【検証】「豆乳は体に良いの?悪いの?」大豆製品のウソとホント。
牛乳がダメなのはわかった。
「じゃあ豆乳でしょ!」というアナタへ。
牛乳が乳がんやアレルギー、アトピー、消化器疾患、骨粗しょう症などを引き起こすリスクを高め、
身体に良くない影響を及ぼすということは「IN YOU」でも何度か取り上げてきている通り、
牛乳は人間の体に不要であり、これを見ている方の中でも乳製品を控えようと思っている方は多いでしょう。
乳製品の害を知ったり、マクロビ食にシフトしたりするようになって、家にある牛乳をすべて豆乳に置き換えたという方も多いかもしれません。
豆乳を常備し、「健康に良いから」と毎日大量に摂取されている方もいるのではないでしょうか。
しかし実際のところ、
豆乳は本当に健康にとってよいのでしょうか?
検証してみましょう。
もともとは飲み物じゃなかった豆乳
そもそも、「豆乳」は豆腐を作る工程にある液体に過ぎず、
日常的に常飲するようなものではありませんでした。
1970年頃、豆乳が正式に商品化され、80年代前半には一時的に豆乳ブームが起こりましたが、
まだ豆乳独特の青臭い味が残っており、なかなか普及せずにいました。
しかし近年になり、糖類や乳化剤、安定剤、
カラギナン(糊)などの添加物を入れることで飲みやすくした「調整豆乳」や、
バナナ味やイチゴ味など様々な色・風味をした「豆乳飲料」が店頭に並ぶようになり、
豆乳はより親しみやすい飲料へと変化を遂げていきました。
豆乳を飲みやすく、一般人に受け入れられやすくするために
不要な糖分や添加物が加えられるようになったことで日本人の豆乳消費率は上がってきました。
しかし調整豆乳を飲んでいても、たんぱく質は豆腐の二分の一。
まだ豆腐を食べていたほうが効率的なばかりか、
体内に不要な砂糖や添加物の摂取量が増える一方で、健康促進と言えるかどうか怪しいものです。
豆乳が良くないと言われるワケ
さて添加物の話はさておき、非発酵の大豆に関してよく巷で懸念される説をまとめてみました。
主に下記の3点です。
タンパク質を分解するために膵臓から出る酵素「トリプシン」の分泌を妨げる物質「トリプシンインヒビター」を含有。これが過多になると、消化器系疾患が起こるリスクが高まるという説。
一方でインスリンの分泌を良くし、糖尿病や糖尿病予備軍には効果的な一面もあるので一概に悪いとは言えません。
が、実際にリスクがあることも事実なので、過信は危険だといえます。
ほどほどに摂取にとどめるのがいいでしょう。
甲状腺腫誘発物質を含有しているため甲状腺疾患の原因となるという説。
この物質はブロッコリーなどにも含まれています。これら食物中のゴイトロゲンの量はわずかであり、
甲状腺の機能に明確な変化を生じさせるためにはこれらの食物を大量に食べなければなりません。
しかし、念のため、このようなリスクがあることを念頭に摂取において注意は必要だといえそうです。
酵素阻害物質を含むので体内のミネラルが排出されてしまうという説。
体内ミネラルと結合することを、キレート作用といいます。これにより体外に必要なミネラルが出てしまうという懸念点です。
主に植物の種にふくまれる酵素阻害物質などにより、
必要なミネラルが奪われてしまう可能性を指摘されています。
しかし一方でデトックス効果が期待される有害重金属などの
排出にこれらの植物に含まれるフィチン酸などは有効ではないかと考えられる面もあります。
また岩手大学の学術論文・見解によると、
大豆に含まれるフィチン酸は1~3%で、
豆乳に含まれるフィチン酸は0.1~0.3%であるとしています。
また30度以上で貯蔵することによってフィターゼという物質により分解・減少するということが明らかになったのだそうです。
つまり加熱することによって幾分か作用が減るということです。
出典:『大豆から豆乳豆腐が生成する機構とそれに影響を与える諸因子』小野伴忠
フィチン酸や反栄養素についてはお米やナッツや野菜にも含まれるので、一概に豆乳ばかりが危険というのは
安直な考え方であるといえます。
全ての植物にいえることですがパーフェクトな食品はめったにありません。
それぞれのよいところ・わるいところを理解した上で
バランスを意識して摂取することが重要です。
豆乳がおすすめの方
豆乳は身体を冷やす陰の性質を持っているため、そして、
前述した通り冷やして飲むのではなく温めたり調理してお使いいただくことをお勧めします。
東洋医学においては肝の働きを高めたり潤いを増すなどといった効果があるとされ、
乾燥肌、肝(東洋医学における)の弱まりが気になる方、熱がこもっている方等にはお勧めできるといえます。
豆乳の代わりに飲みたいもの
豆乳の代わりのものについては以下の記事も読んでみてください。もう牛乳は要らない!牛乳の代替品「代替ミルク」をご存じですか?代わりに使えるミルク一覧まとめ
日本人でしたら、無添加の玄米ミルクなどがおすすめです。
自分でももちろん作っていただけるんですよ。
結論
私は牛乳を飲みません。
牛乳を飲むくらいなら、たまに料理の中に入れたりして有機無調整豆乳を、少量嗜む程度であれば、
目くじらを立てる程のものではないのではないか?というのが個人的な見解となります。
大豆全般には学術研究においてもがんなどをはじめとした
現代病への効果が期待されていることは確かなので、
発酵食品をメインとして大豆のポジティブな面を活用していくことに越したことはありません。
ただし毎日豆乳を飲んでいるだけで健康になるといったことはありません。
まるで「豆乳信者」のように、全ての料理に豆乳を使ったり、
豆乳を毎日がぶ飲みをするのはリスクの高い行為だといえます。
また、豆乳を選ぶのであれば必ず有機無調整豆乳を選んでください。
無調整ではないものは得体のしれない糖分と添加物がてんこもり。
またオーガニックではないものには、遺伝子組み換え作物が含まれています。
これらには栄養効果は全く期待できません。
そして海外産の大豆の約9割が「遺伝子組み換え」である現代。
海外産で有機というマークがないものはほぼ100パーセント遺伝子組み換えです。
豆乳を使う場合は、料理の際に少量使ったり、あくまで嗜好品と捉えてたまに飲む程度にとどめるといった意識を持つことが重要です。体質に合う・合わないがありますので、
体調が良くないと思う節があれば、様子見してみてください。
豆乳に限ったことではなく、
どの食べ物であってもどれか一つを食べ続けるなどの偏った食べ方は様々な障害の原因となります。
過信は危険、それは私たちが日々心得る必要があることです。
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大豆の発酵食品を食べよう!
また、大豆製品を食べるのであれば、
より栄養価も高く、大豆のいいところどりをした発酵食品をメインに食べるのがいいでしょう。
日本食でも最も優れているといわれる発酵食品は大豆類以外にも沢山ありますので
一日一回以上積極的に食べたいものです。
大豆発酵食品にはどんなものがあるの?
それでは大豆の発酵食品にはどんなものがあるか見てみましょう。納豆
挙げたらキリがないほどに良い効果をもたらしてくれる納豆ですが、
安価なものだと悪品質な大豆を使われていることも多いので、
原材料や生産地を確認し、いつもより少しいいものを購入するようにしましょう。
また、添付されている醤油にも糖類など余計な添加物が入っていることが非常に多いので、
自分で醤油やみりんで味付けして食べることをお勧めします。
味噌
飲む点滴とも呼ばれるほどの万能食品、味噌。
被ばくした子供たちに玄米とみそ汁を飲ませたというお話はあまりにも有名です。
花粉症やアレルギー体質の方にもおすすめしたいお味噌。
ただし味噌もスーパーで売られているものの中には添加物が入っていたり、
遺伝子組み換えなど質の悪い大豆で作られていたりするものも沢山出回っているので、
原材料を見ることはもちろん、1000円〜2000円以上を目安に必ず無農薬のものなど、高品質な商品を選ぶようにしましょう。
醤油
醤油も味噌と同様、日持ちするので安いものではなく、1000円以上の少し高めで良質なものを選ぶといいでしょう。
遺伝子組み換え大豆が気になりますので必ず有機無農薬を。
テンペ
インドネシアの発酵食品。
味は納豆に近いですが、納豆よりも癖がなく、料理に使いやすいと言えます。
テンペで注目すべきはその栄養価の高さ。タンパク質はもちろんのこと、ビタミンB類、
カリウム、モリブデンなどのミネラルを豊富に含み、更年期障害の予防、コレステロール値の低下、
血栓予防、動脈硬化改善、高血圧、糖尿病への対策にもなるのでぜひ常備しておきたい食材の一つです。
自然食品店や、ネットなどで購入可能です。
こちらもオーガニックを選んでください。
最後に
日本ではまだ少数派である菜食志向。こうした食生活にシフトする時、
ある一つの情報を信じる前に色々と調べる癖をつけることが大切だということがわかります。
今回のテーマは豆乳と発酵食品でしたが、私たち日本人がほぼ毎日食べる発酵食品、毎日食べるものだからこそ良質なものを選びたいところ。
しこれまで300円程度のものを使っていた方からすると、1000〜2000円もする調味料は高くてとても手が出ないと思われるかもしれません。
しかし長期的な視点で見れば、健康になり、美容にもよく、様々なコストの削減につながるとは思いませんか?
服やインテリア、時計や車など、どこにコストをかけるかは人それぞれだとは思いますが、
最も失ってはならないものは誰にとっても「健康な体」であるはずです。
たまには将来の健康に投資するつもりで調味料を一度見直してみてはいかがでしょうか。
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