【インタビュー】
空前のオーガニックブームの中で、
本当に大切にしていきたいこと｜
人気YouTuber・吉本三奈さんが考える、
“オーガニック”な暮らしの本質的な価値とは？

こんにちは。
IN YOU journalです。

近年の健康志向、環境志向の高まりや
昨年末からの新型コロナウイルスの影響もあって、
食べ物を始め、化粧品、衣料品など、
様々なジャンルでオーガニック製品が急増、
ブームのようになっています。

メディアでもオーガニック関連情報が溢れ、
「SDGs」や「サステナブル」、「エシカル」
といった用語を耳にする機会も増えましたね。

そんな中、お気に入りのコスメやファッションの紹介を通じて、
ご自身のオーガニックなライフスタイルを
YouTubeで発信している、人気YouTuberの吉本三奈さんに、
今、オーガニックについて発信する意味について
お話をじっくりと伺うことができました。





では早速、そのインタビューの模様をレポートしていきましょう。

高校時代の「食品添加物」の授業が
すべての始まりでした

Q1, 本日はどうもありがとうございます。早速ですが、
YouTubeチャンネルはいつ頃、始められたのでしょうか？

A1, 2年半くらい前に『地黒のみなチャンネル』として配信を始めました。
タイトルの通り、肌の色についてですとか、オーガニックに対する興味がもともとあって、
そんなあれこれについて私がいま考えていることを発信できる環境が欲しいと
思っていたんです。

実は、YouTubeを始める前にはブログを書いていましたが、
ブログでは情報を届けられる範囲や内容が結構限られてしまうなと感じ、
動画の方がやれることが多いのでは、とスタートしました。

Q2, オーガニックの話題が出ましたが、
そもそもオーガニックに興味を持つきっかけは
どのようなことだったのですか？

A2, 高校生くらいの時だったと思いますが、
学校の家庭科の授業で学んだ「食品添加物の恐ろしさ」に衝撃を受けました。

それ以来、発がん性だとか健康リスクがある食べ物をみずから進んでは摂りたくないな、と
また添加物の害というものは、毎日体内に積み重なっていくものだと知り、
それならば、そんな食べ物を出来る限り摂らずにいられるなら摂りたくないと、
高校生ながら成分表示をきちんとみてから買い物するのが習慣になったんです。

そこからさらに調べて行く中で「オーガニック」というものを知り、
自然に興味を持つようになりました。

Q3, 添加物を使っていないオーガニックな食べ物は、
どのような点がよいと感じておられますか？

A３, 健康リスクが少ないことはもちろんですが、
添加物不使用の食べ物は優しい味わいがありますよね。
添加物が入っていないと、素材そのものの味がこれほども出るんだ、という驚きもあり、
シンプルに自分が好きなものが多かったんです。

食べているとホッとするし、(中毒のように食べ過ぎることもなく、)
自分のカラダが求めている分だけを食べられるとか、
そういった点にも魅力を感じます。

Q4， そうすると食べ物が入り口になって、
そこから、YouTube動画でよく取り上げているような
オーガニックコスメやファッションなどにご興味が
徐々に広がっていった、ということなのでしょうか？

A４, そうですね。
コスメでいうと、まずは口に入る可能性が高いリップとか口紅のことが
すっごく気になるようになり、さらに唇以外の肌につけるコスメにも
興味を持つようになりました。

ファッションについては、食べ物や化粧品と比べるとオーガニックのものは
まだまだ少ないと感じていますが、“エシカル”であることや“サステナビリティ”に
取り組んでいるアパレルブランドにはとても興味がありますし、
コットン製品であれば「オーガニックコットン」のものをなるべく選ぶようにしています。

とはいえ、食べ物についても身につける物についても
オーガニックであることにそこまで厳格にこだわっているわけではなく、
ナチュラルに、無理のない範囲で暮らしに取り入れられたらいいなと考えています。

Q5, 確かに、動画のタイトルや実際の内容を拝見すると、
そこまでオーガニックを全面に押し出されてはいませんね。
YouTubeの動画を通じて発信されたい、もっと大きなテーマが
あったりするのでしょうか？

A5, とても抽象的な言い方にはなってしまうのですが、
今、私自身は、自分の生き方のセンス（感性、感覚）を磨きたいと考えているんです。

そして、例えば何かモノを選ぶ際に、“オーガニック”を選択するというのも、
ひとつのセンスであると考えています。

私のチャンネルは、オーガニックにそれほど関心がない方にも
ご覧いただいているのですが、

例えば、動画で私がオーガニック製品を心地よさそうに選び、
紹介している様子を見た方が
「あ、なんかオーガニックって良さそう」と感じて、
暮らしの中にオーガニックを自然に取り入れていただくような
ことが出来たらいいな、ですとか
皆さんの暮らしをより心地良いものにするための
選択肢やヒントをご提案出来たらいいな、と考えています。

私たちの地球をもっと美しく出来るような、
もの選びとライフスタイルを提案したい

Q6, 吉本さんは何故、ご自身のセンスを磨くことを
それほどにも大切にされているのですか？

A6, ものごとを選ぶ時って、その人のセンスが深く関わっている、
その選び方で人生までが決まってくると感じています。

そして皆さんそれぞれがセンスがいい選び方をするようになったならば、
“地球ってもっと美しくなる”という気がしているんです。

この場合のセンスは「価値基準」や「美意識」、「審美眼」などとも
言い換えられると思いますが、

適当にではなく、きちんとしたセンスにしたがって
世界の人がものごとを選び取っていくことが出来るようになったなら
世の中はより良いものに変わっていくと思うんです。

Q7, 「添加物」という身近なところからのスタートが
どのようにして「社会」や「地球」という
より規模が大きなモノへと変化していったのでしょうか？

A7, 添加物について調べて行くうちに、オーガニックを知り、
それについても自ら深く学んでいく中で、
私たちが普段手に取っているものの裏に
どのような製造工程があるかや、
私たちには見えない部分で何かが汚染されていたり、
誰かが悲しんでいたりするという現状があると知りました。

調べることには限界があるものの、どんどんと深掘りをしていった結果
「結局、人間にとってどうかというより前に、
地球全体にとってどうかということを考えないと、
それが回り回って人間に来るんだな」ということを悟った瞬間がありました。


Q8, 多くの方は、たとえ環境汚染や、
立場の弱い人たちが搾取されるような状況を
ニュースなどで知っていたとしても、さらに深く知ろう、
もっと調べようとはなかなかならないと思うのですが、
吉本さんはそこで止まらなかったわけですね。

A8, そうですね。
YouTubeで動画配信をするようになったことで、
「いい加減な情報は発信出来ない」と
それまで以上にきちんと知りたい、調べたい
と考えるようになりました。

もっと言えば、例えばオーガニックコスメを紹介する時に、
ただ単に、「オーガニックだからいいんです」とだけ言うのは避けたいと思っていて、
それでどんどん調べていったという面があります。

これは私個人の考えですが、オーガニックは（人間のためとか、人間目線というより）、
地球規模で、地球全体のためにという意識があるのが良いところだと考えています。

そして、私自身、そこまで視野を広げてものを選べたら良いなと思います。

コスメでいえば、肌に優しいからオーガニックを選ぶという自分ゴトにプラスして、
結局自分が死んだ後の地球のこととか、今現在自分が見えていない部分に対しても
考えて行く必要があると思うんです。

現状では、オーガニックではないものがあまりに多くあり過ぎて、
その全ての生産の背景を知り尽くすこと、調べ尽くすことには限界がある中、
オーガニックのものを選ぶと、その点は「安心できるちゃんとした工程を踏んできた」という商品ですので、
気持ちよく使える、心地よさを感じられるはずと考えています。

“オーガニックブーム”について、今、私が思うこと

Q9, 世界的に健康意識や環境意識が高まる中で
今やオーガニックは一種のブームのようになっていますね。

A9, オーガニックが注目を浴びていることは
とても素晴らしいことだと思います。

その一方で、特にオーガニックコスメの分野では
「サステナビリティ」「エシカル」という用語だけを
全面に押し出すブランドがとても増えてきてしまっているように感じます。

中には、耳ざわりの良い、軽い言葉だけで
商品を売ろうとしているブランドもあるようです。

それらを目にした時に、何を感じられるか、ということが消費者にも
求められるようになってきているのではないでしょうか。

表面的な見た目の良さに釣られてしまうのではなく、
生産者、製造者の想いといった深い部分まで読み解かないと
本物のオーガニックを見つけることはなかなか難しくなっていると思います。

私自身はそういったオーガニックの本質的な部分を、
オーガニックにそこまで興味のない方にもお伝えしていけたらと考えてはいますが、
私の考えを押し付けることは絶対にしたくないので、
その発信の仕方については実は今も模索中です。

私自身も含め、消費者の皆さんもオーガニック製品の
選び方については迷われる部分が多いかと思いますので、
「こういうものだ」とか「こうするべきだ」という断定的な発言よりは、
「自分だったらこうするよ（こういうもの選びの仕方をするよ）」
という部分で何かを感じていただきたいな、と。

地球のためにセンスを磨くというメインのコンセプトが最初にあって、
その中の選択肢のひとつとしてオーガニックがありますよというのを
自然に伝えていけたら、と思います。

それは、誰から押し付けられたもの、一方的に与えられたものから導かれる行動や
選択はどうしても表面的なものになってしまいがちだと思うから。

そうではない情報発信の仕方を、私自身は今後も心がけていきたいですね。

Q10, 私たちが運営するオンラインオーガニックストアも、
オーガニックを巡る昨今の風潮にはやや危機感を感じており、
“国内1厳しい基準を目指す”という理念の元で
運営を行っています。

A10, 日本ですとまだそれほどオーガニック製品を扱う
実店舗が多くはない中、私も日常的にECサイトを利用して、
オーガニック製品を購入しています。

御社のECサイト「インユーマーケット」は商品数が圧倒的に多く、
選択の幅もとても広いですよね。
最近ですと、「福袋」や「おせち」まであって、とても買ってみたくなりました。

そして、本物かどうかよくわからないオーガニック商品が多い中、
ひとつひとつ商品について、なぜこれをセレクトしたのか、
用途や生産者のこだわりについてなどが、詳しく、しっかりと紹介されていて
愛や深い想いを持って選ばれていることがよく伝わり、
「こちらで買えば確実にいいものだ」という安心感があると思います。

☆吉本さんにIN YOU Marketのお気に入りプロダクトをご紹介いただいたYouTube動画はこちら。
『食や料理に対しての考え方/オーガニック食品・コスメご紹介/インユーマーケット』

多様な価値観を受け入れ、
本質を見極めようとすることの大切さ

Q11, 最後に、吉本さんの今後の目標についてお聞かせください。

A11, これまでの経験から思うことは、
自分でしっかりと調べたり、じっくりと考えたりした上で選択し、行動すると、
たとえ成功しなかったとしても自身の感性の精度を磨いてくれることに
確実に繋がるということです。

例えば、YouTubeを始めたことで
私自身は「発言に責任を持とう」とか、
「ちゃんと調べてみよう」という意識が以前より高まりましたし、
本質を見極めることの大切さを身をもって知りました。

また視聴者の方とのやり取り（コメント）や、
（オーガニックに関する情報を発信している）
他のユーチューバーの方のチャンネルを拝見し、
様々な方の考え方や意見に触れることで視野が広がり、
多角的な視点で物事を見られるようになりました。

その結果、自分と異なる意見を持つ人がいるという現実を
受け入れようとする目線も高まったと感じています。

こういった態度はオーガニックに対峙した時にも
求められることだと思っていて、
今後はオーガニックをさらにいろいろな側面から見たり、
考えたりしていきたいと思っています。

そして、これはどうしてもお伝えしておきたいのですが、
私は、自分の感性が絶対だとは決して思っていません。

だからこそ、私はただ「これがいい」と伝えるのではなく、
「こういう理由や考えでこういう風に選びました」
という経緯をきちんとお伝えすることを大切にしています。

私の感性が他の人にとっても良いということでは必ずしもなく、
それぞれの方が確かな情報や知識に基づいて
それぞれの暮らしのスタイルや価値観に合った感性で
ものを選んでいただくようになれば、
私たちの地球はもっとずっと美しくなっていくのではないでしょうか。