【漢方薬剤師直伝】冷え性の方必見!冬の健康作りに役立つカンタン「食事法」とオススメ「薬膳茶」の作り方
【漢方薬剤師直伝】
冷え性の方必見!
冬の健康作りに役立つカンタン「食事法」と
オススメ「薬膳茶」の作り方
間も無く、本格的な冬が訪れますね。
実は本来、暦の上での冬は、
11月上旬の「立冬」から2月上旬の「立春」までの約3ヶ月のこと。
そしてこれからの季節、東洋医学的には、
ホルモンバランスや老化をつかさどる「腎」の働きが弱くなりやすくなります。
ここでいう、「腎」とは西洋医学の腎臓とは意味が違いますが、
風邪などから身体を守る力がそこに蓄えられ、身体を温める働きがありますので、
腎の働きが弱まると“腎虚”といって様々な病や不調の原因になってきます。
また東洋医学には「冬至養生」といって、冬を利用して養生するという方法があり、
寒い時期にしっかりと養生することで、生命エネルギーの衰えを予防でき、
長寿の基礎を築くことができると考えます。
実際に薬剤師である私の経験上でも、
冬に体調を崩す方は多いため(特に、寒い日や気温差のある日)、
特に、これらかの時期の養生法が非常に大切であると実感しています。
誰でも出来る!
東洋医学的「冬の養生法」
冬には自然界の草木は枯れ、花は落ち、動物は冬眠します。これは万物が静かに眠りにつき、取り入れたものやエネルギーを貯蔵する
といったイメージでよいかと思います。
中国伝統医学の古典『黄帝内経』には次のように書かれています。
「冬の3カ月は、これを“閉蔵”といい、水は凍り、地は凍って烈(さ)ける。
人は陽気をかきみだしてはならず、早く寝て、遅く起き、必ず日光を待ってすべきである」
他にも、貝原益軒という江戸時代の名医は『養生訓』という書物の中で、
「冬は心を静かに安定させ、衣服を多く重ねたり、あるいは火で、身体を温め過ぎてはならない。
熱い湯に入ってはならず、力仕事をして汗をかき、”陽気”をもらしてはならない」と述べています。
これらに共通して言えることは、
①冬は日照時間が短く、朝晩の寒気が多いので、早く寝て、なるべく遅く起きる習慣が好ましい。
②身体を温めて陽気を養うため、運動は簡単な散歩や登山などをして、
あまりに激しい運動や力仕事は腎気を損ねるため避けた方が無難ですよ!
という、長い経験の中から導き出された養生法です。②身体を温めて陽気を養うため、運動は簡単な散歩や登山などをして、
あまりに激しい運動や力仕事は腎気を損ねるため避けた方が無難ですよ!
つまりは、冬は平静に、落ち着いて過ごして過激な行動や思考は慎み、
辛抱強く春を待つというイメージでしょうか。
そして先ほども述べた通り、冬は、五臓でいう「腎」との関係が深 く、
冷え過ぎたり、風邪をひいたりすると腎のエネルギーが弱ります。
「腎」は東洋医学では、大切な”元気”や”精”を宿す、身体の最主要臓器とされていることから、
寒い冬を越す忍耐 力、辛抱強さもまた健康な身体作りには必要ということですね。
冬の健康作りに役立つ食べ物とは?
冬の食生活で重要なことは、体を温める食物を多く、冷やす食物を少なくということです。
これは一見簡単なようですが、薬局で不調の相談を受けておりますと案外、
食生活に気を配っておられない方が多く見受けられます。
「薬膳」の世界では、肉や魚、野菜や果物などの身近な食べ物はそれぞれに、
「五性」と呼ばれる食材の性質を備えていると考え、
主に南国で採れるものには体を冷やすものが多く、
北方で採れるものに体を温めるものが多い、としています 。
薬膳の世界で、食物は通常、「温熱性」、「寒涼性」、「中性」の三つの性質に大きく分けられますが、
冬は「温熱性」の食物を多めに摂りましょう。
それでは具体的には、それぞれの性質ごとにどのような食べ物があるのかを
ご紹介してみることにします
- 温熱性―食べると体を温める性質
という効果が期待できます。
すなわち、気力を増強し、血液を良質にし、エネルギー源となり、体内水分を作り出すのです。
◆冬に食べたい「温熱性」の食べ物
・野菜類―――トウガラシ・ニラ・ニンニク・ネギ・タマネギ・ショウガ・カブ・シソ・小松菜
・肉類――――ブタレバー・ブタ胃
・魚介類―――フナ・あゆ・太刀魚・エビ・ナマコ・フグ
・調味料類――黒砂糖・酒・酢・菜種油・コショウ・マスタード
- 寒涼性―食べると体を冷やす性質
◆「寒涼性」の食べ物
野菜―――ホウレンソウ・セロリ・ナス・トマト・キュウリ・冬瓜・
ダイコン・ニンジン・クワイ・ゴボウ
肉――――ウシの胃
魚介―――カニ・ハマグリ・昆布・のり・ひじき
調味料――白砂糖・食塩・醤油・ゴマ油・緑茶
野菜―――ホウレンソウ・セロリ・ナス・トマト・キュウリ・冬瓜・
ダイコン・ニンジン・クワイ・ゴボウ
肉――――ウシの胃
魚介―――カニ・ハマグリ・昆布・のり・ひじき
調味料――白砂糖・食塩・醤油・ゴマ油・緑茶
- 平性―どちらでもないもの
*引用元 – 『現代の食卓に生かす「食物性味表」薬膳ハンドブック(日本中医食養学会)』
加熱調理で温め効果をさらにアップ!
また食材は生で食べるよりも加熱調理をすることで、体を温める力が一層増します。冬季は火を通す調理法も組み合わせて冷えに負けない身体作りを心掛けましょう!
ちなみに私の場合、冬は、手軽に栄養が取れて、身体が温まる
「鍋物」や「スープ類」をおすすめしています。
なお冷え性対質の方は、冬に、体を冷やす夏の野菜トマト・キュウリや、
コーヒーなど寒性の食べ物を多く食べる生活は体調を悪くすることがあり、
特に注意が必要ですので気を付けてくださいね。
冬の身体を簡単に温めるには「薬膳茶」がオススメ!
画像引用元:https://shizenyakuzen.com/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%8C%B6%E3%80%81%E8%96%AC%E8%86%B3%E8%8C%B6-ja/%E5%86%AC%E3%81%AE%E8%96%AC%E8%86%B3%E8%8C%B6%E3%83%BC%E7%94%9F%E5%A7%9C%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%9F%E8%8C%B6/ここでご紹介する「薬膳茶」についてですが、
薬膳とは元々、中医基礎理論に基づいて、食材を組み合わせて作っていくものです。
不調の改善のためや健康増進のため、中医基礎理論に則って
食材を選んでいきます。
そんな食材には、漢方薬のもとになる医薬品である「生薬」を使わなくても、
スーパーなどで購入できるものも数多くあります。
もちろん、医薬品にしか使用できない生薬もありますが、
それらは資格がないと扱うことができません。
今回はどなたでも手に入りやすい食品を生薬として使い、
作り方も簡単な冷え性改善の「薬膳茶」をご紹介したいと思います。
ちなみに「薬用人参」、「甘草(カンゾウ)」、「大棗(タイソウ、ナツメ、デーツ)」、
「枸杞子(クコシ、クコの実)」、「陳皮(チンピ、みかんの皮)」、
「桂皮(ケイヒ、シナモン)」などはれっきとした生薬でありながら、
通常の食材として一般の方も購入できます。
冷え性に効果あり!
薬膳茶 「黒糖生姜大棗茶」の作り方
*画像引用元:http://www.seitai-labo.com/diary/%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%8A%9B%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B%E8%96%AC%E8%86%B3%E8%8C%B6_/この薬膳茶HAとても飲みやすく冷え性だけでなく、後ほどご紹介するように
様々な良い効果がありますので、ぜひ冷え性の方だけでなく、
多くの方に試してみて頂きたいと思います。
《材料》
《煎じ方》
①生姜の皮をむいて薄く切る②桂皮を水でザッと洗っておく
③大棗を2つにカットする(そのままでも可)
④鍋に水、生姜、桂皮を入れて強火で沸騰させてから
大棗を入れて弱火にして10分煎じる
⑤黒糖を入れて、更に5分煎じれば出来上がり
《効能》
・発散風寒(≒風邪対策)・温中止嘔(≒嘔吐の緩和)
・活血止痛(≒鎮痛)
・健脾除湿(≒脾胃の機能正常化と余分な水分の排出)
《主治(効果)》
①風邪・インフルエンザの予防②子宮を温めて、月経不順、月経痛の改善
③胃の冷えによる食欲不振、消化不良、下痢など
④水分代謝を良くして、冷え性やむくみの改善
「桂皮」(シナモン)は京都の八つ橋などの和菓子でも用いられているおなじみの薬膳スパイスです。
その成分の「桂皮アルデヒド」には、解熱、鎮静、抗菌、血流改善の作用が認められています。
これに、胃腸機能を改善し、血を増やす「大棗(ナツメ、デーツ)」や
身体を温める「生姜」が入っています。
優しい甘さで非常に飲みやすいお茶ですので、機会があればぜひ試してみてください^^
今年は、新型コロナウイルスの影響で本格的な冬を迎えるにあたって
不安のある方もおられると思いますが、
漢方理論で病気に負けない身体作りをして病気を跳ね飛ばして頂きたいと思います。
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