なぜ最初は「本格オーガニック店」だったのに、ある日突然、非オーガニックの「なんちゃってヘルシー店」になってしまう店が続出しているのか。
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
なぜ最初は「本格オーガニック店」だったのに、ある日突然、非オーガニックの「なんちゃって店」になってしまう店が続出しているのか
こんばんは。
正月も終わり、そろそろ日常モードに入って来ましたね。
ところで、年末年始、とても残念に思ったことがあったのでこちらに綴りたいと思います。
「オーガニック」を売りにして創業したはずなのに・・
知らないうちに「非オーガニックのなんちゃってヘルシー商業路線店」になっているところが多すぎる
最近思ったこと。
複数のお店、業態で名前は出せないのですが・・とてもとてもがっかりしたところがありました。
下記は実際に起こったことです。
1店舗目は、私が創業当初から密かに使っていたお店です。
オーガニック野菜をふんだんに使い無添加でカラフルでインスタ映えしそうな、
キャッチーな料理を提供するということで話題になっているところでした。
たまにテイクアウトなどでも度々使っていたのですが、
ある日訪問したところ、なんとびっくり!
店内の全ての食材が非オーガニックになっているではありませんか。
それどころか、コンビニ弁当以下の数々の添加物、遺伝子組み換え由来の調味料の、オンパレード。
一瞬信じられずなんども確認しましたが、紛れもなく着色剤やpH調整剤、乳化剤などの信じがたい文字が羅列した商品がずらりと並んでいました。
二度と行かないと心に誓ったことは言うまでもありません。
もしこんなことになっているのならば、事前にHPやニュースなどで
「私たちはオーガニックではなくなりました。」と報告するべきなのではないか、もしくは完全に別のお店の名前に変更するべきではないのかと心の中で呟いたのでした。
全ての店がオーガニックでないことを嘆くつもりは微塵もありません。
しかし、何も知らないお客さんは創業当初からきっと「ここはオーガニック専門店」だとずっと信じて、いや、騙されてヘビーユースしている可能性もあります。
店の名前は全く一緒で本格オーガニック店だと思い込んでリピートしていたのに、知らないうちにある日とつぜん方針が変わり、なんの告知もなしに、
平然と遺伝子組み換え作物入りの添加物をフル活用したり、オーガニックではないものだけを提供する、という行為は消費者から見て、「詐欺に近い」とすら、言えるのではないでしょうか。
実は最近、このほかにも同じような事がいくつか。
業態や方針が知らぬうちに変わったことを知り、思わずお店を飛び出たこともありました。
メディアにも取り上げられ、散々オーガニックだとうたい、物販コーナーにもオーガニックプロダクトを陳列。
あたかもオーガニックで統一しているようにプロモーションしながら、店員さんに聞くとむしろオーガニックではない食材を大部分で使用しているとのこと・・
さらに、よくよく見ると、遺伝子組み換え入りが疑われる市販ドリンクをヘルシー風に高額で提供していました。
しかしその方針を決めているのは、そこにいた店員さんではなく、他でもないオーナーさんであろうと思います。
ざっと、まとめると
オープン当初からしばらくは「オーガニック路線で行きます」ということで、安心安全な食材を使うことを誓い
HPやメディアにも露出しオーガニックファンの心をがっつり掴んでいるなあと思いきや・・・
1ー2年後、再訪すると、なんとオーガニックとは似てもつかないような理念のないなんちゃってヘルシー店に大変身しているケースがかなりの確率で起きているのです。
同じ業界のものとしては信じがたいというか、許しがたいというか、やるせないというか・・大変複雑な心境になることも少なくありません。
しかも、信念を持ってやっているところと、素人から見るとパッと見であまり区別がつかないので、一緒にされてしまう可能性が高いのだろうなとも、感じます。
なぜそのようなことが平然と横行し起きているのか?
なぜそのようなことが起きているのか、考えてみました。
まず、オーガニックカフェやレストランは下記の2つに分かれます。
1 完全(またはほぼ)オーガニックで行きます、としっかりとした理念を掲げ創業したオーナーがいるお店
2 ビジネス目的でチェーン店になることを前提に、資本のあるところが開業したお店
経験上2の場合は、(全てとは言いませんが、)自然と、商業路線になりがちなので、食材が殆どオーガニックでないケースが大変多いと思います。
オーガニックとメニューに書いてあっても使っているのはごく1-2割以下くらいの程度で、
あとは農薬を使う慣行栽培だったり、使っているドリンクは全て添加物入りだったり・・なんてことも珍しくはありません。
ごく一部優良企業で、大きくなってもオーガニックにこだわっているところもあるかもしれないのですが、稀でしょう。
私ががっかりしたケースは圧倒的に1が多いです。
ちなみに、ネットで検索して、素敵な立地にオーガニック店ができたなあと思ったら、大体運営企業がどこかを確認し、HPで理念なども細かくチェックします。
完全オーガニックで行きます!という1のパターンの堅実派な小規模店は、HPも申し訳程度に準備されていることが多く、多くは語りませんが、こだわりについて記載していたりと、小規模だけどどこか、温かみがあり、頑張っている感があります。
またオーナー自らが熱心にSNSなどで発信していることもあります。(そういうのを見るとああ、ここは安心できるなと思いますね)
資本のあるところの場合フランチャイズ、チェーン化していることが多いので、ストイックな会社ではない限り、コンセプトも曖昧だったり、食材の質にまでは言及していないケースもあります。
オーガニックとキャッチコピーには書いているが、電話をして確認すると残念ながらお店の店長さんはオーガニックの知識ゼロなんてことも。
聞いても「すみません、わかりません」、または「オーガニックというか・・。国産ですね。」など、ピンとこない回答のみ。
オーガニック業界は、商業路線系と、本物志向と二つに二極化しているということを業界に入って(入る前からかな)目の当たりにし、
毎回、細部まで読んだり、理念を拝見し、その上でコンセプトが気に入ったら欠かさず市場調査も含めて1回は訪れることにしています。
「職業病」ということではなく、私の性格がそうなのだと思います・・・苦笑
中には、創業当初から理念に共感しかげながら応援しているところもあります。
しかし、冒頭で伝えた通り、ある日突然、オーガニック食材をほとんど全く使わない店になっていたり、
ドリンクだけがオーガニックで、あとは非オーガニックになっている、添加物がたくさんつかわれている・・・など見るも無残な状態に陥っている店が後をたたないのです。
気になりますよね。その理由。
なぜ、あんなにも誠実でしっかりした理念があったにもかかわらず、
ある日突然非オーガニックなんちゃってヘルシー店になってしまうのか?
この理由は単純で、私が知る限りでは、大体1つです。
それは、「個人オーナーが創業してある程度は上手く行ったお店を理念のない企業さんが買収した」です。
特にオーガニック系では多いような気がします。
お気づきだと思いますがオーガニックのお店で頑張っていたのに、数年後に潰れているところは、本当に本当に、あとを絶ちません。
応援していたのに・・と残念な気持ちになりますよね。
テナント料は、都内で立地がそれなりのところだと、どんなに安くとも月々70ー100万円を超えることが多いです。
とてもいい立地でいわゆる一等地と言われるところや少し広めのところになると、200−400万円以上のところもザラです。
あそこは儲かっているだろうなという店ですら赤字だったり、ギリギリだったり。
儲からない・・
そうなるとどうなっていくかというと、
絶対に撤退したくない場合は、A「原価を下げる」という行動に出ます。
もしくはB「自分の事業を他人に、売り払う」
またはC「お店を閉じる」など。
紹介したケースに当てはまるのは、このうちBのケース。
個人レベルのオーナーさんですと、資産が限られているので、他事業で成功していてサブ事業として飲食をやっているとか、または、大成功して常に満席状態をキープしていない限り、全然採算も合わなかったり、一人でやっているのが大変になり売却してしまうのでしょう。
ですから、やむを得ない事情もありますから、全員が全員、目先の利益にくらんでいるわけではないのかもしれません。
本当に経営が立ち行かなかったり、お金がなくなり、続ける自信がなくなったか、生活を変えたいと思ったのか、引退することになったのか、他のビジネスに興味が出てしまったのか・・・。
どのような理由であっても、売却した事実は変わりません。
オーガニック事業をこれからやりたい、または既にやっている方へ
私自身がオーガニック事業をやっているからこそ思うことは、オーガニックのお仕事は理念・信念が全てです。
そこがブレると、全てブレて、台無しです。
もちろんビジネスにならない、常に赤字というのは論外ですし誰もハッピーにはなりません。
だから、ビジネス視点も大事です。
でも、やっぱり理念がブレるとコアなファンと、消費者は、見抜きます。
特にオーガニック系のファンは本当に独学でもしっかり、勉強している人もいます。
あー、ここもなんちゃって路線に行ったな、と何かのきっかけで思えばさーっと、すごい勢いで、引きます。
クレームを言ってくれたらまだいいですが、99パーセント、何も言わずにです。
原価を下げて、添加物を大量に使ったり、慣行栽培の野菜を大量に使ったからといってファンが増えて、事業を継続できるわけではないのです。
今後はさらに、そういう時代ではなくなりつつあるのではないか、とも感じます。
ちなみに前述したなんちゃってヘルシー店(添加物まみれ)のいくつかは、閑散としていました。
もちろん、原価を下げ非オーガニックにしたことで、オーガニックファンは離れても、ミーハーなファンが集まり何店舗もチェーンになり、拡大するお店もないとは言い切れません。
凄腕経営者がいて、さらに資本があって、次々と好立地な場所に拡大して成功を収めている店もたまに、あります。
個人的に、オーガニック・オーナーの方々にお伝えしたいことがあります。
それは、今後一生涯とは言わないまでにも、ある程度の信念を持ってオーガニックのお仕事をされているのであれば、
特にオーナーの皆様は、何があっても、なるべく創業当初に思っていた理念を守り抜き、頑なに貫いていただきたい、ということ。
そして、よほどの理由がない限り、個人的意見ですが、売却はお勧めしません。
万が一そうすることになった場合「この人なら絶対ぶれないストイックな理念がある、この人になら、騙されても自分の命を捧げてもいいな」と思えるような信頼できる人にのみ譲渡してください。間違っても理念がぶれぶれで、いつ「なんちゃってオーガニック路線」にシフトしてしまうかもわからないような人に譲渡しないで欲しい。
一方、理念さえあれば、立ち行かなくなることがないとは、言えません。
原価が高かったり、その割には客が少なかったり、テナントが高すぎて、めげそうになることもあるかもしれません。
しかし、本物の理念を貫いたからこそ、残っている企業や、繁盛しているお店もたくさんあります。
これはあくまで私個人の考えであり、色々な考えがあると思います。
それでも、オーガニック事業に携わる方には、できれば後者を目指していただきたいと考えていますし、もちろん私も後者を目指しています。
IN YOU Marketはそんな一つの事例です。
IN YOU Market
決して安い商品だよね!とは、言われません。
安物志向の日本では、まだ高い、と言われることもあります。
大手小売り店のように死ぬほど商品が陳列されているわけでもありません。
しかし、コアなファンがサポートし、新しい商品が出るたびに毎回きてくださって、継続的に買い続けてくださっています。
これは、信頼してくれて・・というのもあると思いますが、
一番は「理念」に投票してくださっているのだなと、私は思っています。
確かに、自分が「あんまり欲しくないなあ」とか、「家族にはお勧めできないなあ」「消費者を騙しているみたいなだな」・・と思っても、
なんちゃってオーガニック商品、添加物入りのもの、減農薬のものでもヘルシーそうに見えるものをどんどん置けば、短期間で商品は瞬く間に、増えるでしょう。
でもあえて、そうはしません。
理由は簡単で、消費者を騙したり、「なんちゃって路線」のくだらない事業を、自分たちの利益のためだけにやるくらいなら、なんの意味もないと心から思っているからです。
そして魂を売って、妥協のなんちゃってオーガニックビジネスをやるなら、廃業したほうがマシだと思っているからです。
なので、多少「高い」と言われようが、「厳しい」と言われようが、一生涯をかけてこのストイックな理念を突き通していく予定です。
消費者の皆様へ
消費者の皆様には、毎回毎回お伝えし続けていることですが、
物を買ったり何かを食べるときは、投票したいと思えるお店そして会社になるべくお金を落として欲しいのです。
そのためには、面倒でも
HPをじっくり見る。
オーナー、経営者が言っていることの本質を見抜く。
理念について確認する。
もしそれでも、見抜けないなら企業にメールしたり電話したり、スタッフに聞いてもいいでしょう。
2019年、どんなところを応援していくか?
一人一人の行動で日本の未来も変わっていくのだろうと思います。
何よりもオーガニックは、美味しくて腹が満たされたり、使い心地が良いだけでなく、心が満たされます。
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