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Organic Life to all the people.

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肥料をあげればあげる程野菜の栄養がなくなる訳【リン酸過剰蓄積編①】 〜「農学博士」スエタローが教えるオーガニック農業講義vol.1〜

スエタロー.
昭和40年生まれ。平成元年東京農業大学農学部農芸化学科(現:応用生物科学部農芸化学科)卒業。平成15年博士(農学)(東京農工大学)学位取得。青年海外協力隊、JICA専門家、シニア海外ボランティア等を通じて、ラテンアメリカを中心に国際農業協力に従事。特に、パラグアイでは大学客員教授として、スペイン語圏での9名の学生卒論指導完結。平成25年実用スペイン語検定3級合格(全国第二位で文部科学大臣賞受賞)。エクアドルでは、高等教育科学技術庁(SENESCYT)において最高級(4級)の教員免許を取得。現在、国内における土壌改良コンサルの他、エクアドルのリトラル工科大学において活動している。

はじめまして!
これから『オーガニックと私たちの健康』をテーマに
連載を行っていくスエタローと申します。

私は、土壌肥料学や、持続可能な農業・牧畜・植林の専門家として、
国内および海外(主にラテンアメリカ)で技術協力やコンサル業務・教育等に従事して参りました。

長年の経験より痛感することは、生産の基盤である土壌が傷んでいる事。
そして意外な事に、農業関係者の方が、土壌の事をよく理解していないということであります。

最近オーガニックという言葉が流行っておりますが、
私が伝えたいのは、土壌の健康なくしてオーガニック/私たちの健康は語れない!ということです。

ぜひ、消費者の皆さんも食糧生産の要である土壌を勉強していきましょう!

消費者も理解したい土作り

さて、読者の方は、野菜を選ぶ際に「オーガニック」の野菜を好まれる方が多いのではないでしょうか?
しかし、「オーガニック」という一言だけではその野菜の安全性を判断できません。

日頃勉強されている方はご存知かもしれませんが、
その野菜が安全か、否かは消費者であっても知らなければならない事があるのです。

1.その農業は持続可能?

土は農業の生命線です。
短期的ではなく長い目で見て、「持続可能かどうか」を重視した土作りをしていく事が、
次の世代の健康を考えていく上で重要なのです。

2.化学肥料は悪でない場合も

オーガニックに固執しすぎて、
『有機肥料が善・化学肥料が悪』と考えられる方が多いのではないでしょうか?

しかしこれは間違いです。

有機であれ、化学肥料であれ、問題なのは作物が吸収する以上の養分を施肥することなのです。
これを『過剰施肥』といいますが、
実はこれが持続性健康を損なう原因なのです。

例えば、特定の養分(リン酸や亜鉛等)が欠乏しているなど、
必要であれば、化学肥料鉱物系の土壌改良資材を投入しなければいけないケースもあるのです。

前置きが長くなってしまうので、いよいよ、本題に入っていきます。

今日は肥料の三要素の一つであるリン酸について取り上げます
(ちなみに、リンは元素でPと書きますが、このPの酸化物が、
リン酸でP2O5と書くことを念のため、この場で説明しておきます)。

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1.現代の野菜は栄養が少ない!?

 私たちは、健康を維持していくためにも、
五大栄養素(糖質・タンパク質・脂質・ビタミン群およびミネラル)の適量摂取が必要です。
(この中で、糖質は別の機会で、糖質制限と関連させた形で、
自身の実証データーを用いて話をしていこうと思います)。

この五大栄養素の中で、微量でありながらも、
私たちの生命を維持していくのに欠かせないものが、
ビタミン群やミネラル(無機質ともいいます)です。

この両者はとくに野菜類や果物類から摂取しているといってもいいでしょう
(ビタミンB12のみ、動物性食品や海藻類に含まれています→造血因子でもあるため、
動物性食品も摂取しなくてはいけない理由の一つです)。

 ですから、医師や管理栄養士等による栄養指導を受けた場合、
ビタミンやミネラルを多く含んだ野菜類を摂取しなさい
と忠告を受けることが一般的ではないでしょうか(レバーも鉄分豊富ですが)。

       表1 日本科学技術庁における食品成分分析結果の推移

 ところが、現在衝撃的な事実が公開されているのです。
表1は、代表的な野菜(ほうれん草、ニンジン、トマト)と、
果物(みかん、りんご)のビタミン群とミネラルの含有量の推移を示したものです。

この表を見てもわかりますように、昭和26年当時と比較して、
最近のこれらの栄養素の含有量が極端に低下していることが分かります。

特に鉄分の減少率は84%以上となっており、もはや見過ごす事の出来ない状況となってきております。

実際、化学肥料や有機肥料による園芸生産が実践され、それなりに生産性の高いわが国ですが、
なぜ、このような現象が観察されたのでしょうか?

その原因の一つとして、不適切な肥培管理過剰施肥土壌の形成が考えられます。
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2.過剰施肥土壌とは?

1).どうして肥料をやりすぎるの?

1)-1.歴史的な背景を見直そう

 過剰施肥とは、栽培作物にとって、必要以上の肥料養分を施肥してしまうことで、
現在、日本の大きな社会問題となっております。

簡単に記しますと、戦後の農地改革、鉄鋼と肥料工業の発達による国力強化の下、
昭和30年代より化学肥料や石灰資材が普及し、
それまでより収穫高を上げることが可能となりました。

しかしながら、化学肥料の連用は『土地が痩せる』という現象を招き、
堆肥等を用いた有機農業が見直されたということがいえます。

1)-2.一度大量施肥すると元に戻りにくい→過ぎたるは猶及ばざるが如し

 しかしながら、石灰、苦土石灰、リン酸等、
一度大量に施肥してしまうと土壌に蓄積していき、なかなか抜けないのです。

有機肥料であれ、安易な連用は過剰施肥を招くのです。

過剰施肥における一つ一つの栄養素について説明をしていくことは、
字数の制限を超えてしまいますので、初回はリン酸に焦点を絞っていきます。

2).リン酸は光合成にとって重要な栄養素

2)-1.リン酸は光合成にとって重要な栄養素

 肥料の三要素(窒素・リン酸・カリ)という言葉はご存知のことと思いますが、
その中の一つにリン酸が挙げられ、
植物の光合成にとって、窒素と同様に重要な栄養素です。
そのリン酸が欠乏しますと、植物は健全に育たないのです。

2)-2.明治時代における土壌肥料学の導入とその恩恵

明治時代になって、西洋から土壌肥料学が導入され、
江戸時代当初には、わが国の土壌は酸性寄りであり、
リン酸が欠乏していることが明らかになりました。

そこで、リン酸施肥によって土壌の改良が実施されたことは事実です(詳細は別機会で)。
しかし、現在、わが国ではリン酸の過剰施肥が問題視されており、その事例を幾つか紹介します。

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3.農用地における土壌断面調査の必要性

1).京都市西京区における驚くべき調査結果

1)-1.水田跡地での施設園芸によるミニトマト栽培

 私が2017年4月当時、有機JAS認定の有機野菜栽培メーカーの施設土壌の断面調査を実施したときの結果です(写真1)。
ミニトマト栽培施設でありますが、もともと、水田の跡地に施設を建設し、実施していることもあって、
多種多様な問題を抱えておりました(詳細は省きます)。


写真1 ミニトマト栽培圃場における土壌断面調査, 2017

1)-2.ミニトマト栽培土壌の断面調査結果→最悪な事態

 それでは、図1に土壌の有効態リン酸の動態結果を示します。
私は、海外(ラテンアメリカ)における農業技術協力や教育、日本国内におけるコンサルティングにおいて、
土壌の表層(0-15cm)のみならず、このように下層50cm程度まで掘って、
断面調査と同時に、30cm付近と50cm付近の土壌サンプリング・分析を依頼することを奨励しています。


図1 京都の粘土質土壌の有効態リン酸の動態結果

この図からどのようなことがお分かりでしょうか? 
土壌の表層は78.5mg/100gと極端に高いのに対して、下層30cm以下では約12mg/100gと低いことが分かります。
これは、表層は下記の赤字の基準値を超えていますから、
過剰施肥であることは容易に想像がつくと思います。

下層は基準値以下ということで、強いて記せば、
過剰施肥前の天然の状態に近い土壌であるといえるのです。
つまり、有機JAS認定の有機質資材であれ、
必要以上の無駄な施肥を行ってきたことを見せつける意味もあったのです。

また、メーカー側は、この土地を借用する前から、過剰施肥の傾向にあったようですが、
いずれにしましても、農用地を購入・借用前における事前調査、
すなわち、断面調査をしてその土壌の特性をきちんと理解することが必要だったのです。

別の問題としては、田んぼの跡ですから、
ミニトマトにとっては不適地栽培であることもいえます。
つまり、ダブルパンチだったのです。
 なお、下層30cm付近においても、13mg/100gも認められておりますが
(図4で示す、ブラジルの下層土壌でのリンはもっと低い)、
この理由は、土壌の有機物(腐植)の特性も含めて、後日、別の機会で考察したいと思います。
同じ京都市西京区におきましても、露地でさえ、リン酸過剰集積の傾向が観察されました。

2).長野市近郊における驚くべき実態


 このことは、先の京都における事例だけではありません。図2には長野で露地野菜畑土壌での事例です。
こちらも、有機JAS認定に基づいた有機農業を実践している農家さんでしたが、
図1と同様、リン酸が過剰に集積していることが分かります。


図2 長野県の火山灰露地土壌における有効態リン酸の動態

 両地区とも、表層と下層30cm付近で劇全としたリン酸含有量に違いが見られたことに気が付かれたものと思います。

3).施肥リン酸の特徴

 なぜ、このような現象が観察されたのでしょうか?
詳しくは、別途、農家さんやオーガニックに関心ある方々を対象とした
基礎土壌肥料学の解説を設けることを検討しておりますが、
基本的には、施肥されたリン酸は土壌中を動きにくいということがいえるのです。

つまり、雨によって下層に流されることがほとんどないため(溶脱といいます)、
施肥を続けていくと、時間とともに土壌表層に集積していくのです(図4のブラジルの事例でも説明します)。

この現象は、化学肥料の他、
比較的分解が容易(易分解性といいます)な有機質資材(例:鶏糞堆肥)の施用でも同じ現象が生じます。
まして、両地区とも有機JAS認定の鶏糞堆肥を使用していたことは分かっていますので。


小休止

今回は、農産物から栄養がいかに減っているかという日本社会の問題点と、
それに関わるリン酸過剰蓄積の実際について、実際の例を紹介しながらお伝えしました。
次回のリン酸第2回目では、肥料および植物栄養的な視点からの盲点について、
またその対処法についてお伝えしていきます。

どうぞお楽しみに!


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昭和40年生まれ。平成元年東京農業大学農学部農芸化学科(現:応用生物科学部農芸化学科)卒業。平成15年博士(農学)(東京農工大学)学位取得。青年海外協力隊、JICA専門家、シニア海外ボランティア等を通じて、ラテンアメリカを中心に国際農業協力に従事。特に、パラグアイでは大学客員教授として、スペイン語圏での9名の学生卒論指導完結。平成25年実用スペイン語検定3級合格(全国第二位で文部科学大臣賞受賞)。エクアドルでは、高等教育科学技術庁(SENESCYT)において最高級(4級)の教員免許を取得。現在、国内における土壌改良コンサルの他、エクアドルのリトラル工科大学において活動している。
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