WHO国際がん研究機関はPM2.5を発がん性リスクが最も高いグループ1と位置づけました。空からの発がんリスク・危険な「PM2.5」の対策方法とは。
先日、春一番が吹きましたね。
桜の開花が待ち遠しい時期となりました。
外出も億劫ではない暖かさとなったこの頃、「花粉症」が気になります。
なんともないという方もいるかもしれませんが、
すでに深刻な花粉症で悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現代特有の疾患ともいわれる花粉症とも関連する「大気汚染」。
今日は気になる「大気汚染」をご紹介します。PM2.5、ヘイズ、黄砂等…一言に大気汚染といっても、
その種類は様々です。
中でも、今年も少しずつ警戒され始めたPM2.5。
マスクのパッケージや、空気清浄機のうたい文句によく書かれている「PM2.5」ですが、
実は発がん性リスクが最も高いグループ1と位置付けられています。
「PM2.5」その意味を知っていますか?
なぜPMと呼ばれているの?
Pはparticulate(微小粒子状の)、Mはmatter(物質)という意味です。
合わせて、PM(微小粒子状物質)という意味です。
2.5の意味とは?
PM(微小粒子状物質)のサイズと関係しています。PMの単位はギリシア文字「μm」(micrometer:マイクロメートル)で表されます。PM2.5とは、2.5μm以下の微小粒子状物質という意味です。
「μm」(micrometer:マイクロメートル)の長さとは?
1μmは1mmの千分の1、2.5μmは2.5mmの千分の1です。つまり、PM2.5とは、2.5mmの千分の1以下の微小粒子状物質ということです。
どのくらい小さい?
PM2.5は髪の毛の太さ(直径)と比較すると30分の1程だと言われています。どれ程小さいかが分かりますね。
出典:US EPA Particulate Matter (PM) Basics
https://www.epa.gov/pm-pollution/particulate-matter-pm-basics#PM
PM2.5は、何から出来ているの?
化学物質ですが、単一の物質ではなく炭素、硝酸塩、硫酸塩、金属を主な成分とする様々な物質の混合物です。PM2.5が日本の空を覆う時期
3月〜5月にかけては警戒時期
PM2.5の濃度が高くなる。その濃度とは?
PM2.5の濃度の単位は「μg/m3」(microgram/cubic metre:マイクログラム・パー・立方メートル)で表されます。大気の1立方メートルあたりに含まれるPM2.5の重量を示し、その重量の重い、軽い、によって濃度の高さを判断します。
「μg」(microgram:マイクログラム)の重さとは?
1μgは1mgの千分の1です(1gの100万分の1)。濃度の高い、低いの基準とは?
環境基本法第16条第1項に基づいた環境基準(平成21年9月設定)によると、1年平均値 15μg/m3以下
1日平均値 35μg/m3以下
とされています。
なぜ春(3月〜5月)は警戒時期なの?
偏西風によって飛来する
偏西風は、地球の周りを西から東へ向かって吹く風で、上空で観測されます。夏になると太平洋に温暖な高気圧が発生するため、大陸から低気圧が来なくなるので偏西風が吹きません。
グラフをご覧ください。
数年前のデータになりますが、3月〜5月にかけては15μg/m3を大きく上回っていることが分かります。
出典:政府公報オンライン
「PM2.5」による大気汚染 健康に及ぼす影響と日常生活における注意点
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/5.html
PM2.5に影響を受けやすい地域は?
九州地方や四国地方・西日本
中国大陸に近い九州地方や四国地方は特に影響を受けやすい傾向です。また、その他の広島県、大阪府、愛知県などの西日本でも、環境基準を超えるPM2.5の大気汚染が観測され始めています。
参考・分布予想図
以下の図は、日本気象協会・ALiNKインターネットが運営するサイト tenki.jpの「PM2.5分布予測」の図です。視覚的に分かりやすく作られていおり、中国大陸から流れて来るPM2.5の様子が良く分かります。
出典:日本気象協会 tenki.jp
http://www.tenki.jp/particulate_matter/
PM2.5が人に及ぼす影響
肺の奥深くに入り込むPM2.5
PM2.5は粒子が非常に小さいため、肺の奥深くにまで入り込みやすいと言われています。
そのため、特に呼吸器系疾患(喘息・気管支炎)や循環器系疾患のリスクを高めると考えられています。
影響を受けやすく、特に注意が必要な人
呼吸器系(気管支喘息、COPDなど)の病気がある人
循環器系(糖尿病・高脂血症など)の病気がある人
お年寄り子ども
医学的研究から
PM2.5の健康影響と対策:産業医科大学 呼吸器内科学 迎寛氏によれば、以下の症状が出やすいと考えられるそうです。
眼科系疾患(結膜炎)
眼のかゆみ、腫れ、流涙、目やに、等呼吸器疾患(上気道炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患, 肺がん、肺炎など)
くしゃみ、鼻水、咳、痰、喘鳴、呼吸困難(労作時、安静時)、等心血管系疾患(狭心症、心筋梗塞、不整脈、動脈硬化、血栓形成など)
動機、息切れ、胸痛、脈不整、血圧上昇、等神経・脳
頭重感、疲労感、不安感、うつ、等今日は外出日和?
PM2.5の情報収集方法は?
そらまめ君
環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」。空をマメに監視する「そらまめ君」のサイトです。
PM2.5以外の二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)などの状況も分かります。
http://soramame.taiki.go.jp/
tenki.jp
一般財団法人日本気象協会が運営するPM2.5シュミレーションモデル。PM2.5分布予測、日本国内の各地域の分布予測が分かりやすく作られています。
http://www.tenki.jp/particulate_matter/
環境省 大気汚染対策 微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
PM2.5に関する様々な情報がまとめられています。http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html
PM2.5の予防・対策
PM2.5の濃度が高い時、どのような対策を心がけられるでしょか。防塵(ぼうじん)マスク(規格N95・DS2)
花粉対策で使用するようなマスクではPM2.5の小ささに対応できないため、
防塵マスクでの対策が必要であると考えられます。
特に、以下の2種類の規格は、微粒子の捕集効率の高いフィルターを使っているので、PM2.5程の小ささまでも防ぐ効果があるとされています。
・N95
米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めた規格。
・DS2
日本の厚生労働省が定めた規格。
屋外での運動を避ける
鼻呼吸よりも口呼吸のほうが、PM2.5を肺の奥まで吸い込む可能性が高まるため、
マラソンのように呼吸器系への過度の負担が長時間続くような運動は避けた方が良いと考えられます。
窓の開閉を少なく
長時間窓を開けておくと、屋内のPM2.5 濃度が屋外と同じく濃くなってしまうので、窓の開閉や換気を必要最小限にとどめ、外気の侵入をできるだけ少なくしてPM2.5の吸入量を減らすことが有効だと考えています。旅行にもご注意。
世界の大気汚染(黄砂、ヘイズなど)
黄砂:東アジア(中国、モンゴル、韓国、日本)
黄砂は中国大陸の内陸部・ゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥した地域から、風によって高く巻き上げられた土壌や鉱物粒子が偏西風によって日本などにも飛来する現象です。ヘイズ:東南アジア(シンガポール、マレーシアなど)
インドネシア・スマトラ島などの焼畑農業や排気ガスなどの微粒子が原因となって起こる大気汚染です。インドネシアの乾季4月から10月にかけて悪化し、汚染された大気は南西モンスーンとともにシンガポールやマレーシアへと移動し被害をもたらします。東アジア、東南アジアに出張や旅行で行く機会がある人は、事前に大気汚染に関する情報もチェックすることをお勧めします。
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【参考サイト】
東京都環境局 微小粒子状物質(PM2.5)対策
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/PM2.5/
政府オンライン
「PM2.5」による大気汚染 健康に及ぼす影響と日常生活における注意点
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/5.html#anc03
NHKそなえる防災
第3回 黄砂の仕組みとその正体 地球環境への影響は?
http://www.nhk.or.jp/sonae/column/20140422.html
PM2.5の健康影響と対策
産業医科大学 呼吸器内科学 迎 寛 氏
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/cic/attach/briefing_h25-mat03.pdf
一般財団法人 新潟県環境衛生研究所
http://www.kanken-net.or.jp/request/unit/
佐賀県 PM2.5情報
http://www.saga-taiki.jp/pm25/pm25.html
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