いよいよ脱プラスチック時代が本格到来!|今日から出来る「脱プラ」実践テクニック
いよいよ脱プラスチック時代が本格到来!
今日から出来る「脱プラ」実践テクニック
こんにちは。
「脱プラスチック(脱プラ)」「プラスチック・フリー」
などの言葉を耳にしたことはありませんか?
実は世界では、脱プラスチックへの動きが
数年前から加速しています。
環境破壊などの観点から、
プラスチックの使用を出来るだけ減らしていく取り組みです。
今年7月からは、日本でもプラスチック廃棄物(プラスチックごみ)の
削減を目標として「レジ袋の有料化」が義務化されるため、
「脱プラ」は日本人にとってより身近なものになるでしょう。
そこで今回は、今海外で先進的に実践されている「脱プラ」の現状と、
日本でも簡単に出来る「脱プラ」テクニックについてご紹介しましょう。
なぜ脱プラ?地球環境・人体に良いことなしの
プラスチックから卒業しよう!
プラスチックストローが体に刺さったウミガメや、
スーパーのビニール袋がまとわりついてしまったカモメ
などの姿をニュースなどで見たことはありませんか。
それらの写真は、多くの人に衝撃を与え、
脱プラスチック運動が広がるきっかけの一つとなりました。
便利で手軽なプラスチックは、
実は「環境にも人体にも良いことなし」です。
環境に悪影響を与えるプラスチック
プラスチックの袋やラップなどの包装は、風に舞いやすく、至る所に運ばれてしまいます。
世界各地の川や海で、水質汚染のほか、
水中に暮らしている生き物たちへのダメージなどの
大きな被害が出ています。
また、プラスチックを作る際に使われるエネルギーも問題です。
プラスチックを作るのに、なんと世界の8~10%もの石油エネルギーが使われているのです。
例えば、アメリカだけでも毎年1200万バレル(約1億9000リットル)の石油が
スーパーの袋などのプラスチック製品を作るのに費やされています。
(9枚のプラスチック製・ビニール製の袋を作るのに必要なエネルギーで、
車を1㎞動かすことが出来る計算です)。
また最近アメリカでは、プラスチックのみならず
「永遠に残る化学物質(フォーエバー・ケミカル)」として知られる
PFAS(フッ素化合物の総称)の使用をやめる動きが出ています。
PFASで作られた製品は汚れにくく、撥水性が高いので、
食品パッケージによく使われています。
しかし、石油由来のプラスチック同様に自然の中で分解されにくので、
何千年も残り続ける可能性があると言われており、
地球環境保護の為に、使用を禁止する動きが出ているのです。
また、残念ながらリサイクルも難しいとされています。
そこで、もしプラスチック・ビニール製の袋をリサイクルしようとすると、
年間100万ドル(約1億700万円)ほどがかかると言われています。
それは、プラスチックを分解するのには必要な特殊な機器が
リサイクルのコストを上げてしまうため。
そういった理由からか、
リサイクルされるプラスチックの袋、ビニールの袋は
全体の約5%~15%のみにとどまっています。
また日本では、プラスチックごみ903万トン(2017年)のうち、
86%を有効利用しているとしていますが、
これは「それらがプラスチック製品に再び生まれ変わっている」
というわけではないのです。
一般にプラスチックリサイクルと言われているものの大半は
「サーマルリサイクル」と呼ばれるもので、
燃やして一部その熱を使うという意味。
要するに、有効活用とされていることの実態は
燃やして、ただその熱を使っているだけなのです。
石油から作られたプラスチックを燃やすと
もちろん多くの二酸化炭素(温室効果ガス)が排出されます。
言うまでもなく、このサイクルは、地球にとって全く良いことではありません。
人体にも悪影響を与えているプラスチック
「マイクロプラスチック」と呼ばれる、5ミリ以下の微細なプラスチック粒子が
人体の中で発見されていることをご存知でしょうか。
自然環境保護団体である国際NGO「世界自然保護基金(WWF)」によれば、
「マイクロプラスチック」は次の二通りのプロセスで発生すると言われています。
①プラスチック廃棄物由来の発生
ゴミになったプラスチックが海岸の波や紫外線等の影響で小さなプラスチック粒子となり、それが世界中の海中や海底に存在している。
②工業製品由来の発生
洗顔料や歯磨き粉のスクラブ剤に使用されているプラスチック粒子(マイクロビーズ)や、プラスチック原料としてなるペレット(レジンペレット)の流出、
合成ゴム製タイヤの摩耗やフリースなどの合成繊維の衣料の洗濯等によって
発生している。
このマイクロプラスチックは、
ペットボトルなどに入れて販売されている飲み物の中や、
水道水、魚介類などからも発見されています。
人体からマイクロプラスチックが検出される理由のひとつは、
マイクロプラスチックが混入した飲み物や食べ物を
私たちが口にしているからです。
ある研究では、
2人に1人がマイクロプラスチックが体内に入っている
としてるほど。
これはもはや他人事ではありませんね。
先ほどご紹介したPFASも
人間や動物の体内に高いレベルで蓄積されている
と言われており、種類によっては少量でも有害で、
睾丸がん、腎臓がん、甲状腺疾患などの深刻な疾患と関連するとされています。
日本でも出来ることがある|海外の脱プラ生活を覗いてみよう
私が住むカナダでも既にすっかり脱プラモードです。
スーパーのレジ袋はほどんどの店舗で有料化。
その代わり、工夫を凝らしたかわいいいデザインの
ショッピングバックが同時に売られています。
また多くのカフェでは、ストローが
プラスチック製から紙製に変わりました。
持ち帰り用のスプーンとフォークも、
プラスチックではなく薄く加工された木で作られたものに変わるなど、
多くの工夫がされ見られます。
しかし脱プラスチックの取り組みは、
企業などサービスを提供する側に留まりません。
消費者も積極的に行っています。
マイカップ、マイストロー、マイショッピングバック
これら3つの“自前グッズ”は脱プラアイテムとして
かなり主流になってきました。
実はカナダでは年間16憶個、
アメリカでは600憶個のテイクアウト用プラスチックカップが
消費されています。
そのため、「脱プラ」においてこれらの持ち帰り用カップに対する対策は必須です。
今では、保温機能が付いたタイプや、
グラスタイプなど、「マイカップ」も多様化していますので、
お気に入りの見つけて、使い続けたものですね。
また北米ではマイストローも数年前から普及しています。
先ほどご紹介したように、
プラスチックストローをやめるカフェが増え、
紙のストローに切り替わっていますが、
同時に「(紙製ストローは)時間が経つと水分を吸ってふにゃふにゃになるのが嫌だ」
という意見や、「いくら紙の方が環境にやさしいとは言え、消費は消費」
という意見を持つ人たちを中心に、
「マイストロー」を使う人が増えています
(ストローがない人も、そのままコップに口をつけて飲めるから大丈夫、と言ってストローを断る人もいます)。
始めはステンレス製のものだけでしたが、
いまでは、竹製、ガラス製、シリコン製など多くの種類が出てきています。
「マイバッグ(エコバッグ)」は日本でも主流になってきていますが、
北米でも同様、ほとんどの人が自分のバッグを持って買い物をしています。
買い物中に出来る「脱プラ」テクニック
皆さんはお気づきですか?
実は買い物の最中にも出来る「脱プラ」への取り組みはたくさんあります。
というのも、それはスーパーマーケットにはプラスチックが溢れているから。
日本でもマイバッグはかなり主流になってきていると思うので、
今回はその他に出来ることをご紹介します。
包装されていない野菜や果物を買おう!
包装されている野菜や果物は、トレーに入れられ、ラップにくるまれ…
とにかく多くのプラスチック製品が使われています。
そのため、包装されていない野菜を買うことで、
プラスチックの使用を抑えることが出来るのです。
キャベツや白菜、大根など大きな野菜は、
規模が小さな家族のために、
切り分けられて売られ、乾燥や汚染を防ぐために
プラスチック製品で包装されていることが多いですよね。
一方の海外では、切り分けられて売られていることがほぼありません。
そのため、小規模家族は冷凍庫をフル活用しています。
生で食べたい分だけ冷蔵庫に入れ、
(ペーパータオルや新聞紙、保存容器を使ってそれぞれ保存)
残りは冷凍してしまいます。
「野菜を冷凍?」と始めは戸惑いましたが、
意外とそれでやっていけるものです。
実は冷凍野菜もプラスチックの袋に入っているので、
(海外の場合はほとんどジッブ付きのしっかりとした袋)
自分で冷凍野菜を作るのは、
かなり脱プラに貢献出来ると言われています。
しかも、今ではシリコン製の再利用可能なジップ付き保存袋も売っており
(ネットで購入出来ます)
脱プラ生活をサポートしてくれますよ。
また、小売りの(包装されていない)野菜や果物を買う際に
スーパーでは、脇に薄いビニール袋が設置されています。
野菜や果物をそのままカゴに入れることに気が引けることがありますよね。
そのビニール袋を使わないために、
薄い布袋など持参することをお勧めします。
*布袋でなくても、
再利用出来るものなら何でも大丈夫です。
ただ、量り売りで売っている商品もありますから、
軽いものを選んだ方が経済的です。
洗って何度も使え、直接カゴに入れる心配もありません。
北米では専用のネット袋も売られるようになりました
(日本でも購入が可能です)。
量り売りや専門店を利用しよう!
カナダに来て驚いたのが、量り売りのものが本当に多いこと。
スーパーにも専用コーナーが必ずありますし、
量り売り専用のお店まであります。
売っているものは多岐にわたります。
小麦粉などの粉類、パスタ、お米、スパイス、お茶、コーヒー、お菓子。
専門店でははちみつ、ピーナッツバターなど
生活に必要な食品(生鮮食品以外)はほとんど揃います。
脱プラ生活には欠かせないシステムですよね。
もちろんそこには薄いビニール袋が設置されていますが、
自分の袋を持って行っても全く問題ありません。
また、瓶や他の容器などを持って行っても、
予めその重さを計った上でその点をメモしてくれます
(それを見て、計量・会計の際に調節してくれます)。
日本ではそのようなお店がまだメジャーではありませんが、
商店街やデパ地下のデリなどの
小売りのお店や量り売りのお店を選んでみましょう。
一言「これに入れてください」と容器を渡してみたら、
脱プラを実践可能になるとも思います。
キッチンで出来る脱プラテクニック
買い物から帰った後も、
より脱プラが出来る要素がたくさんあります。
今度はキッチンで出来る脱プラをご紹介します。
メイソンジャーなどのガラス瓶を積極的に活用しよう!
北米では、上の写真のような「メイソンジャー」が大人気です。日本でも生活雑貨として販売されているほか、
飲食店などでも使われているので、ご存知の方は多いと思います。
日本では「おしゃれな蓋つきの瓶」というイメージが
強いと思いますが、北米では実用性が長年支持されています。
本来はジャムやピクルスなどの
食品の長期保存用に使われてきたようですが、
今では、保存容器として、飲み物用グラスとして、
ランチボックスとして(サラダなどを入れます)
大いに活用されています。
我が家でも、量り売りで買ってきたものは全て
メイソンジャーに入れ替え、保存しています。
脱プラ生活運動に触れて感じた事のひとつは、
瓶を捨てるなんてもったいないということ。
パスタソースやジャムなどの空き瓶は洗って消毒、
家族や親しい人たちへのおすそ分け
スープやソースのやり取りには
大抵メイソンジャーか空き瓶を使用するようになりました。
掃除に重曹を活用しよう!
日本でも長年愛されている重曹。
北米でもベーキングソーダ(重曹)は、
掃除の強い味方です。
キッチン回りを掃除するのに、
専用洗剤をいくつか持っている方も多いと思います。
シンク用、床用、お鍋にこびりついた焦げを取るクレンザーなどなど…
重曹は、それらを全て賄える万能洗剤と言われ、
市販の洗剤類がいつもプラスチックボトルに入って売られていることを考えると
それらを重曹というシンプルなものに変えることで、
脱プラが可能と言われているのも頷けます。
我が家でも、日々の簡単な掃除は
ほぼ重曹とお酢、食器用洗剤、アルコールで賄ってしまいます。
用途に合わせて、毎回混ぜて使うだけ。
とても簡単です。
実はカナダの家庭の多くでは、
食器用の洗剤を多用する傾向にあり(特別な掃除をしたい時は別ですが)、
床の掃除などにも、水と食器用洗剤を混ぜて使うことが多くあります。
シンプルで身体に害の少ない万能洗剤を探していたところ、
たまたま重曹に行き着いただけなのですが、
確かに多くのプラスチックボトルを持つ必要がなく、
脱プラ生活にはいいのかもしれません。
プラスチックラップを蜜蝋ラップに切り替えよう!
使い終わったプラスチックラップのゴミは毎日大量に出ませんか?ラップは脱プラ生活には改善しなくてはいけないアイテムの一つです。
たとえば、コットンなどの布地を保湿成分・抗菌性を持つ「蜜蝋」で
コーティングして作られた「蜜蝋ラップ(エコラップ)」は洗って何度も使え、
パンやお菓子、使いかけの野菜やチーズなどをさっと包んで保存することが出来ます。
生の肉や魚、酸の強い食材以外なら何にでも使うことが出来ます。
熱に弱いので、お湯や電子レンジには対応出来ませんが、
かなり便利なアイテムです(ネットでも購入可能です)。
その他、暮らしの中で出来る脱プラテクニック
その他でも生活の中で脱プラは可能と言われています。
重要なことは、
今まで使い捨てで使っていたものを「再利用可能」なものに変えることと、
使い捨てるものは、紙製品など、出来るだけ土に帰ることが出来るものに変えること。
その代表的なものを幾つか提案させていただきます。
竹の歯ブラシを使おう!
最近北米で注目されているのは、
竹で作られた歯ブラシ。
今まで使っていた歯ブラシはプラスチックの塊。
それを定期的に買い替えているのですから、
脱プラするには最適のアイテムです。
柄の部分はもちろん竹製。
ブラシ部分の素材はブランドによって異なり、
ナイロンやプラントベースの繊維を使っているそうです。
仮にナイロンだとしても、含まれるプラスチックは0.01オンス以下(0.28g以下)
となっています。
金属製のカミソリを使おう!
男性、女性用を問わず、プラスチック製の柄のカミソリも
歯ブラシ同様、プラスチックの塊です。
長く使用し続けることが出来ず、
ほぼ使い捨てのようになってしまっていますよね。
最近では、長く、安全に使うことの出来る
腐食を防止する金属で作られたカミソリがあり、
脱プラの為に購入を検討する人が増えているようです。
日本で言う「ステンレス製両刃カミソリ」が
脱プラに繋がり、かつ使い勝手がよいそうですよ。
シャンプーやボディソープを固形石鹸に変えよう!
今後私自身も検討したい脱プラアイテムの一つが、
シャンプー・ボディーソープです。
これを固形の石鹸に換えることで、脱プラ出来ると言われています。
北米では、日本のような詰め替え用の
シャンプー・ボディーソープはあまり見かけません。
大抵大きなプラスチックボトルに入って売られています。
対して石鹸は、紙に包まれていることが多く、
脱プラするには最適なアイテムです。
最近では、髪にも使える石鹸や、
オーガニックやヴィーガン用の商品も多いので、
自分に合ったものが見つけられそうです。
肌に合うか、髪に合うか、など試してみないと分かりませんが、
試してみる価値はありそうですね。
おまけ:「化粧落としコットン」にも注目!
実は最近知ったのですが、
洗って何度も使える化粧落とし用のコットンが
少しづつ話題になってきています。
プラスチック包装されておらず、
オーガニックコットンなどで作られた、
肌にやさしく、地球にもやさしい
コットンパッドがネットで購入出来るそうです。
これから日本でも話題になりそうです。
日本からでも購入出来るものが
あると思いますので、
ぜひチェックしてみてください。
今年こそ思い切って、脱プラ生活を始めてみませんか?
エコに敏感なIN YOU読者の皆様にとっては
既にご存知の内容も多かったかもしれません。
今、北米では、自分で出来ることを出来る限りすることで
地球を守ろうという動きが活発になってきています。
現地の方が「家で食べるだけだから、(テイクアウトのごはんを)これに入れてくれる?」
と持参した容器を店員さんに渡しながら、気さくに伝えているのを見ると、
自分も見習わなければ、という気持ちになります。
「これなら我が家でも出来そう」というものがありましたら、
ぜひ試してみてください。
始めは、慣れないことで不便を感じることもあるかもしれませんが、
慣れてしまうと、全く不便なことはありません。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
最後に、オーストラリアの女性の方で、
2年間プラスチック0の生活を実践し(今も継続中)、
ブログで色々紹介している方がいます。
One Green Planetというサイトの中でも、その様子をリポートしています。
コスメも手作りしてしまうくらいの熱心な方で、ブログもとても面白いです。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
☆One Green Planet☆
Two Years of Living Plastic Free: How I Did it and what I’ve Learned
☆彼女のブログも必見ですよ!☆
The Rogue Ginger (Erin Rohads)
参考:
Greentumble, 10 Reasons Why Should we Ban Plastic Bags
Forage Sustain, 23 Simple and Easy Way to Go Plastic-Free
NHK, 1からわかる!プラスチックごみ問題
Shutter stock blog, How the Plastic Free Movement Impacts Packaging and Product Design
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