東洋医学から見た、薄毛の3つの原因と対処法。栄養不足、ホルモンバランス、それともシャンプー?
髪の毛が薄いことに悩んでいませんか??
最近やけに抜け毛が多い、分け目が目立つ、髪の毛が薄くなってきたような気がする・・
と、薄毛などの髪のトラブルに悩んでいる方はいませんか?
画像:josei-no-nukege.net/2016/10/05/post-337/
髪の毛が薄いからといって命を落とすようなことは考えにくいですが、
美容的な面から髪の毛の量については気になってしまうものです。
髪の毛の量が多くて悩んでいる人もいるかもしれませんが、今回は特に薄毛についてお話ししたいと思います。
薄毛ってどんな状態のこと??
日本臨床医学発毛協会によると薄毛については次の通り定義されています。
薄毛とは髪が生え変わるたびに少しずつ生えてくる毛が細くなり髪の毛のツヤやコシなどが次第に無くなっていってしまい全体的に髪の毛のボリュームが無くなってしまっている状態日本臨床医学発毛協会
つまり一時的に髪の毛が抜けてしまって、その後元のように生えてきた場合には薄毛とはいいません。
薄毛は男性に多いのはなぜ??
なんと日本人男性の4人に1人は薄毛に悩んでいるというデータがあります。
確かに日本人の中高年の男性には薄毛の方が多い印象がありますよね。
女性よりも男性に薄毛が多いのは髪の毛と性ホルモンに深い関係があるからです。
女性も男性ホルモンの作用を受けて薄毛になる?!
髪の毛の生える量には男性ホルモンのテストステロンの分泌量が関わっています。
テストステロンが髪の毛の成長を抑えて、早く抜けるように作用するのが原因です。
これは男性に限ったことではありません。
女性にも微量ですが男性ホルモンのテストステロンがあるのです。
テストステロンは男性の性機能を維持するだけでなく、代謝分泌、動脈硬化防止、
認知症の防止などにも関わっています。
女性は加齢とともに女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下してきます。
エストロゲンによりテストステロンの作用を抑えているのですが、エストロゲンが低下するにつれて
テストステロンが優位になってきて脱毛を起こしてしまいます。
一時的に起こる産後の薄毛
また、女性が薄毛に悩むというケースは年を重ねてからだけではなく、産後にも多くみられます。
妊娠中には妊娠を維持するための黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きにより髪の毛が増える傾向にあります。
しかし、赤ちゃんが生まれてからホルモンバランスが一気に崩れることによって、髪の毛が抜けやすくなります。
産後の抜け毛に悩んでいるお母さんも多いかもしれませんが、一時的なもので気にし過ぎないのが一番。
しばらくすればまた元に戻るので、あまり悩まないようにしてください。
東洋医学的に薄毛の原因は3つのタイプに分けられる
東洋医学では毛髪の変化は、どこかの不調が現れたものであると考えます。現代医学では薄毛というと、ホルモン異常などが原因と考えられますが、
東洋医学では次の3つに分けることができます。
腎虚 (じんきょ)タイプ
腎は生きる源である精を司る部分。現代医学の腎臓は水分調整や血液を作る場所とされていますが、漢方的には少し違います。
わかりやすくいうと生命力や男女別の生殖能力などにも関わっているのが腎です。腎虚というと一番多いのは、加齢によるもの。
次の症状もあれば腎虚かも?
足腰が弱い、白髪が増えてきた、めまい、耳鳴りがするなどの症状がある腎虚による薄毛の対処法は?
黒いものを食べましょう!
ひじき、黒豆、黒米などの黒い色をした食材は腎を養ってくれる
ので腎虚の時には積極的に食べると良いでしょう。
また、食生活に少しの甘みを加えるのも効果的です。
参考:kracie.co.jp/kampo/aging/jinkyo/symptom/renal_care/index.html
血虚 (けっきょ)タイプ
血虚は血液不足、血が足りていない状態のことをいいます。東洋医学では髪の毛は血液が余って作られるものと考えられています。
髪の毛や爪のような末端の組織にまで栄養が届かないということは、送り出される血液の量が足りていないということ。
次の症状があれば血虚かも?
爪が割れやすい、髪の毛がぱさつく、顔色が悪い、立ちくらみがする、寒がりであるなどの症状がある血虚による薄毛の対処法は?
血液不足というと貧血のイメージからレバーを食べるべきなの?と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもレバーを食べる必要はありません。血を補う食事としては、赤いものを食べるのがおすすめです。
例えば、赤みの魚類、赤米、かぼちゃ、クコの実など。
また、血虚は寝不足も良くありません。たっぷり睡眠をとって血を補っていきましょう。
湿熱 (しつねつ)タイプ
頭皮がベタベタしていて薄毛に悩んでいる場合には、余計な分泌物があり湿気や熱がこもっていることが原因に考えられます。多くの場合は、食べ過ぎや飲み過ぎが原因に考えられます。
次の症状があれば湿熱が原因?
水分やお酒をたくさん飲む方である、食べ過ぎる傾向がある、吹き出物が多い、便秘がち、傷が化膿しやすいなどの症状がある湿熱による薄毛の対処法は?
湿熱対策におすすめの食材は、ハトムギ、どくだみ茶、熊笹茶などのような利水作用やデトックス作用が高いお茶です。
薄毛を改善する効果があるかどうかは個人差がありますが、余計な水分や熱を外に出すのを助けてくれます。また、基本的には飲み過ぎ、食べ過ぎが原因で熱や水分が体内にこもってしまっているので、余分なものを出すこと、
体に入れるのを控えることが必要になります。
腹八分目に食べて、運動や入浴などで汗をかいて巡りを良くすることが大切
です。ドラッグストアなどで売られている界面活性剤いりの強烈なシャンプーにご注意。
安いシャンプーが薄毛の原因にもなりうる。
毛髪の洗浄剤(シャンプー)は、品質から値段までピンキリと言えます。
ドラッグストアに並んでいる1000円以下の多くの商品は
高級アルコール系界面活性剤を使用
しています。画像:me-gami.com/aminosan-shihan/
高級といっても決して品質が高い意味での高級ではなく、
化学構造式から高級と区別されているもので、原価を安く抑えるために使われる洗浄成分です。
ラウレス硫酸アンモニウムなどが有名です。また、防腐剤も要注意なのです。
衛生的に使うために配合されている防腐剤であり、悪いことばかりではありませんが、
問題なのは皮膚にいる常在菌にまで作用してしまうという点です。
常在菌は皮膚に存在して、皮膚の健康を守ってくれています。
やたらと髪の毛を防腐剤入りのシャンプーで洗いすぎて常在菌が減ってしまうと、
悪い菌が入ってきた時に皮膚にトラブルを起こしやすくなることも考えられます。
防腐剤としては安息香酸ナトリウム(安息香酸塩)が良く使われています。
以上のように安いシャンプーに含まれているような界面活性剤や、
防腐剤などによって皮膚が刺激を受けて薄毛や抜け毛などの髪の毛のトラブルが起きる場合もあるでしょう。
もしシャンプーを変えてから、髪が抜けやすくなったという場合には一旦使うのをやめてみるようにして様子をみましょう。
安価なシャンプーが薄毛の一因となっている可能性は高いので、
オーガニック認定を取得したシャンプーを使うことをおすすめします。
薄毛で悩んでいる場合には専門医に相談することも考えてみて
ただ、薄毛に対する東洋医学的なアプローチをご紹介しましたが、
原因によっては西洋医学的な方法で治療した方が良い場合もあります。
産後の薄毛などのように明らかな原因がある場合以外は、
かかりつけの専門家に相談して適切な対処をすることをおすすめします。
薄毛は何らかの体の中の過不足を示しているサインと考えて、
もし気になる場合には早めに対処してみてください。
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