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クローゼットの虫除けに。安心な天然の衣類 防虫剤を作ろう!くすのきで作る『防虫プレート&リング&サシェ』の作り方。

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衣替えの季節です。


学校や官公庁では、一気に夏らしい装いになる日です。
学生の頃は、なぜ日が決められているのだろうと疑問に思ったものですが、実は宮中行事としての古い歴史があるそうなのです。

1 衣替えの由来と歴史 

衣替えは、平安時代(794年~1185年)に大陸から伝わり、宮中の行事として定着しました。
旧暦4月1日と10月1日に、夏装束と冬装束の移行が行われ、初期のころは下着で調節し、のちに、着物の生地や仕立てに変化が加えられるようになったそう。
江戸時代(1603年~1868年)には幕府により、旧暦4月1日から袷(あわせ:裏地つき)、旧暦5月5日から単衣(ひとえ:裏地なし)、旧暦9月1日から袷(あわせ)と定められました。

明治時代(1868年~1912年)になると、役人・軍人・警察官の制服に洋服が採用され、明治6年(1873年)に太陽暦が採用された折に、
6月1日から夏服、10月1日から冬服と定められたのでした。着物も、旧暦の頃のルールに準じて、6月1日からは単衣(ひとえ)、7月1日から薄物(うすもの)、9月1日から単衣、10月1日から翌年5月31日が袷(あわせ)と決められています。

2 大切なクローゼットの中の衣類を虫から、守りたい!

天然素材の方が虫に食われやすい・・!

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 さて、衣替えで半年ぶりにタンスやクローゼットの奥を開けてみると、大切な服に穴が!なんていう経験はありませんか?


それは、イガ、コイガ、カツオブシムシなどの幼虫が食べた跡です。
彼らにとって、おいしい食料になるのは「化学繊維」ではなく、毛や絹など「天然素材」のもの。

まれに、食べかすの残っている場合は、化学繊維もいっしょにかじられてしまうようですが、
哀しいことに、基本的には上質な天然ものほど穴が開いてしまうのです。

 生地の種類や穴の場所によっては、縫い目の方向に、目を拾いながら縫うことで埋める技もありますが、虫食いは避けたいですよね。
 そこで古来より用いられてきたのが、衣類用虫よけ剤です。

どんな防虫剤を使っていますか? その、市販防虫剤は危険な「化学物質」からできている可能性大。


天然の防虫剤として、長く衣装ダンスに入れられてきたものの中に樟脳があります。

しかし、これも他のものと同様、大量生産可能な化学製品に押され、現在は製造元もわずか。

現在主流の防虫剤に使われているのは、「ナフタリン」、「パラジクロルベンゼン」、「ピレスロイド系」の3つ。


「ナフタリン」:急性毒性防虫剤。直接触れると皮膚の腫れや炎症の恐れ。赤血球への悪影響が指摘されている。
「パラジクロルベンゼン」:有機塩素系防虫剤。頭痛、めまい、粘膜への刺激。EPA(アメリカ環境保護庁)が発がん性ありと報告。
「ピレスロイド」:神経毒性防虫剤。除虫菊の天然防虫成分ピレトリンを模した合成化合物。昆虫など冷血動物にしか効かないピレトリンに対し、「ピレスロイド」は、哺乳類のような温血動物も含め、すべての生物に影響を与える。

(「被服の保存・防虫に関する歴史的考察」奈良女子大学相川佳予子氏/「薩摩藩と樟脳」松尾和彦氏等) 


 

香り成分は、鼻の粘膜から血管に入り、身体をめぐったのちに排出されます。
特に子どもたちの体内をめぐるものは、より安心なものにしたいですね。

 

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3 クスノキの伝説と驚きの利用法

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天然の防虫剤として使われる、その一つがくすのき。

 「クスノキ」と聞いてピンとこない方も、「神社によくある木」と聞けば分かる方も多いのではないでしょうか。

神様の宿る依代(よりしろ)として、大木が祀(まつ)られている神社も全国にたくさんあります。
旅行先で地域の神社をお詣りしたい時には、クスノキのこんもりとした森を探せば、たいてい見つかります。

 『日本書紀』には、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が、船を作る材料にと、彼の眉毛からクスノキを生みだしたという場面があります。
実際に、腐敗や虫に強く耐水性も高いので、船の材料だけでなく、海中に立つ厳島(いつくしま)神社の鳥居、仏像などに重宝されてきました。

 また、クスノキといえば、香りが特徴的です。

先日、バーベキューの途中で、清涼感強い香りがぱっと広がったので、
聞いてみると、娘がクスノキを網の端に乗せたとのこと。見れば、直径3㎝、厚さ2cmくらいのほんの小さなかけらです。
あらためて、クスノキの香りの強さを感じました。

この香り豊かな葉や枝を、水蒸気蒸留し、結晶化させたのが「樟脳(しょうのう)」です。血行促進、鎮痛などの作用があり、
古くから薬として利用されてきました。強心剤として有名な「カンフル」は、オランダ語でまさに「樟脳」という意味です。
そして、防虫剤としても、長く利用されてきました。

ちなみに、江戸時代の鎖国政策(1639年~1854年)の間、出島で行われていたオランダとの貿易では、
薩摩藩の作っていた樟脳が、金・銀に次ぐ第二位の輸出品でした。

当時ヨーロッパで流通していた樟脳のほぼすべてが、薩摩藩産だったそうです。

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あなたも、工作遊びを兼ねて、防虫をゆるやかに助けてくれるグッズを作ってみませんか?

4 ナチュラル防虫剤「くすのきの防虫プレート&リング&サシェ」の作り方!



クスノキのすがすがしい香りが印象的な防虫グッズ。
空気にさらせばすっと引き、不快な香りを残しません。香りが薄くなったら、紙やすりで磨けば復活します。その他、シダーウッド、ヒノキなどでも作れます。

【くすのき防虫プレート】

【材料】

・クスノキの太い枝 (直径5cmくらい)
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【作り方】
 ①のこぎりで輪切りにします。
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 ②紙やすりで磨いて、乾いた布でよく拭いたらできあがり。衣類ダンスに入れて使います。
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 *お好みで、焼き印ペンで模様を描いたり、焼き印風に茶色のインクでスタンプを押すと楽しいですよ。
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【くすのき防虫ペンダント】

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【材料】
・クスノキの枝 (直径5cmくらい)
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【作り方】
 ①輪切りした枝の端に、ドリルで穴を開けます。
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②紙やすりで磨いて、乾いた布でよく拭き、お好みのリボンを通したらできあがり。ハンガーやラックにかけて使います。
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 *いくつか重ねたり、ビーズなどとくみあわせてもいいですね。
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【くすのき防虫ハンガーリング】

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【材料】
・クスノキの枝 (直径3~4cmくらい)
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【作り方】
 ①輪切りした枝の中心に、ドリルで穴を開けます。 
   *お使いのハンガーが通る大きさに開けましょう。
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 ②紙やすりで磨いて、乾いた布でよく拭き、ハンガーに通したらできあがり。
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【くすのき防虫サシェ】

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【材料】
・クスノキの細い枝や葉  ・袋
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【作り方】
 ①細い枝はそのまま手で折って。少し太いものは、お好みでえんぴつのように、小枝を削っていきます。
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②袋に入れたらできあがり。タンスにかけたり、入れたりしてみましょう。
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<注意>
*のこぎり、ドリルなどの作業時は十分にご注意下さい。
*お子さまが口に入れないよう注意しましょう。
*衣類用防虫剤は、二種混合による反応により油状のシミができることがあります。樟脳と反応を起こす、ナフタリンとパラジクロルベンゼンは、前年に入れた成分や臭気が残っているうちは入れないようにして下さい。


5 まとめ

 気密性の高さなど、昔とは住居の構造も変わっています。
それぞれの居住環境やおうちの構造、衣類の保管状態に合わせて、できる範囲でゆるやかな防虫を楽しまれてはいかがでしょうか。


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