あなたの体内時計は大丈夫?体内時計と睡眠・健康・腸内細菌の関係と規則正しい生活以外で「すぐにできる体内時計サポート方法」
こんにちは.日本糀協会えいらくさゆりです。
皆さんは、夜、ぐっすり眠れていますか?
私は昔から夜型人間です。
大学時代は、3年生ころからあまり学校には行かず、
夕方からバイトして帰ってから深夜テレビとテレビゲームで朝方眠るという生活。
就職してからは、しばらくお昼間働いてましたが、
気力有り余って三交代勤務に週三回の学校(看護学校に通っていました)。
出産するまではずっと三交代勤務でした。
もちろん回数は少ないですが、妊娠中も!
「若くて体力があったこと」
「おそらく元々夜型」(時計遺伝子には朝方・夜型のいうのもあり、約50%で遺伝するそう)というのもあって、
若いころは疲れていると自覚することもありませんでした。
25歳くらいまでは、深夜勤務あけに朝から遊びに行くことも。
でも、この様な不規則な生活。
長くやり続けることの危険と、腸内細菌の働きにも影響があることをご存知ですか?
今回は、私自身の生活のダメ出しをしながら
睡眠と腸内細菌、そして健康への悪影響について書きたいと思います。
体のリズムは遺伝子に組み込まれている
様々な生き物に備わっている時計遺伝子
「人間は、朝起きて、ご飯を食べて、動いて、夜眠る」
という生活が当たり前となっています。
このような体のリズムを
サーカディアン・リズム( 概日リズム)または体内時計と言います。
お聞きになったこと、ありますよね?
動物だけでなく、この体のリズムを作る「時計遺伝子」は
植物や、バクテリア等全ての真核生物に組込まれています。
時計遺伝子の謎を解明した研究がノーベル賞を受賞
2017年、サーカディアン・リズム(体内時計)を生み出す遺伝子とそのメカニズムを発見した米ブランダイス大学のホール(Jeffrey C. Hall)博士とロスバシュ(Michael Rosbash)博士、ロックフェラー大学のヤング(Michael W. Young)博士の3氏に、ノーベル生理学・医学賞が授与されました。
これまでも、リズムに関わる遺伝子が何個かあることは知られていましたが、その親玉ともいえる遺伝子を最終的に特定したのがこの3氏でした。
2つの遺伝子が作る24時間リズム。
ショウジョウバエで実験されたその仕組みはこうなっています。
1.朝になって光が当たると,夜間はくっついている2つの時計遺伝子それぞれが作るタンパク質が分解を始める。
↓
2.昼までに全て分解され、消えてしまう。その一方で、核の中で、別のタンパク質の複合体が2つの遺伝子を活性化し,それぞれ別に、消えてしまった2つのタンパク質を作り出すよう働きかける。
↓
3.夕方になると,作られた2つのタンパク質がまた互いにくっつき、夜間と同じ状態となる。
↓
4.夜間に、くっついた2つのタンパク質は核に移動し,それまで自分たちを作る働きを活性化させていた別のタンパク質の複合体を不活化して,2つの時計遺伝子によるタンパク質の合成を抑える。
↓
5.再び1へ
この周期がほぼ24時間サイクルで起こることが、
サーカディアン・リズムのもととなっていることが分かったのです。
ショウジョウバエに限らず、これと同じような働きは
哺乳類にもあることがわかっています。
サーカディアン・リズムはなぜ必要か
通常の生活でサーカディアン・リズムを意識することは、あまりありません。
しかしサーカディアン・リズムは実際には睡眠リズムや行動に大きな影響をあたえています。
食事の時間になると胃酸や分解酵素が前もって分泌され始めたりする、いわゆる「腹時計」もこのリズムで統制されていますし、それぞれの生き物が違った活動時間をもつことで共生できているのも、それぞれの種が生き残るために必要なリズムを選択した結果であると思われます。
生物の時間に習った「ミツバチダンス」や、植物の成長が季節や昼の長さに左右されているのもサーカディアンリズムと深い関係があります。
では、現代人にとって正常なサーカディアンリズムを刻むことは、 どれくらい健康に影響するのでしょうか。
サーカディアン・リズムの変調が体の負担になるわけ
睡眠と健康の関係
まずは睡眠リズムの大切さについて。
睡眠は就眠時にメラトニンと言うホルモンが分泌されることで眠気をおこすようになっています。
ホルモンの分泌は、サーカディアン・リズムをもとにして行われているため、このメラトニンが正常に分泌されることは、サーカディアン・リズムと深い関係を持ちます。
サーカディアン・リズムが正常に保たれることでメラトニンが分泌され、深い、質の良い睡眠を得ることができるのです。
では、睡眠は健康にどのような影響をもたらしているのでしょうか。
人間は、睡眠中に成長ホルモンを分泌します。
これは、言葉通り、子どものうちには成長を促進させるためのものですが、大人になってからも分泌されます。
このホルモンは細胞の修復や疲労回復に関与していて、肌のターンオーバーもこのホルモンによって行われます。
成長ホルモンが分泌不足になると、
・LDL-コレステロール、総コレステロール、中性脂肪の増加及び HDL-コレステロールの減少
→動脈硬化
・心臓の機能が徐々に低下
→心筋梗塞や狭心症の危険
という危険が高まります。
成長ホルモンは、骨格や筋肉の発達や脂肪の分解、ナトリウムバランスの維持などの重要な役割をもっていますので、分泌が少なくなることで
・体脂肪(特に内臓脂肪)の増加
→インスリン抵抗性→糖尿病になりやすい
・ 筋肉量の低下
を招きます。
その他
・骨粗鬆症になりやすい
・疲れやすくなる
・皮膚が薄く、潤いがない
という症状も。
成長ホルモンの分泌は、睡眠時間だけでなく睡眠の「質」がかなり関係しており、
眠り始めて最初の3時間で70%が分泌されると言われています。
まずは充分なメラトニンが分泌されることにより、成長ホルモンの分泌を促す深い睡眠を得ることにつながるので、メラトニンの分泌は必須条件です。
メラトニンの分泌と腸内細菌の関係
深い眠りのために必要なメラトニンですが、実は腸内細菌と深い関わりを持っています。
このメラトニン、原料は「トリプトファン」という必須アミノ酸。
食物からとったタンパク質を、腸内細菌がきちんとトリプトファンに分解してくれることで体内に取り込むことができます。
このトリプトファンから合成されるのがセロトニンです。
そしてメラトニンはこのセロトニンを材料にして作られます。
腸内細菌叢とサーカディアン・リズムの関係
サーカディアンリズムは、親時計と言われる「時計遺伝子」だけでなく、
生殖細胞以外の全ての細胞に組み込まれている子時計(末梢時計)との相互作用によって統制されています。
また、親時計は食事時間を調整するとともに、その食事時間自体が全身の細胞の子時計と大きく相互に調整をおこなっています。
腸内細菌叢は食事時間などによって日内変動を起こしますが、
腸内壁の細胞のサーカディアン・リズムをハッキングした上で、脂肪の取り込みを制御したり、昼夜のサイクルを感知して、代謝のスイッチをONにしたりOFFにしたりする働きもしています。
腸内細菌たちは、ヒトの細胞の子時計を読む能力を持っているのです!
マウスを時差ボケ状態にすると、昼夜とわず食事をし、 大腸がん関連菌がふえたり、高脂肪食を取った時の血糖や体重が上がりやすいという結果がでています。
また、海外旅行で時差ぼけを起こした人間で行った実験でも、同じような結果が。
腸内細菌たちが私たちの体のリズムをつかむことができなくなると、代謝や脂肪の取り込み調整をどうしたら良いかが分からなくなってしまいます。
このように、様々な体の働きとバランスを保つためにあるサーカディアン・リズム。
このバランスが崩れることで細胞周期やDNAの修復がうまくできなくなり、
結果として「がん」や「神経変性疾患」「代謝疾患」などのリスクが高まります。
今思えば思い当たる、時差ぼけ状態にあった若いころの体調不良
睡眠・腸内細菌・サーカディアンリズムについて書きましたが、 きっと今より若いころの私の体は危険の高い状態になっていたはずです。20年ほど経った今の自分と比べて、どこが違うか?
考えてみました。
・感情の状態が安定した(これは年を取ったこととも関係あるかもしれません)
・花粉症の症状がかなり改善!
・肩こりがかなり改善!
・乾燥肌は相当改善!
もともとたいした持病がなかったのでこんな感じですが、花粉症と乾燥肌状態については劇的に改善されています。
これは、子どもができたことや、現在の職業につくことによって、
食生活がかなり改善されたことも一因だと思います。
便秘症だと思ったことはありませんが、
便の状態が良いと思う割合は高くなっています。
しかし、今でも夕方から夜10時くらいまでは子どもに手がかかるので
仕事が終わらず、徹夜になったりすることがしばしばあります。
どうしても夜中に何か食べてしまうので、睡眠のリズムを戻すのに数日かかることも。
そんなときは、当然、頭が働かなかったり、肩こりになったり、夜中の一定時刻を過ぎるとゲップがしたくなったり、たまに頭痛がでたりもします。
サーカディアン・リズムの変調で腸内細菌バランスが崩れると
・悪玉菌と言われるような細菌が増える。
→便の色が濃い、においがきつい
・腸壁が弱り、腸漏れが起こると全身の炎症につながる
→アレルギー悪化
・高血糖などによる血流悪化 ・十分に栄養が分解できなかったり、必要な栄養素が作れない
→血流悪化・自律神経失調
と言うような予測をしてみると、まあ、症状は軽いとはいえ、
相当、当てはまっています!
ここまで書いて今の生活でも「ちょっとこれはまずいな」と自分でも思っていたりします。
仕事が夜中にしかできないことについては、子どもが成長するまで、後しばらくは仕方ないと思いながらも「今すぐ改善できるところはやってみよう!」 そう思って、最近意識的にやってみたことと、体調の変化について挙げてみます。
サーカディアン・リズムを整え方と、それができないときの対処法
最近の私の行動の変化と結果
1 毎日お風呂のお湯につかる。これは最近とても寒かったこともあり、あまり苦じゃなくできました。
すると。。。子どもと一緒に寝てしまう日が続きました。
なんて早寝。。。
上がった体温が下がっていくことで眠気が誘導されることはよく聞いていましたが、 実際続けてやると、本当に眠い。。。
2 ドリンクにお酢。時々、甘酒か蜂蜜をなめる。
私は炭酸水がすきなので、それに黒酢を入れて飲んでいます。
また、喉がちょっとイガイガしたときや、夜中にどうしてもお腹がすいてしまった時は、はちみつをなめたり、甘酒を一さじ食べたり、ドリンクに入れたり。 習慣的にやるようになると、なんとなく疲れ方がマシになってきました!
3 日中体を動かす
これは実は仕方なくだったのですが、自分でやっているカフェのスタッフやお子さんのインフルエンザ、発熱が続き(神戸は今、インフルエンザが蔓延!公立学校では200学級近くが学級閉鎖です!)人手が足りなくて現場仕事が増えました。
事務仕事に比べたら、ちょこちょこですが、運動量はかなりふえたかと!
(楽しそうにうつっていますが、一日現場にいるとそれなりに疲れます)
それもあってか、寝付きが良すぎ。
でも、まだインフルエンザにはかかっていません!
程よい疲れなんでしょう。
今で丁度2週間くらい。意識して生活を変えてみると、最初必要以上に寝てしまいました。
早寝しているのに、なぜか朝起きづらい。
しかし3、4日目くらいで、夜、ほどほどの時間で眠くなくなり、 次の朝もシャキッと起きれるように。
調整する時間が必要だったのだと思います。
結果として、
1→早い時間に入眠できるようになった。
2→腸内細菌に良いと思われる物を続けることで、睡眠時の疲労回復が改善し、
規則正しい時間に眠気がくるようになった。
3→運動量が増えたことで、成長ホルモンの分泌が良くなった。
こんな改善点があったと予測できます。
これらもふまえて、規則正しい生活が難しいときでも
「できるだけ睡眠のサポートとなる、今すぐできること」を書いてみました!
できるだけ睡眠のサポートとなる、今すぐできること
食事で睡眠をサポート!
メラトニンと成長ホルモンの分泌促進には「トリプトファン」と「アルギニン」を意識して食べる。さらに腸内細菌にも良い発酵食品は日本のあの伝統調味料!
眠気を起こすメラトニンが夜間分泌されるためには、日中にトリプトファンをとって、セロトニンを増やす必要があります!
トリプトファンはレーバーに次いで、鶏胸肉や豚ロースなどに多く含まれますが、それに負けてないのが豆類とナッツ類!
大豆はその中でも飛び抜けて多く、レバー類の2倍以上のトリプトファンを含んでいます。
その他、トリプトファンは穀物・野菜類にも多く含まれています。
毎日食べるということを考えるとまずレバーは難しいですし、穀物菜食のマクロビオティックの食べ方は、良い睡眠のために理にかなっていることが分かりますね!
ナッツの中ではカシューナッツがダントツです。
睡眠のことを気にしておやつにつまむなら、是非カシューナッツを!(食べれる量を考えて、ごまは除いています)
また、アルギニンは体内で生成できるアミノ酸ですが、40代を超えると十分作れないことがあると言われています。
いつまでも若々しく元気でいるためには、取っておきたい栄養素。
アルギニンをとると、成長ホルモンの分泌の他、免疫力の活性化や男性機能のサポートにも良い働きが。
成長過程にある子どもや、40代以降の方たちには、是非積極的に取りいれてください。
食品から摂取するには、豚肉のゼラチンや、大豆製品がオススメです。
大豆がずば抜けてトリプトファンが多いと書きましたが、なんと成長ホルモンの分泌を促すアルギニンも同時にとれてしまう。
その上、腸内細菌によい作用がある発酵食品・・・
そう言われて思い当たるのはやっぱり
日本の伝統糀調味料「味噌」。
日本のソウルフード「味噌」は、やっぱり最強ですね!
味噌以外でも、納豆、高野豆腐もおすすめ。
その他にも、乳酸菌などの善玉菌を増やすために発酵食品もバランスよく!
もちろん食べるだけで腸内細菌たちに悪さをする農薬などは口にしない方が良いでしょう。
睡眠を十分とれていないときでも、せめて腸からのサポートだけでもしておけば、その後の回復はきっと早くなります。
朝とお昼にこれらをバランスよく組み合わせた食事、心がけていきましょう!
ちょこちょこ運動で成長ホルモンの分泌をアップ!
規則正しい生活はもちろんですが、それ以外でも、運動をすると成長ホルモンの分泌が増えることが分かっています。
太極拳や加圧トレーニングのような「スロー」なトレーニングが効果的だとか。
ダイエットにも、無理にジムに行くよりも、毎日ちょこちょこ掃除をする等の家事をする方が効果的だといわれています。
日中、座りっぱなしの仕事の人は、合間をみてオフィスの掃除をしたり、スクワットをしたりしてみましょう。
面倒でお風呂に入りたくない!というときは、手浴・足浴で眠気を誘導
疲れすぎると気力がなくてお風呂をためることすらできない。。。という方もきっと多いと思います。そんなときは、手浴、又は足浴がおすすめ。
43度くらいのお湯で10分。それぞれ手首、足首までつかるくらいのお湯で温めます。
足だけ、手だけで十分!
10分間だけ手のひらや、足の裏を一緒にマッサージしたりして、終わったら軽いストレッチ等もしてみましょう。
その後は、手や足から熱が放散されるのを待てば自然な眠気が。
寝る前に顔を洗うついでにもやってみてくださいね。
朝起きれる環境なら、起きてすぐ窓を開けて日光浴!
光と睡眠の話はよく聞かれると思うのですが、本当にすぐできるのに、今でもあまりやっていませんでした。
寒いとつい、窓をあけたくないですよね。
でも、薄曇り程度の光でも十分だそうなので、光を浴びて、体内時計をリセット! それだけで、夜眠れるようになるのなら、やってみましょう!
どうしても、夜寝てしまったら困る仕事があるときは。。。やめておこうかしら。
どれもちょっとした意識を持つことで今日からでも日常に取り入れられる
サーカディアン・リズムサポート。
是非、少しずつでもとり入れてみてください!
しかし、やっぱり一番良いのは「規則正しい生活」
特に小さなお子様の場合は、今後の成長に関わるので今すぐ改善が必要です。
大人の場合でも「どうしても体がついて行かない」場合は、どこかで手を抜いたり、仕事(家事も含む)を減らしてみるのもあり。
日本の仕事をする主婦は、世界の中でもダントツに睡眠時間が短いそうです。
せめて、「睡眠の質」を意識して、生活と健康のバランス、とって行きましょう。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market
IN YOU Marketの食材でサーカディアン・リズムを整えよう
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