糖質制限ダイエットの知られざる落とし穴。痩せる=健康じゃない!健康のために始めたはずが、かえって深刻な病気の原因にも。
こんにちは。
INYOUオーガニックスペシャリストの小林くみんです。
そんなに食べていないのに、痩せない、
最近お腹周りにお肉がついて昔着ていたジーンズが入らない、
健康診断でメタボ気味と言われた、、
糖尿病の予備軍に入っていて、食生活を注意された、
運動をしなくてはいけないのは分かっているのだけど、仕事が忙しくて、そんな時間がない・・・。
年齢を重ねると筋肉量が落ち、代謝も落ちるため、太りやすくなります。
メタボ、糖尿病予備軍という言葉も他人事でなくなり、
脂肪のつき具合は見た目年齢にも影響を与えるため、ダイエットを意識している方も多いかもしれません。
そんな中、便利でお手軽なダイエット法の名前を聞くことも・・・。
バナナダイエット、りんごダイエットやココアダイエット、やせるお茶、
海外セレブが実践しているクレンズダイエットやスムージーダイエットもよく耳にしますね。
そんな今話題のダイエット法の1つが「糖質制限ダイエット」。
主食をはじめとする糖質の摂取量を大きく減らし、肉や魚をしっかり食べる糖質制限ダイエットは、
もともと、欧米で糖尿病患者や生活習慣病の食事療法として広がったもの。
比較的継続しやすく短期間で減量でき、
糖尿病予備軍の方の場合、各種検査値にも改善が見られることが多いとか。
今、日本でも注目を浴びているダイエット法です。
しかし、この糖質制限ダイエット、
開始から3週間で20kg減量、
4カ月後で糖尿病脱出に成功したものの、
62歳で心不全・急性心筋梗塞で急死という1例もあり、
長期的な継続による体への影響が危惧されています。
いつまでも、スリムで若々しくいたい、という女性から、
メタボ、糖尿病予防のために・・、という男性まで、
多くの層から注目を集めているこのダイエット。
中学、高校と新体操部に所属し、渡米後はダンサーとして働いていた私は、ダイエット(体型キープ)が仕事の一部でした。
様々なダイエット法を試してきましたし、失敗談では本が一冊かけるほど(笑)。
もちろん、話題の糖質制限ダイエットも経験済みです。
そんな私だからこそ、お伝えできる「糖質制限ダイエット」の落とし穴をまとめていきます。
話題の糖質制限ダイエットって一体どんなもの?
糖質制限ダイエットとは、その名の通り、「糖質を抜くor 減らす」ダイエット法。
糖質の多い食事を避け、糖質のない、少ない食材を選ぶというシンプルで分かりやすい内容で、従来のダイエット法のようにカロリー制限がなく、
食事の満足度もダウンせず続けやすいため、今、多くの方に支持されています。
主食となる、ご飯、パン、麺類はNG、
糖質の多いイモ類も制限します。
糖質制限ダイエットは、厳格なものから緩いものまでさまざまな方法があり、
1日1食糖質制限食にするプチ糖質制限
1日2食糖質制限食にするスタンダード糖質制限
全食で糖質を排除するスーパー糖質制限
等があります。
これらの中でも特に賛否両論別れ話題に上がっているものが「スーパー糖質制限」(1回の食事の糖質摂取量:20g以下、1日の摂取量:50~60g)です。
糖質制限ダイエット、なんで痩せるの?!
そのメカニズムは?!
ここでちょっと栄養学の復習、
体内に吸収されてエネルギーになる栄養素には、
「糖質(炭水化物)」、
「脂質」、
「タンパク質」があります。
この中で、太る原因となるのが主に「糖質」と「脂質」。
「タンパク質」は体内各所の栄養になった後に排出されますが、
消費できなかった「糖質」と「脂質」は脂肪として体内に蓄えられます。
従来のダイエット法ではこの2つのうちの「脂肪」のみを太る原因として敵視していました
(糖質のカロリー:1gあたり4kcalに対して、脂質:9kcal。
同量の場合、脂質のほうがカロリーが高いため太るというイメージがあるため)。
しかし、糖質制限ダイエットでは炭水化物に含まれる糖質にフォーカスを当てています。
糖質が体内でブドウ糖になり、血糖値(血液中の糖の量)を上がると、インシュリンが分泌されます。
そして、インシュリンは体内の血糖値を下げるために、筋肉や脂肪細胞に「血糖」を送り込みます。
筋肉で貯蓄できる糖質には制限があるため、多くの糖質は「脂肪細胞」に蓄えられます。
これは、もともと私たちが飢餓状態になった時のために体に備わったメカニズムですが、
食べものが飽和している現代日本では、体内に次から次へとやってくる糖質が、
どんどん脂肪細胞に蓄積されてしまいます。
糖質制限ダイエットでは、糖質を制限し、食後の血糖値の急上昇を和らげ、インスリンの分泌を抑え脂肪細胞への脂肪の蓄積を防ぎます。
もともと、糖尿病患者や生活習慣病の食事療法として欧米で広がった糖質制限ダイエット。
これらが、糖尿病の悪化を防ぐために糖質制限ダイエットがもてはやされる理由です。
2型糖尿病の場合初期には食後の血糖値の上昇が大きな問題となるため、
その主な原因となる糖質を減らすのが有効と考えられています。
また、糖質制限食で血糖値の急上昇を防ぐことにより、
インスリンを分泌するすい臓を休ませ、その機能を改善し、
血糖値を下げるインスリンの分泌量の回復が期待できるとも言われています。
糖質制限ダイエットって、減量にも生活習慣病予防にも良いんだ・・・、
安易な考えの落とし穴。
糖質制限食は糖尿病やがん対策、または改善のために始める方が非常に多い傾向にあると思います。
もちろんガンの餌でもある糖質を制限することによる健康的なメリットも数多くあります。
しかし専門的な知識や専門家の指導なしに、有名人のマネをしたり、
誰かのマネをして安易に始める糖質制限は取り返しのつかない事態を招くことにもつながります。
現に、この糖質制限ダイエットは一時的な効果があるものの、
危惧点も多く存在し、その危惧点を裏付けるデータも多く出ています。
その一部をみてみましょう。論文1:低糖質群、死亡リスクが約30%上昇
2013年1月25日、国立国際医療研究センターが「PLOS ONE」誌に報告した論文
対象者:
27万2216人(糖尿病、冠動脈疾患でない)。内容:
糖質制限食と、これに高たんぱく質食を組み合わせた食事が、死亡と循環器疾患の発症に及ぼす長期的な影響。低糖質群(総摂取熱量の30~40%)と高糖質群(60~70%)の比較:
総死亡のリスクは低糖質群の方が31%高かった。
低糖質+高たんぱく質群と高糖質+低たんぱく質群の比較:
総死亡のリスクは低糖質+高たんぱく質群の方が30%高かった。
論文2:糖質割合が低下に比例し、死亡リスクが上昇
米ハーバード公衆衛生大学院のTeresa Fung氏らが「Annanls of Internal Medicine」誌の2010年9月7日号に報告した、
米国の男女の医療従事者を対象とする大規模かつ長期的な研究に関する論文。
対象者:
8万5168人の女性と4万4548 人の男性内容:
心臓病、がん、糖尿病ではない女性を26年間、男性を20年間追跡。定期的に食物摂取頻度調査を行い、参加者の糖質と脂肪、たんぱく質の摂取量を推定。
糖質の摂取量が少なかった集団を2種類の群に分類:
動物性食品群(動物性脂肪と動物性たんぱく質を主に食べていた群)
植物性食品群(植物性脂肪と植物性たんぱく質を主に食べていた群 )
結果:
女性追跡開始時点で34歳から59歳だった8万5168人の女性
26年間追跡調査後:計:1万2555人死亡
そのうち、
循環器疾患による死亡2458人
がんによる死亡5780人
結果:
男性追跡開始時点で40歳から75歳だった4万4548 人の男性のうち、
20年間追跡調査後:計:8678人死亡
そのうち、循環器疾患による死亡2746人
がん死亡2960人
高糖質食群(総摂取熱量の60%程度)と低糖質食群(35~37%)の比較結果
総死亡リスク
低糖質食群では12%高かった。
低糖質+動物性食品群では23%高かった。
低糖質+動物性食品群では、
循環器疾患による死亡のリスクが14%高
がん死亡のリスクが28%高
低糖質+植物性食品群では、高糖質群より総死亡のリスクが20%低。
循環器疾死亡のリスク23%低。
がん死亡のリスクには差は見られなかった。 糖質を極端に制限し、肉などの動物性食品を多く摂取する食生活では、
死亡率(余命の短縮率)が大きく上がっています。
糖質制限ダイエット、もともと糖尿病のための食事じゃないの?!
糖質制限ダイエットは、糖尿病のための食事として有効と言われているのですが・・・、
糖尿病患者の4割以上は腎臓の障害を持っており、
糖質制限ダイエットで、肉類をはじめると動物性タンパク質の摂取が増えた場合は腎臓への負担も心配。
また、新潟大学の名誉教授岡田正彦氏(予防医学)は、
糖質制限ダイエットでは炭水化物の代わりに、肉類をはじめとする動物性食品(動物性脂肪)を多めに摂取することにより、体内の悪玉コレステロールの増加を促すと述べています。
悪玉コレステロールは、血管の壁を硬く厚くし(動脈硬化)心筋梗塞の要因に。
もともと糖尿病、高血糖値の状態では血管への負担がかかっています。
そこへ、体内の悪玉コレステロールの増加を促す動物性食品を大量に摂取することにより更に血管に負担をかけるリスクが上がってしまうのです。
また、2011年、イギリスで肥満気味の成人男性17名を対象とした便の分析では、
高タンパク・低炭水化物の食事を継続したグループは、
発がん性物質が増加し、がんの発生を抑制する物質が減少していることが判明し、
大腸疾患のリスクが指摘されました。
糖質制限ダイエットの落とし穴、
私のダイエット経験。
生理が止まってしまった・・・・
NYに渡米後すぐの頃、スレンダーなダンサー達に囲まれての生活の中、私も糖質制限ダイエットを実践していました。
当時は糖質制限をしつつ、ダンスのレッスンに明け暮れていたので、確かに直ぐに痩せましたが・・・、
しばらくして、生理が来なくなってしまいました。
約9ヶ月。その頃は若かったので、生理が来なくてもそこまで気になりませんでしたが、
今は、体にかなり負担をかけてしまった当時のことを反省しています。
そして、主食を減らしたことにより、
無性に甘いものが食べたくなったり、
また、動物性食品を摂ることが多くなり、
食事の内容も偏ったものになっていきました。
普段、とんかつ、牛丼、パスタ、パンなどを過食していて、メタボ気味な方には、
マイルドな糖質制限は効果があるのかもしれません。
しかし、糖質はタンパク質、脂質と並ぶ3大栄養素の1つ。
炭水化物に含まれる糖質(体内でブドウ糖になる)は、脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣や、酸素不足の骨格筋のエネルギー源。
これらの組織は、通常ブドウ糖のみをエネルギー源としているため、炭水化物は私たちが健康な生活を送るために必要不可欠なのです。
極端な糖質制限を長期的に続けることは、表面的な減量と引き換えに、
体内の様々なシステムに負担をかけていると言えます。(私の場合、食事をバランスのとれたものに改めてから、直ぐに生理は来るようになりました)。
糖質制限し過ぎず、健康的に痩せるためのおススメ食事法
(参照:日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン)
ポイント1:急激に血糖値をあげない食材をメインにする。
急激に血糖値が上がると、インスリンが大量分泌され、体内にエネルギーを溜めこむ原因に・・。
野菜や海草など食物繊維を先にゆっくり食べ、血糖値を緩やかに上昇させるのが大切。
また、GI値(食後血糖値の上昇度を示す指標)の低いものを積極的に摂ります。全ての食品のGI値を覚えておくことは難しいので、
比較的、GI値が高い主食(炭水化物)を「色」を目安にしてチェック。
白米や食パン、もち、うどん、砂糖などの「白い主食や糖質」に比べ、
玄米や雑穀、そば、全粒粉パスタなどの「茶色っぽい主食」の方がGI値が低め。
ご飯なら精白米よりも玄米や五穀米。
めん類ならうどんよりも蕎麦。パンなら食パンよりもライ麦パン・・・のように、ちょっとずつ意識してみて。
ジュースなど、飲料での糖質摂取も血糖値の上昇を促してしまうので注意。
お勧めなのはホールフードでもある玄米。
おすすめの無農薬玄米
ポイント2:やっぱり大事なのはバランス、そして食べ過ぎは禁物
ご飯、味噌汁、主菜、副菜をきちんと用意し、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6大栄養素をバランスよく摂る食生活。
そんな食事が毎日出来ればそれに越したことはないですが、
忙しいと、やはりハードルが高く感じることも・・・。
1人暮らしの場合は、なかなか毎日実践するのは難しいかもしれません。
そして、たとえ栄養バランスの良い食事内容でも、
食べ過ぎだと、やはり体に負担がかかります。
食事のバランス&食事量の管理、これら両方へのカンタン解決策として、
用意してもらいたいのが、直径20cmほどの平たいお皿。
そして大切なのはそこに載せる食材の割合、
1/2:でんぷんの少ない野菜・海藻・きのこ(副菜)をたっぷり。
豊富な「食物繊維」で、糖質・脂質の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑えます。
(芋類やかぼちゃ、とうもろこし、大豆以外の豆は糖分が多いのここには含まない)。
1/4:ご飯、パン、麺、芋類などの炭水化物(主食)。
(繊維の多い未精製の穀類がおススメ、芋類やかぼちゃ、とうもろこし、大豆以外の豆類もこちらへ)
1/4:肉、魚、卵、大豆製品などの良質なタンパク質(主菜)。
(腸環境を考慮して、肉ばかりに偏らず、魚や豆類の割合を増やしてね)。
また、選ぶ時にプラス 果物(小皿)。
食べる順番は、副菜→主菜→主食がおススメ。
食物繊維を多く含む野菜や海藻、きのこなどを先に食べることで血糖値の上昇をゆるやかにします。
また、先に低カロリーの副菜を食べることで、カロリーの高い主菜や主食の食べ過ぎを防ぐことにもつながります。
お勧めしたいのはIN YOUでも話題のVEGANヨーグルトです。
VEGANヨーグルト
本当の意味での「健康」って一体どんなものだろう?
「いつまでも若々しく、健康でいたい。」
誰もが願う想い。
色々なダイエット法を試して、
その度にリバウンドも経験しました。
そんな私が、
最後に行き着いた一番安全で、確実なダイエット法は、
玄米菜食、
一汁一菜~二菜の和食。
世界中から人々が集まるNY。
様々な国の文化や食事と触れ合い、
ダンサーという仕事上、美容や健康に意識の高い舞台女優やダンサーと共に生活し、
様々な選択肢と出逢う中で、
私が結局選んだのは「和食」。
食べたいものを我慢して、
食べたくないものを食べる毎日。
私は、それが本当に「健康」だとは思っていません。
でも、基本に戻って、食事のバランスを整えると、
食の好みも変わってきます。
体と心が食事で整ってくれば、今あなたの体が一番必要としているものを「食べたい」と感じるようになってくるんです。
目先の減量だけなく、
体と心を整えることを最優先にしたら今のあなたに必要な食事内容が自然にみえてくるはず。
本当の「健康」は、その気づきから始まる。そう私は信じています。IN YOUおすすめのホールフードを食べてバランスのとれた食生活をはじめてみよう。
IN YOUMarketで
全ての人にオーガニックな暮らしを。
IN YOUがご提案したいのは、一物全体を中心とした和食的な食生活。
シンプルな生活だからこそ、気を付けたいのは食材の質。
IN YOUMarketでは、オーガニックや安心安全無添加食品だけにこだわったプロダクトを編集長が厳選しています。
まずはシンプルな生活からスタートしてみませんか?
あなたもオーガニックセルフセラピストとして、活躍しよう。
この記事を書いた公式ライター・オーガニックスペシャリスト
小林くみんが講師を務めるIN YOU公式ライセンス
オーガニックセルフセラピスト ライセンスについて
私が講師を務める、ライセンスが取得できるセミナーを開催しています。
添加物や農薬、様々な情報があふれている中、何を信じていいのかわからない。
そんな方も、ぜひ取得していただきたいセミナーです。
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