癌予防や治癒に効果があるとされる「生野菜ジュース」は本当に万人に適切で、安全な療法なのか?薬膳の陰陽から考えてみる。
「生野菜ジュース」は癌にどんな作用をもたらすと言われているのか? 最も有名な「ゲルソン療法」から考えてみる
みなさんは癌予防や治癒に生野菜ジュースが効果あるというお話を聞いたことがありますか?
5年前自分に癌が見つかった時、自然療法について何も知識がなかった私が、たくさんの人のブログなどをネットサーフィンをした中で、最も多くの人が実践していたのが「ゲルソン療法」。
こちらの療法はいくつかの食事療法で成り立っているのですが、
一番有名なのが無農薬の人参とリンゴを絞ったジュースを一日3回500mlずつ飲むという野菜ジュース療法です。
こちらの目的としては身体の中のナトリウムを完全に排出させ、解毒と再生のため、カリウムを摂取させることで体液の正常化を図る目的と、
人参やリンゴのもつビタミンA,E,Cやミネラルの持つ抗酸化作用によって細胞の修復ができるという考え方によって確立された療法です。
内容を聞くとなんだかとっても身体に良さそうなので是非とも実践したくなってしまいそうですがこれって
どんな癌患者さんにでも大丈夫なのでしょうか?
自分が癌になった後、東洋医学について興味を持った私が、薬膳について本格的に学び進めていくうちに、
この「野菜ジュース療法」は、はたして全ての癌患者にとってう有効な療法なのか?と考えるようになりました。
ではどんな風にこの「生野菜ジュース療法」と付き合っていくべきなのか、薬膳における陰陽の考え方から紐解いてみたいと思います。
薬膳における陰陽の考え方と患者さんの診断の仕方
私が今数年間学んできた薬膳での身体の仕方は、中国の東洋医学の考え方と同様に陰陽で表し、
これを極陰性(1) 陰性(2)やや陰性(3)中庸(4)やや陽性(5)陽性(6)極陽性(7)と、7つの数字で区分けしていきます。
健康でバランスのとれた4の中庸の状態に近づけるために陰性の人には陽性の料理を提案し、
その逆の陽性寄りの人には陰性の食事を提案しながら一人一人にあった食事を考えていくのが薬膳の考え方の基本となります。
癌には陰の癌と、陽の癌がある?!
今の地球上には様々な病気があり、それぞれの症状も陰陽があると言われています。
勿論、一概にはっきりと区別することはできませんが、例えば糖尿病や痛風などの栄養過剰な状態で起きる病気は「陽性」が多く、
結核やアレルギー、貧血などの体が冷えたり血の巡りが滞るような病気は「陰性」だと言われています。
では「癌」とは陰陽のどっちなのでしょうか?
特に癌が身体の中にある状態というのは、1の極陰の状態か7の極陽の状態にどちらかにあると言われています。
そのため癌と一言で言ってもその顔つきや性質は腫瘍の出来た場所や原因によって
食べるものもしっかりと見極めてお手当のお食事療法をしていかなければいけないのです。
♦︎陰性の癌とは?
砂糖や牛乳、果物など陰性の食事の摂取が多いことで発症しやすい癌。<<<皮膚癌、食道癌、胃癌、リンパ腫、白血病など<<<
冷えやすく貧血気味など身体が弱い人も多いと言われています。
♦︎陽性の癌とは?
主に肉などの動物性のものを中心とした食事をしていることで発症しやすい癌。臓がん、前立腺癌、大腸癌、直腸癌、肝臓癌、腎臓癌、十二指腸癌、脳腫瘍などが陽性の食事によって引き起こされることがあると言われています。野菜ジュースの療法が効く人もいるが、場合によっては命取りになる人もいるという事実
薬膳の考え方では単に癌患者だといっても、その人がどういった食生活をしてガンになったのか?、どの臓器に腫瘍ができたのかが最も重要だと考えています。また上記にカテゴライズした臓器ごとの癌だけではなく、初期の癌の末期の癌では身体の陰陽の状態は変化していくことが多いため、食事療法の陰陽は慎重に行っていかなければいけなくなります。
生野菜ジュースは陰性なのか、陽性なのか?
ここで気になるのは生の野菜ジュースは一体陰陽どちらなのか?ということです。、健康維持のために良いとされている葉野菜を中心とした「青汁」やバナナなどの南国の果物を野菜と一緒にしたスムージーなどはほとんどが「陰性」です。因みに始めにご紹介した「ゲルソン療法」の野菜ジュースで推奨されている人参やりんごは身体を温めてくれる「陽」の食べ物なのですが、はあくまでも火を通した状態を前提であり、中国の漢方や日本の薬膳料理などの考え方ではそもそも生野菜を食すという概念がありません。 また、和食はお野菜を煮物や漬物にしてきたことから生野菜を消化する事に身体が慣れておらず、大量な生野菜や果物を毎日摂取する事で胃に負担をかけてしまう可能性もあるそうです。
ゲルソン療法のように「陽」の野菜と果物である人参やリンゴを使っているとしても生で食すということは身体を冷やす事に繋がるため、生野菜ジュースを毎日大量に摂取するということは結果的に身体を「陰性」に傾けてしまうという事になるのです。特に末期癌の患者さんの場合は、「生野菜ジュース」で進行を早めてしまう可能性もあるのです。 動物性の食事によって引き起こされる癌の代表とされる大腸癌の患者さんであっても食事も口からできなくなり、体力もなくなった末期癌の状態ではほとんどが「極陰」の状態となります。
また、抗がん剤治療などを行った後、もしくは行っている最中もほとんどが「陰」の状態です。陰」の状態の場合は体が冷え切っており、貧血の症状なども出ていることも多いので、その状態で「生」の野菜を摂取するということは身体の状態を更に悪化させてしまう可能性もあるという事なのです。
欧米で生まれた療法が日本人に合っているとは限らないという事実
これまで生野菜ジュースを摂取に関して薬膳の視点から書いてきましたが、ゲルソン療法をはじめとした生野菜ジュースの療法を否定しているわけではありません。ゲルソン療法は野菜ジュースとともに考えられている食事制限もあり、極陽に傾いた一部の癌患者には効果があるのかもしれません。身体の症状としっかりと向き合いながら真剣に取り組めば癌にならない健康な身体作りに有効なのではないかとも思います。し、一番大切なことは今、一体どんな状態なのかしっかりと見極める事、そして癌をはじめとする病気がどんな食生活から発生したものなのかを考えることです。 ゲルソン療法がもともと肉や魚などの動物性植物を食べ、野菜も生で食べてきたアメリカで生まれたということからも分かるように、もしこの方法を取り入れる場合、日本に住む私たちは身体と相談しながら慎重に取り組まなければいけないとも思います。そして、その療法が本当に合っているのかを見極めることの大切なのです。 私は末期癌父親を看取った経験があります。ころはまだしっかりと薬膳についてや東洋医学について深く考えていませんでしたが、胃癌の末期だった父は亡くなる直前に特に好物でもなかったかぼちゃスープを飲みたがっていました。
極陰に偏っていた身体が少しでも中庸に近付こうとして陽の食べ物を強くも求めていたからなのでは?と今になって思います。
身体が健康で何も問題がない時、私たちは暴飲暴食をしたり、仕事や遊びに惚けて多少無理をさせることがありますが、これは免疫力が備わっているため「回復力」を知っているからです。
しかし癌などの病気で弱っている時の身体は健康な時のような回復力がないからこそ、とても正直で、自分にとって必要のないものを自然と見極めて身体のパワーをなるべく温存させようと神経が研ぎ澄まされて行くことがあります。
私も経験がありますが自分や、身近な人が癌になったとき、ネットサーフィンで代替療法を必死で片っ端から探して試してしまう事もあると思います。しそれらが誰にでも当てはまる、ということはなく、病気の状態や原因は人様々です。
この生野菜ジュース療法に限らず、他の食事療法も闇雲に推し進めずにの変化をしっかりと見つめながら取り組んで行くことが大切なのではないでしょうか?
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