生理痛、月経不順、子宮内膜症、子宮筋腫…。婦人科系の症状を引き起こす原因は骨盤の歪みにある!東洋医学で治す効果的なツボ、エクササイズとは。
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一昔前と比べて、生理痛や子宮内膜症、子宮筋腫といった、
婦人科系の症状で悩む女性は格段に増えています。
この背景には、初潮年齢の低下や晩婚化による高齢出産の増加が、
大きく関係していると言われていますが、
実際に女性の身体の中ではどのような変化が起きているのでしょうか。
当たり前ですが、身体の骨格や生殖器に何の問題もないのに、
これらの症状が現れることはありません。
そこには必ず、関節の歪みや組織の変性が生じています。
中でも、骨盤のズレは婦人科系疾患と非常に深い関わりがあり、
女性特有の症状で悩む方で、骨盤の問題がない人はいないと言っても、言い過ぎではありません。
現在何かしらの症状をお持ちの方は、まずは骨格の歪みを正すことが先決です。
整体院で整えてもらうのも一つの手段ですが、日頃から自分で身体をケアすることも大切です。
骨盤のズレを解消し、生殖器の血液循環を改善することが、
婦人科系のトラブルを解決する大きなカギとなるのです。
婦人科系の症状が生じるメカニズム
すべての疾患は血流の低下が関与する
婦人科系疾患に限らずすべての症状においていえることですが、身体のある部分の血液の流れが停滞すると、そこの細胞には十分な栄養や酸素が供給されないため、正常に機能することができません。
細胞が正常に働かなくなってしまうと、組織は硬くなり変性していきます。
これが、全身のあらゆる症状を招く一つの要因です。
子宮を構成する組織を例に挙げてみましょう。
健康な身体であれば、子宮は呼吸や歩行などに合わせてリズミカルに動いています。
この不随意的な子宮の運動によって、子宮内の循環が促され、
妊娠や出産という大切な機能を全うすることができるのです。
ところが、子宮周囲の血液循環が阻害されると、子宮の組織は硬くなって可動性を失ってしまいます。
これが、生理痛や月経不順など月経にまつわる症状を引き起こす一つの要因です。
また、子宮筋腫や子宮内膜症も根本的には血流のうっ滞が関与しています。
臓器は、動脈から酸素の豊富な血液が送られ、静脈から老廃物を含む血液が出ていくことで、
常に健康な状態を保っていますが、静脈を流れる血液が停滞し排液が滞ると老廃物が溜り、
筋腫や炎症が起こる要因となります。
よく
「血液をサラサラに」
「血流を良くすると健康になる」
というようなことが言われますが、
全身の血液を滞りなく循環させることが、すべての病気を防ぐことにつながるのです。
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生殖器と骨盤の関係
女性の生殖器である子宮や卵巣は、骨盤の中におさまっており、衝撃から守られるようにできています。いわば、骨盤は生殖器の「容れ物」として機能しているわけですが、
子宮や卵巣はただ単に骨盤内に位置しているわけではありません。
それぞれが筋膜や靭帯を介して強固に連結しています。
つまり、子宮に何らかの問題が起これば骨盤にもその影響が波及し、反対に、骨盤の問題は子宮に波及する、
ということです。
基本的には、「容れ物」である骨盤の方が外部からの衝撃を受けやすいため、
骨盤が原因となって子宮に影響を及ぼす可能性の方が高くなります。
例えば、転んで尻もちをついた場合、尾てい骨から骨盤に衝撃が波及し、
これが骨盤の歪みを生じさせるきっかけとなります。
そして、長年の月日を経て、骨盤の歪みによって骨盤内の血液循環が悪くなり、
子宮や卵巣に影響が生じる可能性は十分にあるということです。
骨盤の歪みは、「容れ物」の形が変わることと同じです。
容れ物の形が変化したら、中に入っているものはどうなるでしょうか。
柔らかいもの、弾力のあるものであれば、当然押しつぶされてしまいます。
臓器は基本的にある程度の柔らかさがありますから、これと同じことが起きてしまうのです。
子宮や卵巣は本来の可動性を失い、組織は硬くなっていきます。
結果として、さらに血流が悪くなるという悪循環に陥ってしまうでしょう。
また、生殖器を司る神経は、骨盤を構成する仙骨という骨の間を通って子宮や卵巣に供給しています。
したがって、骨盤のズレによってこれらの神経の機能が低下すると、生殖器系の臓器にも影響が生じます。
生殖器と骨盤の間には密接な関係があり、それらを切り離して考えることはできません。
もしも婦人科系の症状で悩んでいるならば、薬や注射による治療を行う前に、
まずは骨盤の歪みやズレを解消することが大切です。
参考「骨盤矯正情報館」URL:http://kotsubankyousei.org/symptoms/02.html
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女性特有の症状に効果的なセルフケア
ツボ押し
東洋医学では、エネルギー(気)の通り道を経絡といい、経絡上にある主要なスポットをツボといいます。
つまり、ツボというのはエネルギーが集約する場所であり、
その部分のエネルギーが停滞していると関連する器官が影響を受けることになります。
「エネルギーといわれても、実態が無いし、よくわからない…」
という方もいるかもしれませんが、解剖学的にみてみるとツボは神経や血管が集まっている部分と一致します。
脈管が集中しているところは体液の循環が停滞しやすいポイントでもあるので、
臨床的にも重要な部位といえます。
また、西洋医学ではトリガーポイント(圧痛点)という概念があり、整形外科やペインクリニックでは、
筋肉を緩めるためにその部分に注射を打つことがありますが、
このトリガーポイントとツボの場所は、ほぼ一致するといわれています。
ツボというと「科学的根拠がない」「怪しい」と思う方も多いようですが、
人体の構造的にも非常に意義のあるポイントなのです。
ツボは、全身に300ヶ所以上あるといわれていますが、
ここでは特に女性の症状に有効とされるツボを紹介したいと思います。
・三陰交(さんいんこう)
「女性ホルモンのツボ」といわれるほど、冷えやむくみ、
生理痛、更年期障害といった女性特有の症状と深い関連があります。
場所は、内くるぶしから4横指上の骨の際。
婦人科系の症状がある方は押すと痛みがあることが多いです。
左右の母指を重ねて、呼吸をしながら吐く息に合わせて3秒間押します。
これを10回繰り返し、終わったら反対側も同じように押していきます。
・血海(けっかい)
生理痛、月経不順に効果的なツボです。
膝蓋骨の内側、上端から3横指上にありますが、生理痛が強い方は左側に圧痛やしこりがある場合が多いです。
症状が重たい方であれば股関節までひびくような痛みがあるかもしれません。
三陰交と同様に、左右の母指で呼吸に合わせて押していきましょう。
ツボ押しにおける注意点は、強く押しすぎないことです。
「気持ちがいいと思える強さ」で最も効果が得られるため、
痛みの度合いによって押す強さを調整してください。
骨盤エクササイズ(骨盤底筋トレーニング)
骨盤底筋はその名の通り、骨盤の底辺に位置する筋肉であり、子宮や卵巣、膀胱、直腸といった骨盤内臓器を下から支える働きをします。
ハンモックのように骨盤から吊るされるような形をしており、
この筋肉がしっかり機能することで骨盤は安定します。
反対に、骨盤底筋の働きが不十分だと、骨盤の歪みやズレにつながり、
骨盤内の血液循環にも影響が生じることになります。
また、産後や加齢による尿漏れもこの骨盤底が原因とされています。
骨盤底筋を鍛えるトレーニングをすることで、月経に関するトラブルや腰痛を未然に防ぐことができます。
・呼吸を使ったエクササイズ
椅子に座った状態で、両手は左右のウエスト部分にあてます。
深呼吸をしながら、吐く息にあわせてお腹をへこませます。
同時に、肛門を閉じるように(またはおしっこを止めるように)意識します。
呼吸は、鼻から吸って口から吐きましょう。
これを3分間行います。
・骨盤の動きを伴うエクササイズ
椅子に座った状態で、両手は左右のウエスト部分にあてます。
背中を猫背にするようにゆっくり丸めます。
このとき、背中だけを動かすのではなく、骨盤が後ろに傾くように動くのを感じてください。
元の姿勢に戻ったら、今度は反対に背中を反らします。
このときも、背中だけでなく骨盤が前方に傾くように動かします。
この運動では、背中と骨盤が連動して動くことが大切です。
どちらか一方の運動にならないように意識しましょう。
一日10回×3セットを目安に行います。
まとめ
婦人科系の症状がある場合、まずは婦人科の病院を受診するという方は多いかもしれません。
しかし、そこでの治療法は薬やホルモン注射といった対症療法にすぎません。
漢方薬を処方する病院も増えていますが、漢方薬だから安全というわけではなく、
薬である以上、副作用はありますし、「その薬がないと機能しない身体」になってしまう可能性もあります。
また、子宮筋腫や子宮内膜症では、進行度や状況によっては手術を勧められることもありますが、
手術はあくまで最終手段と考えてください。
身体にメスを入れることは、長期的な視点で考えた時にデメリットもあります。
自然な形で治癒することが一番望ましいのは、言うまでもありません。
今回紹介したツボ押しや骨盤底筋のエクササイズは、誰でも自宅で簡単にできる運動です。
すぐに目に見える効果が現れるものではありませんが、毎日継続することで、必ず身体に変化が出てきます。
どのような症状も、日々の積み重ねが要因となって起こりますが、
反対に、日々のセルフケアによって症状が改善するケースも多々あります。
根気よく続けることが、健康を取り戻す一番の近道なのです。
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