はちみつもメープルシロップも不使用。材料2つ!「砂糖なしジャム」の作り方。あらゆるものに使い回しアレンジ無限大!
1 旬のみのりを瓶に
庭のブルーベリーに、鳥がやってくる季節です。
今年は粒が大きいようです。
その果実の旬、一番たくさん採れる時期に作っておくジャム。
手作りのお店で、半透明に輝く果物がぎゅっとつまったガラス瓶が並ぶコーナーは、
なんだかしあわせな気持ちになります。『大草原の小さな家』に出てくるかあさんたちのように、
季節のくだものをことこと煮詰める手仕事を想像するからでしょうか。
私の夫方の母も、淡々と日常の手仕事を続けている女性のひとりです。
着られなくなった服はほどいて、編み直したり、裂き織りにしたり。
食事もおやつも、昔ながらのものを少量を食べ、無理のない範囲でよく働き、髪も黒く、頭も元気です。
甘いものを好まず、ほとんど口にしない母が、唯一作り、少し口にするのは、甘さ控えめのジャムです。
2 旧石器時代生まれの保存食
農林水産省HPによると、ジャムとは、
「果実、野菜又は花弁(以下「果実等」と総称する。)を砂糖類、糖アルコール又は蜂蜜とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの」。
果物と糖分を煮ると、水分が糖分に置きかえられ、果物に含まれている酸とペクチンが反応して、とろみがつくというものです。
ジャムの歴史は、少なくとも今から1万年~1万5千年前の旧石器時代後期にまでさかのぼります。スペインの洞窟で、人類がミツバチの巣から蜜を取る図が発見され、その後果実を土器で煮た跡が見つかっているそう。そんな昔に工夫が生まれていたとは驚きです。
(農林水産省HP/日本ジャム工業組合HP)
3 ジャムの糖度をめぐるおはなし
さて、果物を糖分で煮れば、なんでも「ジャム」と呼べるかというと、規定があります。
「Jam must have a soluble dry matter content of 60% or more as determined by refractometer, except for those products in respect of which sugars have been wholly or partially replaced by sweeteners. A jam which, has a soluble dry matter content (that has not been replaced or partly replaced by a sweetener) of 50% or less may be described as ‘reduced-sugar jam’ or ‘low-sugar jam’.」
つまり、欧米では糖度60%以上のものをさし、それ以下の場合には「減糖」「低糖」とつけねばなりません。「砂糖」と「健康」をめぐって論争もあり、イギリスではそれを受けて2013年に改定がなされました。
「Option 1: Reduce the permitted sugar level for jams from 60% to 50% 」 (Gov.UK HP)
日本ではさらに糖度が低く、40%以上でジャムと呼ぶことができます。
「糖度65%以上:高糖度 糖度55%~65%未満:中糖度 糖度40%以上55%未満:低糖度 」
(独立法人農畜産業振興機構HP/日本ジャム工業組合HP)
保冷技術のおかげで、保存性を糖分に頼らなくてもよくなった現代。「砂糖」のなかった昔に思いをはせつつ、「ジャム」ほどの糖分はなく、とってもフレッシュなフルーツスプレッドをつくってみませんか?
4 砂糖なしジャム(フルーツスプレッド)の作り方
基本的な材料はふたつ。旬の果実と、ストレート果汁です。
食べきれない分、飲みきれない分で作れれば最高。そのまま食べるには味が薄かったり、酸っぱいなという果実の利用にも。
できあがったジャムは、水切りヨーグルトにぴったり。
豆乳ヨーグルトなどお好みのものを、コーヒーフィルターに入れひと晩置くと、すっかりおなじみの濃厚デザートです。
米粉パンケーキや米粉蒸しパンにも。
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甘酒アイスクリームに、混ぜ込んで固まらせるとそれは美しいですよ。甘酒アイスクリームは、豆腐、ココナツミルク、手作り甘酒を1:1:1でフードプロセッサーにかけ、冷凍するだけとは思えないおいしさです。
お好みで、粉茶、きなこ、ごまペーストなどをまぜてもおいしいですよ。
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水切りヨーグルト、甘酒アイスクリーム、米粉パンケーキ、玄米ポンせんなどを少しずつ盛り付けて、砂糖なしジャムをたらり。
かわいいマクロビパフェができます。マクロビあんや豆腐団子、煮切りみりん、きなこをかけて、和風パフェにするのもいいですね。
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一度にすべて作ろうとすると時間もかかりますが、気持ちがゆったりしているときに気の向くものを作り、
ひとくちサイズに切って密封冷凍しておくと、組み合わせるだけで完成します。
<砂糖なしジャムの作り方>
【材料】
・季節の無農薬果実 1カップ(いちご、ブルーベリー、ぶどうなど。大きなものはスライスする)
・100%無農薬ジュース 2カップ(りんごやぶどうジュース・無糖ストレート果汁)
*お好みで 塩ひとつまみ、無農薬レモンのスライス1枚
【作り方】
①ボウルに果実を入れ、自然塩をひとつまみなじませます。
②鍋にジュースを入れ、半量くらいになるまで弱火で煮詰めます。
③②に①の果実を加え、混ぜたらできあがり。
*すぐに火を消すと、フレッシュな果実ころころスプレッド、果実がしんなりするまで炊くとしっとりスプレッドです。
*糖度が低いので、冷蔵保存で2~3日以内にお召し上がりください。
5 まとめ
「ジャム」は食べなければならないことはないけれど、季節の暮らしを豊かにしてくれるもの。からだや地球に、無理のない材料で、どうぞこころゆるまる食卓、ティータイムを。
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