気軽にスーパーで購入しているその卵の質、考えたことはありますか?安全な卵の買い方・選び方
ナチュラルライフアドバイザーの工藤万季です。
前回はタンパク質の効率的な摂りかたについてお伝えしました。
結局プロテインは本当に効果があるの?一般的なプロテインの誤解とタンパク質の吸収率がいい食べ物ランキング
タンパク質の摂取法で効率の良い順番は
アミノ酸>全卵>肉>卵白>大豆>プロテイン
です。
食べ物の中でも、タンパク質を摂るときに最適と言える「卵」の食べ方について、今日はお話ししたいと思います。
その卵は本当に健康にいいのか?
スーパーの卵コーナーに足を運ぶと、今や本当に種類が豊富ですよね。
最近では栄養が豊富なことをアピールするために、ある栄養素が豊富だったり「通常の卵と比べて◯倍!」と書かれたパッケージを目にすることもあります。
しかし、含まれている栄養素が多ければ「健康に良い卵」と言えるのでしょうか?
IN YOUでは過去に卵についての記事を出しています。
日本に出回る安価な卵の実態。食べる価値の疑われる安価な卵の裏側と、安全な卵の選び方。
栄養素よりも大事なその卵の「質」
大事なのは、その卵の栄養素の数値ではありません。
卵の質を決めるのは表面的な栄養の多寡ではなく、その卵を産んだ鶏がどんな風に育てられたのか、ということです。その卵を産んだ「鶏」の育った環境は?
人間はストレスがかかると体内で活性酸素を生み出し、これが老化や生活習慣病の元になったりしますよね。人間と同じく、もちろん鶏もストレスがかかると身体に悪影響が出ます。
また、人間は食べるもので身体の状態が変わりますが、同じく鶏も食べるもので状態が変わります。
日本の養鶏場の実態
一般的に飼育されている鶏の多くは、身動きもとれない狭いケージの中で、遺伝子組み換え農産物などのエサを与えられて育ちます。早めに成長するよう場合によっては薬剤をを投与されるケースもあり、自分の体重が支えられず、骨折することもしばしば。
不自然なスタイルで育つことによって自分の心臓が追いつかず、途中で死んでしまうこともあるといいます。
日本で飼育されている鶏の約22%は病気にかかっていると言われています。
とても売り物に出来ない部分は廃棄されますが、見た目が大丈夫であれば部分的に売られます。
そのような形で出回っている鶏の数は約350万羽。
そもそも売り物にならない状態の鶏は約240万羽にのぼります。
それほどの劣悪な環境で育つ日本の鶏。
そのような鶏からを生まれた卵を食べる私たちの身体には、その結果どんなものが入ってくるのでしょうか。
色が濃ければ高級で美味しい?
また最近は「黄身の色が濃ければ濃いほど美味しい」「殻の色が濃い卵が高級」と言われることもありますが、
卵の黄味や殻の色はエサで変えることができます。
ですからそういった卵は、見た目をよくするために鶏のエサに着色料を混ぜているような場合もあリます。
そういう理由もあり、わたしは平飼いの卵の中でも黄味の色が薄いものを選んでいます。
卵に含まれるオメガ3(プーファ)にご注意
そしてもう一つ注意していただきたいのが、「オメガ3が豊富」とうたう卵です。
卵にはもともとオメガ3(プーファ)が一定の割合で含まれていますが、さらに鶏に与えるエサなどでこのオメガ3の量を増やした卵が最近は見られるようになりました。
プーファは「多価不飽和脂肪酸」ともいい、これが体内でエネルギーとして燃えて出回ると、
発がん性のある猛毒アルデヒドを発生させます。
アルデヒドは人間のエネルギー代謝を破壊するなどの悪さもします。
オメガ3の大ブームでこれらの点は一般ではあまり注目されていませんが、危険性も指摘されているということを知っていただいた上で、
あえてオメガ3が豊富な卵を選ぶ必要はないということをお伝えしておきたいです。
オメガ3の危険性についてはこの記事について詳しく書きましたのでご覧ください。
ブームの中で語られなかった「オメガ3の事実」。良かれと思って買っているあなたへ。亜麻仁油、えごま油を避けた方がいい理由
参考書籍
「プーファ」フリーであなたはよみがえる! 生命場を歪ませるアルデヒド
一体どんな卵を選べばいいの?
では、一体どんな卵を選べばいいのかということをお話しします。
「平飼いの卵」の選び方
わたしが卵を選ぶ際に気をつけている重要なポイントは、「平飼い」の鶏が産んだものかどうか、です。市場に流通している大量生産の卵の多くは、柵にギュウギュウに押し込められて自由に身動きできない状態の鶏から産まれた卵。
対して平飼いの卵は、自由に動き回れる状態で育ったストレスの少ない鶏が産んだものです。
卵を食べるのであればかならず平飼いを選ぶことが重要です。
ですが、たとえ「平飼い」と表示されていても、その飼育法は実は様々で事業者に委ねられています。
平飼いには鶏舎内か屋外で鶏が自由に地面を運動できるように飼育、と規定がありますが、それ以上の表示規定はありません。
ヨーロッパでは、飼育密度が「9羽/平米」という規定がありますが、日本には平飼いの飼育密度の規定がありません。
過密なら、ケージ飼いでも平飼いでもストレス度は大して変わらないと言えるでしょう。
同じ平飼いの卵でも、できれば飼育密度を確認できればそれが一番です。
卵の組成を知ると食べ方がわかる
白身には毒性もある・・?
以前の記事にて
玄米や豆類を食べる場合には浸水し、発芽さらに発酵させて食べるのがおすすめとお伝えしました。
玄米や豆類は元々が「種」としてできているものであり、子孫を残すことが目的です。
そしてその目的を果たすため、もし動物に食べられても消化されてしまわないように、便と一緒になるべくそのままの形で出てこられるようにできているのです。
体内に消化・吸収されないように、消化が悪くできており、吸収を阻害する物質もバリアとして持っています。
卵もその全体が「種」です。
黄身の部分はこれからヒヨコになる部分。
その部分を守ろうとする働きが白身にはあります。
つまり、白身の方にはそのぶん毒性もあるということです。
卵の黄身と白身も、生き抜いて子孫を次につなぐための形になっているのです。
卵のオススメの食べ方
では、卵はどうやって食べるのがいいのでしょうか。
皆さんは卵をどんな状態で食べるのが好きですか。
生?半熟?それともよく熱を通した固い状態の卵でしょうか。
わたしがおすすめするのは、半熟卵やポーチドエッグのように白身は火が通っていて、黄身は半熟の状態で食べる方法です。
そのまま食べてしまうと毒性のある白身には火を通し、栄養のある黄身は生に近い状態で食べることでビタミンの損失を防ぐこともできる食べ方です。
目玉焼きを半熟にして食べるのも好きですし、スープに卵を入れる時には黄身と白身を分けて最初に白身だけ火を通し、後から卵黄を入れたりしています。
とはいえ美味しいのでスクランブルエッグなどを食べることもあります。
また、煮卵を作ってお味噌につけておくのもおすすめの食べ方です。
発酵食品に卵をつけておくと、タンパク質が分解されます。
これは食べる前に消化のプロセスが進むということなので、消化・吸収しやすくなります。
身体は消化・吸収の作業にものすごくエネルギーを使います。
ですかた食べる前に少しでもこうした工夫をしておくと、その分エネルギーを使わずに済むのです。
納豆やお味噌といった発酵食品に見られる日本人の知恵を、卵を食べるときにもやってあげると良いでしょう。
買い物をする時は「リスク分散」の意識を持って
そして最後に、「リスク分散」の話をしたいと思います。
いつも同じお店から同じ卵を買うことはあまりお勧めできません。
たとえオーガニックや平飼いだとしても万が一良からぬ肥料などを使っている場合もありますし、
汚染されている餌を与えられている場合・・・など製造工程まで判断がつきにくいものがあります。
ぜひ3つほどお気に入りを見つけてリスク分散をしましょう。
「本当に安全」と言える食べ物を探すのが困難になっている現代、毎日同じものを食べ続けることはリスクになります。
同じところで育てられた鶏が産んだ卵だけを食べ続けていると、微量であってもそこに含まれている物質が身体にたまります。
その鶏がどんなエサを与えれられて育ったのかまでは、なかなか細かく知ることができませんよね。
ですから「リスクを分散する」という考え方をもって、買い物をするお店をいくつかもっておくことをお勧めします。
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