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土壌の隠れ肥満とは?pHが酸性範囲内であっても要注意な理由【緊急特別編そ②】「農学博士」スエタローが教えるオーガニック農業講義vol.9〜

スエタロー.
昭和40年生まれ。平成元年東京農業大学農学部農芸化学科(現:応用生物科学部農芸化学科)卒業。平成15年博士(農学)(東京農工大学)学位取得。青年海外協力隊、JICA専門家、シニア海外ボランティア等を通じて、ラテンアメリカを中心に国際農業協力に従事。特に、パラグアイでは大学客員教授として、スペイン語圏での9名の学生卒論指導完結。平成25年実用スペイン語検定3級合格(全国第二位で文部科学大臣賞受賞)。エクアドルでは、高等教育科学技術庁(SENESCYT)において最高級(4級)の教員免許を取得。現在、国内における土壌改良コンサルの他、エクアドルのリトラル工科大学において活動している。

はじめに



 本号『緊急特別編2』では、「実際の過剰施肥土壌とはいったい何なのか?」。
これを、一から土の説明をしていっても、かえって時間がかかり、
うんざりするのでは?と思っています。

 結論は、Vol1において、
衝撃的な表を提示しましたが、
野菜類のミネラルならびにビタミン群の欠乏を引き起こし、
私たちの食と健康においても、大きな致命傷であるということです。

 本来は土壌肥料学の基礎知識をアップしていきたいのですが、
少しずつ理解してもらうに当たっても時間がかかります。うんざりしますよね。
ですから、アンチョコではないですが、私の南米エクアドルにおける活動の中から、非
常に興味深い調査データーがありますので、
詳しい土壌肥料学を説明する前の事前予備知識『予告編』として眺めてください。

 意外と面白い事実がお分かりいただけるかと思います。続けます。

1.北部エクアドルの乾燥アンデス地帯の土の特性


1).インバブーラ県


 図1にエクアドルにあるインバブーラ県の位置を示しておきます。
ここは乾燥地域でありまして、日中の気温は30℃近くにも湿気がなく、
日本のようなじめじめとした暑さはないです。年降水量は500から700mm位でしょうね。
 ひどいところでは、サボテンが多く自生している地帯もありました。
この地域の示します(写真1)。どうですか? 山がくっきり見えますよね。

湿気のない空気で、水分をほとんど含んでいないんです。
インバブーラ県の県庁所在地であるイバラ市に住んでおりましたが(2014-16年)、
雨が降った後もサラっとしてました(写真2)。


2).乾燥アンデスの土壌と過剰施肥土壌との共通点は?



「乾燥地域の土と日本の過剰施肥土壌とどんな関係にあるの?」と思われるかもしれません。
実は大ありなんです。

 前にもお伝えしましたように、塩類集積という現象は、雨の多い地帯では基本的に発生しません。
カルシウムやマグネシウム等の塩基類は溶脱されますので、土壌は酸性です。

それに対して、雨の少ない乾燥地域や半乾燥地域(年降水量500mmかそれ以下)となると、
雨がほとんど降りませんから、塩基類は集積しますよね。
このことは覚えておりますか? わが国の施設野菜園芸土壌でも起きている現象と同じですよ。

 施設ですから、もちろん、冬場は石油を使って温室化していますよね。
日本ですから、冬場は乾燥しているでしょうけど、熱帯乾燥地域とよく似ていると考えてください。

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2.インバブーラ県の土壌分析結果から分かったこと



 現時点では、皆様(生産者ならびに消費者)におきまして、
詳しい土壌肥料学の知識をなくしても理解できるよう、以下、まとめていきます。

1).100サンプルの土壌分析結果の解析



 私は、2014-16年、インバブーラ県庁環境保全部環境保全課に配属となって、
技術協力・教育等に従事しておりました。
その一方で、農政課においても活動しており、
偶然、同県における生産者の土壌の分析結果を入手することができたのです。

 エクアドル人のことですから、これら分析結果が得られても、
診断基準値と照らし合わせて、『低い・適当・高い』という比較のみで終わってしまっており、
ほぼ活用されることなく、農政課職員の机の引き出しに埃をかぶっていたということです。ご想像できますよね。

 もちろん、私は土壌肥料学の専門家ですから、これらのデーターを単純に眺めるだけではなく、
あるゆる角度からの数学的解析を試みたということです。その中の一部を報告します。


2).土壌のpHと鉄(Fe)の関係



 図1に100サンプルにおける土壌のpHと鉄(Fe)の関係を示します。
pHはご存知ですよね? 酸性、中性、アルカリ性を示す度合いです。

pHが1-5.5までが酸性
5.6-6.9までが微酸性
7.0が中性
7.1以上がアルカリ性

ですね。


 複雑な解析により、同県100サンプルの土壌は、45サンプルが酸性土壌(赤い点)、
残りの55サンプルが塩類土壌(青い点)というように分類することができました。



 この中で塩類土壌に注目してください。x軸のpHの値が7以上、8もあれば9もありますね。
この理由は土壌の粘土鉱物の説明が必要になりますので、ここでは省きます。

y軸のFeの含有量は低下していませんか?
つまり、高pH土壌というのは、基本的にカルシウムやマグネシウムの含有量が高い土壌です。
集積しているということですね。ですから、この過剰塩基類の集積が、鉄を沈殿させているのです。
こうなると、一般的に作物や野菜類は、十分な鉄を吸収することができなくなってしまいます。
このことが、野菜類の貧栄養と大きく関係しているということです。

実際、同県では、地域村民の貧血問題も無視できず、
私も当時、看護師を職種とする青年海外協力隊員と共同調査を実施した経験があるのです。
(ここではこの話は省きます)

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3).鉄に注目した理由


 ここでy軸に鉄を上げましたが、私がなぜ鉄に注目したのか?その理由を書きます。
実は、岩石や土壌にはもともと、
酸素・ケイ素・アルミニウム・鉄・カルシウムは豊富に含まれています。

これは、語呂合わせで、酸素はOですから[オ]、
ケイ素はSiまたはシリカのことですから[シ]、
アルミニウムAlは[ア]、鉄Feは[テ]、
カルシウムCaは[カ]となります。

ですから、顔に向かって、手を押しつけるわけではないですが、
「オ・シ・ア・テ・カ!!!!」と覚えています。

 これは貴重ですよ。

 つまり、鉄は植物に利用されやすい形も含めて、
土壌の中には豊富に含まれています。
これが、亜鉛やホウ素等、微量ですが肥料として与えなければいけない養分との違いです。

 先の亜鉛やホウ素、リン酸でもいえることは、土壌のpHの変化によって、
植物にとって利用されやすい形になったり、されにくい形に変化してしまうのです。

高pH土壌では、鉄は含まれています。
しかし、有機という形であれ、微量要素の肥料を与えたとしても、
土壌中にある過剰のカルシウムやマグネシウムが悪さをすると考えてください。

→吸収されにくい形にしてしまうのです
→作物や野菜類はこれらが吸収されず欠乏してしまうのです。

鉄は正しく、化学でいう『指示薬』として注目したのです。ご理解いただけましたでしょうか?

4).45サンプルの酸性土壌ではどうでしょうか?

4)-1.鉄の含有量にバラツキあり


同じく図1を見てください。
青い点で示した塩類土壌は、高pH条件下で鉄は沈殿してしまうことは理解できたと思います。
それでは、酸性土壌(赤い点)ではどうか?鉄の含有量にバラツキがありますね。

45サンプルの中で、あるものは高い鉄含有量が認められていますが、
別のサンプルは、pHが5.5付近でも塩類土壌と同様、鉄の含有量が低いものもあります。

 当初、私もこれについて大きな疑問があり、悩みましたが、その謎が解けてきました。

4)-2. 45サンプル酸性土壌内での鉄と塩基類(カリウムとマグネシウム)の関係

 
 次の図2を見てください。これは、100サンプルの中で、
45サンプルの酸性土壌における鉄と塩基類(カリウムとマグネシウム)の関係を示したものです。

 若干、バラツキは見られますが、両者の間には負の関係にあることが分かりますか?
科学的には統計処理も行い、難しい用語ですが、
一次関数式(一次回帰式という)と相関係数も同時に示しております。

高校数学の中でも、教わるようですね。私は大学時代の統計学で習いましたが・・・
(実際、大学卒論研究を手掛けるようになってからですね。
理解できるようになったのが・・・)。

ちなみに点の意味ですが、
5%有意差ありは95%確実。1%は99%確実という意味です。
確率ですから、100%ということはないですよね。

4)-3.土壌のpHが酸性範囲内であっても要注意→隠れ肥満


 いずれにしましても、99%確実ということで、酸性条件下の土壌であっても、
つまり、pHが4.5~6.0付近であっても、
カリウムやマグネシウムの含有量には多様性があるということです。

そして、酸性条件下内であっても、これら塩基類の含有量が高くなっていくと、
鉄が沈殿していくというように解釈したのです。

 これが、コンサル先の施設土壌の塩類集積土壌においても、
その取締役が「pHが5.5から6.5の範囲内だから問題ない」と考えていたのです。
しかし、私は国内ならびに海外での経験、ここでは、
このエクアドルにおける調査結果も含めて、「待った!!!!」だったんですね。

どういうことか? 実は、土壌のpHには関係ない塩基類が存在するということです。
子の塩基類も、pHを上げる塩基類(残り55サンプル内の高pH塩類土壌がそうですね)と同様に、
土壌中の鉄を吸収されにくい形にしてしまう可能性があるのです。

つまり、『隠れ肥満』なのです。

この状態では、もちろん鉄に限らず、亜鉛等の栄養素を施肥しても、
作物や野菜類はこれを十分に吸収できず、欠乏症を引き起こしてしまいます。
そして、そのことは植物体内での各種ビタミン群の合成にも大きく影響してしまうということです。

 ここでは予告編ですので、土壌肥料学の知識、
とくに粘土鉱物の特性を学習した後に、学習していきましょう。
詳しくは次号で!


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スエタロー.
昭和40年生まれ。平成元年東京農業大学農学部農芸化学科(現:応用生物科学部農芸化学科)卒業。平成15年博士(農学)(東京農工大学)学位取得。青年海外協力隊、JICA専門家、シニア海外ボランティア等を通じて、ラテンアメリカを中心に国際農業協力に従事。特に、パラグアイでは大学客員教授として、スペイン語圏での9名の学生卒論指導完結。平成25年実用スペイン語検定3級合格(全国第二位で文部科学大臣賞受賞)。エクアドルでは、高等教育科学技術庁(SENESCYT)において最高級(4級)の教員免許を取得。現在、国内における土壌改良コンサルの他、エクアドルのリトラル工科大学において活動している。
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