食べ物・体質・性別・季節・時間には全て陰陽がある!東洋医学から見る「陰陽」の考え方。人間も自然の一部であることを思い出させてくれる陰陽学説とは。
こんにちは!
薬膳工房あすごはん主宰 国際薬膳師・国際薬膳調理師のともこです。
皆さんは陰陽と言う言葉をご存知ですか?
当ウェブマガジン IN YOUも、「陰陽」 と読めるとおり、そこからの由来があります。
これまで薬膳、東洋医学、マクロビオティックを通じて陰陽をお伝えして来ましたが今回は基礎に戻って1から学んでみましょう。
日本ではまだ、病気になってから治療をする医学が一般的。
長寿だからといって健康だとは限らない。
さて、まだこの日本ではこの未病の考え方がまだまだ浸透しておらず、病気になってから対処する『治療医学』が多いのが現状です。
世界の中で長寿国として知られていますが、『寿命が長い=健康的な生活を送れる人が多い』
ということではなく、寝たきりの方や介護施設や医療施設で過ごす高齢者が多く、医療費・介護費の増加により社会保障制度は崩壊しつつあります。
この現状を受け止め、私達ができる一歩として病気になる前の『未病』の段階で予防することに意識を向けましょう。
「薬膳ってなんだろう・・・」薬膳とは?
薬膳と聴くと難しそうって感じられる方は意外と多いのかもしれません。
薬膳の基本的な考え方は『季節とその時の体調をにあわせて、食材をえらび、未病を防ぐこと』です。
誰もが1年中同じ体調でいるのではなく、苦手な季節があったり、疲れを感じやすい季節があります。
では体調を崩す前にどう対応するか?未病を防ぐ一歩となります。
私は、これから迎える『長雨(ちょうか)=梅雨』が苦手です。
長雨(ちょうか)の季節は消化器である『脾』と関わりが深いです。
『脾』はカラッとしてして暖かいところを好むため、
ジメジメと湿度の高い長雨(ちょうか)の季節は、『脾』にとっては働き辛い環境です。
そのため、身体全体の水はけが悪くなり、
むくみや消化器がチャポチャポした感じが残り、
食欲不振や頭の上に重い石をのせたような頭痛が起こったりします。
梅雨に入るころから、消化器の働きを整え、去湿(身体に溜まったむくみの元を排出する)の食材を
食事に取り入れることで、『脾』のはたらきを整え未病を防ぐことができます。
健康状態を左右する要素とは?
それにはまず、自分の体質を知ることが大切
体質には
-
両親から受け継いだ(先天)もの
-
生まれてから(後天)の生活環境・食生活
が深く影響します。
それにあわせて、
季節
性別
年齢
情緒
身体の鍛錬
養生
などにより大きく変わります。
誰もがその時の季節や体調を振り返りながら、現状を受け止め見直すことで、足りないものを補い、余分なものを排出して未病を防ぐことができます。
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東洋医学・中医学における「健康な状態」とはどんな状態なの?
古来から『未病』を治すことが病気にならない秘訣とする中医学では、
古代中国の哲学的な思想である陰陽学説と五行学説で説かれている自然とのバランスと調和のありかたが健康的な状態であるとしています。
薬膳も、この2つの学説を通して、自然と人間の関係や調和を保つことで未病を予防することができると考えられています。
なじみのない学説の言葉に感じられかもしれませんが、考え方はとてもシンプルで私たち人間も、
自然界で生かされている一部だと再認識させてくれるものです。
中医学で考える陰陽学説とは?
古代から人類は、天を見上げて太陽や月、星の動きや変化を観察し、地をみて大地に育つ植物や昆虫、動物の動きを観察してきました。
そして、自然界のすべてを『陰』と『陽』のふたつの相対的な流れや変化と調和で解明できるというのが陰陽学説です。
簡単に説明すると、太陽が昇っている時間を「陽」、
太陽が沈んでいる時間帯を「陰」の時間帯と考えています。
ほかにも、陰陽で考えられるものはたくさんあります。
陽 天 昼 男 明 背 上 表
陰 地 夜 女 暗 腹 下 裏
陰陽で考えられることのわかりやすい例
一例として
「天」は高く広がるので陽に属し、「地」は低いので陰に属する
「昼」は明るいので陽に属し、「夜」は暗いので陰に属する
「男」は筋肉が発達し、力強いため陽に属し、「女」は力が弱いため陰に属する
「背」は田畑を耕す時に太陽を浴びるので陽に属し、「腹」は大地側向いているので陰に属する
「上」にあがるは陽に属し、「下」にさがるは陰に属する
「表」となる体表や外側は陽に属し、「裏」は体内や内側は陰に属する
など必ず、すべてのものに陰陽の関係(表裏関係)になるものが存在し、互いに影響しあうものです。
どちらか一方が強くなるのではなく、それぞれのバランスと調和を保つことが大切です。
人の性格や気持ちにも関係する、陰陽の考え方。
すべての事物には「表」と「裏」があり、
明るく積極的に物事をすすめる活動的なイメージは『陽』、
暗く物事を消極的に考えたり、自分や人の考えを抑制する方は『陰』に属します。
陽 刺激 興奮 活動 生長 亢進 上昇 外向
陰 安定 抑制 安政 停頓 衰退 下降 内向
人の性格を陰陽で考えると、陽気や陰気という慣れ親しんだ言葉から、
陽氣ほうが印象よく聞こえますが、陰陽は相反するものが共存してバランスがとることが大切。
どちらか一方に偏ることは、バランスがとれていないので良い状態ではありません。
車と同じように相反するアクセルとブレーキが共存して、バランス良く使いこなせば事故はおきません。
パートナーシップや人間関係にも応用できる「陰陽学説」の考え方。
薬膳を勉強する過程で、私はこの『陰陽学説』の考え方を学んでから、夫婦、パートナー、家族関係も同じではないか?
相手の長所を『陽』とし、短所を『陰』とすれば、
丸ごと受け止めることでバランスと調和をとることで、円満に過ごせるのではと考えるようになりました。
相手にも同じように思ってもらえたらとはもっといいのになぁ・・・。
と感じることもありますが、
自分の中で、相手に対する許容が多くなり、
『相手が出来ないことで自分が出来ること』とで役割の明確し、
『自分ができないことで相手がしてくれること』で感謝することができるんですね。
季節の流れの中の陰陽「二十四節気」
季節は陰陽の流れの中で変化をしていきます。
その流れを24つわけて二十四節気が誕生しました。
立春(りっしゅん)春の到来を感じる季節
雨水(うすい)陽氣が徐々にあがり、雪が解け始める季節
啓蟄(けいちつ) 春の陽気を感じ、冬の間に土の中いた虫が活動を始める季節
春分(しゅんぶん)昼と夜が当分の長さになる日。陰陽転化、今までは陰の氣が減少し、陽の氣があがってくる
清明(せいめい) 草木が芽ぶき、花が咲きはじめる季節
穀雨(こくう)穀物の種が芽を出すころ降る恵みの雨により、作物が成長する季節
立夏(りっか)夏めいた日をむかえる季節。山々の新緑が濃くなる時期です。
小満(しょうまん)陽の氣が強くなり、農作物の生長が著しい時期
芒種(ぼうしゅ) 農作物の生長が盛んで作業が忙しい季節。ホタルやカマキリなど新しい生命が誕生する時期でもある
夏至(げし)一年で太陽の出ている時間が一番長い日
小暑(しょうしょ)本格的な暑さをむかえる前の季節
大暑(たいしょ) 夏の暑さがもっとも強くなる季節。熱中症や夏バテに気をつける時期。
立秋(りっしゅう)夏の暑さはまだ残るが、朝夕に少し秋の気配を感じ始める季節。暑中見舞いから残暑見舞いに切り替わる
処暑(しょしょ) 残暑が弱まり、朝晩は過ごしやすく秋を感じる季節
白露(はくろ) 大気が冷えるて、露ができはじめる季節
秋分(しゅうぶん) 昼と夜が当分の長さになる日。陰陽転化、今までは陽の氣が減少し、陰の氣が強くなってくる
季節。
寒露(かんろ) 朝晩の空気が冷えて、時に露が凍りそうに感じる季節
霜降(そうこう) 秋から冬を感じる季節。木枯らしが吹き始め、冬仕度をはじめる時期
立冬(りっとう) 冬の到来を感じる季節
小雪(しょうせつ) 冬の寒さが増して、山々に雪が舞い降りる季節
大雪(たいせつ) 冷たい風が吹き、山々から平野部まで雪が降る時期
冬至(とうじ) 一年で太陽の出ている時間が一番短い日
小寒(しょうかん)寒さが厳しくなり始める季節。インフルエンザなどが流行りやすい時期。
大寒(だいかん)一年でもっとも寒さが厳しい季節
立春で春の到来を感じ、春分に陰陽転化し陽氣のエネルギーが増して、気温もあがり、草や木の芽ぶきを感じる季節となります。
私達人間も、草木と同じように、寒くて縮こまっていた身体を自然と伸ばし、ゆったりとのびをするように解放的になります。
立夏をむかえると、過ごしやすい陽気が続きます夏至は一年で太陽の出ている時間が一番長い日。
陽氣のエネルギーがいちばん盛んな日になります。
秋分にまた陰陽転化し、徐々に陽氣のエネルギーが少なくなり、陰氣のエネルギーが増してきます。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われてきたのが、実感することができるでしょう。
冬至は一年で太陽の出ている時間が一番短い日。
陰氣のエネルギーがいちばん盛んな日になります。
冬至にかぼちゃを食べますね。
『陰』のエネルギーがいちばん盛んな日に、
夏の『陽』エネルギーを蓄えたかぼちゃをいただくことで、陰陽のバランスを整えることを自然とやっていたなと氣がつき、嬉しくなりました。
冬至が過ぎ、本格的な冬が過ぎると立春をむかえます。
また、再び、春分を境に徐々に陰氣のエネルギーが少なくなり、陽氣のエネルギーが増してきます。
食材で考える陰陽
因みに、中医学では食材のそれぞれの特性も陰陽で考えます。
『陽を補うもの=身体をあたためてくれる温性・熱性』・『陰を補うもの=身体の熱を冷ます涼性・寒性』、
『温めず冷ますこともない食材(平性)』で成り立ちます。
では食材の味ではどうでしょうか。
『陽を補うもの=甘味・辛味・淡味』・
『陰を補うもの=酸味・苦味・鹹味(かんみ)』
陽 温 熱 甘味 辛味 淡味
陰 寒 涼 酸味 苦味 鹹味
陽性に属する体を温める食材
陽に属する身体を温める食材(熱性・温性)には、もち米・にら・かぼちゃ・くるみ・栗・羊肉・鹿肉・海老・鮭・酒・唐辛子などがあります。
陰に属する身体の熱を冷ます食材
陰に属する身体の熱を冷ます食材(涼性・寒性)には、小麦・トマト・キュウリ・セロリ・大根・茄子・すいか・豆腐・昆布・あさり・シジミなどがあります。どちらの作用も含まない温めず冷ますこともない食材(平性)には、米・キャベツ・玉子・しめじ・しいたけ・エリンギ・にんじん・大豆・豆乳・豚肉などがあります。
陰陽から考える食材の正しい選び方。季節と体調を見よう。
食材選びに大切なのは、
現在過ごしている季節との現在のご自身の体調です。
季節が変わるように、体調も変化していていきます。
季節の中で過ごしやすい時期や、体調を崩しやすい時があるでしょう。
常に同じではないので、季節ごとに自分の体調を思い出せるように記録をして、翌年の同じ季節に備え、客観視できるようにしておくことは、未病を防ぐ近道です。
季節と体調ごとに食材をえらぶことができれば、体調維持につながり健康を保てるでしょう。
私達の中にも陰陽の流れが存在する。時間帯との関係。
人間も自然界の一部として存在しています。
自然界の法則である陰陽の流れは、私達の身体にもあてはまります。
一日で言うと、日中は『陽』の時間帯なので活動的に動き、夜は『陰』の時間帯なのでフルパワーで働くのではなく、
ゆったりとして過ごし身体を休ませるようにしましょう。
いま、問題になっている睡眠負債は、この陰陽のバランスを崩していることから起きている問題です。
睡眠のゴールデンタイムは22時から深夜2時。
できれば22時に就寝することをお勧めしますが、仕事が残業になったり、家族のお世話をしているとできないことがあります。
私も家族のお世話と仕事とでなかなか自分が望むように22時の就寝は出来ないのですが、
心がけているのは、できるだけ日付が変わる前に寝て、前の日にできなかったことをその分早く起きて活動するようにして、
陰陽のバランスを保つようにしています。
朝のほうが頭の働きがいいので、家族が起きる前に講座用のテキスト作ったり、メールなどの返信をするのに効率がいいなと感じています。
毎日は無理でも、週末やできる時だけでも取り入れてみてください。
今回は東洋医学における陰陽学説の、概要をお伝えしました。
次回からはもう少し具体的なところをお話ししていきます。
季節と体調に合わせた食事と睡眠は、私達の健康を維持するための『要』となります。
意識してご自身の中の陰陽のバランスを整えて、毎日を元気に過ごしましょう。
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