菜食主義者は糖質の摂りすぎ!? 体中の老化を促進する「糖化」の恐怖
菜食主義者は糖質の摂りすぎ!?体中の老化を促進する「糖化」の恐怖
IN YOUをご覧のみなさんの中には、
ベジタリアンの方も多くいらっしゃるかと思います。
ヨガなどの東洋医学をベースとした健康法の広がりとともに、
大量生産・大量消費により生まれる工場生産型食品への不信感、動物愛護など、様々な観点から、
肉などの動物性食品の摂取を辞めるという選択が世界的に広まっていますよね。
動物性食品を全く摂らないヴィーガンをはじめ、レベルは様々ながらも、野菜や果物、穀物を中心とした食生活は、
ひとつのライフスタイルとして、日本でも定着しつつあります。
私の場合も、
フレクシタリアン(Flexible + Vegetarian / 緩やかなベジタリアン)と称しながら、外食を除いた普段の食事はほぼヴィーガンです。
しかし、きちんとした栄養学の知識がないままに、ベジタリアン生活を始めると、体に様々な不調が起こります。
動物性食品を摂らないという選択は、世界にも自分にも、たくさんの利点をもたらします。
そして、もっともっと日本でもベジタリアン文化が広まることを望んでいます。
だからこそ、ベジタリアンが陥りがちな栄養不足による弊害をきちんと知り、
栄養バランスの取れた食生活を行うことが、
ベジタリアンがただの思想としてではなく、
ライフスタイルのひとつとしてより認知されるためには必要なことです。
今回は、ベジタリアンに多い、糖質過多による「糖化」の恐ろしさをお伝えするとともに、積極的に摂りたい栄養素をご紹介していきます。
偏った菜食主義が老化を促進する!
ヴィーガンの食事というと、どんなものを思い浮かべますか?
きっと、ナッツやキヌアなどの豆や穀物がトッピングされた、山盛りのサラダ、
傍らにはスムージー、おやつは果物やナッツ…といった感じでしょうか。
動物性食品を全く摂らない食生活を始めると、体が格段に軽くなるのを感じます。
胃が軽く、頭も冴えて、エネルギッシュに毎日を送れているという実感が深くなってきます。
そんな菜食生活の裏側で、次々起こる不調に悩まされている人も多くいます。
両者の違いは、栄養バランスにあります。
ベジタリアンは気づかないうちに、パンやパスタなどの
炭水化物と果物を多く摂るようになる傾向があります。
それらに多く含まれるものといったら、糖質ですよね。
知らず知らずのうちに糖質過多になりがちなベジタリアンの体の中では、
健康とは真逆の、「細胞の老化」が進んでいるのです。
菜食主義は糖化を促進する危険がたくさん。
コンビニで、パンとお菓子と炭酸飲料を買えば、
お腹いっぱいになりますし、500円でおつりも来ます。
でもこの食事、ほぼ糖質しか摂っていないですよね。
そして、一応、動物性食品は入っていない。
欧米のベジタリアンに肥満体型の人が多いのは、
こういった現代の食生活が原因にあります。
私たちの暮らす現代社会は、肉などの動物性食品よりも安価で
手軽に満足感が得られる選択肢が豊富なため、
気づかないうちに多くの糖質を摂ってしまう流れができあがっているのです。
糖質過多の原因は、小麦粉と砂糖だけではありません。
野菜と果物からの糖質も忘れてはいけないのです。
ベジタリアンは肉や魚を食べない代わりに、
たくさんの野菜やフルーツを食べますよね。
ここにもしっかりと糖質は含まれています。
食物繊維が豊富だとイモ類や根菜を食べ、
貴重なたんぱく質源だと豆類を食べ、
ビタミンが豊富だからとフルーツを食べる…。
一見とてもヘルシーな食事のように見えて、
糖質はかなりの量を摂っているのです。
このように、菜食生活には、知らず知らずのうちに
糖質過多の食生活に偏ってしまう落とし穴がたくさん潜んでいるのです。
そして、糖質過多が進むと起きるのが、細胞の糖化です。
多量な糖分摂取により、体内で余った糖がたんぱく質や脂肪などと結合・変性し、細胞を劣化させる、糖化。
糖化現象は肌だけに限らず、体内の様々な臓器にダメージを与えます。
ベジタリアンは老けると言われる原因は、糖質を摂り過ぎる食生活にあったのです。
フルーツ主体の菜食主義は危険!果糖が体に与える、恐ろしいダメージ
「卵や乳製品はOK」や「魚だけは食べる」といったように、
菜食主義にも色々なタイプがありますよね。
その中で、フルーツしか食べない「フルタリアン」という人がいるのをご存知でしょうか?
アップルの創始者であるスティーブ・ジョブズがフルタリアンだったことから、その名は広く知れ渡りました。
しかし、このフルタリアンこそ、ジョブズを死に至らしめた原因なのです。
長年ジョブズはフルーツとナッツのみという食生活を送っていました。
そのフルーツたっぷりの食生活は、ジョブズのすい臓を蝕んでいったのです。
アメリカでは長年、健康な食事方法として人気の高かったフルタリアンですが、
ジョブズの死後、「果糖の摂り過ぎはすい臓がんのリスクを急増させる」という事実が次々と報じられたのです。
果糖の過剰摂取により、インスリンの分泌は乱れ、
すい臓の細胞はぼろぼろに破壊されてしまいます。
ハワイ大学のがん研究所の発表では、肥満の人が果糖を過剰に摂取すると、
すい臓がんのリスクが46%も増加するとしています。
フルタリアンは、全くもって健康なダイエット法ではなかったのです。
糖質は完全に使いきれ!菜食主義者に必要なのは、糖代謝の促進。
平均的な日本人の摂取エネルギーの約60%は、糖質から摂っています。
体内に取り込まれた糖質は様々な形に姿を変えて、
体中の各器官のエネルギー源として供給されていきます。
これまで糖質の摂り過ぎによる糖化の恐怖をお伝えしてきましたが、
糖質は決して悪なる成分ではなく、私たちが生命を維持する上で必要不可欠な成分なのです。
特にブドウ糖(グルコース)は、脳や赤血球の唯一のエネルギー源ですので、
安定して供給されることが絶対条件でもあるのです。
摂取した糖をきちんと体内で分解し、エネルギーとして使われれば、糖化は防げます。
重要なのは、余らさずに、しっかり使い切ることなのです!
糖質多めな菜食主義者は、ビタミンB1を積極的に取り入れて!
私たちの体が生命機能を維持していくためには、ATPというエネルギー物質が必要となります。
このATPが体内で絶え間なく作り続けられなければいかず、無くなると死んでしまいます。
ATPを作り続けるための代謝=エネルギー代謝なのです。
体内に取り込まれた糖質は、数段階の分解過程を経て、
ピルビン酸とい物質まで行きつきます。
ピルビン酸はエネルギー発電所の役割を担うミトコンドリアへと進みます。
このミトコンドリア内でエネルギーへと変換されるために、
ビタミンB1が必要となってくるのです。
ビタミンB1が不足していると、ピルビン酸は乳酸へと代謝されてしまいます。
乳酸は蓄積することで、血液が酸性化し、様々な疾患や不調を招きます。
糖化は、ビタミンB1の不足による、乳酸の蓄積が引き起こすものなのです。
また、摂取した糖質の量が多ければ多いほど、多くのビタミンB1が必要となります。
一日に必要とされるビタミンB1は25㎎とされていますが、
食品からだけで補うことは正直難しいです。
そのため、ビタミンB群のサプリメントの摂取をおすすめします。
なぜ、「B1」だけじゃなく「B群」なのかというと、
ビタミンB群は相互作用で働いているので、
バランスよく摂ることが必要なのです。
鉄不足は命の危険!菜食主義者に多い不調は鉄不足が原因。
ビタミンB1が糖質をちゃんとエネルギー発電所に送るために必要な成分であると同じく、
鉄分は発電所でATPが生成されるために不可欠な成分です。
せっかくやってきたピルビン酸を生産ラインに乗せたはいいけど、
最終的に、生命エネルギーであるATPになってくれなければ意味がありませんよね。
鉄が不足することで、生産ラインの最終段階である電子伝達系の機能が低下し、結果、
ATPも不足してしまうのです。
鉄はこの発電所にとっては生命維持装置みたいなもので、鉄が不足すると、すべてのラインの機能が落ちてしまいます。
みなさんは、フェリチンの量を測ったことありますか?
フェリチンは、貧血検査の指標とされる、体内に貯蔵された鉄の量を示すものです。
このフェリチン、理想は100ですが、最低でも50以上はないと、鉄不足とされます。
日本人女性の平均は30以下というのだから、かなり深刻な鉄不足です。
月経により、毎月大量の鉄を失う女性は、
意識して摂らないと自然と慢性鉄欠乏症になってしまいます。
「ベジタリアンになってから疲れやすくなった」「いつも顔色が悪い」などの声を聞きますが、それは慢性的な鉄不足が原因だと言えます。
元気な菜食主義者にはたんぱく質が不可欠!
体中の色々な組織はたんぱく質によって成り立っています。
どんなにビタミンやミネラルが豊富な食事を摂っていても、たんぱく質が不足していれば、体はてきめん弱くなってしまいます。
特に動物性食品を摂らないベジタリアンは、
たんぱく質を何から摂るかということが、
はじめの一歩で、最も重要なことなのです。
たんぱく質といえば、アミノ酸。
バランスの取れたアミノ酸摂取は、肌や筋肉などの生まれ変わりも促進するため、
美しく健康な体作りのためにも、しっかりと摂りましょう。
ベジタリアンにとって定番のたんぱく質源といえば、大豆ですよね。
豆類全般、アミノ酸スコアの優良食材ですが、
ベジフードで人気のひよこ豆やレンズ豆は糖質も大豆の3倍近くありますので、
バランスとしては大豆を積極的に摂る方が良いでしょう。
出典:公益財団法人 日本豆研究会
菜食主事は心にも体にもいいこと尽くし。
栄養バランスをしっかり整えることが楽しいベジライフの要!
動物性食品を摂らない食生活で起こりがちな、栄養バランスの乱れ。
しかし、肉を摂る摂らないに限らず、現代人の食生活における問題点は同じです。
糖質過多により細胞が劣化してしまうことは、すべての不調や病気の元凶です。
優良な糖質を正しく摂り、ビタミンやミネラル、
たんぱく質をバランスよく摂るという食生活は、
栄養学の知識が必要になってきます。
せっかく始めたヴィーガン生活も、不調続きでは楽しくありません。
科学的にも健康なライフスタイルだと証明することが、ベジタリアン文化がさらに活性化されるためには必要です。
そのためには、ぜひ、ベジタリアンだからこそ感じられる植物からの恩恵をしっかりと受け入れ、元気な毎日に活用していってくださいね。
出典:同志社大学生命医科学部 糖化ストレス研究センター
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