現役有機農家が教える、本当に安全で美味しい野菜の選び方|野菜は“小さくて色が薄いもの”こそを選ぶべき理由。世間の常識は有機農家の非常識だった!?
現役有機農家が教える、
本当に安全で美味しい野菜の選び方
野菜は“小さくて色が薄いもの”こそを選ぶべき理由
世間の常識は有機農家の非常識だった!?
・野菜は大きい方を選んだ方がいい→なぜなら、小さいものよりコスパがいいから
・野菜は緑色が濃いものを選んだ方がいい→なぜなら、栄養がたくさん詰まってそうだから
この内容を見て「うん、うん、私もそう思う」とうなずいている方に、・野菜は緑色が濃いものを選んだ方がいい→なぜなら、栄養がたくさん詰まってそうだから
この記事はきっと役に立つはずです。
多くの日本人には、
「野菜は小さいより大きいもの、緑色が薄いよりも濃いものを選ぶように」と
いう考えが頭に刷り込まれてしまっている現状があります。
でも、実際に有機農業をしている人なら、誰もが、次のように言うはずです。
・野菜は小さい方を選んだ方がいい→なぜなら、□□だから
・野菜は緑色が薄いものを選んだ方がいい→なぜなら、○○だから
この記事は、現役の有機農家である私が、この理由について具体的に解説するものです。・野菜は緑色が薄いものを選んだ方がいい→なぜなら、○○だから
世間一般で言われている常識は、しばしば、有機農家にとっての非常識だったりします。
そして実は、この世間の常識から外れないようにするために、
農家は農薬や化学肥料を使っているという実態があるのです。
その常識はウソ!
大半の消費者は野菜の選び方を間違っています
有機農家はスーパーに並ぶ野菜や畑に植わっている野菜を一目見るだけで、
「食べても大丈夫な野菜かどうか」がすぐ分かります。
安全性を分析する機器を持ち歩いていなくても、
「大きさ」と「色」で、
その野菜がどのように作られてきたのかがある程度分かるのです。
その考え方は、野菜を実際に選んで買う消費者である皆さんにも役立つものなので、
共有させていただきたいと思います。
「野菜は大きい方を選んだ方がいい」はウソ!
<<野菜の正しい選び方①>>
野菜は大きいものより、小さいものを選びましょう
世間で言われている「野菜は大きい方を選んだ方がいい」は間違いです。野菜は大きいものより、小さいものを選びましょう
なぜなら、大きな野菜は肥料の力で大きくなっただけで、むしろ、
肥料を与えすぎによる弊害の方が心配だからです。
農家としては、肥料を与え、短期間で大きくして早く出荷した方が、
次の野菜を畑に植えることができます。
要は、畑の回転が早くなり、収益が上がるということですね。
あなたも見たことがありませんか?
信じられないくらいジャンボな白菜や、バカでかい玉ねぎやじゃがいも。
これらは、自然の中でゆっくりじっくり成長することを阻害された野菜です。
大きくなり過ぎるということは、野菜の中で使いきれなかった余分な肥料が
残っている可能性が高いのです。
そして、後述しますが、野菜の中に残った肥料成分は人間にとっては害でしかありません。
「野菜は緑色の濃い方を選んだ方がいい」はウソ!
<<野菜の正しい選び方②>>
緑色が濃いものより、薄いものを選びましょう
なぜなら、野菜が望まない栄養分(肥料)をたくさん与え過ぎた結果が、
緑色の濃い葉や果実だからです。
つまり、緑色が濃いということも、過剰な肥料分が植物体の中に
残っている可能性が高いのです。
これも有機農家であれば、誰でも知っている事実です。
そのため、有機農家は、葉や果実の緑色の薄さをバロメーターにして野菜を作っています。
【根拠を補足します】
自然に生えている雑草の色が野菜本来の緑色です
ここまで読んでいただいて、「この著者が言っていることは信用できない!」
読者の皆様の中にはそう思われた方がおられるかもしれません。
なので、ちょっと補足説明をしようと思います。
雑草をイメージしていただきながら読んでいただくと
より分かりやすいかもしれません。
肥料を全く与えられることなく自然のままに生い茂った雑草は、
よく見る市販のピーマンのような濃い緑色をしていますか?
下の写真は私が作ったピーマン(左側)と市販のピーマン(右側)の色の比較です。
もちろん、品種の差はあるかと思いますが、雑草の色に近いのは
私が作った左側のピーマンだと思います。
既に書いたように、右側の市販のピーマンよりも
小さく、緑色が薄いと思いませんか?
しかしながら、
肥料を抑えながら野菜を作ると、野菜は雑草の色に近い淡い緑色になるものなのです。
さらにもう少しだけ、専門的な説明をさせてください。
果物や野菜が緑色の理由は、葉緑素(クロロフィル)が含まれているからで、
葉緑素(クロロフィル)の主成分は、炭素、酸素、窒素、水素の4つです。
このうち、野菜の生育に最も必要な成分は窒素になります。
窒素が全くない土壌では、野菜は育たず、たとえば、枯れたような黄色になります。
野菜を立派に育てるために窒素肥料を多く使用すると、
このことによって、葉緑素(クロロフィル)の主成分の一つである窒素濃度が高まり、
野菜の緑が濃くなるのです。
消費者が喜ぶ野菜を作るためには、
たくさんの肥料と農薬が必要です
ここからは、
「野菜は小さく、緑色が薄い方を選んだ方がいい理由」
をさらに深掘りしていきます。
結論から先に言うと、野菜の大きさや緑色の濃さは、
安全性や味に深く関係しています。
肥料の与え過ぎは、野菜をメタボにする!
難しい話を避けるために、人間を例に説明してみましょう。人間は、体が要求する以上の食べ物を食べると太りますよね。
メタボという言葉があるように、消費しきれなかった脂肪は
内臓等、体の内部にまとわりついて病気の原因となります。
実は、野菜でもこれと同じことが起こります。
野菜が必要とする以上の養分を肥料として与えると、
成長は確かに早まり、大きな野菜になりますが、
消費しきれなった肥料の成分が体内に残って、不健康な野菜になります。
これを“メタボ野菜”と呼ぶことにします。
そしてメタボの人間の場合は脂肪が体内付きますが、
メタボ野菜は脂肪の代わりに硝酸態窒素という物質をため込みます。
この硝酸態窒素は、ハムやソーセージ等にも含まれる劇物です。
危険性があるため、食品工場では使用量などが厳重に管理されていますが、
野菜については規制の基準が特になく、そのまま販売されているため、注意が必要です。
野菜の中に含まれる硝酸態窒素については、
農林水産省もホームページで注意喚起していますので、
気になる方は以下のリンクをご覧ください。
>>野菜等の硝酸塩に関する情報(農林水産省ホームページ)
子供の野菜嫌いは、
農家と野菜を選ぶママたちが作り出しています
野菜に含まれる硝酸態窒素は健康上にリスクになるだけではありません。野菜の苦味やエグミの原因にもなるのです。
その現象は、ほうれん草やピーマンなど、緑色の野菜で多く見られると思います。
話が少し長くなってしまったので、一度、ここまでの復習を簡単にしましょう。
・消費者が大きい野菜や、緑色の濃い野菜を望んでいるため、
農家はたくさんの肥料を与える
→
・すると、野菜の中に過剰な肥料分(硝酸態窒素)が残って、
野菜が苦くエグくなる
そして、その野菜を食べるのは、あなたであり、そのご家族であり、
あなたの大事なお子様たちです。
これらの野菜を口にした子供たちは、「不味い」とすぐに吐き出してしまうでしょう。
嫌いだからというより、硝酸態窒素の危険性を感じて無意識のうちに吐き出している
ともいえるかもしれません。
だとすると、これは正当な自己防衛であって決して子供が悪いわけではありません。
その罪は、そのような野菜を作る農家と、
そのような野菜を選んで子供に与えた大人にあるのです。
肥料と農薬はセット。
大量の肥料を使えば、農薬は必ず必要になります
もう一つ、有機農家である私からあなたに伝えたいことがあります。
それは、肥料の使用と農薬の使用には相関関係があることです。
肥料を与えすぎると必ず農薬が必要になるのです。
これも有機農家であれば、皆が知っている事実です。
そのメカニズムには、次の2つがあげられるでしょう。
・植物体が過剰になった窒素成分(硝酸態窒素)をガスとして空気中に放出→
病害虫はそれを嗅ぎ分けて野菜に寄ってくる→その病害虫を退治するために農薬が必要になる
・栄養を取りすぎたメタボ野菜は不健康である→
このため病害虫の攻撃を受けやすくなる→その病害虫対策に農薬が必要になる
人間の口に入らないように野菜を攻撃」してくれているといえるのです。
このように考えると、そもそも危険性のある野菜を守るために、
あえて危険な農薬を使って病害虫を駆除する必要があるのかと思えてきませんか?
なので、消費者として以下のことは必ず覚えておいて下さい。
・大きく緑色が濃い野菜は、不必要な肥料がたくさん使用され、危険な硝酸態窒素が含まれる
・このような野菜は病害虫に攻撃されやすいため、農薬もたくさん使用されている
この現状を農家の視点から考えてみれば、・このような野菜は病害虫に攻撃されやすいため、農薬もたくさん使用されている
消費者に選んでもらう野菜を作るために、肥料や農薬は必要となります。
使いたくない農薬を、あえて使っている農家もいます。
詳細は、以下の記事で紹介していますのでご参考下さい。
日本での農薬使用は絶対になくならない!消費者までもが無意識的に農薬を求める驚愕の事実
アフターコロナは、野菜の選び方が重要になる
コロナウイルスによる外出自粛等の影響で、
スーパーなどのお店に買い物には行かず、
通信販売やネットショッピングを活用しての
「巣ごもり消費」が増えています。
私も実際に有機野菜の宅配をしているのですが、
今年1月以降、契約件数が急激に伸びました。
このような巣ごもり消費の場合、
野菜を実際に見て購入するわけではないので、
この記事で書いたような「野菜は小さく、緑色が薄いもの選ぶ」ことは
実行できなくなります。
なぜなら、宅配の野菜は、あなたではなく農家が選び、ダンボールに詰めるからです。
そこで今後、特に必要となる野菜(宅配)の選び方のポイントについて
もう少しだけお話を続けてさせてください。
表面的な情報だけを過信するのは危険
野菜のインターネット宅配を選ぶ際に、多くの方が頼りにしているのがホームページ(申し込みページ)に書かれてある情報です。
「有機野菜セット」、「無農薬無化学肥料の野菜」、
「自然栽培の宅配」など、色々なことが書いてありますよね。
どれも同じように見えて消費者は、何を基準に選べばよいのかが
分からなくなると思います。
私も含め、生産者や販売者は自分の野菜を売るために、
たくさんの想いをWEBサイトやチラシに詰め込みます。
生産者は皆、自分の作る野菜が一番安全と思っていますし、
事実、多くの有機農家が安全性を確保するために農薬や化学肥料の使用をしていません。
しかし、
・有機JAS野菜であっても、有機肥料を大量に使えば野菜の中には硝酸態窒素がたまり、
不健康なメタボ野菜になってしまいます。
・無化学肥料であっても、有機肥料をたっぷり使っていれば、不健康なメタボ野菜になります
・たとえ今年は自然栽培を行っていても、前年に大量の肥料を使っていれば、
土の中に残ってしまった肥料で同じく危険なメタボ野菜になります
ということは、ぜひ覚えておいてください。不健康なメタボ野菜になってしまいます。
・無化学肥料であっても、有機肥料をたっぷり使っていれば、不健康なメタボ野菜になります
・たとえ今年は自然栽培を行っていても、前年に大量の肥料を使っていれば、
土の中に残ってしまった肥料で同じく危険なメタボ野菜になります
結局のところ、有機JAS、自然農(自然栽培)、
農薬・化学肥料不使用のキーワードを信用してもあまり意味がありません。
本当に安全な野菜を選ぶには、
信頼できる生産者を
あなた自身で探すのが鉄則
結論、世界で一番安全な野菜とは、あなたが「この人なら大丈夫」と思った方が作る野菜かもしれません。
その方の生産物がもし仮に有機JASを取得していなくても、
きちんとした根拠をもとに、あなたが信頼することができれば
他者が生産した有機JAS野菜よりも安全なのです。
ネット上で安全な、野菜の宅配を探すにはここが一番のポイントです。
そこで、チラシやWEBサイトに記載されてある文章だけで判断するのではなく、
生産者に電話やメールで直接連絡してみて下さい。
そして、以下のような質問をしてみるのです。
・なぜ、農薬や化学肥料を使用しないのですか?
・なぜ、有機JAS認証を取得した(あるいは、していない)のですか?
・野菜を作る中で、一番大切にしていることは何ですか?
・子供にも安心して食べさせることができますか?(その理由も教えて下さい)
これらの質問に対して、農家の答えにあなたが共感できればOKです。・なぜ、有機JAS認証を取得した(あるいは、していない)のですか?
・野菜を作る中で、一番大切にしていることは何ですか?
・子供にも安心して食べさせることができますか?(その理由も教えて下さい)
そんな農家が見つかれば、あなたはもう、野菜選びに悩むことはなくなるはずです。
あなたのために野菜を作ってくれる、心強いパートナーを見つけたのですから。
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