牛乳で気持ち悪い胸焼けや腹部膨満感になるのはなぜか。体調不良を引き起こす危険な牛乳の製造方法の真相とは。乳牛の命を人工的にコントロールする悲惨な飼育の実態。
牛乳はスーパーやコンビニで手軽に買うことができ、冷蔵庫に常備される飲料のひとつ。
そのまま飲むのはもちろん、シリアルにかけたり、シチューの材料にしたりとアレンジが利きますから、重宝している!という方も多いのではないでしょうか?
一方でマクロビオティック実践者や、ヴィーガン、ローフーディストの方にとっては敬遠されがちな飲み物であることも事実です。
牛乳が体に及ぼす害については、これまでIN YOUでもたびたび議論されてきました。
害があるかどうか…その答えは個々の体質や考え方によって変わる側面がありますから、賛否両論さまざまあるのが現状なのでしょう。
でもわたしは一部の牛乳が体に合いません。
牛乳の有害性を差し引いて考えても、飲むことができない牛乳が存在しているのです。この事実は年を重ねて初めて分かったことなので、小さい頃はずっと自分のことをただの〝牛乳嫌い〟だと思っていました。
問題がある牛乳とは何なのか…。
まずは牛乳が苦手だと感じたきっかけからお話します。
学校給食の牛乳がおいしくない。食べ合わせを無視した献立で牛乳嫌いになりました。
初めて牛乳が嫌いだと意識したのは小学校に入学してからのことです。
小学校の給食には必ずといっていいほど毎日牛乳が提供されていましたが、
わたしにはどうにもおいしいとは思えませんでした。
もったりとした口触りで、生臭さがある。これが当時の牛乳の印象です。
さらに学校給食の献立では、その日のメニューが和食や中華だったとしても、牛乳が配布されています。
白ご飯に牛乳という取り合わせ…。
子供ながらに「合わないなぁ、いやだなぁ。」と思っていました。
実際に新潟県三条市では「牛乳はごはんに合わない」とした児童や保護者の声を受け、2014年12月から2015年3月まで試験的に牛乳提供を停止。
同年9月からは給食時に牛乳を配布しない対策がとられています。
つまり「牛乳が献立に合わない」と感じている人は少なくない、というわけですね。
わたしは独特の味や、メニューとの相性を受け入れることかできず、すっかり牛乳嫌いになってしまいました。
おいしい牛乳とおいしくない牛乳。体で感じたその違いとは?
小学校を卒業したら、まったく牛乳を飲む機会がなくなりました。
「嫌い」「苦手」と思っているのですから、あえて自分から手に取ることもありません。
ところがそんな牛乳嫌いを克服する出来事があったのです。
この牛乳なら飲めるかも…? おいしいと思った牛乳とは
それは高校生のときに家族で訪れた信州でのこと。泊まったホテルの朝食でパンとフルーツに合わせて、牛乳が出されました。
飲むかどうか悩みましたが、せっかく用意していただいたのに飲まないのは失礼かな?と、口にしてみることに…。
するととてもまろやかで飲みやすかったのです!
「ついに牛乳嫌いを克服した!」と思ったわたしは帰宅後に近所のスーパーで売られている牛乳を飲んでみました。ところが…!
おいしくない…。
その後もあらゆる大手メーカーの牛乳に挑戦しましたが、ときには胸やけや腹部膨満感を引き起こすほど、わたしの体には合わないものでした。
信州の牛乳と市販の牛乳、いったいどこに違いがあるのでしょうか?
市販牛乳の問題点とは?
結論からお伝えすると、その違いは〝製造方法〟にあります。殺菌温度の違い
殺菌方法は主に以下の3つに大別されます。
・超高温殺菌
・高温殺菌
・低温殺菌
市販の牛乳のほとんどは超高温殺菌が採用されていて、120〜130℃で3秒間程度熱せられます。
高温の熱を加えることで殺菌をしているわけですが、この方法では有害な菌だけではなく、有用菌までも死滅させてしまう恐れがあるばかりか、
牛乳中のカルシウムやたんぱく質が変性し、後味の悪い口当たりや消化しにくい成分となってしまいます。
高温殺菌の場合は72〜75℃でおよそ15秒熱せられますが栄養成分の変性は少なく、
低温殺菌の62〜68℃で30分間熱した場合は雑菌を防ぎながらも、栄養素の変化はほぼありません。
脂肪球の違い
一般的な牛乳は〝ホモジナイズ〟という加工が施されています。ホモジナイズとは、牛乳に圧力をかけて乳中の脂肪球を均一化することで、殺菌や製造作業をスムーズに行えたり風味を安定させる働きがあります。
ホモジナイズされていない牛乳は〝ノンホモ〟や〝パスチャライズド〟牛乳とよばれ、脂肪球が破壊されないため、濃厚に感じます。
またホモジナイズされていない牛乳は、静置しておくと脂肪分が上部に浮いてクリーム化しますが、この現象が見られるほうが品質が良く、生乳に近いと考えられています。
市販牛乳は超高温処理され、ホモジナイズ加工されているということ。これに対して、
信州で飲んだ牛乳は低温殺菌で、ノンホモジナイズの牛乳でした。
こうした事実からわたしが感じた口当たりの悪さや胸やけは、加工度が高いゆえに起きていると言えるのかもしれません。購入時には気をつけたい!市販牛乳の見極めポイントとは?
牛乳の加工度合いが大きいと、体は不調を引き起こしやすい可能性がある。
そう考えたとき、購入時に気をつけたいポイントがみえてきます。
・栄養添加
・成分調整
です。食料品店では多種多様の牛乳が販売されていますよね。
でもそのうちの半数近くは〝牛乳ではない可能性!〟があります。
というのも、牛乳の定義は「生乳を加熱殺菌し、成分に調整を加えていないもの」。
栄養添加や脂肪分の増減をしているものは牛乳には当てはまらないというわけですね。
でも思い出してみてください。みなさんはスーパーの牛乳コーナーで〝加工乳〟や〝乳飲料〟と表記された商品をみたことがありませんか?
成分調整牛乳とは?
生乳から脂肪分などの乳成分の一部を取り除いたもので、原材料は牛乳のみ。例:低脂肪乳・無脂肪乳
加工乳とは?
生乳にバターや脱脂乳といった乳成分を添加した牛乳のことで、乳脂肪を高めたタイプと、少なくした低脂肪タイプがある。例:特濃牛乳・低脂肪乳
乳飲料とは?
生乳や乳製品に乳成分以外の栄養素を添加し、栄養強化や味の向上を図ったもの。コーヒーや果汁、ココアを添加した製品も当てはまる。例:カルシウム強化牛乳・コーヒー牛乳・フルーツ牛乳
牛乳の一種として取り扱われている加工乳や乳飲料ですが、人の手によって成分添加や調整が行なわれています。
このような人工的な処理がなされた製品は自然な飲み物とは言い難いでしょう。体が受けつけないのは当然のことなのかもしれませんね。
現在わたしは栄養添加や調整済みの牛乳は避け、低温殺菌・ノンホモジナイズの牛乳を購入しています。
今のところ幼少期に経験したような胸やけや不快感はありません。
過度な製造過程を経てつくられる牛乳は、人の体に悪影響を及ぼす恐れがあることを私は体験しました。
そして品質の良いものであればおいしく感じることもわかっています。
ただ、それでも牛乳に対する抵抗感は消えません。
飼育の実態や乳牛の生涯を思ったとき、現状のままでは、気持ちよく〝いただけない〟から
です。乳牛は動物福祉に違反している?自由がない酪農の実態
「アニマルライツ」や「アニマルウェルフェア」という言葉を聞いたことがありますか?
アニマルライツとは…
苦痛を感じる能力があること(そのための感覚器官や神経組織、脳を備える)をはじめとして、感情や欲求を持つこと、知覚、記憶、未来の感覚があることなどを基準に、そのような動物にはなるべく自然のままに生きる権利や、人間に危害を加えられない権利があり、人間はそれらの権利を守る義務がある、という考え方です。
出展:NPO法人アニマルライツセンター
アニマルウェルフェアとは…
一般的に人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えるなどの活動により動物の心理学的幸福を実現する考えのことをいう。出展:wikipedia
アニマルライツは日本語訳では「動物の権利」を意味し、アニマル・ウェルフェアには「動物福祉」の意味合いがあります。
どちらも動物の尊厳を守ることを重視した考え方を掲げているのが特徴です。
とくにアニマルウェルフェアにおいては、以下の「5つの自由」が基本原則として示されています。
・飢えや渇きからの自由
・不快からの自由
・病気や苦痛からの自由
・正常な行動ができる自由
・恐怖や苦悩からの自由
動物へのこうした配慮は、今や国際的に認知されているにも関わらず、
国内の乳牛の多くは、これらの自由を剥奪された環境で飼育されているのだとか…。
乳量アップのための不自然な飼料は、遺伝子組み換えで人体にも不安な牛乳に。
牛は草食動物ですから、本来は草を食していれば生きていくことができます。
ところが乳牛は乳質や乳の出具合を良くするために穀物飼料が与えられています。
穀物飼料はトウモロコシや大豆、米ぬかといった原材料を中心に配合されている飼料で非常に栄養価が高いものですが、同時に高カロリーでもあります。
人間が高カロリーなもの、たとえばステーキや天ぷら、ケーキ、チョコレートを毎日たくさん食べれば胃もたれや腹痛をおこすように、牛も穀物飼料を多く摂取すれば内臓の病気にかかりやすくなります。
病気に罹患し乳量が下がった牛には、乳牛としての価値はありません。
そのため殺されてしまうケースも少なくないそうです。
なかには抗生物質によって治療が施され、再び乳牛として飼育される場合もありますが、このことは薬剤投与済みの牛乳が販売されることを意味します。
当然ながら乳に含まれる抗生物質の残留は厳しく検査されていますが、消費者にとっては不安を感じるやり方ですよね。
人によって管理されていれば、牛が飢えることは少ないでしょう。
とはいえ与えられる餌は牛の健康を考えたものではありません。
利益を上げるためには、安価で入手できる遺伝子組み換え輸入飼料や農薬散布された牧草といった粗悪な飼料を利用する必要がでてくるのです。
牛たちは〝飢えることはない〟反面、〝食の自由〟を奪われているのかもしれません。
死ぬまでお日様のもとに出ることはない。乳牛たちの一生とは
乳牛が飼育される環境はどうでしょうか。
酪農家の多くはつなぎ飼い牛舎を採用しています。
つなぎ飼い牛舎とは牛舎内に牛をつなぎとめて飼育する方法で、飼育面積が少なくて済んだり、採食時の競合が減少するメリットがあります。
ただし牛にとってはメリットばかりとはいえません。牛舎につながれていることがストレスやケガの要因になりえるからです。
・身動きがとれないことによる関節炎
・運動不足による筋力の低下
体が弱って自力で出産ができなくなる牛もいますし、たとえ子牛が産まれたとしても、その子牛はすぐに舎内の一角に結びつけられ、一生涯、外に出られない可能性も存在します。
商業目的の酪農は効率や乳量が重視され、ときに牛の命をないがしろにしている現実があるといえそうですよね。
乳牛の命は人間次第?乳量増加のために操作される生命
欧米と比べ日本の国土は狭く山岳地帯が多いのが特徴で、決して酪農に適した土地ではありません。
安定的に牛乳を供給するためには、牛の数を増やすだけではなく、乳量を増加させる技術が重要となるのだとか。
そこで行われているのが〝人工授精〟です。
実は乳牛の代表であるホルスタイン種は乳量が多くなるようにすでに品種改良されている牛です。
加えてメス牛に子を産ませるにあたって、乳量や乳成分などが優れている雄牛の精子を交配させます。
メス牛は子を産み落とすと、すぐにまた人工授精により妊娠、生涯にわたり3〜4回出産します。
産まれてきた牛は穀物飼料と牧草で育ち、1年ほど経つと最初の人工授精が行われます。
野生種から改良されたホルスタイン種の乳牛に、優秀な精子を人の手により交配させ、穀物飼料を与えることで、
さらに乳量を増やしている一面があるというわけですね。
2013年における日本の乳牛一頭あたりの乳量は平均8200kgで、
酪農大国であるニュージーランド(2016年 約4200kg)やオランダ(2013年 約7770kg)をしのぐ結果となっています。
この成果は酪農業界の研究や努力によるものですから、すべてを否定することはできません。
しかしながら無理な出産を繰り返したメス牛は乳量が低下すると殺処分となったり、生殖能力が低下し、
受胎率が悪くなるといった報告もあがっています
人が牛乳を得るために牛の命をコントロールしているとも捉えることができそうですよね。
代替ミルクを使うのもあり? 牛乳問題のまとめ
日本で牛乳が飲まれ始めた飛鳥時代ごろから江戸時代ごろにかけて、牛乳は滋養強壮の役割がありました。
その後、明治時代になると西洋文化の影響や戦後の栄養不足を受け、広く普及したといわれています。
たしかに食糧不足であった時代には牛乳は必要な栄養源だったのかもしれません。
ところが現在の食料は飽和状態ですし、昔と違って加工されている牛乳ばかり。
これでは栄養摂取どころか、わたしたちの健康に悪影響をおよぼす恐れも。
現代人はあえて牛乳を飲まなくても、牛乳の代わりとなる食品を多様に利用することができます。
・豆乳
・ライスミルク
・ココナッツミルク
・アーモンドミルク
・穀物のミルク
・甘酒
牛乳は身近で手軽な飲み物です。
ですが安定した供給を図るために、牛にとっては不本意な食事や望んでいない出産が強いられている可能性があります。
もしあなたが毎日牛乳を惰性的に飲んでいるのだとしたら、一度代替ミルクを用いてみるのはいかがでしょうか?
それで劇的に何かが変わるわけではありませんが、食と真剣に向き合うことは心や生き方を好転させてくれるはず。
シチューやポタージュといった牛乳が必需品なメニューでも、あえて牛乳を使わずに調理する。
有意義な目的がある工夫はなかなか楽しいものだと思いませんか?
あなたにオススメしたいオーガニック甘酒
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発酵食品の健康効果が見直されるようになり、スーパーやコンビニでも
瓶入りや缶入りの甘酒を見かけるようになりました。
でも、その多くは砂糖やオリゴ糖などが加えられており、麹のみで甘さを出しているものは多くありません。
有機栽培や自然栽培の原材料にこだわっているものは非常に少なく、
INYOU読者の皆さんが安心して飲むことができるものは、なかなか手に入らないのではないでしょうか。
こちらの甘酒は、自然栽培の玄米を麹にし、その麹の力だけで糖化させて作っています。
もちろん、お砂糖などの甘味料や添加物は一切加えていませんので、安心してお飲みいただけますよ。
市販品の甘酒は、白米から醸造した白米甘酒がほとんどですが、こちらは玄米と麹で醸造した、玄米甘酒です。
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