衝撃ニュース!米国カリフォルニア州の高等裁判所がコーヒーショップに「発がん物質使用の警告文」の掲載を命令。その真相は?!
こんにちは。
マインド・ボディ・メディシン講座を主催するソフィアウッズ・インスティテュート代表公認統合食養(ホリスティック)ヘルスコーチの森智世です。
コーヒーに発がん性?
コーヒーって認知症予防になるとか、アンチエイジングになるとも言われている飲み物ですよね?今までもコーヒーの健康効果については賛否両論ありましたが、発がん性物質って、どういうことなんでしょうか。
2016年6月16日に既にWHO(世界保健機関)の国際がん研究機関(IARC)によって、コーヒーには発がん性がないことが報告されています。今更なんだというのでしょうか。
発がん物質の警告文と言って頭に浮かぶのは、タバコ
喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。
等というメッセージですよね。
そんな警告文をなぜ、コーヒーショップが掲載する必要があるのでしょうか?
確かに、昭和なドラマや映画では、コーヒーとタバコは切っても切れない関係のように、
登場人物たちが嗜んでいます。でもだからと言って、コーヒーまでタバコのように警告文が必要な発がん性物質なんでしょうか?
繰り返しますが、コーヒーって健康効果があるって言われてきた飲み物じゃなかったでしたっけ?
3月29日に出された今回のカリフォルニア州高等裁判所の決定の背景を知りたくなります。
問題はアクリルアミド
アクリルアミドって聞いたことありますか?
紙の増強剤として、水処理剤や漏水防止剤、あるいは化粧品などに使用されているポリアクリルアミドの原料です。
そして、アクリルアミドはヒトに神経障害を起こすことが確認されており、動物実験の結果から、
ヒトに対しても発がん性の可能性のある物質と分類されている物質です。
もしご使用中の化粧品にポリアクリルアミドまたはアクリルアミドそのものが使用されていたら、ご使用を中止されることをおススメします。
でもまさかそんな工場で造られる化学物質が、自然食品に含まれていることなんて誰も想像しませんよね。化学物質を避けていれば安心だと思いますよね。
ところが、
食品中のアクリルアミド
2002年、スウェーデン食品庁とストックホルム大学は、炭水化物を多く含む食品を高温で揚げたり、焼いたりするとアクリルアミドが発生することを世界で初めて発表しました。その後多くの国で食品中のアクリルアミドの含有量や発がん性に関する調査が行われ、
- 炭水化物の多い食品の「焦げ」にアクリルアミドが集中的に発生していること、
- 特に120℃以上の高温で調理する場合に発生すること
が判明しています。
ただし、現在までのところ、「発がん物質である」と断定できるだけの因果関係を証明するヒトを対象としたデータがないことから、
日本を含むいずれの国も「発がん性の可能性がある物質」という分類をしているにとどまっています。
明確な因果関係が不明なことから、どれくらいの量なら安全か危険かという指標も作成されていません。
更に、アクリルアミドは天然の成分として、普通に様々な食品に微量に含まれていることから、完全に排除することができないことも判明しています。
そのため、WHOやコーデックス委員会を含め、いずれの国も「今よりも、できるだけ摂取量を減らす努力をする」ということを目標とするにとどまっています。
プロポジッション(発議)65番
今回、カリフォルニアでスターバックスなどのコーヒーショップに発がん性物質使用の警告文の掲載命令が出された理由は、カリフォルニア州が環境保護のために定めた法律の中のプロポジッション(発議)65番の内容にあります。
プロポジッション(発議)65番は、主に飲料などへの発がん性あるいは有毒な化学物質の混入あるいは混入の可能性を公表することを義務付けているものです。
発がん性の可能性のあるアクリルアミドがコーヒーに含まれていることを、コーヒーショップが公表しないのは、プロポジッション(発議)65番に違反しているとの指摘があるNPOからなされたことに始まります。
え!?コーヒーの中にアクリルアミド?
焙煎前の緑のコーヒー豆にアクリルアミドは存在しません。
ただ、焙煎によってコーヒー豆の中にも、もちろん、アクリルアミドが発生します。
農林水産省がホームページで発表している
各食品中のアクリルアミドの含有量を見ると、確かにコーヒー豆には比較的多くのアクリルアミドが含まれています。
でも、その豆から抽出される「コーヒー」という飲料にはそれほど含まれていません。
天然成分として普通に自然食品に含まれているくらいに減ってしまっています。
ワシントンポスト紙も、コーヒー中のアクリルアミドは10万人に1人の割合で、がんを発症させる程度の量でしかないと書いています。
一方で、そのままお湯で溶いて飲むインスタントコーヒー(固形)に、非常に多く含まれていることに驚きます。
ホールフードとしてのコーヒーの発がん性は、上述した通り、WHOが2016年に否定しています。
でも、発がん性があるかもしれない物質を微量でも含んでいるので、カリフォルニアでは警告文が必要となった。と、いうことですね。
さて、あなたは、カリフォルニア州のこの対応を受けてどうしますか?
これからコーヒー飲みますか?飲みませんか?
ちなみに、麦を焙煎する麦茶には、比較的多くのアクリルアミドが含まれていますし、コーヒーよりも多くのアクリルアミドを含んでいる食べ物は他にたくさんあります。
アクリルアミドの多い食品
じゃが芋
アクリルアミドの含有量という意味では、フライドポテトは最悪です。
じゃが芋は、どんな料理であれ、高熱をかけるとアクリルアミドが大量発生する食品です。
ただし、薄くスライスした後、水に30-40分くらいさらした後に、火にかけると、アクリルアミドの発生を減少することができると言われています。デンプンを減らすことができるからです。
お母様から、あるいは家庭科の授業で習ったことがあるのではありませんか?
じゃが芋は切った後、水にさらしてから調理するようにと。
私達のご先祖達がなぜそれを知っていたのかは分かりませんが、伝統的な調理手順を守ってお料理してきた人は、自然とアクリルアミドの発生を少なくできていたことになりますね。
私は、こんな仕事を始めてから、伝統的な調理手順や調味料にはちゃんと意味があったのだと、驚かされることが本当に多いです。それは日本だけでなく、欧州などの伝統料理にもそうした傾向があり驚かされます。
ちなみに、じゃが芋は、揚げるのと、ローストするのと、オーブンで素焼きするのとでは、どれが一番アクリルアミドが少ないかと言えば、「オーブンで素焼き」です。一番多いのは、もちろん揚げたじゃが芋です。
茹でたり、蒸したりは、比較的安全です。
ポテトチップス
もちろん、ポテトチップスはじゃが芋を揚げて作られるので、アクリルアミドが多いです。コーンチップスも同じです。
おやつは乾燥野菜チップスなどにしてみましょう。
パン
トーストにする時、軽く焦げ目がつく程度にしましょう。焦げ目が濃ければ濃いほど、アクリルアミドが多くなります。ピッザの耳の部分も同じです。
濃い方が、カリッとした感じが美味しいんですけど、トーストは薄い焦げ目で。
シリアル
コーンフレイクやブランにも多くアクリルアミドが含まれています。もちろん、どれくらい入っているかは製造メーカーや商品ブランドによって異なります。グラノラも、砂糖(炭水化物)をカラメルにしてコーティングしているので、こちらもアクリルアミドの多い食べ物です。
シリアルやグラノラを朝食に食べる習慣のある人は、オートミールやミューズリなどに代えると安心ですね。
ピーナッツバター、アーモンドバター、ひまわりバター
バターにする時、ナッツやシーズをローストして作ります。そのため、ナッツやシーズのバターはアクリルアミドの含有量が比較的高くなります。最近では、ローのアーモンドバターなども入手可能なので、ナッツやシーズのバターならローを選択すると安心ですね。もちろん、自分で作ることもできますけど。
缶詰の黒オリーブ
オリーブに問題があるのではなく、缶詰にする工程でアクリルアミドが発生することをカリフォルニア州が発表しています。1gの缶詰オリーブに、200-2000μgのアクリルアミドが含まれていたそうです。これはフライドポテトと同じくらいの含有量です。
緑色のオリーブはそうでもなかったようです。
オリーブを買うなら、グリーンオリーブか、瓶詰の黒オリーブを買うと良いとのことでした。
クッキー、ビスケット、お煎餅
以外と多くアクリルアミドを含んでいます。自宅でクッキーを焼くと、多少温度を調整できるため、高温で製造される市販のクッキーよりも多少安心かもしれません。
アクリルアミドからの影響を抑制してくれる食品
捨てる神あれば、拾う神あり。ポリフェノール
果物や野菜に含まれているポフェノールが、アクリルアミドの産生を抑制することが報告されている他、マウスを使った実験ですが、ベリー類がアクリルアミドによる神経障害や性機能障害を抑制し、抗腫瘍効果を示したことが報告されています。
具体的には、
- ブルーベリー
- 苺
- ブドウ
のフリーズドライ粉末を5日間与えられたマウスにアクリルアミドを注射して影響を調べています。
ベリー粉末を与えられたマウスには、上記した障害の発症が抑えられていたそうです。
ビタミンB1、B6、B12
やはりマウスを使った実験ですが、ビタミンB1、B6、B12を与えたマウスに、アクリルアミドを投与しても何の神経障害も起こさなかったことが報告されています。ビタミンB1、B6、B12を多く含む食品は
- ナッツ
- シーズ
- 豆類
- 海藻類
- 貝類
- ニンニク
(参考:『ビタミンB1を多く含む食品』、『ビタミンB6の多い食品』、『ビタミンB12の多い食品』)
ビタミンE
妊娠中のマウスを対象として、アクリルアミドによる胎児の脳細胞の発達への影響を調べた研究があります。そこでは、コーン油またはビタミンEを与えて、効果を比較しています。
ビタミンEを与えたマウスの胎児は、アクリルアミドによる脳細胞への損傷が少なかったことが報告されています。
ビタミンEを多く含む食品
- ナッツ
- シーズ
- すだち
- オリーブ
- ベリー類
- 柑橘類
- マンゴー
- アボカド
(参考:『あなたのビタミンEは本物ですか?』)
お家で出来るシンプル・ソリューション
上記3つの栄養成分の公約数は、ナッツ、シーズ、ベリーですから、普段から、ナッツ、シーズ、ベリーの多い食事を心がければ、あまり神経質になる必要もないように思います。例えば、
- トーストを食べる時には、ベリー類のジャムか、ローナッツバター
- シリアルは、ベリーやナッツ&シーズや、その他果物と一緒に
- じゃが芋は、ガーリックといっしょにマッシュポテト
- ポテトチップスではなく、野菜チップス
- ピッザは、ムール貝やアサリを載せて、魚介のピッザで
- コーヒーを飲む時は、豆乳やナッツミルクで
と、いうので、解決できそうな気がします(笑)
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参考: 『世界三大美果 - マンゴー』
参考文献:
- “Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986“, Office of Environmental Health Hazard Assessment、California Environmental Protection Agency (CalEPA)
- “IARC Monographs evaluate drinking coffee, maté, and very hot beverages“, 15 June 2016, WHO, IARC PRESS RELEASE N° 244
- 「食品に含まれているアクリルアミド」、農林水産省
- 国際がん研究機関における発がん性評価
- FAO/WHO合同食品添加物専門家会議のリスク評価
- 食品安全委員会の食品健康影響評価
- “Coffee must carry cancer warning, California judge rules”, Eli Rosenberg, March 29, Washington Post
- “Role of plant polyphenols in acrylamide formation and elimination”, Liu Y, Wang P, Chen F, Yuan Y, Zhu Y, Yan H, Hu X, Food Chem. 2015 Nov 1;186:46-53. doi: 10.1016/j.foodchem.2015.03.122. Epub 2015 Apr 4.
- “Evaluation of protective effect of freeze-dried strawberry, grape, and blueberry powder on acrylamide toxicity in mice”, Zhao M, Liu X, Luo Y, Guo H, Hu X, Chen F, J Food Sci. 2015 Apr;80(4):H869-74. doi: 10.1111/1750-3841.12815. Epub 2015 Mar 5.
- “Effect of vitamin B complex on neurotransmission and neurite outgrowth”, Fujii A, Matsumoto H, Yamamoto H, Gen Pharmacol. 1996 Sep;27(6):995-1000.
- “Investigation of the effects of acrylamide applied during pregnancy on fetal brain development in rats and protective role of the vitamin E”, Erdemli ME, Turkoz Y, Altinoz E, Elibol E, Dogan Z. Hum Exp Toxicol. 2016 Dec;35(12):1337-1344. Epub 2016 Feb 24.
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