1年中スーパーに並ぶトマトの怪。それでもあなたは慣行農法の野菜を食べますか?
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IN YOU読者の皆さんの多くは、
意識してオーガニックの食材を取り入れていらっしゃることと思います。
では、なぜオーガニックの野菜を選んでいるのでしょうか?
農薬の害がないものを食べたいから。
有機のお野菜はおいしいから。
値段が高い=栄養価が高そう・体によさそうだから。
ライフスタイルとしてカッコイイ感じがするから。
いろいろあるでしょうね。
では、野菜の生命力が高いから、という理由の方はいらっしゃいますか?
健康的に育った野菜だから、という方は?
今回は、「自然農」という農業のあり方をご紹介するとともに、
その畑で育つ野菜たちの生命力から学んだ「真の健やかさ」について綴っていきます。
「植物はずっと自然の中で生きてきたのだ。
なぜ農業は自然を壊すところから始める必要があるのだろうか。
自然を大事にするところから始めるべきではなかったか。」
この言葉は、「自然農法」を唱えられた福岡正信さんが晩年の講演で語っておられたものです。
どういうことでしょうか。
あなたはなぜ、オーガニックの野菜を選んでいるのでしょうか?
植物は自然の中で育ちます。
道端の野草も、野菜と同じ植物です。耕したり肥料を施したりせずとも、野草はぐんぐん伸び、生き生きとしています。
それは夏の庭に刈っても刈っても草が伸びてくる姿からおなじみですね。
野草の世界には虫や動物、微生物たちもいます。
このように自然のなかで生まれた植物は
環境の中でうまく協調し命を全うしていきます。
野菜を育てる農業においてはなぜ、土を耕すことから始まるのでしょうか?
なぜ肥料をたくさん入れなければ育たないのでしょうか?
農薬を何度もまいて虫を殺し続けなければいけないのでしょうか?
まるでそうしなければ、とても野菜が育たないとでも言わんばかりです。
でもおかしいですよね。
野菜も植物であるはずなのに…。
自然農とは、「自然の営みを大事にする農」
自然農という言葉を初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんね。
私自身、初めは有機農業と何が違うのか知りませんでした。
しかし知れば知るほど、自然の営みを大切にしたその深い哲学に感動するものでした。
自然農はその特徴を「耕さない」「持ち込まない」「虫を敵としない」という
3つの言葉で説明することができます。
その言葉通り「耕さない=不耕起」、
「持ち込まない=無肥料」、
「虫を敵としない=無農薬・虫と共存」の農業のあり方です。
草を抜きません。
畑に生えてくる草は、放置するわけではなく「管理」し、野菜の成長を妨げない程度に刈ったりします。
草は必ずしも野菜にとって害ばかりあるわけではありません。
草の根が伸びて土を耕しふかふかにするだけでなく、
根には多くの微生物が生きて土の質をよくします。
肥料を使いません。
使うとしても米ぬかなどを必要に応じて使うくらいで、一般的に肥料を与えている農法と比較すれば無肥料といってよいほどの量です。
なぜそれで成り立つのか?
それは土を耕さず草を抜かないということは、
土の中の微生物や虫などによる自然の営みが豊かということであり、
全くの自然の力によって土壌が豊かであるということなのです。
それで肥料がなくても育つというわけなのですね。
農薬を使いません。
虫が害虫だという人もいますが、害虫だけでなく益虫もいることを忘れてはなりません。あらゆる生命がお互いに働きかけあって、自然界は成り立っているのです。
過去の命(枯れた草木、生物の死骸など)が豊かな土となって、
次世代の命を支えているわけで、
この命の循環こそ、自然農で一番大切なものといえるでしょう。
そして、この命豊かな土地で育った野菜たちは、病気になりにくく、虫による害も少ないのです。
人によって必要以上に手を加えられていないから、生命力が強い野菜ができるのです。
自然農の畑と慣行農業の畑を見比べてみる
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上に掲載した写真に写っているのは実際の自然農の畑です。
よく見かける畑と全然違いますね。
草の中に野菜が育っている感じです。
私はこの自然農の畑を初めて見たとき、
あまりに美しくて感動したのを覚えています。
蝶が舞い、バッタが跳びはねて、
野菜たちのまわりの草もかわいい花を咲かせていたりして、
自然の風景そのままのようで本当に美しく気持ちがいいのです。
実際の野菜は大きく育っているのかというと、ちゃんと育っているんです。
自然農で育つ野菜の特徴をまとめてみると、
・肥料を施した野菜と比べて育つスピードはゆっくりであることが多い。
・野菜のサイズはやや小ぶり。
・野菜本来の味わい・甘みがある。
・生命力が強いので虫の害を受けにくい。
そしてまさに健康美、キラキラとした輝きをもって野菜本来の姿で育った美しさがあります。
この畑を見たあとで慣行農業の畑を見たときに感じたのは、
草一本生えることも許されていない土地の味気なさ。
マルチやネットで厳重に守られ、人工的に与えられた肥料で育ち、虫は農薬で殺される。
短期間で大きく育ち、形は整い、虫食いがどこにもない工業製品のような野菜たち。
生産性を上げるためとはいえ、
自然農で育つ野菜の姿とあまりに違っていて驚きます。
健康な野菜というのはどういうものか
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太陽をたっぷり浴びて、生き生きした野菜。
農薬が必要ないくらい、病気を寄せつけない強さの野菜。
自らの生を全うするかのような自然な姿の野菜。
そんな野菜が食べられたら私たちもとても元気になれそうですね。
“You are what you eat(あなたはあなたが食べたものそのものだ)”という言葉があるように、
栄養のある食べ物ならなんでもよいというわけではなく、
その質、生育環境なども栄養価の一部であるはずです。
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自然農の野菜は購入できるのか?
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そんな魅力ある自然農野菜ですが、日本の農業全体からみると自然農農家さんはとても少ない存在です。
大量生産できる農法ではないために、
大きな流通経路で販売されることはまずなく、
直接農家さんと個人客が繋がって、野菜を購入することになります。
私自身、自然農農家さんから野菜を購入していますが、
天候や最近の異常気象などの影響を受けてその生産は実に不安定であることを知りました。
人為的にコントロールしないというのは当然そういうリスクがあります。
また、「端境期」といって野菜が収穫できない期間もあります。
そういう時期は乾物や豆などを送ってくださったり、販売休止になる季節もあります。
そんなの不便だし、頼りないと思われるでしょうか?
農薬なし、肥料なし、トラクターなどの機械なしなので、
コストが人件費くらいと言われる自然農ですが、
それでもこのご時世、その経営が安定するのは大変な道のりであることが想像できます。
顧客はそれを理解した上で、そんな不安定な経営リスクを持って、
自然で健康な野菜を作ることを選んで日々頑張ってくださっている農家さんに感謝したいものです。
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いつも手に入る便利とはどういうものなのか
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本来、年中トマトやキュウリやレタスが手に入ることはありません。
春は春の野菜、同じ野菜がしばらく続いたのち、
季節が移って夏の野菜が出てきたらしばらく夏の野菜が続く。
それが自然の営みであり、野菜の旬があるわけです。
野菜の旬とは本来、その土地でその時期に収穫できる野菜をいいます。
遠い地域から運ばれる別の土地の野菜は、
本当の旬を食べるということとは違うかもしれません。
しかし、いつでも欲しいものが手に入る便利さの中毒になっている日本人は、
欲しいと思えばどんなふうに育った野菜でも、遠く海外から輸入してでも手に入れます。
それは便利に見える反面、あらゆるコストをかけ、
それに伴ってくる防腐剤や農薬、遺伝子組み換え作物などのリスクも含めて、食べてしまうことになります。
それがいつか自分たちの身にどんな影響を与えるのか、想像すると怖いですね。
自然農野菜の姿から学ぶさまざまなこと
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ここまで自然農の事についてお伝えしてきましたが、
そのまま私たちの生き方についての話に聞こえてきませんか?
また、出産や子育てにも通ずることだと思います。
何を選び食べたいか?というのは、自分自身がどういう生き方をしたいか、ということ
本質を見失って安さや効率を重視したものが多くあふれる世の中において、
何を大切にしていくことがあなたらしいでしょうか。
何がいいか悪いかと決める前に、
まずは自分がどう生きたいかということを考えることが大切です。
その上で自分らしくいられるものを選ぶことができるのだと思います。
真の心と体の健やかさは、自然の流れに沿うものです。
あなたという生を全うすることに繋がる、自然の流れに沿った選択をする人が増えたら、
もっと自然環境も、食も、私たちの健康もよくなっていくのではと思います。
自然に育つスピードを大切に
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出産や子育てについてはどうでしょうか。
自然に自分の力で産まれようとしている赤ちゃん、
自分のペースで育っていこうとしている子どもたちを、
大人は待てているでしょうか。
化成肥料で短期間で形ばかり膨らませて大きくした野菜のように、
結果を急ぎすぎていないでしょうか。
「少しでも早くから」と大人が与える教育など、
子どもたちが育つ環境も昔のようにのんびりとしたものではなくなってきました。
自然農で育つ生命力豊かな野菜のように、
病気になりにくく元気に育っていって欲しいと願うなら、
大人は効率ばかり望まず、
子どもにとっての豊かな土壌といえるような遊び場を大切にして
自然のプロセスを見守る心の広さを持ちたいものです。
次世代の命を育む土壌
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過去の命が積み重なった層が豊かな土となり、次世代の命を育む自然農の畑。
人間社会も同じように過去の星のような数の人々の命が積み重なっての今です。
今の社会を作る大人の選択は、社会という土壌となり、
子どもたちはそこで育っていきます。
負の遺産を残すような戦争、原発問題など、
目先の利益だけに囚われずに、
未来の子どもたちにためにもっと豊かな土壌となれたらと思います。
人間はいろいろ複雑なのに、
あまりに美しく命が共存する自然農の畑のあり方は、
農業や有機野菜という枠を超えて私たちにさまざまなことを教えてくれる気がします。
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