子育てで「ツボ」を活用、東洋医学でみる子どもの症状タイプ別の効果的な対処法とは?
東洋医学で診たタイプ別の診断
さて、今回は、お母さんが子育てのときに簡単に活用できる「ツボ」についてご紹介したいと思います。むかしから「お灸をすえる」という言葉もあるように、ツボは子育ての際にもとても身近なものでした。また、お灸をすえないまでも、指圧、マッサージをしてあげることは、そのツボの効能だけでなく親子のスキンシップにもなって、子どもに安心感を与える効果があります。
では、どんなツボが子どもの症状に効果があるのでしょうか。
そのために、まず子どもが今どんな状態なのか、東洋医学的な観点から診てあげましょう。
東洋医学では、古くから心身は、「気・血(けつ)・水(すい)」という三つのバランスが崩れることで様々な不調が生じると考えられてきました。
「気」は、生命のエネルギーのこと。元気、気力などの「気」です。神経機能を指すと言われます。「血」は、主に血液のことを指します。全身を巡って栄養を運びます。「水」は、血液以外の体液のこと。水分の代謝や免疫系などにかかわっています。
この3つが全身を巡り、バランスが保たれていることで、私たちの健康は維持できています。このうちのどれかが不足したり、巡りが悪くなると、身体に不調をきたすことになります。
この三要素のそれぞれの「不足」や「巡りの悪さ」が全体の織りなす調和のほころびとなって症状が出ると考えられ、それぞれ以下の6つのタイプに分かれます。
気虚(気の不足)
気滞(気の巡りが悪い)
血虚(血の不足)
瘀血(血の巡りが悪い)
陰虚(水の不足)
水滞(水の巡りが悪い)
*この気質は、日々の状態で変わったり二つ以上が複合的になっている場合もあります。
下のイラストは、鍼灸師の高橋みど里さんの『子育てをラクにする 魔法のツボ』に掲載されているもので、子どもの癖や心身の様子からどの気質傾向が強いかを見分ける際にとても参考になるので、お子さんの様子と見比べてみて下さい。
主な症状
疲労、倦怠感、物事に驚きやすい、動悸、息切れやめまい、一度にたくさん食べられない、胃下垂、軟便、下痢気味、風邪をひきやすい。
主な症状
イライラ、怒りっぽい、情緒不安定、不安感が強い、腹部膨満感、ため息をよくつく、のどのつまり。
主な症状
めまい、立ちくらみ、不眠、不安感、貧血、抜け毛、乾燥肌、爪がわれやすい。
主な症状
肩こりや頭痛、肌荒れ、シミやそばかす、顔色のくすみ。
主な症状
耳鳴り、寝汗、よく夢を見る、手足のほてり、喉のかわき、声が枯れる。
主な症状
鼻水や咳、下痢、むくみ、体の重だるさ、関節炎。
タイプ別の対処法
これは決して一つのタイプ、一つの気質だけに限られるわけではないので、だいたいこういう傾向にあるんだな、と大まかな目星や参考にしてみて下さい。東洋医学では舌やお腹など様々な身体的兆候からも診るので、判断が難しい場合は漢方の専門医や鍼灸師さんに相談してみましょう(全国の漢方専門医は日本東洋医学会のページから検索できます。また漢方のミドリ薬品さんもツイッターで生活に根ざした情報発信をしています)
次に、それぞれのタイプごとにツボや食事などの対処法を紹介していきたいと思います。
気虚(ききょ)
気虚タイプの症状の対処法気が不足している気虚タイプの子どもには、ゆったりとした生活、日々の余裕を大切にしてあげましょう。
ゆったりと言っても、ダラダラするということではなく、お昼寝なども盛り込みながらの早寝早起き、散歩など軽めの運動、ゆっくりお風呂に浸かるなどリラックスを心がけることが大切です。
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百会は、頭の神経を鎮めるツボです。この辺りを撫でるようにしながら優しく刺激してあげましょう。またへその下のあたりをさすったり温めてあげるのも効果的です。
食事
食事のリズムを大切にしましょう。胃腸に負担も少なく、体を温めるような食事として、具材に生姜やねぎ、きのこなどを入れた味噌汁がおすすめです。気滞(きたい)
気滞タイプの症状の対処法
本来はぐるぐると循環するはずの気が滞っているために、とにかくイライラしていることが多く、怒りっぽくなります。原因をしつこく尋ねても、まだ言葉が未成熟で自分の感情をうまく表現できないこともあって、余計に鬱屈が溜まってイライラが募ってしまいます。
そういう場合は、お風呂や腹式呼吸でリラックスするのもいいですが、反対に、外に出て適度に運動をしたり、親子で一緒にアウトドアを楽しむのもいいかもしれません。上手に「気晴らし」できる環境を用意してあげましょう。
効果的なツボ
太衝は、親指と人差し指の交わる点にあって、緊張性のイライラや頭痛などに効くツボです。また、へその真裏あたりをさすってあげるのも効果的です。
食事
ついストレスを発散させるために過食になりがち。我慢を強いるのも余計にストレスになるので、甘いもの依存症に気をつけて体によいお菓子をあげましょう。また、しそやパセリ、バジルといった香りのある野菜や、みかんやグレープフルーツなど柑橘系の果物も気滞のときにおすすめの食材です。血虚(けっきょ)
血虚タイプの症状の対処法
血は、酸素や栄養を運んで体内を循環します。この血(けつ)が足りないと、情緒不安定になったり、ぐっすりと睡眠がとれずに夢を見ることが多くなります。肌や髪がバサバサとなり、疲れやすくもなる。長時間の集中は向かないので短期集中で。目の酷使にも注意しましょう。
効果的なツボ
三陰交は、内くるぶしからその子の指4本分上の骨のきわのあたりになります。冷え性や生理痛など婦人科系の疾患のツボとして有名で、血の巡りを良くする効果があります。
食事
脂っこいものは避けて、「血」を補う、色の濃い食材、たとえば、ほうれん草やプルーン、レバー、黒ごま、黒豆、また豆腐や納豆などの植物性たんぱく質を食事に盛り込むようにしましょう。瘀血(おけつ)
瘀血タイプの症状の対処法
体内で血が溜まっていて血流が悪くなっている状態です。虫刺されやあざの跡が残りやすく、のぼせや目の下のクマ、顔色の悪さが目立ちます。ちょっと熱めのお湯や汗をかく程度の軽い運動で代謝をあげるようにしましょう。血流を良くしよう!身体を芯から温める入浴剤【重炭酸・精油・オート麦配合!】たっぷり大容量1~3ヶ月分!
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血海は、ひざのお皿の内側の端からお子さんの指三本分上がった場所にある、滞った血の巡りを良くするツボです。優しく押してあげましょう。
食事
生姜やにんにく、たまねぎ、トマトやなすなどをオリーブオイルをつかって炒めるなど温かくして食べるのがよいでしょう。サバやイワシといった青魚も血液をサラサラにしてくれる作用があります。陰虚(いんきょ)
陰虚タイプの対処法
体に必要な水分が足りなく、潤いが不足している状態で、舌や髪が乾燥しています。便秘がちだったり、寝汗をかいたりします。長湯や激しい運動は避けてこまめに水をとるようにしましょう。効果的なツボ
命門は、おへその真裏にあるツボで、東洋医学では生命の根源とも言われる「腎」に関連します。虚弱体質や下痢などにも効果があります。
食事
白菜やトマトなど水分の多い野菜をスープにしてとるようにしましょう。また梨やメロンのような自然の酸味と甘味が豊富な果物もおすすめです。水滞(すいたい)
水滞タイプの対処法
体内に水が溜まっていて、ぽっちゃりとしたりむくんだりするのが特徴。下痢気味で、乗り物酔いなども多く、湿度の高いときに体調を崩しがちです。水分のとりすぎに気をつけながら、有酸素運動や熱めのお風呂で汗をしっかりかくようにしましょう。効果的なツボ
陰陵泉(いんりょうせん)は、すねの内側の骨にある、体内の「水」を調節するツボです。水分を排出する作用があり、むくみや慢性的な下痢などに効果があります。
食事
利尿作用をうながす野菜、きゅうりやわかめなどがいいでしょう。水滞は冷えの問題もあるのでなるべく温めるように調理してあげて下さい。また特に下痢が続くようなら腹八分を心がけるようにしましょう。子育てでツボを活用するメリット
こうした様々な体の症状やスキンシップによる心のリラックスにつながる「ツボ」ですが、これ以外にも、二つの教育的な効果があると僕は思います。一つは、「自分のからだを自分でいたわる」ことを無意識のうちに学ぶことができる、ということ。
僕は、思春期の頃に、カウンセラーの先生に最初にツボのことを教わりました。僕の足を手にとって、「ここが胃と関係しているんだよ」と押してくれました。そして、「帰ったら家でもやってごらん」と言われ、自分でも習慣にするようになりました。
そのときのことが、その後、僕に、些細かもしれないけど「自分で変えられることがあるんだ」ということを教えてくれました。
この「ひらめき」は、将来にわたって子どもを守ってくれる大切なおまもりになるでしょう。
もう一つは、全体で考える習慣がつく、ということです。「胃が辛いときの対処法が、足裏にあるんだ」「体はつながっているんだ」と思える。そして、たとえば胃痛がしたとき、それは「胃」の問題だけでなく、「胃」の悲鳴というのはたまたま負担を全て背負って代弁しているにすぎない、と自然に考えられるようになります。
メジャーリーガーのイチロー選手が以前インタビューで語っていた印象的な言葉があります。
たとえば、「肩の力が入っているよお前、リラックスリラックス」って言われても、ここ(肩)だけやってもむりなんですよ。
これ、僕の感覚ですよ? 膝の力を抜かなきゃいけないんですよ。膝の力を抜けたら肩の力も抜けるんです。
そういうことを理解してるかどうかってものすごく大事ですよ。でも、目に見えた部分しか言えない、目をつけられない人が多いですよね、こちら(アメリカ)でも。そういうことを理解してるひとは、ほとんどいないように思えます。
出典 報道ステーション「稲葉×イチロー対談」
現代社会は、どうしても目に見えた「原因」ばかりを追いかけて袋小路にはまってしまう傾向にあります。
もしかしたら、それが問題の根幹とも言えるかもしれません。
そうしたこれからの社会で、全体を見る、遠くを見る、という感性はとても重要になってくるはずです。その感性を育む効果も、「ツボ」にはあると僕は思います。
ぜひ、子育てに、「ツボ」を活用してみて下さい。
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