本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
寿司「鮓職人 秦野よしき」
私たちは、日ごろ、自然なようで、不自然な食事をしていることが多い。
例えば、市販の加工食品。
たとえ、いくら無添加やORGANICというラベルが貼られていても、加工に加工を重ねられ、プラスティックの容器に詰められて、スーパーに長時間おかれている食品もある。なんだか違和感を覚えるし、体にいいとはあまり思えない。
加工の工程が複雑で、不自然であればあるほど、人工的であればあるほど、わたしたちの体にも負担がかかる。
オーガニックを通じていろいろなことを知るうち、「自然なものは、なにか?」
そうしたことを考える機会が多くなりました。
初めにお伝えしておくと、私は厳格なヴィーガンでは、ありません。
お肉や乳製品はほとんど食べないですが、ときどきお魚はいただきます。
中でもお寿司、という食べ物は、和食と呼ばれるものの中でも好きですし、とても奥深い食べ物だと思います。
寿司は究極の自然の食である
寿司は自然に近い食べ物である。
私たちの先祖が残してくださった優れた食文化に感謝をし、それを自然に近い形で、いただく。
そんなことを教えてくれたのが、麻布十番にある人気寿司店「鮓職人 秦野よしき」の秦野さんでした。
こちらのお店は、芸能人も御用達でリピーターもおおいのだそう。
以下は秦野さんの言葉
伝統的な食事である寿司は、知性があるものだと思っています。
まず、発酵食品の代表格である「お酢」を使っています。
酢を食べること自体とても体に良い。
素材のものを食べること自体が、とても自然ですよね。
塩でしめたり、焼いたり、煮たり。
日本食のいい要素がすべて「寿司」には入っているように思います。
いつから握るようになったんですか?
もともとあこがれている、というのはありましたね。母が家庭科の先生なので、その影響もあります。
病弱だったから粘土遊びが得意だったんです。
粘土細工で表彰されて笑
手先が器用な子供でした。
最初はまずケータリングから始めました。
当初お金もなかったので、限定20食とかでイベント等で握っていました。
土日も仕事に費やしていて休む暇はほとんどありません。
でもお寿司を食べてもらって「おいしい」「寿司職人ってかっこいい」と言われることが喜びだったんです。
使っているのは自然農法でつくられたこだわりのお米
僕が使っている寿司は自然農法のお米です。
熊本県の「おあしす米」というもので、寿司屋ではこれを使っているのはここだけです。
お客さまを通じてこのお米を知って。
実は、その当時は普通のお米を使っていました。
でも、食べたとき、ほかのお米と全然違うということに気が付きました。
味が違うんです全然。炊いたらわかるんですが。
そして何よりも僕の寿司によく合います。
むかしながらの製法でつくられた酢に昔ながらの米が合う。
そして本当においしいお米に出会って、お米はとても大事だと感じました。
正直良いお米は値段も、高いですよ。
でも、良いものを提供したいと思って、仕入れています。
魚のこだわり
天然のものを最大限使うようにしている。養殖の場合であってもその餌にもこだわる。
魚も最大限天然のものを仕入れています。
時期や場合によって養殖であるものも一部ありますが、
危険な餌を与える養殖魚ではなく、餌にもこだわり、
養殖を育てるために小さなエビをとってくるような、こだわりの仲買さんから買っています。
なぜイタリアンなどの要素を取り入れているのですか?
実はイタリアンの要素をあえて融合した、これには深い理由がありまして・・
単に斬新ではやりの創作料理を作りたいからやっているわけではないんです。
イタリアは日本の気候と似ている。
実はイタリアと日本の気候は似ているんです。イタリアにはまず四季がありますよね。
海に面していて魚介類がおいしいのもそうですし、日本と同じように四季にあわせた食文化というものがあります。
気温や海の位置、湿度・・
そうした環境が味を作り、その国の食文化をつくるんです。
ほかの国を見ても環境によって食べているものが全く違います。
国によって体質に合う食べ物が異なります。
日本もそうです。
日本人にあう食生活があり、欧米人と同じ食べ方をしていたらどうしたって調子が悪くなります。
もちろん昔から海外で生まれ育った方はべつですよ。
ほかにもイタリアとはいろんな共通点があるんですが、こうした背景から和食にイタリアンの技術を盛り込むことはごく自然なことだ、と感じています。
まさにマクロビオティックに通ずる身土不二を取り入れているということですね。
一貫一貫がパフォーマンス
フレンチの一皿が、お寿司の一貫。
何貫も同じ皿に盛られた「セット」で出てくる・・
僕は、お寿司は本来そういうものじゃないと思っています。
一つの魚に応じた、最高のおいしさというものがある。
切り方もシャリの量もひとつひとつ、全部違います。
だから、僕は一貫ずつシャリの量や加減も変えています。
それぞれの素材に最も合うものをお出ししていますから、一つ一つが集大成なんです。
フレンチの一皿が、お寿司の一貫。
一つ一つが作品であり、パフォーマンスだと思っています。
たとえば鯵だけで生きている漁師さんっているんですよ。
寿司をまとめて「セット」として捉えることは、そういう方へも失礼だと思います。
鮓職人秦野よしき ほかのすし屋と違う点
三つの「ファン」を大事にしている。
1つめのファン=Fun「面白味・遊び」のテイストを。
おいしいだけじゃ寿司屋じゃない
ここにきたら楽しかったと言われるような寿司屋でありたいと思っています。寿司が食べたい。じゃなくて「秦野さんとあいたいな」と思われるようになりたいです。
現に「会話」を楽しみに来てくださっている方が結構います。
僕もそのためにかた苦しい雰囲気を出さないように心がけています。
冗談も言いますし、「馬鹿ね」といわれたいです笑。
高級なお寿司屋もいいと思いますよ。
僕だってかつて高級店で働いていたことがあります。
そして、僕も堅苦しい雰囲気でやりたいと思った時期もありました。
でも、お客さんにも、そして僕自身も楽しむことが一番よいという結論に達しました。
その結果この二年半以上楽しいことしかないです。
2つめのファン=FAN 風を巻き起こしたい
寿司の文化を伝えムーブメントを起こす。
すし職人をもっと増やしたいと思っています。
僕のやっていることや僕の姿を通じて「すし職人になってみたい」と志す人が増えてほしい。
僕の将来の夢は寿司職人でした。
今でも小学生のなりたい夢ナンバーワンがすし職人になってほしいと本気で思っています。
確かに昔は忙しくて飲みに誘われても断ったりして、つらいと思ったこともありますよ。
でも続けたことで大切な「今」があります。
今は毎日お客様にも環境にもめぐまれ、一瞬一瞬が、本当に楽しい。
今では、周囲からも、「あの時頑張ってやってたらからだよね」と認められるようになりました。
3つめのファン=ファンを増やす。
応援してくれる人も増やしたいです。お客様のファンであり、お客様も自分のファンである、そんな関係性が理想ですよね。
そのためには、相手を理解しよう、という気持ちが大事だと思っています。
まずはお店の空間を楽しんでもらいたいですし、どういう出し方がいいのか、それも人それぞれ。
そういったことも考えるようにしています。
フラダンスの先生が踊りだすなんてことも以前ありました。(貸し切りの際)
でも、それくらいの反応が僕にとっても最高にうれしいですし、
その人それぞれの楽しみ方があってもいいんじゃないかなと思っています。
寿司職人のよいとことは、すぐの評価が得られるところ。
自分の作ったものが目の前で評価をもらえるものなんて寿司以外にあまりないですよ。相手の反応がすぐにわかる。
こんなに楽しいことはないと思います。
IN YOU読者限定プレゼント!「無農薬ガリエール」
無農薬のしょうがとはちみつでつくった自家製のジンジャエール「ガリエール」
無添加、無農薬でつくったこだわりの自家製ガリエールを来店されたIN YOU読者に特別プレゼントしてくれるそうです!
私も飲みましたが、お世辞抜きで毎日飲みたいほどおいしいと感動しました。
秦野さんのおいしいお寿司とも抜群にマッチします!
IN YOU読者へのメッセージ
いろいろ教えてください。
「こういう食べ物があるよ」とか「もっとこうしてみたらいいよ」とか、何かあればお店に来たら教えてください。
ぜひ聞いてみたいと思います。
筆者から一言
この世の中には何十種類もの調味料を混ぜあわせながら複雑な味を作る料理法も存在するでしょう。
でも、あらゆるジャンルにおいて「美味しさ」を究めた人たちに会うと必ず、彼らは使う素材にこだわっています。
いろんなものを入れて味をごまかすのはもとの素材が悪いからです。
中でも、素材がすべてといってもよいくらいこの上なく自然でシンプルなのが寿司という食べ物だと思います。
いろんなものを調合して作りこんだ味よりも、
作る工程、そして丁寧に施された下準備、食事を通じて四季を味わい、一瞬一瞬を楽しむ・・
これこそが究極の美食の姿なのではないか? そう感じさせられました。
素晴らしい食文化を築き上げてきた日本。
日本の一番の売りといってもよい、食文化。
私は日本の食事の技術は間違いなく、素晴らしいと思います。
ミシュランガイドの総責任者が「世界一の美食の町は東京で、二番目は京都、三番目はパリ」と言っているように。
日本の職人さんって本当に器用です。
仕事が丁寧で、こだわりも強い。
ヨーロッパのお寿司屋さんにいったことありますか?
以前ある国で一番人気のお寿司やさんに期待して行ってみたら50分以上待たされた挙句、舎利(しゃり)がぼろぼろお皿にこぼれた、ひどいものがでてきた。
でも店内は始終満席・・ 言葉が出ませんでした。
結局、ぼそぼそのお寿司を前に、それだけ食べて出てきました。
日本には、素晴らしい食文化はたくさんあります。
長い年月をかけてていねいにつくられた発酵食。
味噌、醤油、うめぼし、納豆・・ おいしいお米もそうです。
それらは、体を蘇らせるくらいのパワーを持っている。
おいしい調味料は海を越えたら、探すのも一苦労なのに。
先祖が作り上げてきたまたとない世界トップレベルのこの文化を、私も伝えていきたい、そう感じています。
今回のインタビューを通じてますますその思いは強くなりました。
鮓職人 秦野よしき
http://sushi-syoku.com/
東京都港区六本木5-11-25 3F
東京メトロ 大江戸線 麻布十番駅 7番出口より 徒歩3分
03-3475-4004
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