ヘリコプターによる危険なネオニコチノイド農薬空中散布の実態。あなたの街では大丈夫?高確率で健康被害が起きる松枯れ対策のための農薬散布。
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松を枯らさない為に30年近く、信州では農薬散布を行っています。
私の暮らす信州は、森林面積は県土の約8割を占める「森林県」です。
林業や間伐材を利用した産業も盛んな地域です。
アカマツやヒノキなどの広葉樹が立ち並ぶ村有林にはキャンプ場やログハウス、温泉付き旅館などが整備され、
泊りがけで森林浴を楽しめる環境が整備されています。
この森林、冬は、薪ストーブの燃料を供給してくれる貴重な場所でもあります。
信州に住む私たちの生活は、この貴重な森林なしでは成り立ちません。
特にカラマツやアカマツは、公園や足湯などの施設でも目にするとても身近な樹木です。
信州では、この松を枯らさない為に、30年近く農薬散布による対策を行っています。
近年アレルギーやアトピー、花粉症などが、多発しています。
あなたの地域にも松林はないでしょうか?
松を枯らす害虫?
松枯れ被害は、一般的に2種類の害虫によって引き起こされるとされています。
松枯れ被害のメカニズム
1.「マツノザイセンチュウ」が松の樹体内で活動し、通水阻害を起こして松が枯れる。
2. 衰弱した松に「マツノマダラカミキリ」という「カミキリムシ」が産卵。
線虫を媒介することで、松くい虫被害が周囲に拡大する。
松枯れ被害が日本で初めて確認されたのは、明治32年。
「マツノザイセンチュウ」により松枯れが発生することが確認されたのは昭和45年のことです。
その後、「マツノマダラカミキリ」が線虫を媒介することが明らかになりました。
また「マツノザイセンチュウ」北アメリカから持ち込まれた外来生物であることが判明しました。
「マツノマダラカミキリ」は、枯れ木がなければ繁殖できません。
「マツノザイセンチュウ」が日本に持ち込まれたことにより、松枯れ被害が拡大しました。
引用:安曇野市公式ホームページ
農薬散布は本当に効果があるの?止まらない松枯れ被害。
全国の松くい被害は、昭和54年度をピークに減少していますが、平成28年度は北海道を除く46都道府県で発生。
政府は「日本最大の森林病虫害」との認識の元、公益性の高い場所やその周辺の松林を対象に、対策を講じています。
私の住む信州は「松枯れ被害」の影響が全国で一番拡大している地域です。
全県を挙げて「松枯れ対策」として農薬散布が行われています。
引用:林野庁 松くい虫被害
現在、全国の自治体が実施している松枯れ対策は、主に4つ。
殺虫剤散布による予防や伐採による駆除、森林保全整備、樹種転換や、腐食土の除去などです。松枯れ対策として農薬散布の使用を認めた法律が作られたのは昭和52年。
この「松くい虫防除特別措置法」は、5年間の暫定措置でしたが、十分な成果が認められませんでした。平成9年からは新な法律「森林病害虫等防除法」の元で農薬散布が行われています。
最も危険なのがヘリコプターによる空中散布
自治体が実施している農薬散布
1.ヘリコプターによる殺虫剤の空中散布
2.機械による殺虫剤空中散布
3.松の樹幹への薬剤注入
この中で最も危険なのが、ヘリコプターによる空中散布です。
農薬空中散布実施地域からの飛距離による健康被害の割合(昭和63年・広島県)
3km~4km・・・約15%
1km~2km・・・約43%
500m圏・・・約44.5%
引用:林野庁 松くい虫被害
広島では有機リン系農薬により「頭痛・喉の痛み・発疹」など、子ども達に健康被害が!?
平成2年6月、有機リン系農薬スミチオンの空中散布が行われた広島県・廿日市では児童への健康被害が発生しました。空中散布が行われた当日、実施地点から2Km離れた場所では、小学生による屋外学習が行われていました。その後、子ども達に湿疹や下痢の症状が現れ、学校が調査を行いましたが、結果が報告されませんでした。
そのため、保護者が独自で調査したところ、回答をした76人中37人に何らかの症状が発生していたことが、確認されています。
症状の内容・内訳:
眼の痒み、充血など・・・7名 湿疹・・・・・・・・・・8名
風邪に似た症状・・・・・8名 頭痛や喉の痛み・・・・10名
倦怠感・・・・・・・・・5名 嘔吐・・・・・・・・・・1名
発熱・・・・・・・・・・8名 下痢・・・・・・・・・10名
これらの症状に対して、北里大学医学部教授・石川哲氏(当時)や、長野県佐久総合病院・松島松翠氏らが「有機リン中毒及び障害の可能性が高い」との見解を示しています。
松枯れ対策にネオニコチノイドが使われている!?
空中散布には、これまで主に有機リン系の農薬などが使用されてきましたが、
近年は、ネオニコチノイド系農薬使用が拡大しています。
信州で松枯れ対策に使用されている農薬は「マツグリーン2」「エコワン3フロアブル」。
どちらもネオニコチノイド系農薬です。
「マツグリーン2」の主成分であるアセタミプリド、「エコワン3フロアブル」のイミダクロプリド。
どちらも欧州食品安全機関により子どもの脳神経発達に重大な悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
この危険な農薬により子ども達に発達障害が起きる可能性があるのです。
また実際に、平成20年6月、松本市でアセタプリミドを主成分とする空中散布が行われた後、3歳の児童に多動などの症状が現れ、医師の治療が行われた事例も発生しています。
松枯れの原因は害虫だけではない?公害によるものだとの指摘も。
昭和43年、大阪独自調査をした市民の手により、松枯れが発生した公園の松葉から硫黄酸化物2.2mgが検出されました。また昭和49年には、広島県で行われた国際植生学会・日本大会のシンポジウムで、ドイツやヨーロッパの研究者たちにより、松枯れの原因が大気汚染である可能性が指摘されました。
このような指摘があるにも関わらず、日本の松枯れ対策では、公害の可能性は視野に入れないまま、農薬散布に莫大な予算が投入され続けています。
まずは危険な農薬散布を中止させることから
農薬散布をされている。まずは、その実態を知りましょう。
私は、正直言って、いままで松枯れ対策を身近な問題と捉えていませんでした。
以前は、農薬散布が行われていることも知らず、松枯れを防ぐ為の優れた取り組みであるかのような印象すら抱いていました。
松本市の農薬散布の問題が浮上してからも、その自治体だけのことだと思っていました。
ところが、実際に調べてみたら、農薬散布は県の方針により長野県ほぼ全域で行われていました。
またこの40年ほどの間に、大阪や広島など全国各地で松枯れ対策として農薬の空中散布が行われ、安全性を疑問視する声が上がっていました。
そして、現在も岡山県など多くの県で農薬散布が行われています。
このような深刻な事態に対し、私達ができることは何でしょうか。
松本市長に、農薬空中散布の中止を求める
「松本市の農薬空中散布をやめてください!」キャンペーン。
松本市は、国宝松本城や上高地などの観光地に行く為に、全国から多くの人が訪れる街です。
農薬散布が行われている里山辺や四賀周辺には、美ヶ原温泉や果樹園、
松茸や有機農業を観光の目玉としたクラインガルテン(滞在型市民農園)があります。
松本市民だけでなく、観光客にも農薬散布の影響が及ぶ恐れがあるのです。
松本市を安心して観光や農業を行える街にしていく為に、松本市菅谷市長に対して、空中散布中止を求めましょう。
害虫による松枯れはどうやって防げばいい?
健康被害が生じる恐れがある農薬散布に、私達の貴重な税金を投じる必要はありません。では、私達は今後どうやって松枯れを防いでいけばよいでしょうか?
松の木にキツツキの巣箱を設置しよう!
アカゲラ、アオゲラなど大型のキツツキは、マツノマダラカミキリを捕食します。
このキツツキの巣箱を松の木に設置してみましょう。
休日に、親子で巣箱を作って設置するのも楽しそうですね。
巣箱設置のポイント
1.設置時期:秋から冬
2.設置する高さ:2m~5m
巣箱の大きさなど、詳し巣箱の作り方が上田市のホームページに掲載されていますので、参考にしてくださいね。
上田市ホームページ 巣箱をつくってみよう!
私の住む地域で空中散布が行われていたら、どうすればいいの?
松枯れ対策の農薬空中散布は、事前に自治体によって防除計画が立てられホームページなどで公開されています。
お住まいの地域の防除計画を確認して、対策を考えましょう。
危険な農薬の空中散布から自分や子どもの身を守るためにできること。
危険な農薬の空中散布から身を守るためにできることを知りましょう。
・農薬空中散布の中止を自治体に求める。
・実施地域からなるべく遠くに離れる。
・空中散布後の体調の変化を記録する。
・体調に変化が見られた場合は、医師に相談する。
・自治体への健康被害調査を求める。
体調に変化が見られた場合は、医師に相談の上で、自治体に健康被害調査を申し入れましょう。
1人では難しいので、地域の住民同士で協力して対処していくことが大切です。
自然をコントロールしようとする人間の傲慢さ
このまま松枯れが防止できなかったら、信州の森林や山はどう変化していくでしょうか。信州では、江戸時代より佐久地域、松本地域などにカラマツが植栽されてきました。
現在、信州に松が多いのは、この為です。
自然界には、長い年月をかけてその場所に生える植物が変化していく「遷移」という現象があります。
伐採などによりカラマツが絶えた場所には、コナラなどの広葉樹の林が広がっています。
生態系は、元々こうして変化していくものなのです。松枯れの保護は、木材供給など、わたしたち人間の都合によるところが大きいのです。
自然は人間の手で簡単にコントロールできるものではありません。
長野県では絶滅寸前になった鹿の保護政策を行った結果、数が増えすぎて、農作物への被害が増加しました。現在、鹿は有害鳥獣に指定されています。
私達人間が、これ以上、公害や外来生物の持ち込みを増やさないようにしていく事こそが、貴重な森林を守る為に一番必要なことなのです。
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国内のスーパーで販売される商品の殆どが、体に害を及ぼす添加物・農薬・化学肥料まみれです。日本を変えるためには、まずあなたの認識を変えてください。
参照:
松枯れ問題研究会編「松が枯れていく この異常事態への提言」
松枯れ農薬空散反対広島県民会議編「松からの警告 松枯れ・大気汚染・農薬」
日本農村医学会学術総会抄録集「松枯れ対策農薬の空中散布と同時期に発生した健康被害例の検討」
「第 11 回松本いきものサロン・市民シンポジウム」リポート
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