春からはじめよう、世界でも大人気のスーパーフードでナチュラルエイジング!
いよいよ春ですね。寒くて長い冬はカラダの動きも鈍くなりがちで、結果カラダが固くなります。季節が変わって暖かくなると、とにかく気分を一新したくなるものです。
この時期になるとローフードにも注目が集まります。ローフードとは、加工されていない生の食材を用いた食品、もしくは食材を極力生で摂取する食生活を指します。およそ100年以上も前から欧米で提唱されてきたフードスタイルで、米・西海岸をはじめドイツやイギリス、オーストラリアでも人気があり、”リビングフード”とも呼ばれています。「生(RAW)がいい。」とされるのは加熱によって失われがちな酵素やビタミン、ミネラルなどを効率よく摂取できるから、ということにつきます。(ただし、酵素が破壊されないとされている摂氏48度以下であれば加熱してもかまわないと定義されています。)冬場は「生」のものより火を通した暖かいものを摂る傾向にありますが、春になるとローフードがおいしく感じるのでこれからの季節にはぴったりですね。
さらにはスーパーフードの人気も年々高まっています。スーパーフードとは他の食品に比べてとにかく栄養価に優れた食べものの総称を指します。主に植物性に由来し、栄養価のバランスもよく、ビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸、必須脂肪酸、多糖類、抗酸化物質などによって免疫力アップやエイジングケアにも効果があると言われ、世界的にも人気です。一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在でもあり、 料理の食材としても使われます。代表的なものとしては、スピルリナ、アサイー、カカオ、ココナッツ、ビーポーレン 、ブロッコリースーパースプラウト、チアシード、アロエベラ 、クコの実(ゴジベリー)、麻の実(ヘンプ)などで、私はスーパーフードとは「自然治癒力を高めてくれるもの」として捉えています。
スーパーフードの始まりは80年代の北米やカナダでした。食事療法を研究する医師や専門家の間で、有効成分を突出して多く含む食品に対して「スーパーフード」という言葉が使われはじめたのです。先にお伝えしたローフード人気と相まって低温調理法がブームがわき起こりますが、実はこの低温調理法がスーパーフードの含有成分を活かすために最適であったことから、実践者たちの間でスーパーフードの人気が一気に高まったとされています。
米国の医師であるスティーブン・プラットの著書『スーパーフード処方箋〜あなたの人生を変える14の食品』は多くの人に読まれたこともあって、一般的な認知が広まりました。(日本語版は残念ながら出ていません。)
スティーブン・プラットはスーパーフードを「健康によい栄養分を豊富に含みながら、多くは低カロリーである食品」と定義し、抗酸化作用が高いもの、老化や生活習慣病の予防によいもの、がんのリスクを遠ざけるものなどとして紹介しています。興味深いのは取り上げている食品は身近な野菜や果物も多く、りんごの皮や人参の葉も丸ごと食べるといったマクロビオティックの『一物全体(ホールフーズ)』に通ずる部分が多いことです。さらには薬膳や漢方に接近する箇所も多く、もはやこれからの健康と食を語るに欠かすことのできないロジックであることを予感させてくれます。
ここでスーパーフードのバイブルといえる一冊をご紹介しましょう。ロー・リビングフードのカリスマ、デイヴィッド・ウォルフの『スーパーフード』です。1970年生まれのデイヴィッド・ウォルフは機械・環境工学と政治科学の学位、法学士、そしてリビングフード栄養学の修士号を持ち、オックスフォード大学を含む多くの教育機関で学び、世界中のリトリート・センターで健康、フィットネスや冒険リトリートを開催しています。オーガニック食品の開発、販売を手掛けるほか、地球上に180億本の果樹を植えることを目指している非営利団体Fruit Tree Planting Foundationの創始者でもあります。最近、日本語版が発売されまして早速手にとってみました。かなり読み応えのある保存版の一冊です。
デイヴィッド・ウォルフがセレクトした、クコの実(ゴジベリー)、カカオ、マカ、蜂関連食品(ハチミツ、ビーポレン、他)、スピルリナ、AFAブルーグリーンアルジー、マリンフィトプランクトン、アロエベラ、ヘンプシード、ココナッツなどのスーパーフードについて、食材のルーツ、含有している栄養素、食べ方・商品の選び方などを詳しく解説しており、スーパーフードの基本をこの一冊で十分理解できます。いわゆる「野菜本」とは違い、スピルリナやカカオ、ココナッツ、クコの実などといった「健康食品系」といえるようなものを取り上げているのが特徴です。
クコの実のわかりやすい箇所を一部ご紹介です。
クコの実やクコ製品はできるだけ毎日食べましょう。適量は一日あたり、乾燥クコの実15〜45g(一握り)で、通常、1gあたり4〜6粒あります。古くからクコの実でお茶、スープ、ワインが作られ、レーズンのように乾燥したものはそのまま食べられてきました。他のドライフルーツのようにおやつとして、またレシピやスムージーとして利用できます。乾燥クコの実を他の食品や料理に加えると、消化が良くなると伝統的な中国の考え方があります。クコの実は胃腸に消化液を運んでくれます。また、細菌研究に40年近く取り組んできた大平猪一郎は、自身の培養ブロバイオティク製法に善玉細菌とともにクコの実を含めています。
オーガニッククコの実をカカオニブや他のスーパーフード、ドライフルーツやシードと混ぜれば、クコの携帯食品が作れます。カカオニブはクコの実ととても良く合います。両方の抗酸化物質がひとつになって、旅行時のおやつになります。乾燥クコの実をスムージー、ジュースやエレキシルに直接混ぜることもできます。ある程度強力なミキサーを使えば乾燥クコの実をドリンクの中に混ぜこめるでしょう。クコの実は水に漬けて元に戻すこともできます。クコ水はみずみずしく、スープ・ストックのベースとしても利用できます。
お茶に加えるのもいいでしょう。どのようなお茶でも、クコの実を10〜20粒入れると薬草の苦みがまろやかになり、お茶の全ての成分を際立たせて、相乗効果を与えてくれます。また、クコ水をそのまま飲んでみてください。冷やしたクコ水は夏にぴったりのドリンクです。お茶として飲むとクコの実の多糖類がお湯に抽出されるので、多糖類を体内に入れる簡単な方法です。
映画『風の谷のナウシカ』で、主人公が流砂にのまれてしまった後に、空腹を満たすシーンで「チコの実」という実を食べるのですが、栄養価が高いという意味ではこれもスーパーフード的ですね。(ちなみにチコの実というものは実在しない映画オリジナルのものですのであしからず。)
栄養価が高く、ある特定の有効成分の含有量が飛び抜けて高いもの、ごく少量で栄養・健康成分を効率的にとれるものこそ「スーパーフード」という解釈です。
実践しながら学ぶためにもおすすめな一冊がこちら。沖縄でオーガニック商品を取り扱い、ジュースバーを経営するLiving Life Market Placeによるスーパーフードの知識とアイデアを学べる一冊。先にお伝えした代表的なスーパーフードのアイテムについてじっくり解説してくれています。美味しそうなジュースレシピやローフード/リビングフードのレシピがたっぷり掲載されています。
いろいろな方にお話を聞くとおいしくスーパーフードをとるにはスムージーが良いそうですね。小さいお子さんにも良さそうです。(ちなみに私はジューサーで作る人参ジュースが好きなのですが、そろそろ飽きてきたのでスーパーフードを取り入れようと思っています。)ポイントは”常温”です。最近はカフェでも”氷抜き女性”が増えていますが、胃腸を冷やすのは良くありません。
スーパーフードでのお花見、というのもいいでしょうし、火を使わない料理としてアウトドアでローフードを楽しむのもありですね。楽しみながら味わって勉強する、これこそが、これからのヘルスコンシャスだと思うのです。
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