国産サプリも安全とは言えない!サプリメント後進国日本の現状と、予防でサプリを活用する海外サプリメント事情。
サプリメント、国産が安心というわけではない。
サプリメントは栄養を補助し、健康を増進するために飲むものです。だからこそ、飲むことによって、余計に体にとって悪影響を及ぼすものならば、むしろ摂らない方が体に良いのではないか?ということになりますね。
日本はサプリ後進国・・・
国産だったら大丈夫だろうと何となく漠然とした安心感というものがあるかもしれません。しかし実はサプリメントに関しては日本は後進国と言われています。
特に有効性の根拠と、安全性ついては規制が欧米に比べて厳しくないのが現状です。
食事から十分な栄養を補えていればサプリメントは不要でしょう。
しかし、例えば妊娠中では葉酸の摂取が勧められて病院で飲むように言われたり、病気の治療でカルシウムを摂るように言われたりすることもあります。
必要に迫られた時に、確かに食事だけでは何ともならない場合に頼りになるのがサプリメントです。安心で安全なものを選べる様に、私たちは何に気をつけて行けば良いのでしょうか?
過去のサプリメントについての事例
大手サプリメントメーカーの製品で、本来の主成分とは異なる成分が使われていたという、異物混入が起こり回収が起きた事例、ウコンの過剰摂取によって肝障害が起きたという報告などが日本でも報告されています。
これらはサプリメントは必ずしも安全とは限らないことを裏付けています。
実は、サプリメントは日本において、現在でもまだ規制が緩く、必ずしも安全ではない可能性をはらんでいるのです。
添加物や製造過程にも注意する必要がある
私たちは、サプリメントを選ぶ時に、主成分が何に効くのかということだけではなく、サプリメントの原料、添加物や製造ラインなどについての安全性についても十分に注意しなければいけません。
アメリカと日本ではサプリメントの存在感が違う
日本のGMPとアメリカのGMPは雲泥の差
GMPというのは、Good Manufacturing Practiceの略で、日本では「適正製造規範」と訳されます。
誰が作業しても、いつ作業しても、必ず同じ品質・高い品質の製品を作るために、行うべきこと東京都健康安全研究センター
日本において、医薬品製造では、GMP、GCPなど様々な法律に則った製造が義務付けられていて、安全性が担保されるように国から管理されています。
しかし、サプリメントあくまでも医薬品ではなく、食品の範疇にあり、医薬品ほどの規制は受けておらず、GMPに関して義務化されていません。
予防する意識が進むアメリカと、薬に頼りがちな日本
日本ではサプリメントはあくまでも食品の位置付けですが、アメリカではもっと医薬品に近い存在になっていて、病院で買えるドクターズサプリメントもあります。サプリメント大国であるアメリカでは、なんと現在では5万種類のサプリメントが販売されているともいわれています。
今やサプリメント市場は300億ドルも超えるというから驚きです。
アメリカがなぜサプリメント大国なのか、それはアメリカはみなさんもご存知かと思いますが、国民皆保険ではないことが関係しています。
病院に行くと保険に入っていなければ莫大な治療費がかかる国です。
国民の意識としては、病気になる前に予防するのが当たり前なのです。
日本のように、病院に行っても、普通は保険が適用されて払える程度の医療費しかかからないから、病気になってから薬を貰えばいいという考え方とは違いがみられます。
もちろん国民全員がそう考えている訳ではもちろんありませんが、日本ではまだ予防や、セルフメディケーションの意識が低いのが現状だと思われます。
アメリカにおけるサプリメントの規制は厳しくなっている
アメリカにはDSHEA(栄養補助食品健康教育法)と、CGMP(適正製造基準)があり、サプリメントの販売について厳しいルールが設けられています。DSHEAではサプリメントの定義は「ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸のいずれかを含み、通常の食事を補うことを目的とするあらゆる製品(タバコを除く)」とされ、効能効果の表示が合法化されています。
「効能はFDAに評価されていない」、「治療用ではない」ということもはっきりラベルに表記することが決められています。
今までは栄養補助食品だったサプリメントに「ニュートラスティカル」(中間的な自然成分)というカテゴリが設けられました。
食品でありながらも、効果を持ち、薬のような作用をもたらすものです。この承認を得るには人体に対する効果を示す根拠データなど信頼できるエビデンス(証拠)が必要になります。
日本ではまだ法規制が甘く、メーカーに有利な状態。
日本の薬事法では効能をうたえない
ところが、日本では薬規法(旧薬事法)ではサプリメントは食品であるため、はっきりとした効能効果をうたうことができません。
でも実際には、ダイエットにいい、美容にいい、膝にいい、便秘にいい・・
というように効果を暗示させるような宣伝文句が上手く使われていますよね。
また、商品によっては完全に旧薬事法的にアウトになるような、効能効果を書いてしまっているものも少なくありません。
これはサプリメントに限った話ではありませんが・・。
日本においては、GCPをきちんと遵守するかどうかは、企業の倫理観に任せられている部分が多く、国の監視、消費者団体からの監視などもアメリカほど厳しくないのが現状です。
生薬、漢方については日本が進んでいる
アメリカにおいては日本では薬として扱われている、漢方や生薬成分について実はサプリメントの範囲で扱われています。
漢方は優しいイメージがありますが、場合によっては、死亡に至る副作用を起こすこともあり、決して安全なものではありません。
その点、日本では市販薬など個人で買えるものもありますが、医薬品として管理されているという面ではアメリカよりも進んでいると言えるかもしれません。
オーガニックサプリメントは日本にほとんど無い
サプリをとるなら危険な添加物の含まれないオーガニックなものがいいですよね。しかし、日本ではオーガニックサプリメントというのはマイナーな存在です。
アメリカには、農務省の承認を得たUSDAオーガニック認証を得ているサプリメントが豊富に存在します。
アメリカには、日本でオーガニックが流行する前から、オーガニックのサプリメントあるそうです。農薬、化成肥料を使用していないオーガニック栽培で、殺虫剤、除草剤、重金属なども入っていない完全オーガニックという製品を選ぶことができます。
それに反して日本において「有機JAS」がついたサプリメントというのは、ほとんど見当たりませんよね?
薬局に行っても、成分と効果の部分ばかりが目につくパッケージの商品しかありません。
これは日本の認可制度にも問題があるのですが、
1、原料となる作物を育てる農家
2、原料から加工を行う加工会社
3、パッケージ詰めする会社
すべての過程において、有機JASに適合していなければならないので、原料は有機栽培だけれど、有機JASマークは付いていないという場合もあります。
もちろん、有機JASマークがないものは怪しいとは限らないのですが、消費者にとってのわかりやすい指標になるものなので、有機認定を受けたサプリメントがもっと広がって欲しいと思いますね。
サプリメント選びで気をつけたいこと
日本ではサプリメントについて、これなら大丈夫!と言える認証制度も無いことから、
自分が正しい目線を持って選ばなければなりません。サプリメントをもし買うならば、次のことに注目して選ぶことをおすすめします。
原料を確認すること
日本のメーカーのサプリメントの場合、主成分がどれなのかわからなくなるほど、さまざまな種類の添加物が使われていることも少なくありません。
まず、ラベルで原料を確認しましょう。JAS法(日本農林規格制度)により多いもの順でラベルに成分が記載されています。
また、成分が天然のものか、人工かどうかもチェックポイントです。
成分欄に、「ビタミンC」と書いてある場合は合成のものと判断できます。〇〇抽出物のように書いてあれば天然由来と言えるでしょう。
ただし、ビタミンCについて天然が合成に優って効果が高い訳ではなく、どちらも同様に体内で働くといわれています。合成だから全て悪とも言えないのです。
むしろ、天然由来を強くうたっている商品の中には、特に根拠がなく、天然由来だから良いと暗示して高く価格を設定している業者もありますから、安易に選んではいけません。
参考:国際オーソモレキュラー医学会ニュース
http://www.iv-therapy.jp/omns/news/5.html
加工方法を確認すること
ビタミンや酵素などを含むサプリメントの場合は、低温処理されたものかどうかも大切です。例えば、有機溶媒を使って高温抽出している場合には、熱に弱いビタミンは壊れていて、飲んでも効果が得られなくなってしまいます。
商品こそ少ないですが、コールドプロセス製法、低温処理製法など書いてあるかどうか確認しましょう。
医学的な根拠に基づいているか
サプリメントメーカーは都合の良いように、データを過大に見せていたり、根拠が乏しいのにあたかも効果があるかのように宣伝している場合があります。その成分が本当に医学的に根拠があるのかどうか、知ってから買うことが大事です。
サプリメント、健康食品についての国立健康栄養研究所のデータベースを活用する方法もあります。
参考:「 健康食品 」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv.html
結局は普段の食事が大事
ここまでサプリメントのお話をしてきましたが、IN YOUの読者の方々はサプリメントで栄養を取るよりも、普段の食事から栄養を摂ることの方が大事ということを既に分かっている方たちだと思います。
実際に、バイオフラボノイドなどの自然そのものの食品からでないと摂れない成分もあるのです。
ここまで、アメリカはサプリメント先進国という話をしてきましたが、アンチサプリメントの意見も出てきています。
心臓血管疾患やガン、認知症や言語記憶、心筋梗塞、いずれに対してもビタミンやミネラルなどのサプリメントは効果がなかった米ジョンズ・ホプキンス大の教授らの発表
健康になりたいのなら、効果のないサプリメントに浪費するのはやめ、果物や野菜、ナッツ類、豆類、低脂肪の乳製品などの食品を食べて運動すべきCBSニュース December 16, 2013
健康になりたいのなら、効果のないサプリメントに浪費するのはやめ、果物や野菜、ナッツ類、豆類、低脂肪の乳製品などの食品を食べて運動すべき
サプリメントに頼りすぎては元も子もない
サプリメントに頼りすぎて、食生活が崩れていては元も子もないわけです。
食べる前、飲む前に飲んでおけば、帳消しになるなんていうサプリメントは無いのです。
そもそも、それを飲んだ安心感で逆に食べすぎたり、飲みすぎる方が心配です。
毎日の食事が体を作っていくのであり、サプリメントはあくまでも補助なのを忘れてはいけません。
選択肢としては、海外のオーガニックのサプリメントを使うのもおすすめです。
ただし、海外のサプリメントは含有量が日本人には多すぎることもあるので気をつけてください。
サプリメントで体を壊すようなことはあってはならない。基本は食事。
サプリメントは品質を選んで。食事の補助として。
飲まなくてもそこそこ健康だったのに、サプリメントを飲んで逆に体を壊してしまうなんてことがあってはいけません。
サプリメントはそもそも依存するためのものではないのですから。
もしかしたら、疲れた時にあなたを助けるのはサプリメントではなく、少しの休養かもしれないし、炊きたてのお米、もしくは一粒の梅干しかもしれません。
でも、サプリメントは時に助けとなることもあります。
代替療法として使う方もいますし、体質や症状、状態によっては食事だけでなく、より即効性のあるサプリもつかったほうがベターなケースもあることは確かです。
妊娠中の葉酸補助や予防にもサプリメントが役に立つことがあるでしょう。
安全なサプリをしっかり知識を得たうえで、必要に応じて使うことをおすすめします。
サプリメントが必要かどうかを見極めた上で、自分の目で、安心できる成分と品質、そして確かな根拠があるかどうかを見極めて選んでいくようすることが大切ですね。
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