2型糖尿病予防に大注目の玄米。炊飯するより簡単に調理できる｜簡単×美味しい！玄米グラノーラの作り方

生活習慣病の代表例ともいえる糖尿病。
健康診断で血糖値が高いことを指摘されたことがある方も多いのではないでしょうか。

糖尿病にはⅠ型とⅡ型の2種類がありますが、Ⅰ型の場合遺伝的要因があり、
生まれつきインスリンの分泌が少ないなどの症状を抱えている人を指します。

対して現在急速に増加しているⅡ型糖尿病の原因は、
食事、喫煙、飲酒、運動不足などの生活習慣が環境因子として深い影響を与えていると言われているのです。

糖尿病の不安要素として、一度発症すると完治するということがないこと。
Ⅱ型糖尿病を発症してしまうと、
その後継続して食事療法が必要になります。加えて運動を行う必要もあります。

つまり、非常に繊細な自己管理が必要になってしまうのですね。
今まで不規則な生活を続けてきた人にとっては大きなストレスになると言えます。

そんなⅡ型糖尿病を予防するために注目されているのが、玄米です。

とは言っても、玄米を食べるには白米と違って水に浸けておく時間が長かったり、
炊飯器によってはうまく炊けなかったり時間がかかったり。
圧力なべが必要だったりと何かと面倒なんです。

そこで提案したいのが、玄米で作るグラノーラです。

水に浸けたり長時間火にかける必要もなく、少量でお腹が満足し、
しかも作り置きしておけるので朝食作りの時短にもなります。

更に手作りすることで糖質の量を制限できるので、
糖質オフダイエットをしている人にもおすすめです。

玄米がなぜ糖尿病に効果的なのかと併せて、作り方を紹介していきましょう。

高齢化の進行とともに増加が見込まれるⅡ型糖尿病

Ⅰ型糖尿病の方の治療は、定期的なインスリン注射です。

これは先天的な病気なので、
罹患している人は一生付き合っていかなくてはいけないものです。

Ⅱ型糖尿病は、バランスの良い食事や運動などできちんと防ぐことができるのですが、
「血糖値が高い」と指摘されても対応を取らない人が多いため、増加傾向にあります。

しかもⅡ型糖尿病は放置していると目の血管から出血して失明に至る網膜症、
腎臓の機能不全を起こす腎症、神経障害など様々な重篤症状のきっかけになるのです。

腎症は進行すると透析が必要になるなど、日常生活に大きな負担を掛けます。

こうした糖尿病患者数は、高齢化とともに今後も増えていく傾向にあると考えられています。
国を脅かす深刻な病気なんです。

インスリンの分泌は年齢と伴に減る

なぜ高齢化が糖尿病の人口を増加させるのでしょうか。

それは、加齢とともに人体のインスリン分泌量が減っていくからです。
さらに言うと量が減るだけでなく、働きも悪くなると言われています。

また、糖尿病は自覚症状が出にくい病気です。
気が付いた時には重症化して、手足の末端が壊疽を起こすということにもなりかねません。

Ⅱ型糖尿病のチェックとして、手先、足先にできた傷の痛みを感じにくく、
かつその傷が膿みやすくなっているということが挙げられます。

これは、糖尿病の症状の一つである神経症状によって血流が悪くなり、
痛みに鈍くなったり傷の治りが遅くなったりするからです。

参考　DMtown　

栄養バランスを整えて過剰な食欲を抑える
スーパーフード、玄米

糖尿病の予防には、グリセミック指数（GI値）が低いものを食べるのがいいとされています。

GIとは、ある食品を食べたときの血糖値の上昇の度合いを示した指数です。
これに炭水化物の量を掛けたグリセミック負荷という二つの指数によって、
糖尿病のリスクが算定されています。

グ リ セ ミ ッ ク 指 数 (glycemic index, GI) とは、
一定の糖質を含む 食事ごとの血糖値の上昇度合い（速さ，程度）を間接的に表現する数値 である 8）。
食事が含む炭水化物の量も 考慮したグリセミック負荷（glycemic load）も考案されている

https://www.ryudai2nai.com/doc/20150928.pdf
琉球大学医学部第二内科

食物繊維が多く、
ミネラル、ビタミンも豊富な完全食でバランスアップ

精製されたコメに比べて、稲の果実である籾からモミガラのみを除去した状態の玄米には、
薄皮としての米ぬかが大量に含まれています。

米ぬかは食べても栄養がないものとして長い間廃棄の対象になっていました。

私の家の近所にも、コイン精米機多くあり、
自宅で生産したお米を精米して食べる人の姿を見かけます。
その時米ぬかは大量に機械の裏手に捨てられています。

ですがこの米ぬか、玄米の薄皮部分にこそ、ビタミンBが多く含まれているのです。

ビタミンBは末梢神経のしびれやむくみを引き超す脚気の治療に不可欠なものです。
その他にも食物繊維、ミネラルなどが多く含まれていて、
食後の血糖値の上昇が穏やかになると言われています。

1食分の主食を玄米に変えることで、こうした必須栄養素の不足を補い、
自然バランスのいい食事がとれるようになるのです。

バランスのいい食事と、適度な食物繊維は糖尿病治療の最も基礎となるものです。

γ-オリザノールによって過剰な食欲が抑制

玄米は過剰は食欲を抑える効果もあると言われています。
それがγ-オリザノールという成分の働きなのです。

健康なラットに高栄養の餌とγ-オリザノールを含んだ餌を与えた比較研究をした場合、
γ-オリザノールを食べたラットはインスリンの分泌機能が改善したほか、
餌を食べる量が減ったという研究があります。

γ-オリザノールは高脂肪の食事に対する食欲をコントロールする食欲中枢と関係するとされます。
食欲中枢は脳の視床下部にありますが、その細胞組織である小胞体という組織がストレスを感じると、
ホルモンの分泌が正常に行われなくなるなどの悪影響があります。

γ-オリザノールには小胞体のストレスを緩和させる働きがあり、
視床下部で過剰な食欲が発生するのを防ぎます。

高脂肪食に対する嗜癖は食欲中枢の小胞体ストレ ス亢進と関係したが、
玄米粉末あるいはγ – オリザノール投与で是正された。
玄米に含まれるγ-オリザノールが分子シャペロンとして機能し、
高 脂肪食で誘導される視床下部の小胞体ストレスを 抑制し、
高脂肪γ-オリザノールには、糖尿病マウスでインスリン分泌機能を改善すること、その機序として、
膵臓β細胞の小胞体ストレスの抑制、
ドパミンD2 受容体の抑制を介することも報告された食への依存性（耽溺）を軽減した と考えられた
琉球大学医学部第二内科

食べればいいというわけではない、酸化作用も強い玄米

これだけいいことずくめなので、食事をすべて玄米に変えれば糖尿病を防ぐことができる、と思いがちですよね。

ですが、玄米は食べる量を考えなくてはならない注意点もあるのです。

第一に、GI値が低いとはいっても玄米も炭水化物です、糖質を多く含んでいます。
多く食べればそれだけ糖分も多く摂取することになります。

また玄米には体内で活性酸素を発生させるアブシン酸を多く含んでいます。
このアブシン酸は無害化するのが手間なので、できれば食べる量を少なくすることがおすすめなのです。

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フライパンで炒って作る低糖質玄米グラノーラ

長時間吸水させる必要もなく、少量で満足できて糖質制限にもなり、
血糖値を下げる効果も十分得られる玄米グラノーラの作り方を紹介します。

炊飯しないので歯ごたえが十分あり、
しっかり咬んで食べるので、満腹中枢が刺激されて食べる量が抑えられます。

また市販のグラノーラと違って果糖せず、レーズンの甘みだけで食べるので、かなりシンプルな味わいになります。

普段濃い味のものばかり食べていて舌が鈍くなっている人にも試してほしい朝ご飯です。

玄米グラノーラの作り方

材料

玄米　400㏄
クルミ　100g
レーズン　130g

クルミは低糖質、低GIで体脂肪を減らすリノール酸を多く含んでいます。
レーズンはそのままだと糖質が高いのですが、少量でも甘みを感じやすいことと、
実は血糖値の上昇を穏やかにしてくれることから材料に加えました。

分量はそれぞれ市販されている1パックをそのまま使用しています。
お好みで加減していただいて大丈夫ですが、
レーズンの取りすぎには気を付けてください。

1　フライパンで玄米を炒る

今回は、県内産の無農薬玄米を、
特殊な機械で精米して汚れや不純物を落としたものを使ったので、乾煎りしています。

アブシン酸は水で落ちやすく、
また吸水させることで歯ごたえが少し軽くなるので、
気になる方流水で研いでしばらく水を切っておくといいでしょう。

2　10分ほど炒ると香ばしく殻が弾けて茶色く色づいてきます。

少し食べてみて、おせんべいのようなぽりぽりした触感になっていたら完成です。
この入り玄米は、多めの水で普通に炊いてお粥にしたり、
スープに入れて雑炊にようにして食べる方法もあります。いろいろ試してみてください。

3　レーズンとクルミを混ぜて完成です。冷蔵保存すれば2ヶ月程度は保存可能です。

一食分の食べ方

低糖質生活をするには、一食分の糖質を20グラム以内に押さるのがいいとされます。
そこで、玄米グラノーラの1食の分量は大匙2です。

え、たったそれだけ？　と思ってしまうでしょうが、
30㏄の玄米の糖質量が約18グラムなので、
クルミとレーズンの分量を考えてもこのくらいが適量です。

お腹が空きそう…と心配な方はこんな食べ方をしてください。

まず、朝一番に玄米グラノーラを大匙2計って、牛乳に浸しておきましょう。
その間に洗顔など朝の身支度を済ませてしまいます。余裕があれば少し家事をしてもいいですね。

この間に入り玄米が水分を吸って少し膨らみます。量が増えるの、
噛み応えがあることから時間を掛けて食べることができるので、少量でも十分満腹感を得られます。

それに食べた後お腹の中で食物繊維が水分を吸って膨らむので、お腹が減る心配もありません。

まとめ

血糖値の上昇をおさるだけでなく、栄養バランスを整えて、
脂っこいものを食べたい欲求も抑えてくれる。まさに理想の完全食である玄米。

ですが、この世にそれだけを食べれば健康になれる、というものはありません。
どんなに栄養バランスが良くても、食べ過ぎれば悪影響ですし、炭水化物や糖質を多くとることにもなります。

そこで、少量でも満足が得られて、しかもちょっとの手間で長期間保存ができる、手作り玄米グラノーラがおすすめなのです。

こちらは一般的なグラノーラのように甘くないので、甘い朝食は苦手、
という人にもおすすめしたいですね。
素朴な味わいで毎日の健康習慣をサポートしてくれます。

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