ミネラルたっぷりの野菜=現代人が感じる「美味しい」とは限らない!健康には欠かせないミネラルと栄養を豊富に含む野菜・果物を選ぶための3つのポイント
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近年、野菜の栄養価がかつてと比べ、下がっていると言われています。
みなさんはどんな食材を毎日食べていますか?
IN YOUの読者であれば、おそらくオーガニックで安全性の高い野菜を好んで買っている人も多いことでしょう。
しかし気になる話をよく耳にしますよね。
例えば、
食べる野菜のビタミンやミネラルが減っている。
昔の野菜と比べると栄養を摂りづらくなっているなら食べても効果がない。
などなど。
せっかく気を遣っていても栄養価が下がっているのなら残念ですよね。
でも、本当に野菜の栄養が減っているのでしょうか?
こちらでは少しでもミネラルなどの栄養が多く含まれている食材・野菜を選ぶために必要な事を書いています。
ミネラルたっぷり=美味しいと現代人が感じるとは限らない
ミネラルは豊富なほうが身体に良いのは確かです。
栄養たっぷりの野菜=美味しいと思い込んでいませんか?
しかし、ミネラル自体が、おいしいとは限りません。
例えば、
- ナトリウムは塩味
- マグネシウムは苦味
- カルシウムはえぐ味(苦味と塩味の混合)
- カリウムは酸味
になるので、過剰に含まれていると食べにくいと感じるのです。
ミネラルを凝縮した、フルボ酸という水がありますが、
これも飲んだことがある方はわかると思いますが、ものすごく渋い味がしますよね。
とても体にはいいものですが、美味しい味だとは言えないと思います。
カルシウム含量が高い小松菜はあと味が好ましくないことがわかった。
調味料その他で味付けすることが必要と思われる。
引用:ミネラルを高濃度に含有する野菜つくりの試み 田村 明、他3名
以前から栄養価の高い野菜を作ろうという試みは多くありましたが、
ミネラルが豊富になり過ぎると実は、食べにくいということが分かっています。
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そのため、現代の野菜作りにおいて、一概には言えませんが、
一般的に美味しいとされる味を優先するとミネラルは減る傾向にあります。
おいしい野菜と栄養価の高い野菜は両立するとは限らないという事です。
ですから、普段から味だけを考えて美食をしている人は、
知らないうちにミネラル不足に陥っている可能性もあります。
また、外食などで使われる調味料の多くは塩分を多く含む傾向にあるので、
味の濃いものばかりを食べると塩分過剰になりやすいと言えるでしょう。
特に、ダシの素の使われるグルタミン酸ナトリウムなどが塩分過剰の原因になります。
塩分過剰に陥ると、身体はミネラルバランスを保つために、
摂取した他のミネラルもまとめて排泄しようとするので、さらにミネラル不足に陥ります。
素材の味を楽しめば薄味で物足りない食事になるかもしれませんが、
ミネラルの補給という面では薄味が理想です。
そして、普段から薄味になれている人は素材の味に敏感になります。
色からも分かる野菜のミネラル。野菜の酸性とアルカリ性を見分ける方法
ナスやブルーベリーなどの含まれるアントシアニンの色はpHでも変わります。
アントシアニンは酸性になるにつれて赤い発色が鮮やかになり、
アルカリ性になると暗い黄緑色になっていきます。
主に酸性を示すミネラルは、
- 塩素
- リン
- 硫黄
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
これらのミネラルのが、世間で言われる酸性食品やアルカリ性食品の根拠となります。
酸性食品に多いのは肉や魚、卵、穀類になり塩素やリン、硫黄が多いと言えます。
アルカリ性食品には野菜や海藻、果物、キノコ類が分類されナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムが多いと言えます。
基本的に色が鮮やかなほうがミネラルは豊富に含まれており、
食品によって含まれているミネラルには差が出ます。
色の薄い野菜はそれだけでミネラルが少なく期待しているような栄養はとれません。
肉や魚、穀類ばかりに偏った食事だと酸性のミネラルが過剰になりやすく、
身体の水分代謝が悪くなりやすくなります。
野菜に多い、アルカリ性のミネラルが不足していると、循環器系の疾患にかかりやすく、
心疾患や脳疾患の危険が増すという報告もあります。
そして近年、危惧されているのは土中のミネラルの低下です。
普通に作られてスーパーなどで販売される、
野菜のミネラルが減っていると言われます。
ミネラルの基礎知識
人間の体に必要とされている必須ミネラル16種あり、1日あたりの必要所要量が100mg以上のものを主要ミネラルと言い、
カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、硫黄、塩素の7種類とされています。
基本的に人間の味覚は必要とするものや毒を見分けるために味を感じます。
そのため、野菜の多くは必須ミネラルの含有量でも変わります。
残りの亜鉛、鉄、銅、クロム、セレン、フッ素、マンガン、モリブデン、ヨウ素の9種類は、
微量ミネラルと呼ばれ、必要ではありますが多くはいらないものですね。
植物が生育するために土から吸収しなければならない元素は14種ありますが、
金属イオンと色素分子の組み合わせによって多彩な色になります。
色素分子と金属イオンとの色調は酸性かアルカリ性(pH)によっても大きく影響されます。
そのため土地や気候によっても野菜の色や味には変化が出ます。
暑い地域で出来る野菜には酸味があり水分の含有量が多いものが目立つのに対し、
寒い地域では甘味があり糖質が多いものが目立ちます。
もちろん、季節にも左右されます。
夏にトマトやパイナップルのように酸味のある野菜や果物が目立ち、
冬には、甘味のある根菜類があるのは植物が気候に適応するために身体に蓄えている成分です。
だから、旬のものを食べるというのは気候に適したミネラルを補給するのに適しているのです。
身体が必要としているミネラルは必要なときはおいしく感じますが、
不要なときはおいしく感じません。
汗をかいた後のスポーツドリンクは、おいしく感じても、不要な時はおいしく感じないのはこのためです。
飲みやすい水は栄養も少ない!?
味とミネラルの関係
先ほども触れたとおり、
味が美味しいからといってミネラルが含まれれているとは限りません。
下記をご覧ください。
Si濃度やCa濃度が低いグループには,地表水が多く,味の評価の高いものが多く含まれていた。
水道水のミネラル成分および物性によるグループ化と味の評価に関与する要因の抽出
池 晶子、他2名
これは飲みやすいと感じる水は、
ミネラルが少ないほうだという結論になったことを示します。
日本料理がおいしいと評判なのは、
日本の水はミネラルが少ない軟水のため素材の味を邪魔しないためだと言われます。
エビアンやボルヴィックのような硬水が飲みづらく感じるのはミネラルが豊富なためです。
ミネラル豊富な野菜や果物を選ぶ方法。
栄養のあるものを食べるための方法。
では栄養価が高くミネラル豊富な食材を選ぶにはどうしたらいいのでしょう。
その1 旬の野菜を食べる。
牛の血中ミネラルの濃度の分析結果にそのヒントは隠されています。
牛の血液中ミネラル(Na,K,Cl,P,Mg ならびにCa)バランスについて季節による比較を行った.Na,P ならびにCa 濃度は季節の影響が認められた.
周年放牧肥育牛の血液中ミネラルバランスの 季節的変化と品種間比較
中村 好德、他2名
普段から同じ草を食べている牛の血中ミネラルの分析から分かったのは同じ草を食べていても、
季節によって摂取できるミネラル量に差が出ているという事です。
上記を見るとおり、血中ミネラルが優位に高かったのは、
草が生い茂る8月頃だったとのことです。
つまり、ここから分かるのは植物が最も生い茂る旬の時期の野菜を食べることが、
ミネラルを効率的に摂取するのに重要だという事です。
その2 加工された食品は少なくし、なるべく生の野菜を食べる。
そして、もう一つ重要なのは、生のままで食べるという事です。
カリウムは野菜や果物などに多く含まれているが、加工や精製度が進むにつれて含量は減少する。
厚生労働省
野菜や果物は加工されるにしたがってミネラル分が減少するので生のまま食べるのがベストです。
もちろん、生で食べられるものばかりではありませんが、
可能なら生の状態で食べるのが最もミネラルの流出は少ないと言えます。
その3 味が濃くて、色鮮やかなものを選ぶ
さらにミネラルの含有量が最も高いものは、
- 旬の時期
- 色が鮮やか
- 味が濃い
などの条件を揃えていることになります。
IN YOUの読者からすると「当たり前」のことが多かったかもしれませんが、
栄養たっぷりの野菜は一概に美味しい、というわけではないのは少し、意外だったのではないでしょうか?
不自然に甘いだけの野菜や果物など、
品種改良をされて利益のために開発される不自然な野菜も、最近では、増えています。
そして、そういったものを「美味しい」と思う人が増えているのは、
ある意味、現代人の味覚がおかしくなってきているからなのかもしれません。
しかし、甘いだけの野菜が、体にいいとは限らないのです。
本当に体に良い、ミネラルたっぷりのお野菜の味が、「美味しい」と感じられるようになるといいですね。
まとめ
ミネラルが豊富な野菜や果物は現代人が思うおいしいと思う感覚と一致するとは限りません。素材の味をしっかりと味わえば必要としているミネラルを含んでいればおいしいと感じられます。
そして、植物の色はミネラルの含有量に左右されるので、
色が鮮やかなものを選ぶとミネラルを効率的に摂取できます。
基本的には、野菜でも果物でも旬の時期にミネラルを最大限に貯め込んでいるので、
旬のものを選んで食べると良いですね。
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