ラズベリーリーフティー、研究中の効果を徹底解剖！産後・安産、はたまたがん治療の期待の星としても注目される魅惑の植物の正体とは。

 

甘酸っぱいラズベリーの実はたくさんの栄養があり、ヨーグルトに混ぜたりジュースにしたりスイーツ作りに使ったりと、色々な使い方ができるおいしいフルーツです。
実はラズベリーは実だけではなくて葉も自然療法のお茶としても飲むことができます。
ラズベリーの葉のお茶はラズベリーリーフティーと呼ばれ、「女性のハーブ」として昔から西洋では好まれていました。

ラズベリーリーフティー

私は子宮筋腫ができやすく、手術で2度摘出しましたがまたできつつあります。2度めの手術では開腹手術で約60個も摘出し、大変な思いをしました。
もう手術はしたくないので、何か子宮筋腫によさそうなものはないかと探しているときにラズベリーリーフティーを見つけました。子宮の調子を整えるハーブティーとして知られているようです。
子宮筋腫に効果があるというよりもラズベリーリーフティーは安産のハーブとして知られており、私自身も妊娠中飲んでいました。

オーストラリアでは妊娠した友人にあげるプレゼントとしても人気なハーブティーです。
最近の研究ではがん細胞に対する効果も研究されています。
今回はそんな独特の健康期待効果を持つラズベリーリーフティーを紹介します。
（ここで紹介するラズベリーの葉とはRed raspberry leavesのことです。）

ラズベリーの実と葉

ラズベリーはヨーロッパやアジアが原産の甘くて栄養のあるベリーです。
何百年も前からラズベリーの葉はさまざまな健康維持のためや妊婦の陣痛を促進するために使われてきました。
その他にも、実はラズベリーの葉はたくさんの栄養と抗酸化物質を含んでいます。

ラズベリーリーフにはビタミンB,Cさらにカリウム、マグネシウム、亜鉛、リン、鉄などたくさんのミネラルが含まれています。
しかしラズベリーの葉に含まれる栄養素で一番の注目点は抗酸化物質かもしれません。

ラズベリーリーフティーの健康期待効果

老化を防ぐ？抗酸化物質

ラズベリーリーフには抗酸化作用のあるタンニンとフラボノイドが含まれており、細胞をダメージから守ってくれる効果が期待できます。
抗酸化作用といえば体を老化から守る、アンチエイジング効果でよく知られており健康維持には欠かせない要素といわれています。

がん防止や治療に？エラグ酸

ラズベリーの葉には少量ですがエラグ酸が含まれています。
エラグ酸は発がん物質を中和し、さらになんとがん細胞を自己破壊させる効果で非常に注目されている物質です。
抗がん物質が含まれている食べ物は少なくはないですが、エラグ酸のような効果を持つものは多くはありません。
エラグ酸を使ったがん治療は実用に向けて研究が進められており、がん治療にかなり役立つのではないかと大きく期待されています。

＜参考＞
・Experimental Evidence of the Antitumor, Antimetastatic and Antiangiogenic Activity of Ellagic Acid
・Determination of flavonoids, tannins and ellagic acid in leaves from Rubus L. species

女性のハーブ

ラズベリーリーフは妊娠中はもちろん全ての女性におすすめされています。
成熟した女性に月に1度やってくる生理。
生理中はもちろん、分泌されるホルモンのせいで生理の前にも不快な症状が出る人も少なくはありません。
ラズベリーリーフはこむら返り、吐き気や下痢など生理前の不快な症状（PMS)に軽減効果があったという研究結果があります。自然のものでPMSに効果が期待できるものはなかなかなく、とても貴重なハーブです。
ラズベリーリーフに含まれるfragarineという化合物は骨盤周辺の筋肉を引きしめ、こういった不快な症状に効くといわれています。

さらに女性は月経により鉄分が不足しやすいですよね。ラズベリーの葉には28g中3.3mgの鉄分が含まれており、これは女性の18歳から50歳の1日の鉄分摂取目安の約20％になります。

＜参考＞
・Berry Leaves: An Alternative Source of Bioactive Natural Products of Nutritional and Medicinal Value†
・Iron -Vitamins and minerals

妊娠と出産に

妊娠とラズベリーリーフティー

人類の長い歴史の中、ハーブティーは出産や妊娠の不快な症状を緩和するために使われてきました。
妊娠初期から飲めるハーブティーもありますが、ラズベリーリーフティーは妊娠中期から後期にかけて飲むことを推薦されています。
子宮を強化し、陣痛や出産の後の大量出血防止によいといわれているためです。

陣痛

お産が近づいてくると陣痛が始まります。
陣痛の痛みは、体に雷が落ちたようだった、腰をハンマーで叩かれているようだったなど、痛いと口に出すこともできないほどの痛みを体験する女性が多くいます。
陣痛から出産までの長さは個人差があり、1時間で終わる人もいれば丸一日苦しむ人もいます。
できることなら苦しい時間はなるべく短くしたいですよね。あまりにも長くかかると母子共に悪い影響を与える場合があります。

ウエストミード病院で行われた研究では、108人の女性の内、ラズベリーリーフを妊娠後期に飲んでいた女性のグループの方が陣痛から分娩の初期段階が始まるまでの時間が短かったという結果が出ています。
またその後オーストラリアのシドニーの病院で行われた研究では、192人の女性の内、ラズベリーリーフを妊娠後期に摂取した女性のグループの方が、分娩の第二段階が平均9.59分短かったということがわかりました。

たくさんの女性たちが、ラズベリーリーフティーは分娩の時間を短くしてくれたと話しています。
上にも出てきたラズベリーリーフティーに含まれるFragarineという化合物が、子宮の壁を含む骨盤周辺の筋肉の調子を整え引き締めるためだといわれています。

＜参考＞
Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor

出産に際しての合併症を減らす？

命をこの世に産み出す分娩には、医学が発達した現在でも危険がつきまといます。
ラズベリーリーフティーには分娩の際の合併症を軽減するというデータがあります。

ある研究では妊娠後期にラズベリーリーフティーを飲んだ妊娠中の女性は鉗子を使う必要性や、その他の介入が減り、出産前後の出産に際する痛みの軽減されたという結果が出ました。
さらに他の研究では、出産までの8週間ラズベリーリーフティーを飲んだ妊婦の方は、鉗子を使う必要なケースが11％減少したという結果が出ています。

＜参考＞
・Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor
・Raspberry leaf and its effect on labour: safety and efficacy

ラズベリーリーフティーの味

甘酸っぱいベリーの味がするのかと思いきや、ラズベリーリーフティーを飲んでもラズベリーの風味は全くしません。
薄い緑茶と烏龍茶の間くらいの味でしょうか。渋みはほとんどなく、クセのないあっさりとした味だと思います。

ラズベリーリーフティーの副作用

ラズベリーリーフティーはほとんどの人にとって安全なものですが、下記のような副作用を感じる場合もあります。

・下痢
人によっては、ラズベリーリーフティーを飲むとお腹がゆるくなる場合があります。

・尿が近くなる
ラズベリーリーフティーには軽度の利尿作用があり、尿の量が増える可能性があります。

妊娠中にラズベリーリーフティーを飲むタイミング

妊娠中にラズベリーリーフティーを飲む場合は32週目からの服用が推奨されています。

用量

ラズベリーリーフのサプリメントの場合は1日2.4gまでが安全な量といわれています。
ハーブティーとして妊娠後期にラズベリーリーフティーを飲む場合は、1日1〜3杯を目安に飲みましょう。
ただしもし妊娠初期にラズベリーリーフティーを飲む場合は1日1杯にしておきましょう。

自然のものとはいえ、どんなものでも自分の体の状態によっては100％安全というわけではなりません。健康に不安がある場合は服用を始める前に病院で相談しましょう。

ブルーベリーリーフティーとラズベリーリーフティー

同じベリーの仲間でブルーベリーがありますが、ブルーベリーの葉のお茶、ブルーベリーリーフティーもあります。

ブルーベリーといえばその紫色からもうかがえるように、たくさんの抗酸化物質が含まれていることで有名です。
ブルーベリーの葉にはなんとその31倍もの抗酸化物質が含まれているというレポートがJournal of Medicinal Foodに記されているようです。

この情報が書かれた記事には、この強力な抗酸化物質が不安定な分子の状態であるフリーラジカルが蓄積するのを軽減することで、乳がん、結腸がん、前立腺がん、子宮頸がん、肺がんを防止する効果が期待できるとも書かれています。
さらに免疫力を高めるといわれているビタミンCも豊富に含まれており、さらに神経細胞が退行変化することによるアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症などの神経変性疾患にも効果が期待できる可能性も示唆されています。

ブルーベリーの葉に含まれる没食子酸やクロロゲン酸による抗炎症作用も注目されています。
ブルーベリーリーフにはラズベリーリーフティーとはまた違ったたくさんの健康期待効果があるようです。農薬を使っていないオーガニックのものだとよりよいですよね。

＜参考＞
“20 Health Benefits of Blueberry Leaves”

女性のためのハーブティー、ラズベリーリーフティー

ハーブは医療の発達していないはるか昔から薬として使われてきました。
自然の植物を使うことで体に優しく健康効果が期待できるのは嬉しいですよね。
以前紹介いたローズマリーに続き、今回は「女性のハーブ」であるラズベリーの葉のお茶、ラズベリーリーフティーとたくさんの抗酸化物質を含むといわれるブルーベリーリーフティーについて紹介しました。
用量を守りながら、ぜひハーブティーを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

＜参考＞
・抗酸化物質について
・Red Raspberry
・Red Raspberry Leaf Tea: Pregnancy, Benefits and Side Effects


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