日本での農薬使用は絶対になくならない!消費者までもが無意識的に農薬を求める驚愕の事実
日本での農薬使用は絶対になくならない!消費者までもが無意識的に農薬を求める驚愕の事実
最初にお断りしておきますが、
この記事は、農薬の危険性を解説するものではありません。
「農薬は危険だ」と主張する人、
あるいはこのような記事を書いている方も、
自分の知らない間に農薬を求めているものです。
この記事を書いている私はかつて一般の消費者であり、
サラリーマン時代には数え切れない農家や
農薬メーカーの話を聞いてきました。
そして今は、実際に有機農業をしています。
食と農について、
様々な立場から見てきたからこそ語れる、
農薬の深い話。
この記事のテーマは、
農薬は皆が危険だとわかっているにもかかわらず、
どうしてなくならず使い続けられているのか
ということです。
もしかしたら、
あなたの日々の消費行動が農家に農薬を使わせ、
農薬メーカーを潤しているかもしれません。
実は農家も農薬の被害者なんです!
よくある農薬の批判記事では、
概ねこのような内容が多いと思います。
✓日本は世界の中でも農薬の使用が多いこと
✓農薬が消費者や環境に影響を及ぼすこと
✓日常の農産物の買い物では残留農薬に気を付けた方がいいこと
これらは全て消費者の視点で書かれており、
正しいことなので私は否定しません。
しかし、
「一般の消費者」→「全国の農家を見てきたサラリーマン」→「有機農家」
と、様々な立場で農薬を見てきた私からすれば、
これは少し偏った意見かと思います。
なぜなら、
最前線で農薬を使用している農家の被害に
全く触れていないからです。
農薬の被害は消費者だけではありません。
農薬を使用している農家も、
何らかの疾患を抱えて生活している方が
全国にたくさんいます。
農林水産省は、
「農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について」の中で、
農家の死亡や中毒(農薬被害)の件数を報告しています。
出典:農林水産省WEBサイト(農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について)より
それでは、どのような要因で死亡や中毒になったのか、
農水省が公表している事例を以下に挙げておきます。
・マスク、メガネ、服装等装備不十分
・使用時に注意を怠ったため本人が暴露
・防除機の故障、操作ミスによるもの
・散布農薬の飛散によるもの
・農薬使用後の作業管理不良
・保管管理不良、泥酔等による誤飲誤食
・薬液運搬中の容器破損、転倒等
農家の方が、消費者よりも直接的に
農薬の被害に遭う機会が多いことが分かります。
被害者は年間に数十人しかいないように見えますが、
このデータはあまりにも件数が少な過ぎ、
実態とは乖離があります。
私は、皮膚疾患や視力の低下など、
農家ご本人の口から、農薬散布による身体の変調を
度々おうかがいする機会がありました。
さらにこのデータには、
農薬を自他殺に使った件数は含まれていません。
このように、
農水省が公表しているデータは氷山の一角で、
水面下ではもっと多くの農家の方が
農薬の被害にあっているのです。
無農薬ぶどう「いのちのピオーネ」(房付き500~600g)|<期間限定>自然栽培!(山口県産)有機JAS15年連続取得!20年以上農薬・化学肥料不使用。皮ごと食べられる常識を超える美味しさ!
¥ 5,596 (税抜)
危険と分かっていても農薬を使わざるを得ない理由
「消費者にも危険で、散布している農家自身も危険なら
農薬の使用を止めればいいのに。」
読者からは、そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、農家には危険だと分かっていても、
農薬を使用せざるを得ない理由があります。
理由1:消費者が求める農産物を作るためには農薬が必要
ここで、あなたに問題です。・とても大きい玉ねぎと、小さい玉ねぎ
・色が濃い緑色のピーマンと、色が淡い緑色の薄いピーマン
・綺麗なピンク色したサツマイモと、虫食いが見られるさつまいも
仮に値段が同じだとすれば、
あなたが選ぶのはどちらの野菜ですか?
おそらく9割の消費者が、
以下のような理由で野菜を選ぶと思うのです。
・大きい玉ねぎを選びます
【理由:コスパがいいから】
・色が濃い緑色のピーマンを選びます
【理由:栄養がたっぷり詰まってそうだから】
・綺麗なピンク色したサツマイモを選びます
【理由:虫食いの箇所が気持ち悪いから】
【理由:コスパがいいから】
・色が濃い緑色のピーマンを選びます
【理由:栄養がたっぷり詰まってそうだから】
・綺麗なピンク色したサツマイモを選びます
【理由:虫食いの箇所が気持ち悪いから】
大きく立派な野菜ほど農薬を使っている事実
上記のように、消費者が選ぶ野菜を作るためには、化学肥料と農薬を併用した農業をする必要があります。
そのメカニズムを話すと長くなるので割愛しますが、
化学肥料を多く使うと野菜は大きくなり、色は濃くなります。
そして、病害虫の被害が多くなり農薬を使う必要が生じます。
この事実は、実際に農業をしている方なら
誰でも知っていることです。
つまり、農薬が必要になるメカニズムは、
ざっくり言えば以下のとおりです。
・消費者が大きく色の濃い野菜を求めるため、
たっぷり必要以上に肥料を使う
・必要以上の肥料使用は病害虫が発生するので、
大量の農薬を使うことで抑え込もうとうする
結局、私が今まで見てきた多くの農家は、
消費者ニーズに応えるため、
化学肥料とセットで農薬を使用しています。
化学肥料や農薬を使う畑はまるで砂場!
あるキャベツ産地の「死んだ畑」
化学肥料や農薬を使い続ける結果、
その畑(生産環境)がどうなるかご存知ですか?
私はサラリーマン時代に、
とあるキャベツの産地を視察したことがります。
私が一番驚いたことは、
畑は土ではなく、砂場のようになっていたこと。
そして、虫の声は聞こえず、鳥も鳴かず、
キャベツとそこにいる私たち人間しか「いのち」を感じない、
異様な空間でした。
要するに、畑のミミズや土壌微生物は
農薬と化学肥料の度重なる使用で駆逐され、
肥料や農薬がないとキャベツが育たない、
そんな環境になっているのです。
私は生産者を責めることができず、
自分のこれまでの消費活動を反省しました。
スーパーでキャベツが山積みになって販売されているのは、
当たり前と思っちゃいけません。
農家の方は、産地として
消費者にキャベツを安定的に供給する責務を感じ、
化学肥料や農薬を使い続ける必要があるのです。
「キャベツが不作で、出荷できませんでした」では、
全国の消費者が困ることを
産地として避けなければならないのです。
★熊本県の自然の恵みを詰めた農薬不使用の季節の野菜セット(2人用)
理由2:農薬を使わないことで仲間や取引先に迷惑をかけられないから
自分は農薬を使いたくなくても、加入している団体や取引先のために、
仕方なく使っている農家も多くいます。
農家仲間に迷惑を掛けてしまうので農薬を使うパターン
農家にとって一番大変なのは、
自分の作った農産物を自分で売ることです。
これは非常に難易度が高く、
生産活動に集中できません。
なので、多くの農家は組織や団体に加入して、
その構成員や社員の一人として野菜を作り、
共同で出荷しています。
仮に、その組織内である病害虫が流行したとします。
この場合、
「自分は農薬を使用しない」と言い張ることは
非常に難しいです。
なぜなら、自分のほ場で発生した病害虫が、
他の農家のほ場に飛び火する危険性があるからです。
このような場合、
組織や団体で統一して同じ農薬を使い、
病害虫を抑え込みます。
「自分だけ農薬を使いたくない」との理屈は
組織の中では通用しません。
取引先に迷惑を掛けてしまうので農薬を使うパターン
組織や団体に加入するのが嫌なので、個人でレストラン等の大口の取引先を見つけたとします。
それでも、多くの農家は農薬と縁を切ることは難しいでしょう。
なぜなら、取引先に「予定した時期」に、
「予定した量」を納品することができなくなるからです。
取引先としても、
3日後に納品されるはずであったピーマンが、
病害虫の被害で難しくなったと言われても困りますよね。
このため、よほど理解のある取引先を探さない限り、
農家が農薬と縁を切るのが難しいのです。
理由3:農薬を使わない栽培では収入が減り生活できなくなるから
結局、農薬を使用しないと以下のようになります。理由1と理由2のまとめですね。
・消費者から選ばれない農産物
・産地として消費者に安定供給する責務の放棄
・組織や団体の中で村八分にされる
・取引先に迷惑をかける(取引解除の恐怖)
これらのことは、農家自身の収入減少に大きく関係してきます。
逆に言えば、農薬を使用することで
これらの問題は全て解決されるのです。
農薬は麻薬と同じ!一度使ったら止められなくなる理由
実は、農薬の使用について、
消費者が知らない恐ろしい事実が
もう1つ隠されています。
農薬は麻薬と同じで、
一度使用すると抜け出すことができなくなるのです。
病害虫に農薬が効かなくなる!リサージェンスの恐怖
農家にとって、害虫は悩みの種だ。でも、害虫をゼロにする必要が、あるのだろうか?『想定内』であらゆる虫たちとバランスを取っている時の方が、作物への被害が少ないことも考えられる。生物相のバランスを崩す安易な農薬散布は、リサージェンスを引き起こすからだ。
— 阿部杜彦 (@abemikandream) May 11, 2012
上記は、ある農家の農薬の本質をついたツイートの引用です。
あなたはリサージェンスという言葉を知っていますか?
これが、農家が農薬と縁を切ることができないもう一つの理由です。
リサージェンスとは、害虫の防除のために農薬を散布したのに、
逆にその害虫が増えてしまう現象です。
「それは一体どういうこと?」と感じた方も多いと思いますが、
その理由を、具体的に挙げると以下のとおりです。
1:農薬に抵抗性を持つ害虫が出現する
2:天敵まで農薬で駆除されてしまう
同じ農薬を使い続けるとその農薬に耐性を持ち、
農薬が効かなくなる個体が現れます。
耐性を持った個体群は繁殖していくので、
農薬を散布することに意味がなくなります。
さらに、
その害虫を捕食してくれる天敵まで
農薬で駆除されているので、
生態系のバランスが崩れ、
はじめに駆除しようとした害虫だけが
結果的に農薬散布によって増えていきます。
農薬メーカーは潰れない。効き目のない農薬で逆に栄える!
リサージェンスによって農薬が効かなくなると、農家は困ってしまいますが、
逆にその陰で喜んでいるのが農薬メーカーです。
なぜなら、新薬の開発と販売によって
農薬メーカーには利益が生まれるからです。
当然ですが、
農薬会社は新薬を開発した数年後にリサージェンスが起こり、
農薬の効果がなくなることを知っています。
リサージェンスが発生することで、
農薬メーカーに新たなビジネスチャンスが生まれるのです。
しかし、新しい農薬を開発しても、
その農薬に耐性を持つ害虫がやがて現れます。
結局、以下のようなサイクルとなり、
農薬は永遠に作り続けられます。
新しい農薬の開発
↓
農薬の効かない害虫の発生
↓
新しい農薬の開発
↓
農薬の効かない害虫の発生
・
・
・
まさに負のスパイラルですね。
農薬は、一度使用すると断ち切ることが難しく、
依存性のあるところが麻薬と同じなのです。
農薬を使うかどうかは消費者のニーズ次第。
私たちがもっと声をあげていこう!
この記事は、
消費者ではなく農家の立場に立って
農薬について書いたものです。
なぜなら、現在消費者の間では、
「農薬を使う農家が悪い」という風潮があるように思えるからです。
だから、記事タイトルは
「日本での農薬使用は絶対になくならない!」としました。
消費者が「農薬がなくなればいいのに」と思っているだけでは、
農薬は決してなくなりません。
この記事の内容を、
ぜひ皆さんの日々の買い物の際に思い出していただき、
まずはスーパーに対して声をあげてほしいのです。
「多少の虫食いや形の悪さは気にしないので、
もっと安全な農薬不使用の農産物を置いて下さい」と。
企業は、消費者ニーズが全てです。
つまり、消費者が欲しいものを開発・販売しないと
物は売れませんので、企業は生き残れません。
このような要望が多くなれば、
スーパーはもっと多くの農薬不使用の野菜を取り扱うようになります。
そして、スーパーから生産者へ、
「農薬不使用の野菜を作って下さい」と、
消費者の想いが伝えられます。
なぜなら、それが消費者が望んでいること(消費者ニーズ)だからです。
こうして、現場の農家や消費者は農薬から解放されます。
あなたの勇気ある一声が、
農薬撲滅の大きな原動になることは間違いありません。
☆動画コンテンツIN YOU Tube『知られざる農薬が与える健康への影響と問題とは?ドクターに訊いた!』
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU MarketIN YOU Marketイチ押し!最高品質のオーガニック野菜や果物を一度味わってください!
無農薬ぶどう「いのちのピオーネ」200g×1p|<期間限定>自然栽培!(山口県産)有機JAS15年連続取得!20年以上農薬・化学肥料不使用。皮ごと食べられる常識を超える美味しさ
¥ 1,892 (税抜)
こちらの記事もおすすめです!
【注目発表】有機農産物を食べれば農薬の体内濃度が50%以上も下がる!?|再認識したい、ネオニコ系農薬の多大なる危険性日本の農薬と有機農業の現状|オーガニックが広まらない本当の理由とは?
世界最大級の農薬大国日本|EUの100倍緩い基準も
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
この記事が気に入ったら
いいね!しよう