昔ながら伝わる「氷餅」は、非常時だけでなく普段のご飯にも使える優れものだった! カンタン氷餅の作り方と、オススメの食べ方。
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もしもの時のために家にどんな非常食を備えていますか?
近年、台風や大雨、地震などの自然災害がクローズアップされていますね。危機感を持って自宅に非常食を備えている方も多いのではないかと思います。
今回は長期間保存ができて調理も簡単!
しかも保存料や添加物が一切使われていない昔ながらの保存食「氷餅」をご紹介します。
氷餅は保存食として常備しておくのはもちろん、
普段のごはんやお子さんのおやつ、登山のごはんにも活用できてしまう優れものです。
非常食の定番といえば
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非常食といえば昔は乾パンが定番でしたが、最近は色々な種類の缶詰や栄養機能食品、
味にもこだわったレトルト食品など、たくさんの種類の非常食が販売されています。
もしものことが起きたときに少しでもおいしいと感じられる食事をとることができれば、
気持ちの面で余裕が生まれます。
非常時とはいえ、やっぱり気になる食の安全
しかし、いくら非常時とはいってもやはり気になってしまうのが食の安全性です。長期保存が可能だったりや栄養機能を強化している食品は本当に安全だろうか・・・
小さなお子さんがいる方や家族やご自身がアレルギーを持っているという方は
どうしても気になってしまう点だと思います。
そこで非常食として備えておくのにおすすめしたいのが「氷餅」です。
無添加で安心、しかも簡単に食べられる「氷餅」とは?
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「氷餅」って聞いたことありますか?
関東以南の地域ではあまりなじみがない名前だと思います。
「氷餅」は東北から長野県にかけての寒冷地で作られてきた伝統的な保存食で、
名前の通り冬の寒さを利用してお餅を凍らせて作ります。
一見、真っ白なだけのお餅のように見えますが、よく見るとたくさんの空洞があり、
手に持ってみると非常に軽いのです。
水分がほとんどないため長期の保存が可能で、水やお湯をかけるだけ、
もしくはそのままでも食べることができます。
私の地元長野県ではおなじみの食品で、戸棚に常備されていました。
氷餅ができるまで
1.もち米をついて作ったお餅を切り分け、和紙で包み、2~3日水に浸す
2.お餅を自ら取り出し、数個つなげて紐で縛り、軒先につるす
3.1~2か月そのままつるし、水分を飛ばす
寒さにさらされている間、
お餅の水分は凍ったり溶けたりを繰り返し、ゆっくりと水分が抜けていきます。
冷凍庫に入れた野菜を解凍したらスカスカになってしまった、
なんていう経験はありませんか?
水は液体のよりも個体のほうが体積が大きくなります。
そのため、野菜の中の水分は凍るときに膨張し、水分が占めるスペースを広げます。
そして解凍されて液体に戻ったとき、
空洞となったスペースから抜けていってスカスカになってしまいます。
氷餅は、日中と夜間の寒暖差に長期間さらされることでこの仕組みを何度も繰り返し、
ほとんど水分を含まない状態になっっていくのです。
同じ仕組みを利用して豆腐や大根なども保存食として加工されています。
長野県の方言では、寒いことを「凍みる」と言いますが、
豆腐を凍みさせると「凍み豆腐」、大根を凍みさせると「凍み大根」、
氷餅も別名「凍み餅」とも言われてます。
田んぼを耕してお米を作り、作った米をついてお餅を作り、
自然の仕組みを利用して2か月もかけてようやく完成する氷餅は、
自然と人が一緒に時間をかけて作った贅沢な食べ物なのです。
氷餅の原料はお米だけ!
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ここまで見てきて分かる通り、氷餅の原料は米のみです。
保存が可能な状態にするための加工も、保存料や特別な加工をするわけではなく、
時間をかけて自然の仕組みを利用して行うため、完全な無添加食品です。
小麦や乳製品などの食品アレルギーがある家族がいる場合、
氷餅は非常時のとても心強い備えになること間違いありません。
また、お餅を作る際にお米をついているため、消化にも優れています。
調理方法はのちほど詳しくご紹介しますが、調理の際の水分を工夫することで、
離乳食や介護の流動食にも手軽に利用することができます。
氷餅の気になる保存期間は?
氷餅はほとんど水分を含まないため、高温多湿を避け、湿気を避けて常温で保存すれば何年も保存が可能です。
お店で販売されているものには食品として販売するために賞味期限が設けられていますが、
保存状態に気を付けていれば
賞味期限が過ぎたからと言って大幅に品質が落ちることはあまりありません。
氷餅を賢く活用しよう!
それではここからは、実際の氷餅の活用方法をご紹介していきます。氷餅を非常食として食べる場合
そのままガブリ!
氷餅は一度お米を炊いて炊いてお餅にしたものを加工した食品なので、
調理をしなくても食べることができます。
とにかくすぐにエネルギーを補給したい、
手元になにもないという場合はそのまま食べてしまいましょう。
サクサクとした歯ごたえで口に入れたときには溶けていく食感、
お米の甘みが感じられる素朴な味わいです。
即席おかゆ
1.氷餅を細かく砕く2.水かお湯150cc~200CCを加えて混ぜる
3.塩などの調味料があれば好みで加える
氷餅は手で簡単に細かくこととができます。
細かく砕いて氷餅に水かお湯を入れて混ぜていると、
次第に水を吸ってとろとろのおかゆが出来上がります。
そのままでもおかゆとして十分食べられますが、
手元に塩などがあればひとつまみ加えるとお米の甘みも引き立ち、おいしく仕上がります。
氷餅は普段のごはんやおやつにも使える
深夜の胃にもやさしいおもち
➀ 氷餅 1つ➁ お湯 80cc~100cc
➂ きなこ、海苔、醤油、納豆などお好みの食材
1.氷餅を細かく砕き、茶わんに入れる。
2.茶わんにお湯を加えて餅状になるまで混ぜ、➂の食材を混ぜる
氷餅のおかゆはすでにご紹介しましたが、
加える水の量を調整すれば、お餅のようにして食べることもできます。
夜遅く帰ったときの胃にも優しく、おかゆよりも満足感を得られます。
なめらかライスプディング
➀ 氷餅 1つ➁ 豆乳 120㏄
➂ はちみつ 大匙2
➃ シナモン(お好みで)少々
1.氷餅を細かく砕く
2.➁➂➃を合わせて鍋に入れて火にかけ、温まったら砕いた餅を入れてよく混ぜる。
3.氷餅が溶けて全体にとろみが出てきたら器に入れて冷蔵庫で冷やす。
日本ではお米は主食として食べこことがほとんどですが、
お米をデザートとして甘く味付けして食べる国もたくさんあります。
通常のライスプディングではお米を牛乳などで時間をかけて煮ますが、
氷餅を使えば時間をかけずにより滑らかな口当たりのライスプディングが作れます。
お好みでスパイスを変えてみたり、
大人向けにリキュールなどを加えてもおいしくなります。
氷餅の軽さを生かして登山のごはんに
行動食としてそのまま
お餅なので米よりも吸収が早く、素早くエネルギーをチャージしてくれます。なにより軽くて持ち運びに便利なため、
少しでも荷物を軽くしたい登山にはもってこいです。
汁物のシメに
登山にマイコンロを持って山頂で調理したりインスタントのお味噌汁などを作る人も多いと思います。
汁物の具を食べた後に砕いた氷餅を入れて、
だしたっぷりのシメを作るのはいかがですか?
氷餅はごはんよりもしっかりと水分を吸ってくれるため、
雑炊のように知るだけ残って処理に困る、なんてこともありません。
昔ながらの地域の食を見直そう
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ご紹介したように、氷餅は非常に手間と時間をかけて作られる食品です。
現代には手軽に食べられて保存もきく便利な食べ物がたくさんありますが、
本来かけなければならない手間や時間を省いているということは何らかの理由があります。
手間暇をかけて作られる昔ながらの保存食があなたの地元にもありませんか?
便利さだけに流されず、
昔の人が自然と向き合いながら育んできた食を感じてみましょう。
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