エクオールのサプリメント摂取で改善が見られるケースもあるようです。
エクオールを摂取すれば、腸内細菌の能力に関わらず効果が得られるため、産婦人科などでも勧めているケースがあるようです。

イソフラボンの過剰摂取は女性ホルモンを乱す?!

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ここまで、イソフラボンを摂取した方が良いという話をしてきましたが、

中にはイソフラボンを取りすぎることで悪影響があるのでは?と思う方もいると思います。


たしかに、イソフラボンの過剰摂取による健康被害というのはいくつか報告があり、例えば月経期間が延長したり、子宮内膜症のリスクが高まるといった事も言われています。

人間の体というのは、外からホルモンを投与されると、ホルモン量が十分だと中枢が判断して、自分のホルモンを作らないようになってしまいます。

エストロゲンが十分な状態でイソフラボンを過剰に摂ってしまうと、
自分のホルモンを作る力が止まってしまうこともあるので気をつけなければいけません。

参考:コープ共済http://coopkyosai.coop/life/health/kenkou_061205_01.html

妊娠中や生理中、子供などの大豆製品過剰摂取は注意

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特に注意すべきは、例えば妊娠中や生理中などエストロゲンの分泌が増えている時には、過剰摂取による影響が出やすくなることがあります。

また、サプリメントや大豆イソフラボンの過剰摂取による小児への影響もまだ不明な点が多いためおすすめできません。

これらの方は制限するということではなく、普通の食事から摂れる量さえ摂れていれば十分だといわれています。

参考:総合南東北病院http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/200607/mame.htm


適正な摂取量はどれぐらいか?

大豆イソフラボンアグリコンとして30mg/日の範囲に収まるように摂取するのが良いとされています。
一日あたりの摂取目安量:上限値70mg~75mgです。

大豆イソフラボン配糖体に0.625倍した数値がイソフラボンアグリコンの量となります。

食べ過ぎ、摂りすぎなければ大丈夫

納豆と豆腐は食べすぎにあたる

和食
通常の食生活ではあまり心配することはありませんが、
大豆を大量に使うもの・・・例えば「きなこ豆乳ドリンク」などを作って飲んでいる場合には過剰になっている可能性があります。

きなこには、266.2mg/100gあたり、豆乳には24.8g/100gの大豆イソフラボンアグリココンが含まれています。
大さじ2杯(約25g)と豆乳100gで作った場合には、66.55g+24.8g=91.35gとなって上限を超えて過剰になってしまうのです。

また豆腐1丁(300g)に約60mg、納豆1パック(50g)に約35mgとなるので、例えば食生活として豆腐を1人で丸一丁と納豆を食べるというのは食べ過ぎなわけです。

昔からお豆腐は食されてきましたが、お味噌汁などに少し入れて食べたり、
少しの量を冷奴として食べるのが普通であり、豆腐を1丁丸ごと食べるというのは最近になってからのことなのです。

どんな食事を摂れば良いのかということですが、難しく考える必要はありません。

要はどれも食べ過ぎなければ問題ないのです。

納豆を1パック毎日食べてお味噌汁を飲んでも過剰にはなりません。


昔のおばあちゃんの食事スタイルを思い出して、バランス良く食べるという基本のことが大事というわけです。


参考:イソフラボン倶楽部 http://www.isoflavone.jp
参考:平成18年6月 内閣府食品安全委員会事務局https://www.fsc.go.jp/hyouka/isoflavone/hy_isoflavone_hyouka_point.pdf


昔ながらの和食を食べてイソフラボンを摂取しよう

難しいことは不要。日本人らしい食生活を

味噌汁
イソフラボンについてのお話をしてきましたが、

結論としてはイソフラボンは昔ながらの和食を食べてさえいれば十分な量が摂取でき、日本人の腸に大豆食品が合っている、ということがお分かりいただけたでしょうか。

サプリメントでは、過剰な刺激を体に与えることもあるのでやっぱり食事で摂る方が安心です。

過剰に反応して「これは絶対に食べないでおこう」と思うのではなく
いろいろな食事法が提唱されていますが、基本中の基本である偏りなくバランス良く食べることが大事。
難しいことは考えず、日本人だったらお味噌汁と漬物とご飯を食べるのがいいのですね。

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manami sasao
タイ在住、ときどき日本。フリーライター兼薬剤師。 薬剤師でありながらも、ヨガを始めてから薬に頼りすぎないセルフケアに関心が高まる。祖父がタイ人、ハーブを多用したタイ料理、タイの穏やかな空気に魅了され外資系製薬企業を退職して夫と共にタイに渡る。現在は薬局での経験と知識を生かして、ヘルスケア関連ライターとして活動中。西洋、東洋医学にも自然療法にも偏りすぎない方法を発信していきたいと考えている。
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