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キッチンに眠る缶詰から危険な成分が溶け出しているかもしれない!ビスフェノールAって? ~数々の人体への有害性が懸念される恐ろしい環境ホルモン~

蒲鉾さちこ
vegetarian歴10年以上。 その実態はオタク系ずぼらベジ人間。 好きなことは食べることとのんびりすること、音楽と二次元と異文化に関することなど。菜食料理店や食品関係のお店でぼちぼち仕事をする傍ら生活クラブの活動のお手伝いや地球愛祭り(チャリティーイベント)のボランティアスタッフとしても活動中。 人・植物・動物・地球・宇宙…自然に優しい世界が訪れる事を夢見つつ、“出来ることからぼちぼち”の精神でナチュラルライフを心掛けている。

はじめに




缶詰は便利。
保存もきくし、料理の下準備の手間も省ける、
便利&手軽な現代加工食品の代名詞。

その種類も、トマトやコーン・豆といった野菜類から、ツナやサバ・イワシ等の魚貝類、
みかんや桃・パインといったフルーツまでかなり多岐に渡ります。
中には、ココナッツミルク缶や、はたまた調理済みの料理(カレー・シチュー・おでんなど)の缶詰なんてものもありますよね。

ただ、便利で使い易い加工食品の缶詰ですが、
その裏に実は化学物質の暴露の危険性が潜んでいるとも言われています。
色々な技術の向上によって、昔に比べると実はそのリスクは減って来てはいるものの、
まだまだ消費者の目から見れば不安な点があるのは事実。

今回は、そんな缶詰の危険性に改めて迫ります。


缶詰の一体何が危険なのか


缶詰の危険性?
一体何が危険なのでしょうか。

缶詰は、その製品の特長として“金属”で出来ています。

“金属”(主に鉄かアルミ)で出来た缶の中に、食品が入っている訳ですが、
食品は水気や塩分など色々な成分を含んでいます。

金属が錆びる性質を持っているのは皆さまご存知の通り。

その為、缶詰や飲料缶といった缶製品の内側には、
それぞれ金属への腐食を防ぐための何らかの“処置”が施されているのです。


その缶詰の内側に施されている処置こそが、問題。
缶詰の内側の処置に含まれている成分が、
食品に移行する危険性をはらんでいるのです。




缶詰の中身や元々の製造元・保存状況にも左右されるということもあり、
その移行する量の大小はさておき、
(事実缶詰食品には、それらの物質が移行していることを示すデータは既に多数存在します。)

その代表的な物質は、人体や生態系への影響が心配される、
“ビスフェノールA”という環境ホルモン
また、多量に摂れば中毒を引き起こす可能性のあるスズ

もちろん、缶詰生産において規制の強化を行っていたり、
対象分野における技術の向上もあったり、
全ての缶詰が危険と断定することは出来ません。

ですが、缶詰における明確な国際基準はある訳でもなく、
その対策は各国によってまちまちな現状。

日本でも、国内産の缶詰もありますが、外国産の輸入された缶詰も販売されています。
基準が統一されていないのは、お分かりでしょうか。

缶詰の内側に潜む危険性とは



缶詰の内側の状態は、大きく分けて2種類。

1.無塗装の缶
――“白缶”や“ブリキ缶”とも呼ばれるもので、内面に塗装をしていないもの。
スチール(鉄)などの上にスズメッキが施されている。

2.塗装が施してある缶
――内壁に塗装を施してあるもの。
中の塗装の種類は、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなど種類は何種類かあるが、
いずれもプラスチックに属する合成化学物質。

では、この缶の内側の何が・・問題なのでしょうか?

スズメッキとプラスチック、それぞれの視点からご説明します。


無塗装缶の危険性


果物の缶詰や、一部の野菜缶に使用されている無塗装缶。
こちらは金属製の缶の内側にスズのメッキが施されています。

実は、スズはそれ程有害な金属では無いと一般的には言われています。
毒性が低く、人体への吸収率も低いと言われており、またスズ製の食器なども昔から世界各地で作られてきました。

(ただ、スズには無機スズと有機スズがあり、有機スズの一種には毒性が高いものもあります。
筆者のリサーチによれば、今の所、日本では毒性の高い有機スズの一種が缶に使われている、
という情報は見当たりませんでした。
(出典:食品安全委員会ファクトシート『有機スズ化合物(概要)


缶詰の内側にスズメッキを施すことによって、缶本体の金属と中の食品が触れ合わない様になっており、
また微量にスズが溶け出すことによって、中身の品質劣化を防ぐ役割すら担っているとのこと。

しかし、そんなスズも特定の酸と反応すると溶出する性質が…

現在の缶類は技術が向上して、スズが溶け出しにくい加工や工夫などが施されていますが、
何と過去にはスズが大量に溶出したことによる食中毒事故があったことも。
何とその事例は世界各地に及びます。

製造時に使われた水や果物及び野菜に含まれていた硝酸などが、
スズと反応して大量にスズを溶出させていたのです。

現在スズの溶出量は食品衛生法でも、基準値が定められており、
賞味期限内には基準値が守られますが、
入っている食品の性質や状態によっては、
時間の経過と共にスズの溶出量は増大することも。

缶詰に入っている食品を食べた時に
“金属臭さ”
の様なものを感じた経験、あなたにはありませんか?

そして、缶詰の種類にもよりますが、賞味期限を越えて長期間保存を続けた場合、
最悪メッキのスズが溶出し過ぎて、元の素材である鉄面が露出。
なんと、鉄と食品の酸が反応した結果、水素が発生し膨張して
爆発を起こした事例も報告されています。




非常時の保存食としては大変有効な缶詰ですが、
うっかり賞味期限を過ぎて保管し過ぎることの無い様気を付けたいですね。

また、缶詰を開けたら早く使い切るか他の容器に移すように、
なんてよく言われますが、
これも外部の空気と反応して、
やはりスズが溶け出しやすくなる危険性があるので、気を付けた方が良さそうです。
(出典:公共社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会 『缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A (安全性)』

塗装缶の危険性



前述の無塗装缶の弱点を補うかの様に、内部に塗装を施した缶詰も大きく流通しています。

先程も触れましたが、
塗装缶の塗装に使われているのは、プラスチックに属する合成化学物質

その中でも、幾つか種類があるのですが、主流に使われている材料の
エポキシ樹脂、またその他ポリ塩化ビニル等には、
“環境ホルモン”の一種であるビスフェノールAが溶出する危険性が懸念されます。

こちらのビスフェノールA、前述のスズの問題よりもかなり事態は深刻で、
欧州などではかなり規制が進んでいるという状況もあります。
ビスフェノールAについて詳しくみてきましょう。

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ビスフェノールAって?~数々の人体への有害性が懸念される恐ろしい環境ホルモン~

一時世間を騒がせた“環境ホルモン”という言葉をご存知でしょうか。
IN  YOUでも何度か記事になって取り上げられていることもあり、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

このビスフェノールAという化学物質、
環境ホルモンとしての作用を生態系に及ぼすことが明らかになっています。

環境ホルモン、正式名称は外因性内分泌かく乱化学物質と言い、
人や動物の体内に入り、
ホルモンとそっくりの働きをして体内の色々な働きをかく乱する作用を持っています。
ホルモンと言っても、悪性の化学的な“ホルモン”という訳です。



このビスフェノールA、
女性ホルモンのエストロゲンや、男性ホルモンのアンドロゲンと似た働きをすることが知られています。
また環境ホルモンの多くがそうである様に、こちらのビスフェノールAも有機化合物。
脂溶性があり、水溶性の働きをもつ人間の体内にいとも簡単に入り込むと言われています。

その上、化学物質としてベンゼン核という、
非常に人間の体内では分解されにくい性質を持っています。
(ベンゼン核というのは六角形の形をしているのですが、こちらは蜂の巣の六角形と同じ形です。
蜂の巣の形が、自然界上で強固な性質を持っているのはご存知の方も多いかと思います。)



つまり、人間の体に入り易く分解されにくいこちらの物質は、
体内に一度入り込むと中々排出されないのです。

その上、元々体内で生成されていたホルモンのあるべき場所を奪ってしまう、
という危険性を持っています。


体内で働くはずだった女性ホルモンや男性ホルモンの働きにとって代わった結果、
生殖系に影響を与えてしまうのです。

具体的には、男性のメス化、精子の減少、女性の早熟や生殖機能などへの悪影響など…

また、このビスフェノールAは缶詰だけでなく、その他の身近な化学製品に含まれていることも多いのです。
(缶類の内側の塗装以外で代表的なものは、ポリカーボネート製のプラスチック製品
意外なものだとレシート等の感熱紙や、
歯の詰め物に使用する充填剤の一部や、
ウォーターサーバーのボトルにまで…!)



ビスフェノールAを始め環境ホルモンを含んだ化学製品は、
ここ数十年の間に大きく社会に流通することになりました。
まだまだ化学的な論調は色々な説があり決して断定することは出来ませんが、
近年話題に上ることも多い、“不妊”の問題との関連性
を指摘する声もあります。

また、ビスフェノールAの恐ろしさは、それだけに留まりません。

内分泌をかく乱して、生殖機能や免疫系に悪影響をもたらすだけではなく、
近年研究が進むにつれて次々と恐ろしい事実が明らかになっています。

行動障害

心臓疾患や肥満

乳腺や前立腺への影響

そして脳の神経回路の形成を妨げることや、
ガンとの関連性を訴える研究結果。
その中には、乳がんの細胞の生存を手助けするという恐ろしいものまで…!

更に恐ろしいことは、
この“環境ホルモン”が、僅かな微量でも、
人体に影響を及ぼす危険性
が懸念されている、ということです。

一度、人体に取り込まれたら中々排出されない上、
微量でも蓄積されて悪影響を及ぼす

出来る限り摂取したくない物質であることは言うまでもありません。


また、私は動物愛護の観点から動物実験には余り賛成の立場ではありませんが、
動物実験においても、多数ビスフェノールAに関する
悪影響を示唆する研究結果が報告されています。


この観点から、大人に比べて身体の小さい――少量でも影響が大きいとみられる
乳幼児や幼児・胎児を妊娠中の妊婦などは、
より影響を受けやすいと考えられ、
国によっては、乳幼児向けのビスフェノールAを含む商品の規制を行う国も現れ始めています。

ビスフェノールA~海外の規制動向について~


こうした、数々の明らかになった恐ろしいビスフェノールAの毒性に、
近年海外――特に欧米諸国の一部では規制強化が進んでいます。

化学の研究はその研究者、研究手法などによっても様々な結果や見方が生じるので、
一概に何事も断定することは出来ません。
(ビスフェノールAについても悪影響を懸念する研究や声と、
その一方で安全性に問題は無いという見解もあるのは事実です。)

しかし、近年研究が進むにつれて、
兼ねてより危険性が指摘されていたビスフェノールAの有害性は、
極めて重い、という研究報告も現れて来たのです。

先程も触れましたが、何より懸念されているのは、
僅かな微量でも人体にとって影響が大きい、ということ。

何より大人に比べて身体が小さく微量でも影響を受けやすい、
と考える胎児・乳幼児への危険性が懸念され、
各国では哺乳瓶のプラスチックに関する規制を中心に、規制が進んでいます。


各国の主な規制状況

(※以下ビスフェノールAをBPAと記載)

フランス

2010年からBPAを含む哺乳瓶の製造・輸出入を禁止。
更に2015年からBPAを含む製造・輸出入・市場投入を禁止。
製造関係者団体からの反発・裁判がその後生じ、
製造・輸出は再び許可されたものの依然として、輸入・国内販売については禁止。

カナダ

2008年にポリカーボネート製の哺乳瓶の販売・輸入を禁止。
乳幼児向け、ミルクの缶の内面塗装に含まれるBPAも厳しい溶出規定を出来る限り減らす指針を打ち出す。
2010年には、政府が有毒な化学物質として正式に認定。
以後段階的に規制を強化。大手企業がBPA関連製品を撤去する動きも。

アメリカ

2012年、哺乳瓶や乳幼児向け製品でのBPAの使用を禁止。
カルフォルニア州では2016年、人体に害を及ぼす危険性が高いとして危険物質に認定。
小売販売される食品や、容器からBPAが検出される場合、警告ラベルの表示を義務付け。

EU

2011年からBPAを含む哺乳瓶の製造販売を禁止。
欧州化学物質庁はBPAを2016年に使用制限物質リストへ。
2017年には生殖の毒性を認定。
使用に許可が必要で、人体への悪影響が懸念される認可対象候補リストに加え、
“懸念される内分泌かく乱作用”を正式に認定。

中国

2011年、ポリカーボネート製樹脂製及びBPAを含んだ乳児向け哺乳瓶やボトルの生産・輸入・販売を禁止

韓国

2011年、乳幼児向け哺乳瓶の製造時にBPAの使用を禁止。

オーストラリア

2010年、任意によるBPAを含む哺乳瓶の段階的使用廃止を決定。

日本

食品衛生法によって、
ポリカーボネート樹脂製の食品容器材質中の量(500ppm以下)と、
製品そのものから溶け出す量(2.5ppm以下)の基準がある。
(溶出量も溶出量の規制のある国の中では高め)

しかし、缶詰の内装については、国内の法律で定められた規定や禁止事項なし
(耐用一日摂取量の目安があるのみ)
その他、ポリカーボネート樹脂業界・日本製缶業界の業界自主基準があるものの、
明確な禁止などは一切行っていない。


もちろん、日本のメーカーでもこういった流れを汲んで、
ポリカーボネート製の哺乳瓶の製造を取りやめる会社や、
製缶業界で、自主的にBPAの溶出の危険性の無いと言われている内装素材
(ポリエチレンテレフタレート……PET素材など)に切り替えるところも出て来ているので、
今後の流れに注視したいところです。

また、この各国の規制の一部は日本は溶出量(ppm=濃度)、
EUは含有量(mg=質量)、
アメリカのカルフォルニア州では、暴露量とそれぞれ何故か基準の単位に違いがあり、
化学に詳しくない一般人から見て、規制の実態や比較がいまいち掴みにくいという、
奇妙な動きにすらなっている不可思議な実情があります。



参考:)環境展望台HP『カナダ政府、ビスフェノールAの健康リスクから国民を守るための規制を強化』
参考:)The NewYork Times HP『Canada Takes Steps to Ban Most Plastic Baby Bottles』 
参考:)日本生活協同組合連合会 食品の安全Q&A HP 『ビスフェノールA問題についてのQ&A』


厚生労働省も指摘。缶詰から溶出するリスクの高いビスフェノールA


またこのビスフェノールA、
諸説はありますが、かなり低用量であっても動物や人体への影響が懸念されている中で、
ビスフェノールAが使用されている、樹脂塗装の缶製品においては、
その中身によって程度の差はあるとは言え、
多くの種類において確実に溶け出しているというリスクがあります。

また、缶詰だけでなく、
ポリカーボネート製のプラスチック製食器などにも含まれている、ビスフェノールAですが、
親水性化合物でもあり、
熱を加えたり、食品に含まれている酸や油などの影響によって、
溶出しやすくなる
というリスクがあります。

プラスチック製食器にしろ、
缶詰にしろ(しかも缶詰は製造の工程において、
加熱して作られるものがあったり、加熱殺菌されてもいるため)、
これらのリスクが懸念されることはいうまでもありません。

中でも、酸性度の高いトマト缶系や、
加工(加熱)時間の長いソースやシチューなどの総菜系、
同じく酸性食品で油分も多く加熱して作られるツナ缶や魚缶などは、
溶出度合いが増加する傾向にあるので、注意が必要です。



日本でも、業界自主基準があるため国産品においては、
高濃度のビスフェノールAが溶け出している、という訳ではない様です。
(EUの規制に比べると自主基準の値は緩いですが……)

とは言え、こちらは海外製造のデータにはなるものの、
塗装缶の場合ビスフェノールAが、
微量には溶け出しているという報告もあるため、
僅かでもビスフェノールAを避けたい、と思われる方は、疑わしい缶詰は避けた方が無難かと思われます。

“フルーツ缶詰め類 検出せず、マッシュルーム缶類 0.007~0.009ppm、
トマト類 0.023~0.029ppm、ミートソース0.013~0.025ppm、
ツナ缶類0.036~0.051ppm”


(筆者注:推測の域を出ないがこちらのフルーツ缶は恐らく“無塗装”缶であった為、ビスフェノールAの溶出が無かったのでは無いかと考えられる。)
日本生活協同組合連合会 食品の安全
  

また、アメリカのある研究では、
缶詰食品を食べた人の尿から、通常よりも多いビスフェノールAが検出された
という驚きのデータが出ています。

日本で缶詰類において、規制の行われていないビスフェノールAですが、
何故か、奇妙なことに厚生労働省のHP『ビスフェノールAについてのQ&A』では、
ビスフェノールAと缶詰について、こんな一説がはっきりと記載されています。

“成人の場合、ビスフェノールAの主要な曝露源としては、
缶詰が指摘されています。
妊娠されている方がこのような缶詰食品を多く摂取することにより、
胎児がビスフェノールAに曝露する可能性があります。
通常の食生活を営む限り、ビスフェノールAの曝露は少ないものと思われますが、
念のため、公衆衛生的な観点から、できるだけ曝露しないように食生活に心がけて下さい。
具体的には、偏った食事を避け、毎食缶詰を中心とするような食生活にならないよう、
いろいろな食品をバランスよく摂るように心がけることが大切です。”


かなり、危険であることは、お察しの通り。

出典:厚生労働省『ビスフェノールAについてのQ&A』


私達は何を選べば良いのか?


都合の悪いことは消費者には隠される


この問題を調べていく中でまず感じたことは、
私達消費者が、一目で缶詰を見ても、
その缶詰の内部の素材について知ることが出来る様な取り組みは行われていない

ということでした。

缶詰の中で無塗装缶と塗装缶があり、
それぞれに問題があるということは、触れさせていただいたものの、
こちらも、私達消費者が缶詰を見ただけで分かる、ということは恐らく不可能かと思います。

缶詰の中身が、無塗装缶であるにせよ、無塗装缶であるにせよ、
また塗装缶であれば、それがビスフェノールAの溶出が無いものなのか…
そのいずれにしても、何らかの表示の義務付けなどが存在している訳ではありません。


近年日本においては、
ビスフェノールAを使用しない、別の素材“ポリエチレンテレフタレート”(PETボトルの原料と同じ素材)
を使った、ラミネートフィルムなどへの切り替えも
企業によっては行われているとのことですが、
結局、何の表示も施されていないまま……。

販売されている製品を見て、
缶詰の内側の実態や、ビスフェノールAが含まれている
といったことを判別できる様なシステムやマークと言ったものは殆ど見当たりません。

ビスフェノールAに関しては任意で、
BPA FREE”と表示されている、BPAフリー缶
が数少ないものの、あるのでそちらを見付けるか、
ビスフェノールAにせよ、塗装・無塗装にせよ、本当に調べようと思うと、
自分でメーカーに問い合わせするしかない現状です。
(ただ、プラスチック製品の場合は使用されるプラスチックによって、
環境ホルモンが溶出しやすいものとそうでないものがあるので、
製品の素材の部分を見て、ある程度避けることは可能かと思われます。)


先程お話しました様に、アメリカのカルフォルニア州では、
全てのビスフェノールAを含む製品に、“警告ラベル”の表示が義務付けられる様になりました。
日本でも現在、煙草にその害が表示されている様に、
世界の流れの変化や世論の高まりがあれば、
そういった表示を義務づけることは決して不可能では無いかもしれません。
(企業にそういったことを要望したり、何らかの問い合わせをする、
といったことも一つの意思表示だと思います。)

しかしながら、私達消費者には特別こういった事柄に関心があり、
自分でリサーチする様な人はともかく、
一般の市民には、ほとんど何も知らされていないという悲しい実情があります。
ネットニュースのトップページに、こういった情報が掲載されているケースを、
私はほぼ目にしたことがありません。

だからこそ、“知る”ということは何より大事なことでは無いでしょうか?

何と、BPAフリー缶であったとしても、
違った別な化学物質の溶出が検出された…という海外のデータ等も実はあります。
缶では無い、プラスチック製のBPAフリーボトルでも、
やはり他の懸念される物質が使用されていたり、
代わりに代用されていた化学物質から、
環境ホルモン的な働きをする悪影響が懸念される様な研究結果も発見されているといった事例も。

そう、“ビスフェノールA”を幾ら使わない、と言っても、
何かしらの“人工的な物質”無しには、缶詰にせよ、プラスチック製品にせよ、製造することは不可能。
もちろん、その化学物質の特性に応じて、
全てが危険、と断定することは出来ませんが、
ビスフェノールA以外にも、環境ホルモンの働きをする物質や有害な物質は存在している訳ですから、
“BPAフリー”だからと言って、手放しで歓迎するには疑問点がつく部分もあります。

過去の日本で起きた“公害”のお話。
ご存知の方も多いと思います。
かの有名な水俣病でも、当初はその被害は中々認められませんでした。
冷蔵庫に使用されていることで有名な“フロン”も、
後になってオゾン層を破壊することが明らかになっています。

ある化学物質の“有害性”が後になって明らかになる、というお話は今日に始まったことでは無く、近代史において多数同様の例が報告されている―ケースでもあるのです。


だからこそ、ただ“販売されているものは安心”という考え方では無く、
既に、欧米各国で規制が進みつつあるBPA、
そして、想定される色々な“危険性”に、
今一度注視しても良いのではないかと感じています。

買い物は“選択する”という行為でもありますが、
こういった現状をまとめていて、私自身感じること。

それは、今現在は、その“選択”をすることすら、難しい現状かもしれない、ということです。
唯一、危険な可能性のあるものを“買わない”という行動を除いては。

また、先程、缶詰の内側の加工が、ビスフェノールAの溶出が見られない
“ポリエチレンテレフタレート”
PET素材の加工に切り替えている会社も出て来ている、というお話に少し触れました。
何と、研究によればこのPETを分解するという細菌が見つかったというお話もあります。
もちろん、そんな夢の様な発見が、
私達の生活に溢れる化学物質を軽減することに繋がれば良いのですが……。

現代の私達の生活には化学製品が余りにも溢れているため、
中々ゼロにする、というのは極論でしかないかもしれませんが、
それでも“使わなくても済む”ものなら、
最初から“使わない”
という選択肢もまた、一つの解決方法でもある様な気がします。

また、生協によっては生協団体を上げて、
環境ホルモンの低減に取り組んでいる生協もあり、
対策に力を入れているところから、
商品を購入する、という行動も数少ない“選べる選択肢”の一つでは無いかと思われます。
(こちらの生協では、缶詰には環境ホルモンの溶け出す心配の無いものを使用し、
調味料も出来るだけ、瓶入りのものを使う。
さらに、その瓶をリユースして使う、というところまでこだわって取り組んでいます。)

化学製品に頼らない暮らしを求めて


さて。一体私達は一体どんな製品を手に取れば良いのでしょうか?

缶詰の多くが、見た目ではその内側がどうなっているのか分からない……というお話は既にお伝えしました。

究極のところ、本当にリスクを減らすなら、
“危うきものは手に取らない”
という答えを選ばざるを得ない実情がある、
というのもまた事実だと思います。


忙しい生活に追われる中で、
家事の時間を短縮するには、確かに缶詰は便利で有難いものでもあることは事実です。
私も、缶詰を時々利用してしまっている人間として、今回の記事を書くのは自省の念も込めています。

なるべく“BPAフリー”の缶詰や、“オーガニック”の缶詰などを中心に選んではいたものの、
そうでない缶詰を選んでしまうこともあったりだった私。
ある程度のことは把握していたものの、
記事を書くに当たって改めてリサーチを深めた結果、
今までより更に缶詰を使う頻度を減らそう――という想いに至りました。

改めて考えて見れば、“地産地消”や、“旬の食べ物”といった観点から、
缶詰を見た時にも、缶詰という商品には ? がつきます。
遠い原産地から原料を運んで来たり、加工したり、また缶詰の為に金属が使われたりと。
“フードマイレージ(食料の輸送にかかる環境負荷を考えた指標の一つ)”や、
“バーチャルウォーター(仮想水。食品の生産に於いて使われる水の消費を考えた指標の一つ)”、
といった地球環境に配慮する観点からみても、
そのまま食材を入手して、台所で調理することに比べると、明らかにハイコストであり、
環境にも負荷がかかるのは否めません。

また、缶詰はリサイクル可能な商品ではありますが、
リサイクルするにしても余分にエネルギーが消費されるのは言うまでもありません。

製造・使用・リサイクル・もしくはゴミとして処分する過程において、
その製品内に含まれている化学物質が、何らかの形で自然界に溶出していく恐れも。
もちろん、商品を使えば使うほど、売れれば売れるほど、
恐らくその量も増大していってしまう可能性が高いことが想像できます。

缶詰の代用として、“紙パック”や“瓶詰製品”と言った商品を選択する、
という選択肢も確かにあります。

紙パックについては、リサーチ中なので詳しい言及は差し控えますが、
こちらも缶詰とは違う加工ではあるものの、
内部には紙を守るよう化学的なコーティングがなされていますし、
紙パックにせよ、瓶詰めにせよ、普通にそのまま素材を“調理”をする観点と比べてみれば、
やはり余分なエネルギーの代償が支払われているのは、事実でもあります。

僅かここ100年200年の間に、人類の生活は大きく変化してしまいました。
自分達が作った身近なところで獲れた作物を、多くの人々が消費する暮らしから、
“発展している”国々の人がエネルギーや、
技術を駆使して、地球を喰い漁る―部の労働者や“未開発”の場所から資源やエネルギー、
農産物を搾取するという構図は、今や世界各地で見られる様になってしまいました。

毎日のトップニュースでは、中々表に出て来ることはありませんが、
事実、地球環境は年々悪化しており、
各地の資源や森も急速な勢いで消失していますし、
海洋や水、空気の汚染も進んでしまっています。

“缶詰”一つとって、ここまで話を膨らませるのは大袈裟かもしれませんが、
“便利”な生活の裏側で失われているもの(安全性、資源や環境)に想いを馳せた時、
今一度、立ち止まって生活を見直してみる
のも、また大切なことだと思います。

もちろん、これだけ科学技術が発展して、
“便利”になった世の中で、何もかも自然に優しい生活をすることは、難しい部分もあるかもしれませんが、
普段心掛けて生活することとしないことでは、きっとその差は大きなものになるのではないでしょうか。

身体に優しいものは、きっと地球にも優しいはず。

大切な身体と未来の子供たちや地球を守るのは、決して特別なことなんかじゃなくて。
私達ひとりひとりの手にかかっているはずだから―――

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