日本の農薬と有機農業の現状|オーガニックが広まらない本当の理由とは?
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
皆さんは野菜を、どのように選んでいますか。
スーパーに行ったら、まずは店頭に置いてある食材をチェックして、「今日は人参が広告の品で安いからこれを買おう!「この葉物野菜は穴が空いているからやめよう!」もちろんオーガニック野菜のコーナーはスルー!
こんな風に選んでいる方が多いのではないでしょうか。
実は、私もその一人でした。
だってオーガニック野菜ではない普通の野菜をみんな同じように食べているし、「何がいけないの? 大丈夫でしょ?」そんな風に思っていました。
「(農薬などの危険性が指摘されてはいるが)なんとなく大丈夫だろう、、」
これが今の日本の消費者のほとんどがオーガニックではない普通の野菜を選ぶ、大きな理由のひとつではないでしょうか。
この記事では、オーガニック野菜の人気が日本で今ひとつ定着しない理由について詳しくご紹介しようと思います。
そもそもオーガニック野菜とは何でしょうか?
オーガニック野菜とは、日本のJAS法が定めている有機JAS規格を満たすものとして認定を受け、
「有機JASマーク」が表示されている野菜のことだとまずは言えます。
何だか難しいように聞こえますが、この認定を受けていないものは
「有機」や「オーガニック」などの表示ができないと法律で決められているのです。
そのため、スーパー等で私たちが目にする
「有機野菜」や「オーガニック野菜」と表示されている野菜というのは
この認定を受けているものに限られます。
野菜が「有機JAS認定」を受けるためにはどんな条件が必要?
野菜(農産物)の「有機JAS認定」に必要な条件は次の通りです。①種まき、または植付けの2年以上前から畑の土に
化学的肥料や禁止されている農薬を使用していないこと
②栽培中も化学的肥料や禁止されている農薬を使用しないこと
③遺伝子組み換えの種や苗を使用しないこと
オーガニック野菜とは、この三つの条件を全てクリアした野菜のこと。国の法律にしっかりと基づいて認定を受けた安全そうな野菜、
ということはなんとなくわかってきたかと思います。
野菜の栽培に使用される農薬の人体への害とは?
「農薬の不使用」が有機野菜の認定には必要なことはわかったと思いますが、「農薬」自体について本当に理解をしている人はあまり多くないかもしれません。そこで、続いては農薬についてご紹介することにします。市販の野菜にどのくらいの農薬が使われているか、ご存知ですか?
なぜ、農薬を撒かなければいけないのでしょうか?
農薬はまず、雑草や病害虫からの防御のために使われます。農作物が病害虫の被害に合わないようにすることで、一定の収穫量を確保することに繋がります。
そのほかに、農作物等の生育を促進したり抑制したりするためにも農薬が使われています。
野菜や果物にはそれぞれ旬があるはずですが、現在は一年中売り場に並べられている農作物が珍しくありません。
これらの、本来の旬を外れた季節外れの野菜や果物を作るためにも農薬が必要です。
・「雑草等の除去」は手作業で行うよりも農薬を使った方がより少ない労力で一定の効果が得られるため
・カビ毒によって、人に健康被害が生じないようにするため
といったことも農薬が散布される理由です。
また、こんな理由も考えられます。
思い出してみてください。
スーパーの野菜はどれも、形が揃っていて見た目も綺麗なものがほとんどですよね。
日本においては、消費者である私たちが野菜や果物に美しさを求める傾向が強いため、
農薬を使って商品価値が高いものを作り出さないといけないのです。
このような様々な理由から、ひとつの農作物を作るのに農薬は一種類でなく、何種類も使用されることになってしまいます。
そしてこれらの農薬は使用方法を間違えるととても危険なものばかりなのです。
そのため、農家の生産者は農薬の散布を頭の先から足先までの完全防備で行います。
これは農薬に自分自身の健康に害が及ぼしてしまう恐れあるからにほかなりません。
そんな農薬が、私たちが口にする食べ物(野菜や果物)に使われていると考えると、
「果たして、その安全性は大丈夫なのか?」と首を傾げたくなってしまうのは当然のことです。
ただし、ほとんどの農薬は、大気中に蒸発し、雨や風によって洗い流されもするため、
月日が経てば少なくなっていくと言われています。
少しホッとしましたよね。
しかし、全ての農薬が蒸発したり、雨や風に洗い流される訳ではなく、
収穫時には農作物に残ってしまうものがあるのです。
収穫後も野菜に残る「残留農薬」のこと
前述の通り、危険な農薬が、たとえ一部でも私たちが購入する野菜に残っていると思うと不安です。
しかも農薬は目には見えないため、生産する側、また販売する側から「大丈夫」と言われれば、それを信じるしかありませんが、果たしてそれで本当に良いのでしょうか。
農林水産省では「農薬」について、一日摂取許容量 ( ADI )というものを定めています。
これは私たちが農薬に含まれる物質を毎日一生涯にわたって摂取しても
健康に悪影響がないと判断される量のことをいいます。
そしてこの「ADI」に基づいて、農作物に付着した農薬を摂取しても人の健康に影響がない量として、
各農作物に農薬の残留基準が定められています。
このため、農薬については、国によってかなり厳しい安全の基準が設けられている、と考えて良いでしょう。
ただし、これは生産者がしっかりと法律を守った場合の話です。
私たち消費者はそれらが守られていることを信じるしかありませんが、
・農林水産省によるモニタリング調査
・農薬使用履歴の記録の指導
・必要に応じての立入検査の実施
こういったものが、野菜の安全性を完全に保証するものであるかには大きな疑問が残ります。
「残留農薬」が人体にもたらす影響と危険性
農薬の人体への影響と危険性については、調べると情報が次々に出てくるため、知ってしまうと正直とても怖くなります。
例えば、代表的な農薬に、蜂の大量死の一因ともされるネオニコチノイド系の農薬があります。
このネオニコチノイドは人体の神経発達障害と関連があるとの懸念が指摘されています。
そのため、海外では規制が徐々に厳しくなってきており、当然、日本でもそうなのだろうと思っていたところ、なんと日本ではむしろ残留基準が緩和されているというから驚きです。
このネオニコチノイドは、食品から摂取してもほとんどが体内から排泄されるとはいえ、一定量は体内に残存するそうです。
知らず知らずに蓄積されてしまっているのでは、、と考えたら恐ろしくなります。
また2019年には、日本の研究者により、「食品に残留したネオニコチノイド系殺虫剤が母親から胎児に移行した」とする論文も発表されました。赤ちゃんの脳は大人と比べて薬物や毒物等の影響を受けやすいため、農薬によって脳の障害や神経疾患も生じやすくなるとのことです。
これは特に妊婦さん、また小さなお子さまがいらっしゃる方も他人事でない話ですよね。
野菜や果物は、私たちがほぼ毎日、口にするものです。
少しでも人体への悪影響の可能性があるならば、やはり厳しい基準をクリアしているオーガニック野菜を選んだ方が良さそうですよね。
なぜ、安全性の高いオーガニック野菜が日本では定着しないのか?
これほど、農薬の危険性が指摘され続けているにも関わらず、なぜ日本の消費者の多くは、これまでの通り、オーガニックではない野菜や果物を買い続けるのでしょうか。
その理由の第一にはまず、消費者の認識の低さがあると私は思います。
オーガニック野菜がどういうもので、普通の野菜に比べて何が良いのか、
これらの認知度が上がり、消費者の意識が変わらない限り
オーガニック野菜を手にとる人の数は横這いのままなのではないでしょうか。
次に、オーガニック野菜の栽培は、生産者のコストやリスクが高いことも理由に挙げられます。
上述した「有機JASマーク」の表示をするために認定を受けなければならず、
この「有機JASマーク」の認定は最低でも一年に一回、更新しなければならないものです。
これは生産者にはとても手間であり、さらに取得に必要な審査費用や表示ラベル代等のコストもかさみます。
認定を受けるには禁止されている農薬は使用できない分、それだけ高度な栽培技術も必要になり、もし病害虫の影響を受けてしまえば安定した収穫は見込めなくなってしまいます。
生産者にとっても高いリスクがある選択のため、補助や保証がない中でなかなか生産者も手を付けづらいことは間違いありません。
このようなコストやリスクの元にオーガニック野菜の価格は設定されているため、
オーガニック野菜は割高になってしまうのです。このこともオーガニック農産物が日本で普及しない理由でしょう。
通常よりも割高なのであれば、消費者がオーガニック野菜に特別な魅力を感じなければ購入には至りません。
需要があまりないからと、スーパーの小売店ではオーガニック野菜の売り場面積を狭くし、または取り扱わなくなってしまうといった悪循環も、この状況にさらに拍車をかけています。
農薬の危険性の自覚と、当事者意識こそが何よりも大切!
日本国内の有機ほ場(畑など、農産物を栽培する場所のこと)の面積の割合は全体のわずか0.24%と非常に狭いのが現状です。
生産者の負担の軽減も課題です。諸外国には、有機農産物の生産者に対して補助金が支払われる例もあると言います。
このような取り組みが日本でも開始されれば、有機農産物を取り巻く状況も少しは変わってくるかもしれません。
ただまずは、オーガニック野菜の良さを多くの人が知り、国全体で意識改革が行われることが何よりも必要であることに間違いはありません。国の仕組みを変えるのに、国民が一致団結して意思を表明し、行動をすること以上に有効な方法はないのです。
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