寝苦しい夏は眠れない人が急増中!東洋医学から見た、不眠症・睡眠障害の原因と対策
現代人で、不眠症の人が増えています。
暑くて寝苦しくありませんか?
寝つきが悪く布団に入ってもなかなか眠れない・・ときには、朝まで眠れない。
寝たのにすぐに目が覚めてしまう。
睡眠剤で眠る毎日を何とかしたい。
多くの人は安易に睡眠導入剤などを処方されてごまかしていますが、
本当の原因を解決しないと問題は深くなると言えますし、薬の過剰摂取は副作用や依存性もあるので、危険です。
今回は東洋医学から見た不眠症に隠れた本当の問題について書いています。
不眠症はいまや国民病
不眠症と聞いてどんなイメージでしょうか?
よく眠れている自分には関係ないと思っている人もいれば、今まさに不眠症で悩んでいる人も多いと思います。
実際に厚生労働省が調査した結果では、
日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」と回答しています。
加齢とともに不眠は増加します。60歳以上の方では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいます。そのため通院している方の20人に1人が不眠のため睡眠薬を服用しています。
厚生労働省
とされており、実に多くの人が不眠症に悩んでいる人が分かります。
年齢とともに悪化する不眠症
さらに不眠症は年齢とともに悪化する傾向にあるので、今は大丈夫でもそのうち患うかもしれない疾患の一つです。
さらに、不眠症は正式には睡眠障害というので分類すれば、
- 入眠障害
- 熟睡障害
- 中途覚醒
- 早期覚醒
時間的には眠れていても朝からだるい、疲れが取れないという時には睡眠障害の可能性があります。
不眠症に潜む病気もある。
不眠症は些細な生活習慣から引き起こされる場合もあります。
コーヒー・紅茶などに含まれるカフェインを多飲していたり、
たばこに含まれるニコチンなどを吸い過ぎたりしていれば過剰な覚醒作用により安眠を妨げている可能性があります。
またカフェインによる利尿作用で中途覚醒が起こることもあります。
そして中には病気により不眠症が引き起こされる場合もあります。
睡眠障害は不眠症、過眠症、リズム障害の3つに分類できる。もっとも数が多いのが不眠症で、不眠症にも様々なタイプがあり、タイプにより治療法も異なる。不眠症の中で頻度の高い、高齢者の不眠症、夜間頻尿、メラトニン減少症、レム睡眠行動障害、甲状腺機能低下症、睡眠時無呼吸症候群がある。
~睡眠障害~ 遠藤 拓郎
甲状腺機能低下症は代謝が低下するので倦怠感や集中力の低下などを伴います。
睡眠時無呼吸症候群は死の五重奏と呼ばれる疾患の一つで、睡眠時に呼吸が止まったりします。
さらに普段から服用している薬が睡眠を妨げている場合もあります。
睡眠を妨げる薬としては降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。
アレルギーに使われる抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。
東洋医学から見た不眠症に潜む体の問題とは
ここまでは西洋的な観点から眠れない原因についてお伝えしてきました。
では東洋医学から見た眠れなくなる原因はなんでしょうか。
東洋医学から見ると、不眠症の原因は身体に熱がこもった状態で火邪と呼びます。
火邪とは興奮させる性質があるため夜に眠れなくなるというわけです。
問題なのは、なぜ身体に火邪に身体が侵されているかです。
火邪に侵される原因2つ
- 火邪が盛んになり過ぎている実証と呼ばれる体力がある人がなる状態
- 火邪を抑えきれない虚証と呼ばれる体力がない人がなる状態
の二つです。
虚証における不眠の原因としては、陰虚火旺(いんきょかおう)という状態があります。
陰とは身体の水分を指すので、陰虚で水分不足となり火旺で熱がこもるという表現になります。
原因としては、
- 老化による水分の減少
- 過労による水分の消耗
- 過度なスポーツによる多汗
- 水分の補給不足
などが挙げられます。
東洋医学における不眠の分類
実証における不眠の原因としては、肝鬱化火(かんうつかか)という状態があります。
肝は代謝をつかさどる内臓なので代謝により発生した熱が過剰な状態を指します。
体力があり代謝が盛んな人が陥りやすい状態です。
東洋医学における内臓の考え方は、内臓は精神状態とも関係しており、肝はイライラの感情と関係しています。
さばききれないほどの熱量で身体がオーバーヒートを起こしている状態です。
原因は、
- ストレス
- 過度の緊張
などにより肝臓での代謝が亢進し、のぼせたような状態で怒りっぽくなるのが特徴です。
これは気(代謝)のめぐりが悪くなり渋滞を起こしている状態です。
おでこや首筋を冷やすのが落ち着くには効果的です。
胃に余分な熱がたまる、心脾両虚
虚証には心脾両虚(しんぴりょうきょ)という症状があります。
胃腸が弱い人に多い症状で逆流性食道炎なども伴っていることもあります。
消化不良により胃に熱が溜まり、
- ゲップ
- 吐き気
- 胃のむかむか
そのため、血(栄養)の状態が不足しがちで常にイライラしやすく、気分が滅入りやすかったり、思い悩みやすかったりするのも特徴です。
水分をしっかりととってお腹を温めるのが大切です。
しっかりと熟睡するために気をつけたい習慣・対策
熟睡のために必要なのは熱と水分のバランスです。
眠れない人の多くは頭に熱が昇った状態で、脳の熱を冷ませないために起こります。
逆に普段から眠気の強い人は脳での代謝が滞っている場合がほとんどです。
身体は代謝し続けることは不可能なので、昼間にしっかりと脳を使っていれば夜にはシャットダウンするために眠気に襲われます。
うまくシャットダウンできない状態が不眠症です。
● 対策1 午前中にしっかりと、水を飲む。
スムーズにシャットダウンできない原因は水分不足にあるので普段から水分を摂りましょう。
水分の摂取の目安は体重の3%になります。
体重が60kgの人なら1.8ℓになります。
ただし、1.8ℓのうちに1ℓは午前中に飲むのが理想的です。
身体は水分の吸収率が最も高まっているのは午前中になるからです。
寝る前に焦って飲んでも、人によっては次の日に瞼が腫れたりするだけで身体が上手く潤されません。
そのため、朝の過ごし方が重要です。
基本的に不眠症の改善には朝の過ごし方が重要で、夜になってから焦っても望むような眠気は訪れません。
そのため、午前中にしっかりと水分を摂りましょう。
そして、夜に重要なのは心を落ち着けるという事です。
● 対策2 寝る前に体を疲れさせない
寝る前に意識したいのは熱を発生させないことです。
熱を発生させないというのは身体を疲れさせないということになります。
現代は目を疲れさせたり、胃を疲れさせる人が多いので過剰に熱が発生していることが多いのです。
そのため、
- 寝る前のテレビやスマホは就寝の一時間前には終わる
- 夜の食事は寝る三時間前には終わらせておく
などの生活習慣が重要です。
また寝る直前に、暑いお風呂に入ったり、激しい運動をしすぎるのも問題なので、余裕を持った時間帯に、入浴や運動をしましょう。
まとめ
現代人に不眠症の人が増えている原因は水分不足にあります。特に現代人は運動不足や空調で喉の渇きを感じる場面が減っています。
そのため、気が付けば食事のとき以外は全く水分をとっていないという人も多くいます。
年齢とともに渇きの感覚は薄くなっていくために意識しないと水分不足の状態に陥ります。
午前中から意識して水分をしっかりと摂ることでより深い睡眠を得られるので、何気ない習慣に気を付けて、快適な眠りをとってくださいね。
眠れないあなたにおすすめしたいオーガニックアイテム
オススメの記事
日本人の2割が不眠症、6割が不眠症予備軍。どうしてあなたは眠れないのか?原因は何気なく飲んでいる薬のせいかもしれない。不眠症を自力で改善する食べ物とは。「ぐっすり眠れない」のは、あの臓器の不調のサインだった!東洋医学「望診法」から見た、タイプ別 眠れない理由とおすすめの食事法。
1週間にたったの2時間?運動よりも簡単にできる健康療法とは|研究で明らかになった自然がもたらす驚くべき心身への影響とは。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう