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「コーヒーで痩せる」は本当? 話題の“コーヒーダイエット”について管理栄養士が詳しく解説します!

コーヒーで痩せる! コーヒーは健康のもと!

そんなフレーズをよく聞くようになりました。

「その根拠は何なのだろう?」と、毎日、コーヒーを好んで飲んでいる私はとても気になりました。

そこで今回は、コーヒーがダイエットに役立つとされる科学的な理由を、
少し前からブームになっている「バターコーヒーダイエット」や「緑茶コーヒーダイエット」
などについても取り上げながら、読み解いてみようと思います。

コーヒーにはどのような成分が含まれているのか?


まず、調べてみたのはコーヒーの成分について。

文部科学省による『日本食品標準成分表2015年度版(七訂)』で見ると、
コーヒーに該当しそうなものが3種類見つかりました。

1つ目は「コーヒー浸出液」、
2つ目は「インスタントコーヒー」。
3つ目は「コーヒー飲料」

です。

1つ目の「コーヒー浸出液」とは、ドリップ式で10gの中引きレギュラーコーヒーを
150mlの熱湯でドリップしたもの


2,3つ目は市販の加工品で、2つ目のインスタントコーヒーはブラック、
3つ目のコーヒー飲料はミルク・砂糖入りのカフェオレタイプものを指しているようです。

ここでは、いわゆる一般的なコーヒーに相当する、1つ目の「コーヒー浸出液」に関して
話を進めていきたいと思います。

そもそもコーヒーとは?

念のため、文部科学省がインターネット上で公開している
「コーヒー」についての説明は次の通りです。

「コーヒー」は、コーヒー樹の果実から外皮、果肉等を除去したものである。生豆を適当な温度で焙煎(ばいせん)したものが炒り豆である。この炒り豆を適当な大きさに破砕したものがレギュラーコーヒーで、熱湯で浸出して飲用する。一方、粗砕コーヒー炒り豆を熱水で抽出し、噴霧または凍結乾燥法等により、粉末又は顆(か)粒状にしたものが「インスタントコーヒー」である。なお、「コーヒー」の「浸出液」を調味したものが「コーヒー飲料」で、缶詰めにした缶入りコーヒー飲料が市販されている。

参考:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/attach/1299203.htm

コーヒーの成分の内訳

次に、浸出液100gあたりの栄養成分の内訳を見てみましょう。
分量100gあたり
エネルギー 4kcal
炭水化物 0.7g
タンパク質 0.2g
脂質 0g
食物繊維 0g
ナトリウム 2mg
カリウム 49mg
出典:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

上の表を見ると、コーヒー滲出液にはほとんどエネルギー・脂質がないことが分かりますね。
また、「カリウム」が多いことにも注目してみてください。
そして表には出ていませんが注目したい成分は、「カフェイン」と「クロロゲン酸」です。

むくみ解消に役立つ「カリウム」

カリウムは、体内のナトリウムを尿とともに押し出す働きをしてくれます。
このナトリウムは主に浮腫(むくみ)の原因ですので、コーヒーを飲みカリウムを摂取すると、
浮腫(むくみ)が取れるという嬉しい効果
が期待できます。

脂肪燃焼が期待出来る「カフェイン」

コーヒーに含まれているカフェインには、脂肪燃焼効果が期待されています。
なぜかというと、カフェインは神経を興奮させる作用を持っており、
神経が興奮すると基礎代謝が上がります。そのため脂肪燃焼効果があるとされているのですね。
しかしまだ科学的に立証されているわけではなく、カフェインを摂り過ぎることによる
弊害もあるため、過剰摂取にならないようにしましょう。

血行促進作用がある「クロロゲン酸」

聞き慣れない方も多いと思いますが、カフェインにはクロロゲン酸という
ポリフェノールの一種が含まれています。
ポリフェノールには、抗酸化作用・抗菌作用・抗癌作用などがある、良いことづくめの成分です。
また血行促進作用もあるので、冷え改善にも役立ち、
結果として脂肪燃焼を助けてくれることにつながります。

「カリウム」、「カフェイン」、「クロロゲン酸」という、
この3種類の成分が、コーヒーを飲むと痩せると言われている理由です。

オーガニックコーヒーの選び方


コーヒーがダイエットに役立つといわれている理由がわかったところで、
いざコーヒーを飲むとなると、出来る限り安心なオーガニックコーヒーを
選びたいものですよね。

オーガニックコーヒーとは、教科書的には
「3年以上前から農薬や有機肥料を使っていない土壌で育てられたコーヒー豆で淹れたコーヒー」
のことですが、コーヒーはただでさえ種類が豊富で、産地によって味わいも変わってくるので、
どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いはず。
そこで、産地別に分けておすすめのオーガニックコーヒーをご紹介してみましょう。

産地によって異なるコーヒーの特徴

赤道を挟んで北緯25度から南緯25度のエリアは、気候・風土ともにコーヒー豆の栽培に大変適しており、
俗に「コーヒーベルト」と呼ばれています。

このエリアには様々な産地がありますが、その銘柄は産地の名前から取られていることが多く、
「ブラジル」「コロンビア」などの国名に由来するもの、
「キリマンジャロ」「ブルーマウンテン」など山の名前などに由来するものなどがあります。

他の農作物同様、産地の気候・土壌によって味わいが変わってくるため、
産地ごとに異なった味を楽しめるのが、コーヒーの面白いところです。

以下に代表的な銘柄、生産国、オーガニックの普及度をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

■コロンビア(生産国:コロンビア)
マグダレナ県シエラネバダでオーガニックコーヒーの栽培が盛んに行われています。
日本へも輸入されており、大手企業での取り扱いもあり、購入がしやすいです。
もちろんオーガニック食品を扱うサイトでも購入ができるようです。
<味わい>酸味は少なく、苦味とコクがやや強め。

■グアテマラ(生産国:グアテマラ)
グアテマラはコーヒー生産量が世界十位と、中南米を代表するコーヒー生産国の1つであり、品質の高さを誇ります。
フェアトレードの商品も多く販売されています。
グアテマラ国立コーヒー生産者協会によって定められたANACAFEと呼ばれる8つの有名な産地のうち、
アティトランという地域で栽培される希少なオーガニックコーヒーが日本では有機JAS認定を受け、販売されています。
<味わい>しっかりとしたコクとチョコレートやナッツのような甘み、
オレンジやリンゴのような酸味を持ち合わせています。

■ブルーマウンテン(生産国:ジャマイカ)
本来はジャマイカのブルーマウンテンエリア(標高800〜1200mの限られた地域のみ)で栽培されたものを指します。
「コーヒーの王様」と呼ばれるほど、希少価値が高く、とても高価なコーヒーです。
残念ながら、現状では100%ブルーマウンテンエリア産の物は少ないようで、
ブレンド品をブルーマウンテンとして販売している例も多数。
その中でオーガニックコーヒーを探すのは至難の業です。
<味わい>酸味・甘み・苦味のバランスがちょうど同率程度のバランスの取れた味わいです。

■キリマンジャロ(生産国:タンザニア)
古くからコーヒーの産地として有名なキリマンジャロは、農薬を使用した豆でも売れてしまうという状況から、
無農薬栽培はあまり盛んではなかったようです。
しかし生産者のがん罹患率の高さから、その栽培方法が見直され、
ついに有機JAS認定のコーヒー豆が販売されるまでになりました。
<味わい>酸味と苦味が強く、「野性味のある味」とよく表現されています。


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コーヒーによるオススメ「ダイエット法」2選


前述の成分の部分でもご説明した通り、コーヒーそのものに
ダイエット効果を期待出来る成分が含まれる訳ですが、
その効果をさらに高められると言われている2種類の飲み方をご紹介しましょう。

①「バターコーヒーダイエット」

1、「バターコーヒーダイエット」とは?

アメリカの起業家デイヴ・アスプリーが、自身のダイエットを通じてたどり着いたダイエット法。
彼は「シリコンバレー式 自分を変える最高の食事」という日本でも大ヒットした本の著者でもあります。

2、「バターコーヒー」の作り方

様々なWebサイトなどでも解説されていますが、簡単にいうと、
コーヒー+グラスフェットバター+MCTオイルをミキサーにかけて作るコーヒーです。

・グラスフェットバター:牧草を食べて育った牛のミルクから作るバター。
不飽和脂肪酸を多く含み、中性脂肪を減らしたりコレステロールを下げる働きがあります。
一方で、通常のバターは飽和脂肪酸を多く含むため、摂取し過ぎるとコレステロール値の上昇などにつながります。

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・MCTオイル:中鎖脂肪酸オイルのことで、その代表が「ココナッツオイル」です。
中鎖脂肪酸は分解されやすく、エネルギーになりやすいため、脂肪として溜め込まれにくい特長があります。
その他の油というのは中鎖脂肪酸ではなく長鎖脂肪酸を多く含むので、分解に時間がかかります。
そうするとエネルギーとしては使いにくい物となってしまうため、脂肪として溜め込まれてしまう確率が上がるのです。
通常、油と水は混ざりません(疎水性)が、MCTオイルをミキサーで攪拌し、コーヒーとしっかりと混ぜ合わせることで、エネルギーとして使いやすい状態になります

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3、「バターコーヒーダイエット」の注意点
私たちが体や臓器を動かすのに必要なのがエネルギーです。
体内でのエネルギー作りに使われる素材には
順序があるということをまず理解しましょう。

まず、最もエネルギーになりやすいのが「糖質」です
摂取した糖質はエネルギーとして使われ、オーバーした分は脂肪として貯蔵されます。
そして空腹時は、貯蓄してある糖質を利用して生命維持を行っています。

そして、貯蔵されている糖質がなくなった時にエネルギーとして使われるのが脂質です

そのため、バターコーヒーをいくら飲んでも、糖質の多い食事をしていると
脂質がエネルギーとして使われることはないため、反対に太ってしまうことになりかねません。
ご注意を!

②「緑茶コーヒーダイエット」


1、「緑茶コーヒーダイエット」とは?
脂質代謝を高める働きがある、カフェイン。
コーヒーに多く含まれているイメージが強いと思いますが、
実はほとんどのお茶にカフェインは少なからず含まれています

その中でもカフェイン量が特に多いお茶が緑茶
このカフェインを多く含む2つの飲み物を掛け合わせることで、
脂肪燃焼効果を高めているのです。

2、「緑茶コーヒ」の作り方
先に紹介したバターコーヒーダイエットほど、複雑な作り方ではなく、
ブラックコーヒーと緑茶を1:1で混ぜるだけ
1日3回、食事前に飲みましょう。
冷たい状態よりも温かい状態の方が、よりリラックス効果があるとされているので、
できれば温かいうちに飲みましょう。

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ダイエットに効果的なコーヒーの飲み方とタイミングは?


そもそも、ダイエットをする時は甘いものや脂の摂取は避けるのが鉄則ですよね。

いくらコーヒーにカフェインが含まれているからと言って、カフェオレのように
糖分や脂質(豆乳にも脂質は含まれます!)が入っていると意味がありません。
飲む際は断然ブラックがおすすめです。

どうしてもブラックコーヒーが苦手な方は、
グラスフェッドバターやココナッツオイル(中鎖脂肪酸オイル)などを混ぜて飲む
バターコーヒーダイエット式で飲むのがおすすめです。

また、運動で脂肪燃焼するタイミングとコーヒーを飲んで脂肪燃焼するタイミングが重なれば、
より効果が大きくなることが考えられるので、
運動前30分ほどに温かいコーヒーを飲むのもおすすめです。

そして、コーヒーは血糖値の上昇を抑える働きもあります
「食後のコーヒー」が一般的ではありますが、食前・食中にコーヒーを飲むことで、
食事によって上がっていく血糖値をいくらか抑えることができます。

忙しく、パンだけ!などとなりがちな朝食では血糖値も跳ね上がってしまうので、
そんな時にブラックコーヒーを一緒に飲むと良いですね。

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ダイエットとはいえ、コーヒーの飲み過ぎには注意!


過ぎたるは及ばざるがごとし。

コーヒーに含まれる「カフェイン」は精神神経刺激物として昔から使用されてきましたが、
最近はエナジードリンクや眠気ざまし飲料、また医薬品としても利用されている物質です。

中枢神経系が刺激され、血圧上昇などをもたらします。
過剰摂取が続くと高血圧や心疾患のリスクが上がったり、
耐用上限量以上の摂取での死亡例もあるため、摂り過ぎには注意が必要です。

そして、コーヒーの「クロロゲン酸」は、胃酸を分泌を促進する働きがあります。
逆流性食道炎をお持ちの方や内臓の手術後など、
何かしらの胃腸疾患を患っておられる方は、コーヒーは控えた方が良いものとされるのはこのためです。
完全に治癒するまでは、飲むのは控えましょう。

また、緑茶に含まれる「カテキン」については、カナダ保健省の報告に、
緑茶から抽出した成分(カテキン)を含むサプリメントを多量に摂取(1日600mg)した女性が
肝炎を引き起こし、その後肝移植に至ったというものがあります。

通常の緑茶を飲む程度では、湯呑み1杯(150ccとして)分でカテキンは45mg~60mg程度。
ちなみに機能性表示食品の商品ではペットボトル1本500mlあたりカテキン150mg前後、
特定保健用食品となるとペットボトル1本500mlあたりカテキン500mgなどのものがあるようです。

カナダの女性の例はカテキンだけが問題ではないかもしれませんが、この例の他にも報告があるようですので、
特定の成分に特化して多量摂取するのではなく、バランス良い食事・栄養摂取を心がけたほうがよさそうですね。

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食生活を通じたダイエットは健康的だが、過信は禁物!

「コーヒーで痩せる」は本当か?というテーマのもとで記事を書いてきましたが、
結論は「飲み方とタイミングによる」だと思います。

ブラック、またはバターコーヒーダイエット式、または緑茶コーヒーなら痩せ効果は期待できる。
砂糖やミルク、豆乳入りだと効果はあまり期待できないと言えます。

そして飲むタイミングは食前・食中、運動前などを意識してみると良いのではないでしょうか。

オーガニック認定された商品での選択肢がどんどん広がってきている今、
自分の嗜好にあった食べ物を通じ、なるべく自然に近い状態でダイエットが出来るのは
とても幸せなことですが、どんなことにも何らかのリスクは伴うものですので、
慎重さは常に失いたくないものですね。

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