西洋医学と東洋医学はどう違う?|あなたに本当に合った医師の見つけ方
こんにちは。看護師のmichiです。
皆さん、お医者さん選びはどうされていますか?
ちょっと体調が悪いけれど、「自分で治すのは無理かも…」という時に気軽に相談できるかかりつけ医はお持ちでしょうか?
今回は、そんなお医者さん選びの基準について、東洋医学と西洋医学と比較しながら考えてみたいと思います。
皆さんの希望に沿ったお医者さんを探すための参考としていただければ、幸いです。
一律の医療を国民に提供する日本、
医師により料金が異なる海外
本題に入る前にまずは、現在、医学では世界的な主流となっている西洋医学の医療サービスついて、
日本と海外の現状を比較することから始めてみようと思います。
日本で「病院で医師に診てもらう」場合は、ほぼ例外なく「健康保険証」を利用します。
国民皆保険制度のもと、どんな名医であろうが、不満が残る診察しかしてくれない医師であろうが、
同じ料金で診察を受け、同じ料金の薬を処方され、手術を受ける際も基本的に同じ手技に対しては
同一料金で治療を受けることになります。
一方、海外では、医師により診察料や手術の手技料が異なる場合があります。
「名医に診てもらいたければ、たくさんお金を払ってくださいね」となるのです。
あなたは自分を手術した医師の顔と名前を覚えていますか?
心臓血管の手術に長けたアメリカの医師と話したことがありますが、彼の手術を受けるためには「手術待ちリスト」で順番待ちをし、高額な治療費も必要です。そして、外来だけでなく、入院中も彼の診察を受けることはありません。
手術を受ける際は、まずは別の医師が治療を始め、一番重要な治療だけは彼が行い、手術でも肝心な部分は彼が手技を行いますが、最後は別の医師が処置をして手術は終了します。
彼の患者さんたちにも話を聞いてみましたが、誰もが彼の姿を見たことはなく、
彼自身も「出勤後はほぼ手術室にいて同じ手技を繰り返し行い、その合間には自分の部屋で次の手術の準備をしている」と話していました。
手術は上手なので、高額な手術代を払うだけの価値はあるのかもしれません。
でも、顔もわからないような医師に治療をしてもらってあなたは本当に満足でしょうか?
さすがに日本では、「外来でも入院中も顔を見たことがない」医師に手術を受けるケースは少ないと思います。
しかし、日本の医師にも「顔と名前は覚えていないけれど、X線写真を見ればどの治療をした症例かがわかる」
と胸を張るような方もいるので、これも似たようなものかと思います。
どちらも褒められたものではありませんが、これが今の西洋医学の現実です。
なぜ、西洋医学では「医師の顔と名前がわからない」ような事態になってしまうのでしょうか?
病気を研究する科学者=西洋医学の医師
西洋医学は医療を行うという領域の特殊性はあるものの、「自然科学分野」に属する科学(学問)のひとつです。「科学である」という前提に立ってすべてが処理されるため、状態によって分類を行い、匿名化したうえで統計処理を行って有効な治療法を導き出すことが求められます。
また、「科学的に正しい」ということは「再現性がある」ということなので、分類さえ間違わなければ、「正しい西洋医学の治療が誰にでもできる」ということになります。
日本における医師の基準は「医師法」という法律で定められています。
・医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。(第二条)
・医師でなければ、医業をなしてはならない。(第十七条)
・医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。(第十八条)
など、医師の資格に様々な制限があります。
またこの法律に従うと、日本では「医師免許があれば、どんな医業も可能」となります。
つまり、日本では医師免許を取得すると歯科以外の全診療科を診ることが可能です。
例えば、大病院で眼科に在籍していた医師でも、開業にあたり「内科・眼科」と看板を出し、「自然科学で証明された正しい医療」を提供するのであれば、「科学的に等しく同じ結果」を得ることが可能です。
どんな医師も科学者であり、病気に対して常に科学的に正しい治療を提供します。
西洋医学における医師はは、「人間全体」ではなく「病気」のみを診ているのです。
そのため、診療科は臓器別に分類され、病気ごとに名医と呼ばれる人が存在することになります。
西洋医学を前提に補完的な医療を行う、東洋医学の医師
これに対して、東洋医学やその医師はどのようなものなのでしょうか?実は日本の保険診療において、厚生労働省が認めているのは、東洋医学自体でなく「統合医療」というものです。
厚生労働による「統合医療」の定義は以下の通りです。
「近代西洋医学を前提として、これに相補(補完)・代替療法や伝統医学等を組み合わせて
更にQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる医療であり、
医師主導で行うものであって、場合により多職種が協働して行うもの」
この中には、漢方薬や生薬をはじめ、ヨガやアロマテラピー、マッサージ、サプリメントなど、多種多様なものが含まれています。日本での東洋医学の位置づけは、西洋医学を前提として補完的に行う医療となるのです。
しかし、「統合医療」の中で、「漢方医療」のみには次のような補足説明があります。
※現在、大学での医学教育として、漢方薬に関する教育が実施されてます。
※日本医学会の分科会として、日本内科学会などと同じく、日本東洋医学会があり、専門医制度が設置されています。
「漢方薬の処方は、西洋医学の補完として医師養成のカリキュラムに入っていますよ」という程度。
唯一、西洋医学と肩を並べるとすれば、「日本東洋医学会があること」くらいでしょうか。
では、「日本東洋医学会の専門医」とはどのような医師なのでしょうか?
学会での定義は以下の通りです。
「西洋医学的な専門医資格を取得した上で、さらに漢方医学を充分に修得し、漢方独特の診察を行って、患者様一人一人の症状や体質に適した漢方医療を提供することができる医師です。」
学会の専門医であれば、西洋医学にも東洋医学にも精通した医師で、漢方医学独特の診察を行い、個別に必要な漢方治療を提供するとなっています。
また「漢方医」とは、中国における「中医師」のことであり、日本の医師ではありません。
日本においては、日本東洋医学会の専門医が、「漢方医」が行うような診察法を用いて、自分に合った漢方薬を処方します。
西洋医学と東洋医学の違いをざっと説明してきましたが、
一番大きな違いは、「病気中心の西洋医学」と「患者自身(身体全体)に対応する東洋医学」ということもできると思います。
では、東洋医学と西洋医学は、どのように使い分ければ良いのでしょうか?
症状によって使い分けたい、西洋医学と東洋医学の治療
保険証を提示した上で受ける診察は保険診療で、料金は一部負担です。クリニックなどによっては保険診療をせず、全額が自己負担のところもあります。また処方箋なしで薬を買う場合は、費用の全額を自己負担します。
平成29年からは「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」により、自分で購入した一部の医薬品について、確定申告で還元されることになりましたが、残念ながら全ての漢方薬や生薬が対象ではありません。
また、ドラッグストア等で販売されている漢方薬は、医師の処方箋によって渡される漢方薬に比べて、有効成分の配合量が少なくなっています。誰でも気軽に買える代わりに、安全を期して量は少なめ、ということです。
総合的に考えると、西洋医学と東洋医学、それぞれの治療は次のように使い分けると良いのではないでしょうか。
①「慢性的な症状」に対しては漢方治療(東洋医学による治療)が有利
慢性的に起こる肩こりや冷え性など、いつも悩まされている症状に対しては、体質改善を図り、根本的な改善を目指す必要があります。そのため、適切な漢方治療を受け、長期的なスパンで治療をしていくのが望ましいと言えそうです。②「急に起こった症状」はひとまず、西洋医学の治療を受けた方が良い
急性の症状には、そこに何らかの深刻な疾病が隠れている可能性があります。「いつも肩こりがあるけれど、今日はいつもより肩が痛いな」と思っていたら、実は狭心症発作だった、という例も見たことがあります。
病気中心に診察・治療を行うため西洋医学では何よりもまず、症状の原因を突き止めようとします。
原因を明らかにした上で、医師が患者に治療方針の説明を行い、患者がそれに納得できれば治療を受けることになります。提示された治療方針に納得できない場合は、セカンドオピニオンを利用し、より専門的な知識を持つ医師の意見を聞くことも可能です。
急激に起こった強い症状に対しては、原因を明らかにしたうえで、納得できる治療方法を選んでいくことが大切です。
もちろん、漢方治療や食事療法を選ぶことも可能なので、まずは原因を突き止めるだけ、というつもりで西洋医学を利用してみるのもひとつのやり方です。
③西洋医学・東洋医学を問わず、「かかりつけ医」を持つことも大切
調子が悪いときだけに医師の診察を受けるのが一般的ではありますが、不調の際は状況を説明することさえ苦痛でしょう。また、「普通の状態」とは千差万別ですから、「この程度で病院に来たんですか?」など、心外なことを言われる可能性もあります。自分の体調を全般的に把握してくれる医師がいれば、大きな病気を早期び発見できる可能性が高まります。
東洋医学に精通した医師でも、西洋医学しかわからない医師でも、
自分が話しやすく、相談しやすい医師を「かかりつけ医」として普段からコミュニケーションを取るようにすると良いのではないでしょうか。
ちなみに、私自身のかかりつけ医は精神科の医師です。
私にとって良い医師とは「話をしっかり聞いてくれる医師」です。そのため、この精神科の医師に十分に相談に乗ってもらい、通常の状態をも把握してもらったうえで、その指示に従って内科等の別の医師の診察を受けることに決めています。また、この方自身は東洋医学を専門とはしていないため、その部分は漢方薬局のお世話になっています。
色々とお話してきましたが、ここからは皆さん自身の判断がとても大切になってきます。
ご自身の症状についてはもちろんのこと、どのような診察や治療を臨むのか、医師に第一に求めることは何なのかを基準に医師を選ぶことで、より質の高い医療、ひいてはより充実した暮らしを送ることが出来るようになるはずです。
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