糖質制限ダイエットに健康リスクはあるのか? 〜マクロビオティックからみた糖質制限〜
糖質制限とは
最近糖質制限ダイエットが流行っています。現在日本で流行している糖質制限とは主にダイエットの観点から注目されている方法論で、糖質摂取量を減らすことにより体重を減らそうというもの。
主食は食べずにおかずのみを食べ、具体的には肉などのタンパク質をメイン、野菜は緑の野菜を中心にし、ご飯やパン、糖質の高い野菜や炭水化物は一切食べないといった食事法が主流です。
さて、糖質制限とは、元々はダイエットのためではなく「糖尿病治療」のための手法でした。
かつては肥満の原因として「脂肪」が主な原因だとされてきました。
しかし研究を重ねられるうち、脂肪ではなく糖質の過剰摂取が肥満の本当の原因だと言われるようになり、海外では糖尿病治療やダイエット方法として、糖質制限が推奨されるようになりました。
日本では基本的にヘルスケアや健康食品領域の流行については欧米から来るものがほとんどで、そのブームが上陸するまでに1-5年以上のタイムラグがあると言われていますが、糖質制限もその中の一つで、2008年以降、アメリカで正式に糖質制限が認識されるようになって以来、日本でもメジャーなダイエット方法として認識されるようになったのです。
このような経緯を経て糖尿病治療のためではなく健康体の人々がブームに乗って自己流・または多くのダイエットスクールで糖質制限を実施するようになりました。
糖質制限によるメリットとデメリット
糖質制限で得られるメリットとして、真っ先に挙げられるものとしては「痩せられる」ことでしょうか。糖質制限ではその名の通り炭水化物以外に砂糖類は食べられないのでスイーツを我慢する必要はありますが、肉が大好きな方でも、肉類を制限する必要はなく、毎食満腹感を感じながら確実に痩せることができ、かつ劇的に体重をダウンさせることが可能です。また糖尿病を予防することもできるというメリットがあります。
では逆にどのようなデメリットが考えられるでしょうか。
下記をご覧ください。
悪玉コレストロールが増加する。
タンパク質や脂質分の多い食事が中心になると、当然、悪玉コレステロールも増えていきます。中長期的にこれを続けると、血液をドロドロにさせ、血管が劣化したり、血管が血栓によって詰まったりする原因となり、結果として心筋梗塞や脳梗塞など取り返しのつかない疾患を引き起こすリスクがあるとわかっています。
便秘になり毒素が溜まる。
肉類には基本的に「デトックス効果」は期待できません。老廃物のほとんどは便から排出されるため、デトックスをしたいのであれば、毎日食物繊維の含まれる食品を食べることが必要不可欠です。
肉類を中心に食べ続けることによって便秘が蔓延化し、体内に不要な毒素が溜まっていきます。便秘はあらゆる病気の原因の引き金になると言われており、結果としてがんや深刻な疾患を招くことになります。
体力が衰える可能性がある。
糖質を制限しすぎると、アミノ酸を、肝臓が糖分に変換する必要性が出てきます。糖がゼロの状態だと、人間の身体は既にある筋肉の一部をアミノ酸に変換していくため、次第に筋肉が衰えていきます。結果として日常的な運動すらもぜぇぜぇ言うような貧弱な体質になり、何もしていないのにぐったり疲れてしまうといった事態が起きるようになります。
たんぱく質の過剰摂取によって生活習慣病の発症リスクが高まる。
適度なタンパク質の摂取は健康促進には有効ですが、過度なタンパク質の摂取、特に動物性食品によるタンパク質を過剰摂取すると、乳がんを初めとする様々ながんの発症率が上昇するということがわかっています。安価な肉を食べることによって深刻な病気の発症リスクを上昇させる。
海外産、国内産でも安価で低品質な肉には汚染されたエサや、抗生物質、ホルモン剤等が与えられた動物の肉である可能性が高く、これらを毎日食べることにより心疾患やがんなどのリスクが確実に上昇します。日頃から肉も野菜も食べるという方も、この点には気を付けるべきですが、糖質制限をしている方は毎日肉を食べる生活を送ることになるので、毎日低品質な肉を食べ続けた場合の疾患発症リスクは計り知れません。
マクロビオティックから見た糖質制限
糖質制限を行うことによる健康リスクをお伝えしてきました。
次にマクロビオティックから見た糖質制限についてお話していきます。
人間には一日170gの糖が必要とされていますが、そのほとんどは脳で消費され、残りは身体へ酸素を運ぶ赤血球の活動源として消費されます。
悪者扱いされやすい糖質ですが、実は最低限の糖質は、生きていくために必要なエネルギーだったのです。
しかし、誤解してほしくないのですが、決して「糖質を過剰に摂取した方がいい」ということではありません。
糖質を摂り過ぎることもまた、老化の原因や生活習慣病の原因になります。
ではどうすればよいのかと言うと、肉ばかり食べると言った極端なダイエットをせずに、マクロビオティックで推奨されている玄米等の穀物を通じて適度な糖質をとりながら、甘いお菓子やパン、パスタなどの炭水化物を減らしていくというやり方がオススメです。
マクロビオティックでは玄米食を中心とした菜食が推奨されていますが、玄米は通常の白米よりも糖質が低いと言われています。
またお米を食べる前に野菜サラダを先に食べたり、味噌汁などの発酵食品や豆腐など低糖質なものと一緒に食べたりすることにより糖の吸収も緩和されます。
マクロビオティックを取り入れながら糖質制限を行うことは可能なの?
はい、マクロビオティックを実践していても糖質をある程度抑えることは十分可能です。
マクロビオティックでは根菜類や煮物等が推奨されていますが、使う食材や調理法を工夫することで糖質制限をすることが可能です。
たとえばレタスやセロリ、白菜等は低糖質な野菜の代表ですし、ダイコンも低糖質です。
にんじんやカボチャなどの高糖質なものは少な目に食べ、低糖質なものをメインで食べると良いでしょう。
下記の表は低糖質な野菜の一覧です。
レタス
キャベツ
ほうれん草
小松菜
春菊
モロヘイヤ明
水菜
白菜
にら
しょうが
大根
カブ
パセリ
しそ
ホワイトアスパラ
たけのこ
さやいんげん
ししとう
なす
もやし
おくら
セロリ
カリフラワー
きゅうり
緑ピーマン
ブロッコリー
きのこ類
おすすめメニュー例
おすすめは下記のようなメニューです。
きのこと豆腐の煮つけ
ほうれん草のおひたし
ひじきの煮つけ
生野菜のサラダ
味噌汁
玄米 ごま
おわりに
大事なことは何事も極端に信じ込まないということです。
今回取り上げた低糖質ダイエットもそうですが、特に今世間でもてはやされているような健康ブームに関しては一度自分で調べるなどして検証してみるという癖をつけることは大事です。
また、過度なダイエットが必ずしも健康に直結するとは限りません。
一時的に減量することに成功したとしても、食事内容によっては長期的に不健康になってしまう恐れもあるためです。
痩せたいのであれば、まずは日々の生活習慣を見直し、日本人の体質に合った和食中心といったバランスのとれた食生活を心がけることが一番の近道かもしれません。
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