女性だけでない！男性にもある隠れ貧血。繰り返す貧血に潜む原因は放っておくと危険！

寝不足や朝食をとらないとすぐに貧血になる。
目の前が真っ暗になって倒れてしまう。
周りの音が変に聞こえたり、身体がしびれたりする。
急に気持ち悪くなるので日常生活も大変だ。

こんな悩みはありませんか？

私の周りでは、女性の方から、特にこういった声をよく耳にします。
しかし、実は男性にも起こっています。
そして、ただの貧血だと思っていると、深刻な場合があるのです。

今回は、一般的に貧血と呼ばれる症状と
東洋医学からみた貧血の原因と対処法について書いています。

一般的に言われる貧血とは

鉄欠乏性貧血を予防するためには、鉄の摂取が必要となるが、
鉄の吸収を促進する食品成分を一緒に摂取することが重要である。

出典：『鉄欠乏性貧血の栄養管理について』古俣 智江

一般的な貧血の原因は鉄欠乏による酸素不足です。

そのため、ミネラルの鉄が不足することが主な原因と言われます。


鉄が不足する原因は大きく分けると、

食事による摂取不足
吸収率の低下
赤血球の破壊亢進


食事による鉄分の不足を鉄欠乏性の貧血と呼ばれます。
他に吸収率の低下は悪性貧血、赤血球の破壊亢進は溶血性貧血などと呼ばれて区別されています。

現代人は普通の食事を摂っていれば鉄が不足することはありませんが
過度な偏食を繰り返していると鉄分が不足します。

鉄分の60～70％は血液に含まれるヘモグロビンの成分として存在し、
20～30％は肝臓や脾臓、骨髄などに蓄えられています。

ですが、最近では隠れ貧血と呼ばれる人が増えています。

それが内臓疲労により、本来なら蓄えられている鉄が不足している状態です。

通常の血液検査の結果にはあらわれにくいのが蓄えられている鉄なので、
女性の半数は生理の関係もあり鉄不足で、
さらに気づきにくい隠れ鉄不足は、3人に1人はいると言われます。

貧血などの血液状態の悪化は、ホルモンバランスの乱れを招き
原因不明の不調の原因となります。

女性だけではない隠れ鉄不足の男性

貧血は女性に多い症状ではありますが、最近では男性にも増えています。



多くの男性はただの疲れと思っている人が多いですが、

朝が起きられない
集中力が持続しない
冷えがつらい
身体がだるい

男性が貧血になる場合は、鉄欠乏性貧血よりも
胃腸に問題が起こった悪性貧血の割合が高くなります。

胃腸の潰瘍やポリープ、癌などが潜んでいることもあります。

それらによって体内で出血が起こると貧血を引き起こします。

また胃腸の機能の低下から鉄の吸収率の低下を起こすこともあり、手術で胃を切除した人にも多く見られます。


もう一つ男性に多いのは溶血性貧血です。

これは、マラソンなどをしている人に多く、
健康のためにしているマラソンをハードにやり過ぎて足裏に過剰な負担を与えたことが原因で
赤血球の破壊が亢進されるために起こります。

男性は身体が固い人が多いので足首の柔軟性も低く、マラソンが逆効果に働くことが多いのです。

運動をした次の日に過剰な疲労感がある人は
足首の柔軟性をあげるために準備体操と生理体操はしっかりとしましょう。

東洋医学で見た貧血の分類

東洋医学では特定のミネラルが不足しているだけで貧血になるとは思っていません。

そのため東洋医学では貧血の種類を三つに分けています。

血液の酸素が不足している（気虚）
血液の量が不足している（血虚）
血液の流れが悪い（瘀血）

などを考えます。

気虚による貧血

血液の酸素が不足する気虚は胃腸の弱さから
鉄に限らずビタミンや銅などの吸収率が低いために起こります。

そのため胃腸が弱く貧血気味の人は、食事に気をつけることに加えてよく噛むということが必須です。
また冷たい飲み物などで胃を冷やすのも禁物です。

血虚による貧血

血液量の不足である血虚は女性であれば生理がきっかけで起こることも多いですが、
男性であれば過労や睡眠不足でも起こります。

血は睡眠中に作られ過労で消耗するからです。

そのため質の良い睡眠は必須なので6時間以上の睡眠と、寝る前の食事は控えて内臓の修復を促しましょう。

睡眠時間の不足はホルモンバランスの乱れを加速させ副腎疲労などの原因ともなります。

瘀血による貧血

血液の流れが悪い瘀血はストレスなどでも悪化します。

ストレスに弱い人は腹部の緊張が高くなるので腹部のストレッチがおすすめです。

東洋医学では瘀血は万病の元と考えています。

そのため女性特有の病である

PMS（月経前症候群）
更年期障害
ブルヴォディニア

なども瘀血から引き起こされます。

瘀血の基本的な解決方法は過剰な糖質を控えて水分をしっかりと摂ることです。

瘀血は血液がドロドロになっている状態で、血液がドロドロになっている人は
貧血以外にもイライラしやすかったり落ち込みやすかったりするのも特徴です。

食事による基本的な貧血の対処法

血液の構造

貧血改善に必要な基本成分はミネラルの鉄になります。
鉄はヘモグロビンとなり、酸素を運びますが三大欠乏栄養素の一つですね。



赤血球の製造には、ニ段階あり、

葉酸とビタミンB12が必要で構造を作る
鉄とビタミンB6が必要で機能を持たせる

となるので鉄分だけでは足りません。

さらに鉄分の吸収率はミネラルの銅にも左右され酸素の運搬の触媒をします。

吸収率の高さと食事について

サプリだけではなかなか症状が改善しないのは、各種のビタミンやミネラルのバランスが悪いからです。
逆にほうれん草やレバーが貧血改善に効果的なのは、各種のビタミンやミネラルがバランスよく含まれているからです。

ヘム鉄の吸収率は１０％で非ヘム鉄の吸収率は５％と言われますが、
各種のビタミンやミネラルがバランスよく含まれていれば吸収率はさらに上がります。



基本は吸収率の高い肉などのヘム鉄と、
吸収率は低いけど量をとりやすい野菜などの非ヘム鉄をいかにバランスよくとるかが重要です。

野菜に含まれる非ヘム鉄はスープなどでとればさらに量が摂りやすいので簡単に量がとれます。

ヘム鉄の基本は、

• レバー 
• 牛ヒレ肉
• アサリ
• 牡蠣
• スルメ

などで非ヘム鉄なら、

• 小松菜 
• ほうれん草 
• 枝豆 
• 干しひじき
• 豆乳 
• 卵

などになります。

山梨の鶏モツ煮や沖縄のチムシンジと呼ばれるレバーのスープは、代表的な滋養強壮食です。

量を食べられない人でもスープに溶けだした各種のビタミンやミネラルを飲めば
貧血の改善にも効果的です。

ほうれん草のお浸しはゴマに油揚げと貧血の改善食材の宝庫です。
さらに、火を通すことで、野菜の細胞壁を破壊するので、
各種のビタミンやミネラルを吸収しやすい状態にする昔ながらの知恵です。

これらの調理法は鉄分だけでなく、鉄分の吸収率を高める銅と赤血球の生産を促す
ビタミンBや葉酸を多く含んでいます。

多くの郷土料理や伝統的な和食の多く、そして季節を意識することは、
素材の持つ本来の栄養を効率的に摂取可能なのでおすすめです。
その時摂取するものは無農薬のものをお勧めします。

効率よく栄養をしっかり摂るということは、
貧血に限らず健康な体を維持するために、必要なこと。

ぜひ、季節の無農薬野菜のバランスよい食事を通して、健康を維持したいですね。

まとめ

貧血はたいしたことのない症状だと思っている人が多いですが
男性は特に注意が必要です。

人によっては潰瘍やガンが潜んでいることもあるからです。

さらに女性であっても整理などだけでなく身体の様々な不調が絡み合って起こっていることが多いので、
今は貧血だけでもより重篤な症状に発展することも考えられます。

貧血くらいと考えずに、自分の身体に必要なことを行って身体と向き合いましょう。

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