ネット上で噂のマイナスカロリー食品は本当か?食べ物の噂に縛られる生活から解放されて本当に健康な生活を始めよう。
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こんにちは、上村歩です。
6月に入り、そろそろ梅雨入りの季節ですね。
露出が多くなる季節、夏に向けてダイエットを始める方も多いのではないでしょうか?
そこで、ネット上で噂になっているネガティブカロリーフードダイエットについてお話していきましょう。
あなたは聞いたことがありますか?
ネガティブカロリーフードダイエットとは?
ネガティブカロリーフードダイエットとは何でしょうか。
まず、ダイエットの一例として大きく括ると、
・カロリー摂取を控える
・消費カロリーを増やす
・種類や成分をコントロールする
・時間的な制限を行う
・サプリメントを服用する
などが挙げられます。
おそらく誰もが一度は試したことがあるのではないでしょうか。
ネガティブカロリーフードダイエットとは、マイナスカロリー食品を摂取し続けることで痩せられるというものです。
マイナスカロリー食品とは、その食品が持っているカロリーよりも、
その食品を消化・吸収する過程で消費するカロリーのほうが高い食品のことをいいます。
つまり、
- 摂取カロリー < 消費カロリー
となり、マイナスカロリー食品を食べれば食べるほど、簡単に痩せられるダイエットできる、というものです。
そんな夢のようなダイエットが噂になっているのです。
マイナスカロリー食品にはどのようなものがあるのか。
では、一例を挙げていきましょう。
英語版Wikipediaによると、
- アスパラガス・ブロッコリー・キャベツ・ワカメ・カリフラワー・セロリ・唐辛子・レタス・キュウリ・スイカ
リンゴ・ブルーベリー・クランベリー・グレープフルーツ・レモン・ライム・マンゴー・オレンジ・パパイヤ・桃・パイナップル・ラズベリー・イチゴ・トマト
ほとんど野菜や果物に集中しており、私たちの食卓にも身近なものばかりですね。
実際にこれらを食べて、ダイエットしていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かにこれらを毎日摂取していれば、痩せられそうですが、
これらの摂取カロリーと品目別の消費カロリーを、
一体どのような実験をし、どのように算出されたのかについては、一切データがありませんでした。
結論からいうと、ネガティブカロリーフードダイエットには科学的な根拠はありません。
試しに、世界中の医学論文が検索できる検索エンジンPubMedで、
“negative calorie food”というフレーズでフレーズ検索したところ、ヒットした論文は一件もありませんでした。
また、アメリカのニュース雑誌「TIME」の記事でもマイナスカロリー食品の存在を否定しています。
では、品目別消費カロリーの算出ができればマイナスカロリー食品は成り立つのでしょうか?
マイナスカロリー食品<消化に使われるカロリー?
その答えのヒントになるのが、1997年にペニントン・バイオメディカル・リサーチセンターから出たレビュー論文にあります。
論文のテーマは、「様々な食品を消化吸収するために、どれだけのカロリーが使われるか?」。
これによると、食品の消化に使われるカロリーは、
その食品がもつ総カロリーの3〜30%の範囲に収まってしまいます。
当然ながら、マイナスカロリー食品が成り立つためには、
食品の消化に使われるカロリーが100%以上にならなければなりません。
例えば、ブロッコリーのカロリーが10kcalだった場合、
消化に使われるカロリーは11kcal以上ならば、マイナスカロリー食品といえるわけです。
ところが、食品の消化に使うカロリーは最大でも30%くらいであるため、
どんな食品も、食べ過ぎれば普通に太るということになります。
ネガティブカロリーフードダイエットは科学的な根拠がないことが分かりましたが、
最も問題視すべきは、間違ったダイエット法が今や情報として簡単に手に入ることです。
情報社会に潜むダイエッターへの危険信号
マイナスカロリー食品が噂になった理由として考えられるのは、
・商業的な関心から支持を得ることもある。
美容や健康を意識する私たちは、ビジネスにおいて格好のターゲットであります。
私たちの興味を引くために、嘘の情報が流されることも多くあるのです。
・現象のほとんどが一部のファンしか証明してない。
100人に試して半数以上に効果があれば、研究対象ともなり得ますが、
一時のブームのダイエットは、一部の、それも素人の知識であることが多いのです。
などが挙げられます。
よく耳にするフレーズも疑う視野を持ちましょう。
「○○を食べると、脂肪が燃えて痩せられる」という話もよく聞きますが、
このことについて、米国の国立衛生研究所は次のように説明しています。
「ある食品は脂肪を燃やして体重を減らす」という迷信について
事実:脂肪を燃やす食品はありません。カフェインを含むいくつかの食品は、少しの間、エネルギーの消費を速めるかもしれませんが、それでやせるということはありません。
助言:体重を減らすための最良の方法は、食事からとるエネルギーを控えて、もっと体を動かすことです。
出典:Weight-loss and Nutrition Myths(米国国立衛生研究所、英文)
ダイエットを目的に無謀な食べ方をするのはもうやめましょう。
誤った情報で、命の危険に晒されることもある。
厚生労働省によると、ダイエットが目的で、身近な食品をふだんと全く違う調理方法で食べると思わぬことが起こる場合があります。
2006年に起きた、白インゲン豆の摂取による健康被害がその例です。
テレビ番組で白インゲン豆によるダイエット法が紹介され、
このダイエット法により、生または加熱が不十分な白インゲン豆を摂取した方が嘔吐、下痢などの症状を起こしました。
白インゲン豆は、通常の調理法で調理すれば安全上問題のない食品ですが、
加熱調理せず生のまま食べると嘔吐、下痢等を起こすことが昔から知られています。
安全なダイエット、食生活を送るために
安全なダイエットや食生活を送るために、食事のバランスや自分の体の声に耳を傾けること、なにより知識を身につけることが大切です。
わたしは仕事をしている中で、
「何を食べたら痩せますか?」
「むくみを取るには何を食べたらいいですか?」
など、多く聞かれます。
何を食べるかよりも、食べたものをどう消費するのか、食事の中に無駄な物はないのか、に目を向けてほしいのです。
人間の体は摂取と消費を絶え間なく続けています。
時に休ませることは大切ですが、休ませすぎると機能は低下していきます。
さらに黙っていても、年齢と共に機能は眠っていくのです。
消費力を鍛えてあげることで、食べ物を選び続ける生活から解放されます。
ダイエットとは元々、規定食という意味であります。
人や動物や共同体が習慣的に摂る食品のことをいうのです。
人間本来の自然な代謝をできるようになることが、本当の意味でのダイエットになるのではないでしょうか。
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