その油、あなたに合っていますか?知らなかった、正しい油の選び方。
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NYでのダンサー時代。
全米から、世界中から集まるダンサーと競い合う中、私にとって、セルフケアは仕事の一部でした。
そんな私が一番こだわっていたのが「油」です。日本に戻ってきてから、まず初めにしたことも「良質の油探し」でした。
キッチンにあるその油、本当に大丈夫ですか?
ココナッツ油、えごま油、アマニオイル、オリーブオイル、米油。良質の油が健康にも美容にもアンチエイジングにも良いとはいうものの、一体どの油を選んだらよいのか迷ってしまうのではないでしょうか。
今、ココナッツ油が大ブームですね。
しかし話題のココナッツオイルでさえ、上手に摂取しないと全く意味がないどころかマイナスになることをご存知でしょうか?
メディアでも「油」についてのさまざまな情報が飛び交い、「油は良い物を買っています。」という方も増えてきました。
しかしオリーブオイルだから安心、ココナッツオイルだからヘルシーということではありません。
残念ながら油の中には実は非常に劣悪なものも含まれており、特に安価なものにはその割合が高く、食べていることで様々な疾患リスクを上げている可能性があります。
長くなるのでこの話はまたじっくり今度しますが、今回はまず種類としてどんな油を選べばいいかについてお伝えします。
数ある油の中から、どの油を1日どれくらいの量を、どんな方法で、そしてその「油」が本当に今の自分の体に合っているか、あなたは考えたこと、ありますか?
油がなぜ体に必要か、知っていますか?
油(脂質)はたんぱく質、炭水化物と同じく、健康を維持するために必要不可欠な三大栄養素の1つ。
脂肪は体を動かすための大切なエネルギー源なだけでなく、からだを構成する細胞の「膜」の成分でもあります。
また「ホルモン」の原料でもあるので、偏ったダイエットで脂肪分が不足すると、からだにデメリットを引き起こす原因になります。
身近な例でいえば、お肌の乾燥や、シワ、ニキビや肌荒れを招き、美容面での障害も大きいのはご存知の通り。
体の60~70%は水分。
その水分が失われないように、からだを守るのが「油」の本当の役割なのです。
今すぐできる、あなたに合う油選び 3つのステップ
1 まずは油のバランス知る
油脂には2種類、常温で液体の「油」(植物性脂肪で不飽和脂肪酸が多い)と常温で固形の「脂」(動物性脂肪で飽和脂肪酸が多い)があり、脂肪酸組成によって以下のように分類されます。
油脂の分類
A, 不飽和脂肪酸⇒多価不飽和脂肪酸(液体: 食物油、魚介類など) 体内で生成されないため「必須脂肪酸」とされる。
オメガ3系列: α-リノレン酸 (えごまオイル、アマニオイル、クルミやナッツ類、生魚(特に青魚)、海藻等)
オメガ6系列: リノレン酸 (ごま油、大豆油、スナック菓子等にも多く含まれます)
⇒一価不飽和脂肪酸
オメガ9系列: オレイン酸(オリーブオイル、菜種油等)
B, 飽和脂肪酸(固形: 肉の油、バター、ココナッツオイル等)
厚生労働省によると、20代後半から40代女性の1日の脂肪酸摂取量目安は、総カロリーの約20%で大さじ4程度、男性の場合は約大さじ5弱。
大切なのは、この量をどのような「油脂」で摂るかです。
厚生労働省は様々な研究結果から、脂肪酸摂取量の理想的なバランスは「飽和:多価:一価=3:3:4」としています。
「油脂の分類」とこの「理想的なバランス」を照らし合わせてみると、必要摂取量の約40%がオメガ9系列の「オレイン酸」。
オリーブオイルや菜種油、またナッツ等に多く含まれます。
あまり印象の良くない「飽和脂肪酸」も全体の約30%以内で摂取していけばよいでしょう。
オメガ6系列の「リノール酸」は様々な食品から摂取できるので、不足することはめったにありません。
現代の日本人の食生活で不足しがちなのが、「オメガ3系列のα-リノレン酸」。
このα-リノレン酸は体内で生成できないため食事で補う必要があります。
特に「えごまオイル」、「アマニオイル」に多く含まれます。
α-リノレン酸は体内でエネルギーになりやすく、また必要な時に体の中で同じn-3系グループのEPA、DHAに作り変えられ、健康促進効果が得られるのもポイント。
血中の悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やし、ガンの発生・増殖を抑制します。
リノール酸の過剰摂取はアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患の原因になることが多いのですが、α-リノレン酸はリノール酸の作用を抑制しアレルギー症状を緩和させる働きがあるのです。
2 あなたの「食生活」をチェック
「一日の必要摂取量の目安」、「理想的なバランス」が分かったら、今度はあなたの食生活をチェックしてみましょう。
A~Dであなたにあてはまるものをチェックしてみてください。
A, お肉メイン
B, お魚メイン
C, お野菜メインまたはベジタリアン、マクロビアン
3 何が自分に足りていないかをチェック
Step 1をもう一度復習。
ポイント
1, 「脂肪酸摂取量の理想的なバランス」は大体「飽和:多価:一価=3:3:4」
2, 多価不飽和脂肪酸の内訳は「オメガ3系:オメガ6系=1:4」
3, 体内で生成できないオメガ3系やオメガ6系は「必須脂肪酸」
オメガ6系は様々な油や食べ物にも含まれるのであまり不足することはない
4, 不足しがちなのはオメガ3系列のα-リノレン酸
それでは「今のあなたに合う油」を見ていきましょう。
A,「お肉メイン」のあなたは、「飽和脂肪酸」は十分とれています。
飽和脂肪酸であるバターやココナッツオイル等はお勧めしません(マクロビオティックでは体に負担をかける「動物性の油=バター」はお薦めしていませんね)。
お肉にはオメガ9系列の「オレイン酸」も多く含まれています。
厚生労働省が提案する1日の脂肪酸の摂取量目安には食べ物に含まれている「油=油脂」も含まれているので、「お肉メイン」の食生活のあなたは、調理時の「油」も少量に抑え全体的に「油脂」は控えた方が良いでしょう。
唯一不足しているのが「オメガ3系列」。
これを多く含む「えごまオイル」や「アマニオイル」を1日小さじ1くらい少しずつ取り入れてみて。
「えごまオイル」や「アマニオイル」は熱に弱いので野菜サラダのドレッシング入れて摂るとよいでしょう。
野菜もしっかり食べられ、あなたに不足している栄養素もしっかり摂れるので一石二鳥です。
「油」の使用量を控えたい「お肉メイン」のあなたにオススメな油
themeatlodge.comキッチンに常備しておく油は長時間置いておいても酸化しにくい油がお薦め。質の良いオリーブオイルが無難。
「えごまオイル」や「アマニオイル」は酸化しやすいので1~2ヶ月で使いきります。
少しずつ毎日とることで体に負担をかける「油=油脂」の害を和らげてくれますよ。
また上で述べた「理想的なバランス」に近づけるため、お肉の脂をなるべく控える工夫も必要不可欠。
B,「お魚メイン」お魚派のあなた。
www.downtownmagazinenyc「飽和脂肪酸」を「ココナッツオイル」で摂るのも良いでしょう。
お魚で「一価不飽和脂肪酸」のオレイン酸も取れているので、「お魚メイン」さんも必要以上に「油」をとる必要はありません。
しかし「バランス」を考えると「オメガ3系列」を多く含む油を摂りたいところ。
「油」はマクロビオティックの「一物全体」には、反します。
どんなに良い油であっても、私たちの消化器官は「油」単体だと食べ物として消化吸収できないのです。
どんなに良い油でも「取りすぎないこと」が重要。
「えごまオイル」や「アマニオイル」をとる時は納豆に混ぜたり、少量の塩と共にご飯にかけたりと何かと一緒にとる事がポイント。
自分なりに美味しい食べ方を見つけてみましょう。
C,「お野菜メインまたはベジタリアン、マクロビアン」のあなたは「ココナッツオイル」も効果的。
www.ambitiouskitchen一般的にベジタリアンの方はナッツやごまなどを多く摂っている傾向があります。
もしあなたもそうであれば、調理時の「油」はやはり控えめにしましょう。
もし胡桃を良く食べるのなら、オメガ3系列のα-リノレン酸もしっかり摂れています。
ココナッツパウダーやピーナッツバター、ピーナッツ、には飽和脂肪酸がたっぷり。
ナッツだけで食べるとつい食べ過ぎて「油脂」を摂り過ぎる傾向があるので、サラダにトッピングしたり、料理に加えたりと工夫してみて。
ナッツもあまり食べない「お野菜メイン」のあなたには、調理時に質の良い「オリーブオイル」を使い、「えごまオイル」や「アマニオイル」を食事に取り入れるのがお薦め。
「えごまオイル」や「アマニオイル」は酸化しやすいので「開封後は冷蔵庫へ」。
さらに「1~2か月程度で使いきる」、「変なにおいがしたら処分する」を守ってください。
流行だけに左右されて油は選ばない。「今の自分に本当に必要なのか?」まず考える癖を。
どんな油でもとり過ぎは注意です。
特に酸化した油はどんな良い油であっても「百害あって一利なし」。
今キッチンにある「油」。あなたにちゃんと合っていましたか?
もう一度キッチンにある油を手に取ってみてみてください。
メディアが良いと言っているというだけで、すぐに鵜呑みにして飛びつくのではなく、まずは「今の自分に本当に必要なのか?」を考えて買うことが大事。
誰のものでもない自分の体、大切な家族の健康を守るのは、いつの時代もあなたの「食を選ぶ力」と「愛情」ですからね。
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