【衝撃】日本の12倍もオーガニック食品の生産が栄えるフランス、パリ最新オーガニック事情
先日パリへ行ってきました。
パリの夜の街を散歩をすると、うっとりするほど町並みが美しく、いつまでもそこにじっと佇んで居たくなるほどの感動を与えてくれます。
日常の何気ない光景がとてもロマンティックです。
フランスにおけるオーガニック農地の使用率は日本の12倍。
美しい町並みだけでなく、アートやファッション、食のカルチャーにおいてもグローバルレベルでトップの国のひとつ。旅行先としても日本で大人気のスポットとして有名なフランス・パリですが、去年のヨーロッパにおけるオーガニック食品の売り上げは第1位のドイツに続き、2位がフランスとなっています。
フランス政府は、「Ambition Bio 2017」で、2017 年までにオーガニック農地を2 倍に増やすことを公式に発表しました。
フランスにおけるオーガニック食品の消費者は年々増加しており、購入動機は、9割が健康のためで、購入者は女性と富裕層が中心。
販売経路は、約半数はスーパーからとなり、スーパーからの購入は、今後さらに増えることが予測されます。
社員食堂などのメニューにもオーガニック食品を導入することを目標としており、会社や病院などの食堂ではオーガニック食品の使用率の向上を目指しています。
さらに保護者の約75%が学校の食堂におけるオーガニック食品の使用を希望しているというデータがあり、家族への健康の関心も高まっているようです。
日本は北海道を初めとし、一見多くの農地があるように見えますが実はそのうちオーガニックで農業をする農地は全体のたった0.3%。これと比較しフランスは全体で3.8%と日本と比較するとなんと12倍。
今回はそんなパリの食事情、特に今回はリアルなパリのオーガニック事情と共に、お勧めのオーガニックカフェをご紹介していきます。
空港
まず一つ目の意外なベジスポットは空港。昔は「サンドイッチ」やジャンクフードしか置いていないイメージが強かった空港のカフェ。
しかし近年では少しずつ時代が変化してきているのでしょうか。
パリでも、最大の空港シャルル・ド・ゴールではいくつかのベジタリアン対応向けのオーガニックカフェがあります。
一つ目はMIYOUというお店。
こちらは、グラン・ヴェフールという有名なパリのレストランのシェフがプロデュースするカフェです。
ところでお気づきの方も多いと思いますが、このロゴ、どこかで見たことがあるような・・。
そう、我々のサイト「INYOU」に酷似しています。(もちろん真似していませんよ(笑))
どことなく字体まで似ているような気が・・(笑)
ミユーと読むそうです。
「VEGETARIAN」の文字が気になります。
お店はシンプル・モダンな雰囲気。
イートインスペースも勿論あります。
何やらTOFUが入ったヘルシーなサラダを見つけました。
ラップサンドの表記です。
クールなデザインのボトルのミネラルウォーターが並びます。
空港内で気軽に有名なシェフプロデュースのサラダやライトミールが食べられるなんて、嬉しいですね。
MIYOU
ADDRESS:Terminal 2E, CDG 95700 Roissy-en-France
お次はこちらのカフェ。
人参のマークがいかにもベジっぽい、「EXKI」というブリュッセル発のオーガニックカフェ。
食材の3割以上はオーガニック食材を利用しているようです。
テイクアウトまたはイートインどちらでもOK。
野菜をふんだんに使ったデリが選べます。
どのメニューがオーガニック食材を利用しているのか一目でわかるのが特徴。
このように、ベジタリアンマークの他に、グルテンフリー、乳製品フリーのマークがちゃんとついていてわかりやすいですね。
一覧表。
小分けの容器で販売されています。
この他にもビーガン向けのスープやデリ、キッシュ、サンドイッチ、フルーツ、グルテンフリーケーキなど様々なものがあり、迷ってしまいそうです。
日本人のお客さんも多く、大人気のカフェでした。
機内食の代わりにこちらをテイクアウトで機内に持ち込み、ヘルシーな食事を楽しむのもアリかも。
EXKi
Aéroport de Roissy Charles de Gaulle 95716 Roissy CDG Cedex France
スーパー
スーパーにもいくつかのオーガニック製品の取り扱いがあります。特にオーガニックスーパーという枠組みでなくとも、街角の小さなスーパーには全商品の約2割〜3割程、商品棚にオーガニックマークのある加工製品やお菓子、ジュースなどを中心としていくつかのオーガニック商品が見られます。日本の一般的なスーパーと比較するとその割合は高いように感じました。
カフェやレストラン
パリの街にもビーガンカフェやオーガニックレストランがいくつかあります。ただし、どの国でもそうかもしれませんがお店によって味のクオリティはまちまち。
あたり外れが著しい傾向にあるため、日本人好みの美味しくヘルシーなカフェを行き当たりばったりで見つけるのは意外と難しく、あらかじめ日本人が書いた口コミを見るなどし、よく下調べしてから行くことが大切です。
また、パリでは日本食が非常にポピュラーで、街の至る所にお寿司屋さんや天ぷら、定食屋、ラーメン屋等を見かけます。
日本人としては嬉しい限りですが、こちらも所謂「日本でいただく日本食」をイメージして行くと、すこしばかりギャップを感じることもあるかもしれません。
ルーブル美術館から近く、パリ中心地にある、ミシュランのシェフがプロデュースする、一押しオーガニックカフェ
最後は私が訪れた中でも特に美味しかった「オーガニックを売りにしたカフェ」でイチオシをご紹介します。
名前は「BOCO」。
赤い看板が目印です。
こちらのお店はミシュランの星付きシェフと、パテシェによって考案されたメニューが気軽なスタイルでいただける、グルメなデリ・カフェ。
店内には著名なシェフの写真が飾られています。
「ミシュラン」というとレストランに入れば一人安くても2万円以上のお店がほとんどですが、こちらのお店は料理が小さなガラスのカップ容器に入っており、一つが約6€〜9€くらい(800円〜1300円前後)とカジュアルに美味しい料理を色々と楽しむことができます。
またこちらのお店をINYOUとしておススメしたい理由の一つはオーガニックの他に、乳製品不使用やグルテンフリーの表記が一つ一つにされているところ。
ヘルシーなのに美味しい食事をカジュアルに楽しめるカフェの存在はパリでも貴重な存在です。
100%BIOと、オーガニック宣言(?)が店内に。
ここまでオーガニックを前面に出せるお店は珍しい。
味もとっても美味しかったので、パリへお越しの際は是非立ち寄ってみることをお勧めします。
BOCO
3 rue Danielle Casanova | Opéra, 75001 Paris, France
まとめ
オーガニック率が日本より圧倒的に高いパリですが、ベジタリアン向けのお店や、ヘルシー志向を前面に押し出したお店の全体数としては東京の方がやや多い印象を受けました。
また味やクオリティ、コストパフォーマンスについてもベジタリアン向けに展開されているお店やヘルシー志向のお店については当たり外れが非常に多い傾向にあり、総合的に判断すると日本が優っているように感じました。
これについては恐らく日本の「食文化の発展」が背景にあるのでしょう。
フランスは世界でもトップレベルの食文化を誇る国ですが、ミシュラン2014によると、三つ星レストランの合計数は東京がフランスを上回り、世界一になった事例もあるほど。
オーガニック率はまだまだ見劣りするものの、日本で食べられる食のクオリティとそれを作り出す「職人たちのレベル」は世界に全く引けを取っていません。
「料理は食材の質から決まる」と多くの料理人は言いますが、日本も現状よりオーガニックの農地を拡大し、更に生産率を上げなくてはせっかくの職人技術も十分に生きてこないのではないかと感じました。
有機農業を行う農家にとってまだ欧州と比較すると政策や流通ルートが整っていない日本。
そんな日本でも5年後までにオーガニック農地を0.3%から1%へ増やそうという方針が農林水産省から出されたようです。全体の1%でも正直少なく感じますが、消費者の健康へのニーズも高まっている今「日本の食」を守るためにも、様々な規制に負けず、今後オーガニック農業へ積極的に取り組んでくださる農家さん、そしてそれを積極的に入手する消費者が増えることを願っています。
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