ここでも遅れが目立つ食料廃棄大国、日本。捨てるために大量生産?まだ食べられるのに破棄される食品の実態。あなたが今すぐできる対策とは。
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「おにぎり一個分」
なんの数値を表しているかご存じですか?
ひとりの日本人が一日に棄てている食べ物の量を表しています。それも、食べられるのに捨てている食べ物、いわゆるフードロスです。
日本のフードロスの発生量は世界でもトップクラス。
なんと、日本人ひとりあたりが毎日おにぎり一個分の食べ物を捨てており、日本全体では年間約632万トンのフードロスが発生しています。
もし、632万トンの食料があれば、食糧難に困っている人々を救えます。
なぜなら、国連は世界全体に食料援助として一年間に約320万トンを援助しており、これは日本のフードロスの約半量であるためです。
このように大量に食品を破棄しているにもかかわらず、この国は矛盾した行為を行なっています。
日本は食料自給率が約40%であり、食料の大部分を外国から輸入している。
食料の輸入をするということは、コストや労働力などのエネルギーがかかるということ。
かつ運搬などの際に温室効果ガスが排出されます。
コストが発生する上に環境負荷をかけているということですね。
にもかかわらず輸入しても廃棄するということは、こうしたエネルギーをも無駄にし、環境問題を悪化させているということなのです。
この国は24時間営業のコンビニやファミリーレストランなど、便利で安価なもので溢れる飽和状態になっています。
しかし、そんな便利な世の中に甘んじてか、軽はずみにものを捨てる個人や企業が多いのです。
なぜフードロスがいけないなのか。フードロスが環境に与える深刻な影響とデメリットとは
そもそもなぜフードロスがいけないのでしょうか。
まだピンときていない人も多いのでは?
環境に与える影響は他にもあります。
CO2排出の原因、これにより気候変動や環境悪化へ
フードロスによって、年間で約33億トンの炭素が排出されていると推定されています。大量に捨てるために大量に育てている!?農地の無駄使いと生態系への影響
フードロスになる食料を育てている農地面積は、世界中の農地面積の約30%に当たります。
つまり、全体の農地の約3割は、食べずに捨てるために食材を育てていることになります。
大量に育てるためには効率化が必要です。
効率化するために必要以上に活用する大量の有害な農薬や肥料。
そして農作物の単作や農地開拓によって、生物多様性を失うばかりか、私たちが食べている食品がどんどん汚染されていきます。
農薬による食品汚染は人々の、健康被害を招きます。
経済的損失
自然環境だけではなく、人間にとっても経済面で悪影響を受けています。
農産物のフードロスによって、7500億USドル分の経済損失を受けていると推定されています。
企業も大量に作ったものの、全く売れずに在庫を破棄するところはあとを絶ちません。
こうした捨てる行為がただただもったいないということだけではなく、
自然環境・人間社会にも負の影響をもたらすのです。
作り出すものに対して、責任をもって生産者は生産し、消費者は消費をすることが必要ですが、実態はそうではありません。
参考(世界の農林水産、食料のロス・廃棄が環境に与える影響
http://www.fao.org/3/b-i4659o.pdf)
フードロスはどの場面で発生するのか
いったいフードロスはどの場面で生じているのでしょうか。約半数は食品関連の企業から発生しています。
食品メーカーや小売店、レストランなどの飲食店が挙げられます。
それぞれ原因となっている要因の一例は以下になります。
食品メーカー:製造段階で印刷ミスなどによる規格外品
食品自体は可食であっても、ミスにより規格外品を生み出してしまうことがあります。飲食店:客の食べ残しや、仕込みをしたが提供できなかった料理
全ての料理を食べきれず残す消費者はよく見られますよね。また予約をキャンセルすることにより、お店側にとって想定外の廃棄が生まれてしまいます。
小売店:期限を越えたことで回収された商品
納品期限や販売期限や賞味期限といった期限が存在します。期限を越えた場合は廃棄になるのです。このルールについて詳しく見てみましょう。
ロスを生み出す「3分の1ルール」
食品業界には「3分の1ルール」と呼ばれる制度が存在し、フードロスの発生要因となっています。
まだまだ実際には、食べられる商品であっても、廃棄される現状があります。
廃棄されるまでには、4段階の流れが存在します。
それは、製造、納品期限、販売期限、賞味期限という流れです。
製品が製造された後、店舗に納品するまでに期限があり、さらに納品された商品は販売できる期限を設けられます。
更に安心して食べられる期間である賞味期限が設定されます。
ここで3分の1ルールとは、製造日から賞味期限までの期間を3等分し、それぞれの期間(製造日→納品期限、納品期限→販売期限、販売期限→賞味期限)に配分することで期限を設けるルールです。それぞれの段階で期限を超えた場合は廃棄しないといけなくなります。
つまり、正規に販売されている商品と全く変わりが無いにも関わらず、期限を越えたからいう理由で廃棄される商品が存在するのです。
フードロスはあらゆる要因から生み出されているため、ロスを減らすためにはあらゆる面からアプローチすることが大切です。
参考(政府広報オンライン、もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html)
残りの約半数が家庭から発生しています
家庭から約302万トンのフードロスが発生しています。
廃棄する理由としては順にこれらが挙げられます。
・鮮度が低下したり、腐敗やカビが発生したため
・賞味期限や消費期限を越えたため
・色やにおいから食べれないと判断したため
・食品が余ったため
参考(農林水産省「平成21年度食品ロス統計調査(世帯調査)」
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sokuhou/loss_setai_09/)
ロスの半数が身近な家庭から発生しているということは、フードロスは身近な問題であり、同時に身近に取り組める課題であるのです。
またフードロスを減らすことは、無駄なコストを削減することにも繋がるので、家計の負担も減らすことになります。
消費者である私たちに今すぐできること。今、明日の食卓を守るため、そして未来をよくするために何ができるのか?
では、具体的にできることを簡単にご紹介します。
・買いすぎずに使う分だけ買う
買いすぎることで、賞味期限を越えたり腐らせたりしてしまう原因になります。買いすぎないことは家計にも優しいのです。
・食べきれる量だけ作る
お家では食べれる量だけ作り、外食するときは食べられる量だけ注文しましょう。・賞味期限がいつまでかを確認する
賞味期限の早いものから食べるように心がけましょう。買い物の時には、商品棚の手前にある賞味期限の早い食材から手に取りましょう。
・作りすぎた料理を違う料理へと活用する。
料理が余ってしまったのであれば、新たな料理に作り変えましょう。余った料理を使い切るための知識として、消費者庁によるクックパッドへの「食材を無駄にしない」レシピ掲載もあるので、ぜひ活用してみてください。
参考(消費者庁のキッチン https://cookpad.com/kitchen/10421939)
消費者の私たちが意識することが大切
先進国で豊かに暮らす私たち日本人は食べられるのに食べ物を捨てている一方で、世界には空腹で病気になり苦しんでいる人々が大勢いるという現状があります。
さらには、海外輸入に頼っているにもかかわらず、捨てて食材としての価値を無駄にしている現状があります。
この現実を聞いて「どうでもいい」と思ってしまったのなら、どうか目を覚ましてください。
あなたの子供や大切な人が食べ物に困って悲しむ顔を見たくないと思うように、
同じ地球に住む人間として、あらゆる人が食べ物に困ることなく助け合いながら生活できる社会になったら・・・
とても、素敵だと思いませんか?
「私一人が行動を変えても仕方ない」と思ったあなた、そんなことはありません。
あなたの力が、必要です。
私たち日本人は、一人一人毎日当たり前に食べれていることは恵まれていることであると認識し、
今日、今そこで捨てている「もったいない」食材を減らすよう意識することが大切です。
フードロスを少しでも減らすために、あなたは今日から、そして明日から何をしますか?
私たちが身近にできることは、たくさんありますよ。
一人ひとりにできることから行動し、地球から「もったいない」を減らし、自然環境も人間社会も良くしていくことが大切です。
フードロスに貢献できる、エコなフードラップ
皆さんはどんな食品ラップを使いますか?市販使い捨てラップは環境を破壊する商品がほとんどです。
このラップはフードロスを防止するためにも優れた商品です。
加工食品や野菜やフルーツなどを保存するために使いましょう。
また、ビニールのラップとは違い、有害な物質も含まれないので安心ですし、繰り返し使えるのでゴミ自体も減らすことができます。
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