初夏の虫除け&虫刺され対策どうしてる?おばあちゃんの知恵袋から、学ぶドクダミ・ヨモギ・ヘビイチゴを使ったオーガニックなナチュラルケアを始めよう。
立夏が過ぎると、少しずつ虫の増える季節に
2017年は5月5日が「立夏(りっか)」。暦の上では、ここからが夏の始まりとされています。どんどん陽気が高まり、開放的な気分になっていく時節ですね。
これからの季節で気になることのひとつが、高温多湿な気候に伴って、蚊などの虫が増えること。
数年前には、蚊によって媒介する感染症「テング熱」の感染が国内で広がり、大きな騒ぎとなりました。
虫に刺されないようにするためにどんな対策をしていますか?
黒い洋服は避けて白い長袖のシャツを着て、市販品の虫除けスプレーをシューっと吹きかけている方もよく見かけますが、スプレーの成分表示を見るとカタカナの文字がずらり。
私自身も、夏は山など自然のなかへ出かけることが多く、
虫除けスプレーを使ったことがありますが、その効き目が強いため「何が入っているんだろう……」と逆に心配になりました。
一般的な虫除けスプレーに含まれる「ディート」の危険性
市販の虫よけスプレーに使われている「ディート」はアメリカ軍が戦時中に開発した強力な薬剤だった。多くの虫除けスプレーには、「ディート」というピレスロイド系農薬が含まれています。
ディートはもともとアメリカ軍が亜熱帯の戦地で使うために開発されたもの。
「湾岸戦争症候群」と呼ばれる戦争から帰還した兵士たちの不調な症状
(ガン、脱毛、精神病、疲労、記憶障害など)は、ディートと関係しているのではとも言われています。
日本中毒情報センターHPには「慢性的な皮膚適用の場合に、血圧低下、痙攣、発疹などの症状を呈す」と記載され、経皮毒性が極めて高いと指摘されています。
アメリカとカナダでは、2000年に入り安全性への懸念から、すでに子どもへの使用が制限されています。
日本でも、2005年に厚生労働省からメーカーに対して、
「6ヶ月以下の乳児には使用しない」「6ヶ月~1歳までの使用は、濃度が10%以下のものを1日1回」「2歳~12歳までの使用は1日3回まで」といった項目を、「使用上の注意」として記載するよう指導がありました。
虫除けに効果が高いからという理由で、一般の虫除けスプレーを頻繁に使っている方は注意が必要かもしれません。
また、虫刺されの痒み止めの多くに含まれる「ステロイド」は、長期に渡って使用したり、使用方法を誤ると、肌の炎症を悪化させてしまうことがあることは、IN YOU読者の方ならよく知っていることだと思います。
もちろん、外出先で蜂や虻などに刺されてしまったなど、
緊急の場合には一時的に即効性のある薬の力を借りることもあると思います。
しかし、普段の虫除け対策には、できるだけ安心できるものを使いたいですよね。
おばあちゃんの知恵袋から、夏の虫除け&虫刺され対策
現在とは違って、身近に利用できる病院や薬局なども少なかった時代。虫除けや虫刺され対策には、香りの強い身近な植物たちが利用されていました。
こうした自然の植物の力をもう一度見直して、ナチュラルケアを始めてみませんか?
最近はミントやカレンソウ(ローズゼラニウム)、ニーム、パチュリなどのハーブ類を使った虫除けスプレーも売られていますが、
日本のおばあちゃんの知恵袋にもナチュラルケアの方法がたくさんあります。
自然の素材を使って自分で手作りした虫除けや虫刺されグッズなら、
敏感肌の方や小さなお子さんやペットなど、化学薬品や添加物が気になる場合にも安心ですね。
晩春から梅雨入り頃までの時期は、植物の生命力が最も強いと言われています。
この時期の植物の力を借りて、夏を心地よく過ごす支度を始めましょう。
今回は、和の植物を使ったナチュラルケアをご紹介します。
よもぎを使った、簡単痒み止め&スプレー
よもぎの香りに含まれる「シネオール」という成分には虫除けや肌の炎症を抑制する効果があり、葉緑素に含まれる「クロロフィル」という成分には、肌の炎症を抑える効果があるとされています。一番手軽な方法は、屋外で蚊に刺された時に、よもぎの葉を手で揉んで出てきた緑色の汁を患部に擦り込むというシンプルなもの。
私自身も子どもの頃に教わって以来、今も実践していますが、患部に擦り込んでしばらくすると痒みが落ち着いてきます。
ただ、いつでもどこでも、よもぎが採集できるとは限らないですよね。
そこでよもぎを使った、虫刺されの痒み止めスプレーの作り方をご紹介します。
スプレーになっていると、気になる時にすぐに使えてとても便利です。
よもぎの痒み止めスプレー
<材料(作りやすい分量)>無農薬乾燥よもぎ:5g またはヨモギパウダー
水250㏄無水エタノール200㏄
<作り方>
1.乾燥よもぎと水を小鍋に入れて、加熱する。沸騰したら弱火にして、水の量が半分になるまで煮出す。
2.1を濾して、荒熱を取る。
3.2と無水エタノールと混ぜて、スプレーボトルなどに入れれば、出来上がり。
冷暗所で保管し、1ヵ月以内に使い切るようにしましょう。
乾燥よもぎは道の駅や漢方薬店などで、無水エタノールは薬局などで購入できます。
煮出す方法の他に、アルコールに約1~3ヵ月漬け込む方法でも作ることができます。
無添加のものは成分が変化しやすいので、「一定期間で使い切る量をつくる」「使用前にパッチテストをする」などを守るようにしてください。また、ブタクサ科の花粉症がある方の場合は、キク科のよもぎにアレルギー反応が出る場合もあるので注意してくださいね。
どくだみでも同じように作れる!
「よもぎは無いけど、どくだみならある」という方は、どくだみでも同じように作れるのでご安心ください。どくだみは昔から「十薬(10種類の効能がある)」とも呼ばれるほど、薬効が高い植物です。
どくだみの独特の匂いに含まれる「デカノイルアセトアルデヒド」という成分が皮膚の炎症に効果的とされています。
まずは、蚊に刺された後に、どくだみの葉を手で揉んで出てきた汁を患部に擦り込むという手軽な方法があります。
よもぎの場合と同じくスーッと痒みが引いていきますので、どくだみの独特の匂いが苦手でなければ、ぜひお試しくださいね。
次に、どくだみの葉や花を漬け込んで作る「どくだみチンキ」。こちらは、乾燥したものではなく、生のものを使います。痒み止め以外にも、アトピーやニキビ、水虫などの炎症にも効果的とされています。チンキにすると、独特の匂いも消えてなくなります。
どくだみチンキ
<材料(作りやすい分量)>無農薬どくだみの葉 30~40枚 または野草パウダー
ホワイトリカー 500~600㏄<作り方>
1.どくだみの葉はよく洗い、水分を拭きとっておく。
2.手で葉をちぎり、瓶の8分目位まで入れる。
3.2の瓶にホワイトリカーを9分目位まで加えて、冷暗所で1ヵ月置く。
4.葉を取り出したら、出来上がり。スプレーやボトルなどに入れて使う。
ヘビイチゴを使った痒み止めも、おすすめ!
見た目がかわいらしい、バラ科の多年草「ヘビイチゴ」。美味しそうに見えて味は食べられたものではないほどに不味いのですが……
どくだみチンキと同じようにホワイトリカーで漬け込むと、痒み止めが作れます(はじめは真っ赤な果実ですが、そのうちに茶色く変化していきます)。
個人的には、よもぎやどくだみよりと比べても、抜群に効果が高いのではと思っています。
私の自宅の庭に群生していて、毎年痒み止めを作り親しい方にお分けしているのですが、皆さんその効果にとても驚いています。
野原などの湿った草地に群生していて、
黄色の花を咲かせます。群生している場所を見つけておくと、毎年痒み止めが作れるのでおすすめです。
おまけ:海外の虫除け、ナチュラルケアの風景
私自身は旅行が大好きなのですが、自然の力を利用したナチュラルケアの風景に出会って、感心することもしばしば。ヨーロッパの窓辺のゼラニウム
まず、ヨーロッパを旅した方ならおそらく誰もが目にする、ピンクや赤のゼラニウムが植えられた窓辺。歴史のある建築とマッチしていて素敵な景観なのですが、このゼラニウムはもともと虫除けのために植えられたと言われています。日本でも「蚊除け草」「カレンソウ」という商品名で売られていますが、
これはセインテッドゼラニウムという品種。昔から香料を取るために栽培されてきた品種なので人間には良い香りですが、蚊は嫌がる香り。
これを窓辺に置くことで、蚊除けとアロマの両方の効果を得られるなんて、素晴らしいですね。
インドの牛糞
次は、インドです。インドを旅していると、路地や車道などいたるところに牛の姿を見かけます。
人口の8割をヒンドゥー教が占めるインドでは、牛は神の使いとされ、牛乳などはもちろん、牛の糞もいろいろな用途に使われています。
そのひとつが、牛糞を使った虫除け。
昔ながらの方法だと、牛糞に土と水を加えて練ったものを、床や壁に塗るそうです。
匂いが気になりますが、乾くと匂いは消えます。牛糞には虫が嫌がる成分があるため虫除けの効果を発揮してくれるとのこと。
ただ、牛糞の中には遺伝子組み換え飼料が使われているものもありますし、現地だからこそ実現できたのが大きいのかもしれません。
日本ではなかなか現実的とはいえないでしょう。
その土地に合ったナチュラルケアは、ただ単に虫除けや痒み止めの効果があるだけでなく、生活に取り入れることで、心や身体も綺麗になっていくような気がしました。
立夏を過ぎれば、夏ももうすぐ。
手軽にできることから、夏支度をぜひ始めてみてくださいね。
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屋久島クスノキ しょうのう5つのおすすめポイント
1.完全オーガニック宣言化学薬品や農薬とは無縁な環境で育ったクスノキを使用しています。
都会ではクスノキというと街路樹や社寺などに植えられていますが、屋久島には昔から野生のクスノキが多くあります。それらは当然農薬などとは無縁のところで育っているので、安心して使っていただけます。
2.天然のいい香り。においもやわらぐ。
一般的に「タンスのにおい」と言われているのは化学薬品で作られた防虫剤のこと。
しょうのうは化学合成品のものとは香りが違い、鼻につく匂いではなく鼻を通る爽やかな印象。天然クスノキなら身体にも自然にも優しく、衣服についた香りは風にさらすとすぐに和らぐのが特徴です。
3.環境にもいい。
これらすべての商品は自然に還元するものなので、使い終わった後も環境汚染がなく、化学アレルギーも起こしません。また使っているだけで環境にもいいなんて、気持ちがいいですよね。
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