「漢方・薬膳ではあなたは○○タイプ」!タイプ別体質診断に縛られすぎない方がいい理由。「私はわたし」。今の感覚を研ぎ澄まし健やかに生活を送る方法。
あなたは、色々なタイプ別診断、お好きですか?
私はとても好きです!笑
血液型・星座占いから、心理テスト、そして体質診断まで。
ついついネットで「わかる~!当たってる!」なんて試してしまいます。
IN YOUでも色々な診断記事をお伝えしてきました。
冷え性にもタイプがあった!東洋医学冷えタイプ診断。 あなたの体質に合った冷え対策で体の中から改善しよう。
五臓六腑を触って東洋医学的セルフ健康診断!無意識の『感情のクセ』を読みとり、気づけてない自分の気持ちと向き合おう
今は東洋医学・漢方の体質タイプ診断もたくさんありますよね。
多くは、体の不調や体型などをもとにして、その不調がどこからくるものなのかを判断するものです。
試してみて、結果に「わかる!」と感じましたか?
「全然ピンとこないんだけど」
「なんとなく当たってるような気がするけど、そもそも設問が難しい」
なんてことは無かったでしょうか?
今回は、東洋医学から見た、漢方タイプ別診断についてお話します。
あなたのタイプはどれ?? 自分の体って難しい!
下記Q.に、どちらかお答えください。
Q. (女性は)おりものは多いほうですか? 月経量は多いほうですか?
Q. お腹は柔らかい?かたい?
Q. あざはできやすい?できにくい?
Q. 呼吸は弱い?荒い?
いかがでしょうか?
「私はこっちです!」とハッキリ答えられますか?
他人のおりものや経血を見たことがないから、自分が多いほうかどうかわからない。
お腹の平均的な柔らかさがわからない。
あざを意識したことがない。
こんな気持ち、わきませんでしたか?
自分のことって、実はあまりわからないんです。
わたしは、タイプ別診断の結果はひとまず置いておいて、
まずは自分の体はどうなんだろう?と意識することに意義があると考えています。
「私のお腹ってかたいほうなのかな?」
「そういえばおりものが多い気がして不快だったんだよな」
「あざが気づいたら出来てることが、そういえば多い。これも漢方には関係あるのか」
こうして、改めて自分のからだを見つめてみたり意識することで、気づきがあったことが、大切です。
また一般的に、1~2時間ごとや、夜中に生理用品を数回かえる必要がある場合は
月経量が多いと言われていますが、当の本人が、月経量やおりものが「前より増えた」とか「とても不快で多い」と感じていたら、
その感覚のほうを大切にして汲み上げて解決を目指すのが漢方で大切なことだといえます。
漢方相談では、舌を見たり夢見を聞かれたり、予想してなかったことについて質問され
「そういえば私ってどうなんだろう?」と考えさせられることがあります。
実は、日ごろ自分のからだの細やかな状況を把握することって難しいことなんです。
YES?NO?タイプ別診断でどちらとも答えられない時はどうしたらいいの?
Q. 声は低くて弱い?強くて高い?
・・・・私の声は高いけど弱いほう。それはどっちになるの?
Q. 不安感はある?ない?
不安になることはあるし、そもそも生きてて不安にならない人なんていないんじゃない?
タイプ別診断をしていると、こんなケースもあるかもしれません。
ひとつ「不安感」をとっても、
「理由もない不安にずっととらわれてつらい」
「夜になると不安が強くなってなかなか寝付けない」
「不安になることはあるが夜は寝られるし食欲もある」
など、いろんなレベルがありますよね。
これも本人の実感が大切なのですが、タイプ別診断だとYESかNOしかないので、
微妙なニュアンスまで汲み取るのに限界があります。
ですので、漢方相談では、そんな細やかなそれぞれの状態をひろって総合的に見立て、合う処方や養生法が導かれるものです。
あくまでタイプ別診断は入門として、それが漢方や自分のからだの全てではない、
ということを頭においておくことが大切ですね。
異常はなくてもみんな一つや二つ、不調はある。そこを拾うのが東洋医学であり、漢方の考え方。
以前、私の記事でも触れましたが、私は慢性胃痛に悩まされていました。
胃カメラを検査などでも異常なく、医師に「何も異常ないので大丈夫です」と言われて困っていました。
そこでいくつか漢方を試してみると、ある漢方でスーッと胃が楽になって胃痛が治まりました。
「異常なし」と言われても続く不調に、漢方はきちんとケアをしてくれたのです。
「胃痛をなんとかしたい」という私の訴えから、
体がどういう状態で、もともとどういう体質になりやすいか、などを解いていって、
体全体を見て胃痛がどこから来ているのかを導き出すのが漢方のやり方でした。
タイプ別診断は、本人の実感する「まずは治したい不調」が先にくるわけではなく、総合的に体質をチェックするものです。
そのため、結果を見ても、自分の不調や今の実感とリンクしてないように感じることがあるかもしれません。
そんなときは、まずは自分の不調や実感を大切にすること。
診断結果がリンクしてないからといって「漢方は当たらない」「信用性がない」と決め込んでしまったり、
「自分の不調は気のせい」「診断結果がこう出たから、この不調はきっと関係ない」なんて思ってしまうのは正しいとはいえません。
その今、実感している不調をひろうのが、もともとの「漢方的」な性質であり、
タイプ別診断はあくまでひとつの体質チェックツールとして、
異常なし不調には、専門的知識のあるところで漢方相談をしてみることをおすすめします。
複雑に絡み合う陰陽五行
Q.目は疲れていますか?
タイプ別診断でよく見るこのような設問。
私も目は悪くて、視力は0.1無く、夜になるとカラカラ・・・。
なので答えは「YES」となるのですが、いろいろタイプ別診断をしていて、結果影響にばらつきがあることを感じました。
漢方の見立てをする上で、ひとつの哲学基盤となる「陰陽五行」という考え方があります。
ひとの体の生理機能や役割を、5つの「肝 心 脾 肺 腎」という臓がそれぞれ司っている、という考え方です。
この陰陽五行だと、目は、肝という臓と繋がりが深いとされています。
ところが、年をとると目が見えにくくなったりショボショボしますよね。
陰陽五行だと、老化に関係が深いのは、腎という臓です。
また腎は生殖を司ってもいます。
東洋医学で出産とは、お母さんの「腎気」という、腎のエネルギーのようなものを赤ちゃんにそそいで命を産み落とすことと考えられています。
ですので、出産後のお母さんは「腎気」が消耗している状態です。
出産後、目がかすむママが多いのは、漢方的にはこのような原理からなのです。
疲れ目といっても、肝 か 腎 どちらの不調であらわれるものとしているか、
もしくは両方の不調からきているのか?(五行で肝と腎はとても蜜な関係です)
タイプ別診断ごとに、その判断や導き方、精度にバラつきがあるのが、実際のところのようです。
千差万別の体質や症状について、その人の全体のバランスも含めた見立てをするものが漢方です。
さらに、陰陽五行をどれだけ見立てに反映させるかも、実は漢方の流派によって差異があります。
実証、虚証や、瘀血、気虚、気滞など、結果にはいろいろな言葉が出てきますが、そのどれかひとつであることも少ないです。
ここは実だけどこれは虚している、気滞と瘀血がともにある(気と血がともに滞っている状態)、ということが往々にあるのです。
ですので、一つではなく試しにいろいろな健康・薬膳などのタイプ別体質診断を試してみるといいかもしれません。
少しずつ差異があるのがわかるでしょう。
「漢方ってよくわからないけど何かのひとつの処方なんだよね?」と思われがちですが、
流派や、中医学か日本の漢方か、など、実は幅広いジャンルの学問でもあるのです。
漢方タイプ別体質診断はあくまでも参考に、自分自身の実感を大切に
近年、ひとの体、体質、症状や不調へ「漢方」というアプローチも効果があることが再認されてきました。その入門としてタイプ別体質診断はとてもわかりやすく、つかみやすいものです。
漢方と縁がなかった人には「自分の体ってこんな視点からも見ることができるんだ!」といった、新しい気づきをもたらしてくれるでしょう。
そこで大切なのが、ひとつのタイプ別診断が全てではなく、どのような流派で、
どういった陰陽五行の解釈でそのQ&Aを設定しているかで診断結果が違ってくること。
そして何より自分の抱える不調や、自分自身見つめ直し、感覚・実感を大切にすることが大事です。。
これらを忘れないで、診断結果を参考にし、自分なりの健やかな生活を目指してくださいね!
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