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ストレスが胃腸・脾臓の健康に与える大きな影響|西洋・東洋医学両面から見た心身の相関関係

men with abdominal pain standing, holding the body and hands pho

消化器系の問題を抱えた患者数は、
現在の日本でかなりの患者数を占めています。

また、ストレス過多の社会環境の中で、
精神的な問題とあわせ、消化器系や腹部症状に複合した問題を抱えている方も多く存在します。


消化器系や胃腸は、食べ物の栄養の吸収を司る器官です。
ここが正常に機能していない場合、
どれだけ良質の食べ物や無農薬の食材を選んで摂取しても、
消化されずに栄養がそのまま外に排出されてしまったり、
吸収されないという問題が起こってきます。

ここに心理学の「心身相関」という、
体と心は表裏一体関係であるという事が分かると、
「食」だけに意識を置くのではなく、
様々な視点から体の治癒の切り口について探る事ができます。


また、東洋医学では「体」を診る時に、
その背景として「精神活動の異常や問題」においても、
問診の時に合わせて分析対象とします。


今回は、
「消化」「吸収」に関わる胃腸・脾臓について、
ストレスや悩み等の精神的な原因を背景に、
西洋医学と東洋医学の両面から解説いたします。



実はストレスと関係がある?
東洋医学の「脾」の働きや仕組みとは



脾の働き

「脾」とは、

●消化器系
●胃

などの、食べ物を消化・吸収する器官です。

また、他の働きとして、
食べ物の栄養(水穀精微)、水分(津液)を消化した物から体内に取り込むというものがあります。


●「運化」

栄養(水穀精微)を吸収した物を全身に運ぶ働き。
栄養を運ぶ働き⇒「運化水穀」
水分の津液を運ぶ働き⇒「運化水液」

●「脾不統血」

血液が血管外に出ない様にする働き。
これが正しく機能しなくなると、
血尿や出血等のトラブルが起こりやすくなります。

●「昇堤作用」

体内の臓器や器官、組織を正しい位置に引き上げる働き。
胃下垂、子宮下垂、脱肛、眼瞼下垂、下痢等、
体の一部が下がる症状は、昇提作用の低下が関与します。



栄養(水穀精微)・水分(津液)を作り出す量は食べた量に比例しない!
ストレスの状態によっても変化する?

食べ物から生まれる気・血・水が上手く作り出せない理由


この脾から取り込んだ栄養(水穀精微)から、「気・血・水」という大事な三要素が構成されるのです。

もし、脾の働きが落ちれば、食べ物から作られる「気・血・水」の量や、取り込める栄養分が少なくなります。

例えば、食べ物を取り込んだ量を100とすると、
そこから「気・血・水」の体に活用される栄養を取り出す時に、
100のうち80を栄養として取り込める人と、
大部分が体外にそのまま排出され、体中で取り込める分が20しかない人がいます。

食べている物は同じでも、
脾や消化器、体全体の状態がどのような状態かによって、
食べた物の活用のされ方がまったく違うことがうかがえます。


良質な食べ物(オーガニック野菜や無添加の食品等)を選んで食べているにも関わらず、
いまいち効果が上がらないとすれば、
消化器や特定の臓器が弱っている可能性が非常に高く、
良い物を食べる以外の手段で体を整える以外の治療指針やケアが必要になってきます。


脾がダメージを受けると、回復に時間が掛かってしまう理由とは?

脾は1つしかない臓器であるため、腎臓のように2つある臓器と比較すると、
一度ダメージを大きく受けてしまうとリカバリーにとても時間がかかったり、
とてつもなく体への影響が大きくなるのです。

2つある臓器は、片方の機能が落ちた時、
もう片方の臓器がその役割を担うことができる場合もあります。

脾に関してはそれをする事ができないので、
もし胃腸に何らかの不調が出始めた時
(東洋医学で言う病気の手前の「未病」と呼ばれている状態)
早めの対策を行い、早期に回復させましょう!


悩み・考え過ぎのストレスは、脾や体の健康にどう影響する?

悩み考えすぎると、脾に対応したツボと経絡が刺激を受ける


精神活動において、脾は、

●悩む
●考え過ぎる


このような精神領域に関わる部分です。

悩みがない人は稀ですが、
この精神活動が過剰な状態になると脾と胃がダメージを受け、機能が低下します。

この際、

●脾兪(脾に相関するツボ)第11胸堆
●胃兪(胃に相関するツボ)第12胸堆


この周辺の筋肉が張り、筋緊張を起こします。



その筋が張った状態だと、
筋肉が収縮したり、張ったりした時に、
正常な位置にある背骨や骨格を誤った位置に引っ張る力が強くなるので、
骨格や体が歪みを起こしてしまいます。

背骨は全身の自律神経の働きを司る大事な部分なので、
骨格が歪んでしまうと自律神経系の働きに影響が出てしまいます。


心にストレスを抱えていると、脾も不健康に!



精神活動を行う「心」の働きとは?


●精神
●意識
●思考


等の、精神面のコントロールする働き(神明)が主となり、

●全身に血液を循環させる
●体温調整機能

といった働きもあります。

また、東洋医学で言う「心」とは小腸・血脈・舌も指します。



この「心」が弱ったり、何らかの不調が強く起こると、
相生の(お互いに助け合い連携し合ったり、力を与える)関係の脾も弱り、機能が落ちます。

心が弱ると、
精神・情緒・思考のコントロール力が落ちるだけでなく、
健忘等の記憶部分にも影響が及びます。


「心生脾」心が脾を生む関係となりますので、
精神や思考の過度の負担が生じると、脾(消化器、胃)が傷付く
と東洋医学では考えられており。
こう考えると、東洋医学上でも、
脾や消化器官は精神的な影響を強く受けながら活動している臓器と考えられますね。

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西洋医学や生理学で考える、ストレスと消化器の関係

胃・腸の働きの構造


胃から大腸に辿るまでですが、
食べ物は腸管の中で起こる蠕動運動によって、
腸管を収縮と拡張を繰り返しながら移動していきます。

この時に関わる、

●ホルモン系
(女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、腸管の働きや感覚に関与します)
●自律神経系
(特に、副交感神経が消化と蠕動運動を促し、交感神経が消化や腸の動きを抑制します)
●腸管の筋肉の収縮
●電気信号の働き
(腸管の中の電位的な変化が生じる)


これらが腸の蠕動運動の働きを支配し、無意識的に行なってくれています。



消化・吸収等の内臓の活動は、
生死の境で逃げる場面や獲物を追う場合には、
そこにかける体内のエネルギーの優先順位は低くなります。

その為、消化活動を停止する事によって、
体の反応全てを逃げる事や獲物を獲得する事に全てを費やします。

強いストレスが起こった時に起こる強い腹部の不快感や下痢等の症状は、
この「闘争・逃避反応」によって、
命の危機に瀕した際の体の消化物を強制的に体外に排出し、
早く身動きが取れる様に起こっている反応であると生理学上考えられています。

この「逃走・逃避反応」は、狩猟時代から人間に引き継がれた原始的な反応です。

人間の脳は、

●物理的ストレス
●心理的ストレス


この2つを区別して認識する事が出来ません。

結果として「体が食べ物を消化する事が出来ない」「お腹を下す」等の、
不都合な反応を起こしてしまうのです。

昔の狩猟時代は、危機レベルが非常に高い生活様式でした。
交感神経優位となる回数は、1日1~2回と考えられています。

しかし、現代人は命の危機に瀕する機会は極めて少ないのですが、
細かい精神的・身体的ストレスに晒される機会が昔と比べて多くなり、
この交感神経優位(緊張が強い)の状態に切り替わる回数は、
一日平均して30~50回
に上るとも言われています。

ストレッサーが多い環境では、これより更に多い時間や回数を、
交感神経に過剰に傾いたまま生活している人も居るでしょう。

この交感神経優位で過度に緊張した状態では、
休息や睡眠に時間を宛てていても、
アクセルを踏みながら寝ているようなものなので、
休んでいても体はエネルギーを浪費している状態になってしまいます。


結果として、休んでいても疲れが取れず、
身体のコンディションが回復しないといった本末転倒な状態になってしまうのです。

交感神経の働き自体が悪い事ではありませんし、
交感神経と副交感神経が入れ換わる事も私達にとって必要な体の反応です。

しかし、その切り替えが過度に交感神経に振り幅が大きくなり過ぎてしまったり、
リラックスしたり消化活動や体の循環に関わる副交感神経の活動が過度に鈍くなり、
体の修復や消化吸収が正常に行われなくなるレベルである場合は、
自律神経系の働きが異常な状態なので、早期の対策を打つ必要があります。

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「脳腸相関」脳と腸の密接な関わり

従来は、自律神経系が引き金になる腹部不快感を伴う病気や消化器官の症状は、臓器の不調としてのみ考えられ、研究されてきました。

しかし近年では、腸が脳に情報を送り、脳で処理された情報を腸管に送るという、
密接な関わりがあるという事が分かってきました。
これを脳腸相関といいます。

また、腸は第二の脳と言われるくらい、
腸は脳や感情に強い関わりがある臓器なのです。

幸福感を感じる神経伝達物質「セロトニン」の分布量は、
体全体に送られる量のうち、腸には約90%も送られるのです。


意外にも、セロトニンは脳には2%しか存在しておらず、
腸内環境の状態がセロトニン量にも大いに関係してきます。

このセロトニンは日中の元気や癒しを齎すのですが、
セロトニン量が少ない人は一般的に、
精神的なアップダウンや不安感が強くなる傾向があり、
腸の状態とその人の幸福感の度合いが関係していることがすでに証明されています。

このセロトニンは、腸内環境の善し悪しでも量が変化しますし、
睡眠リズムや質によっても増加します。

腸内環境や消化器を回復させると、
精神面も同じく幸福感がアップすると考えられるので、
精神面、消化器のどちらからアプローチしても、もう片方の状態が引き上がると考えられます。


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精神的エネルギーは有限。悩む必要がないことは意識から外す事も大切



心的エネルギーは、意外にも有限です。

精神的なエネルギーの総量を科学的に測る事ができないので、
私たちは、形がない物を「無限にある」と錯覚してしまいがちです。

しかし、真剣な悩みについて短時間本気で考えたり思い悩むだけでも、
その日に割り振られている精神的なエネルギーや数々の行動の処理量はすぐにオーバーフローしてしまうのです。

そのため、必要な事にエネルギーや労力を投入出来るよう、
悩みは早期に解決してしまったり、
あえて悩む時間自体を物理的になくしてしまい、
その問題から距離を置いてみたりしてみても良いでしょう。


ストレスから脾や体を守るには、考え方を変えて様々な方向からアプローチ!



食事や化学物質、体について考え知識を深める中では、
体と心を分けて考えがちです。

しかし、感情に淀みがある時は、
自律神経の働きが鈍ってしまい食べ物の消化が上手く出来ません。

東洋医学や西洋医学では、
消化活動には思考や精神が密接に関わっていると考えられています。

胃や消化器管の不調が現れた時は、一つの側面からアプローチするのではなく、

●考え方や行動を変えて幸福度を増やす
●精神をすり減らし過ぎず、時間を置いたり考えない事も大切
●早期の未病の状態でケアをする


など、様々な方向から解決するように心がけてみましょう!

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